日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2003年年会講演予稿集
選択された号の論文の613件中151~200を表示しています
  • 鵜飼 武士, 金 範城, 関野 徹, 中山 忠親, 楠瀬 尚史, 新原 晧一
    セッションID: 1H12
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    ジルコニアセラミックスに電子伝導性を付与するために、セラミックスの粒界相に注目し、電子伝導性をもつ粒界相をセラミック多結晶体中に形成させることにより電子伝導性の付与を試みた。出発原料としてOY, 3Y、8Y─ZrO_2を用い、導電性ガラス相(Bi_2O_3-CuO-V_2O_5)をそれぞれに対して0~15wt%の範囲で加えた。その後、湿式、乾式ボールミル混合を経て焼結用混合粉末を作製し、常圧焼結、PECS 法による焼結を行った。XRD、伝導率測定ぴEM により評価を行った。PECS 法による焼結で、3Y-ZrO_2、8Y-ZrO_2 で正方晶、立方晶といった安定相を維持したまま伝導率を向上することができた。また、OY、3Y、8Y とジルコニアに固溶しているY_2O_3 の量が多くなるほど伝導率は悪くなることを確認した。TEM により導電性ガラス相が粒界相に形成されていることを確認した。
  • 金 範城, 関野 徹, 中山 忠親, 楠瀬 尚史, 新原 晧一
    セッションID: 1H13
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    これまでに本研究者らはアルミナ/金属酸化物の混合粉末を出発原料として用い、金属酸化物を金属に還元した後、焼結することにより、アルミナ/金属ナノ複合材料を作製してきた。この手法により、アルミナにナノレベルのニッケルを分散した材料の作製に成功し、優れた機械的な特性と磁気特性を兼備したいわゆる多機能調和型材料を具現化することに成功している。しかし、それらの研究の多くが単純形状の材料に関して取り組まれていた。ここで、常圧焼結法で複雑形状のナノコンポジットを作製することができれば、量産性やコスト面の優位性などから本材料の応用範囲が広がることが期待できる。本研究においては、ゲルキャスティング法を用いたナノコンポジット作製プロセスの改善をした。
  • 崔 成_, 小林 朋由, 西川 直宏, 本多 沢雄, 淡路 英夫
    セッションID: 1H14
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    PECS法により4.5×10-5 Torr の真空雰囲気で Al2O3/Cuナノ複合材料を作製した. 焼結温度の変化による機械的特性の変化を測定した. 相対密度は1250℃以上で焼結した焼結体で 98%以上の緻密体が得られた. また,破壊強度は 5vol%の Cu を添加したとき807MPa より 901MPa に増加した. しかし,破壊靭性はアニーリングにより損傷域の寸法が小さくなり, 低下した.
  • 崔 成_, 八木 英介, 本多 沢雄, 西川 直宏, 淡路 英夫
    セッションID: 1H15
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    PECS 法により4.5×10-5 Torr の真空雰囲気で Al2O3/Ni ナノ複合材料を作製した. アニーリング温度の変化は800℃, 1000℃, 1200℃とした. 相対密度は95%以上の緻密体が得られた. 破壊強度はアニーリング温度が増加することにずれ減少した. しかし, 800℃アニーリングした試験片の破壊靭性はアニーリング前のより高い値を示した.
  • 入江 正樹, 亀島 欣一, 岡田 清, 安盛 敦雄
    セッションID: 1H27
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    本研究ではAlの直接窒化法を利用し、低温でAlN粉末を合成することを目的としている。低温合成のために、原料のAl粉末へLi塩の添加後、遊星ボールミルを用いて乾式粉砕を行った。続いてこのAl粉末を窒素雰囲気下で500~800℃の焼成を行った。その結果、LiOH・H_2O を1.9mol%添加し、1時間粉砕を行ったAl粉末が最もAlNの合成に適しておりAlの融点より80℃以上低い580℃の焼成により、単相のAlN粉末が合成できた。窒化促進の要因として,表面に生成したりチウムアルミネート層による窒化反応の促進とAl粉末の微細化による反応性の向上が考えられる.
  • 堀田 憲康, 細道 善文, 米澤 歴, 飛塚 俊秀, 柳田 国宏
    セッションID: 1H28
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    Al粉末を反応温度1350~1550℃にてN_2-NH_3ガスを用い浮上式直接窒化反応させた. 浮上式直接窒化反応で未反応Alが含まれていたが,N_2雰囲気で1200℃および1400℃で60分,充填層窒化反応させた場合,その未反応Alを含む粉末は,2段階窒化によって完全にAlNに転化した.それらのAlN粉末は良焼結性をもち, Y_2O_3を添加することによって得られたAlNセラミックスは, 200W/mKという高い熱伝導率を示した.
  • 細道 善文, 柳田 国宏, 米澤 歴, 飛塚 俊秀
    セッションID: 1H29
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    透光性AlONセラミックスの作製を目的とし,焼結条件が焼結体に与える影響と焼結体が示す性質について検討した.高純度Al203,AlN粉末を使用し,それぞれを所定のモル比に秤量し,湿式混合を行った.次いで,減圧乾燥により混合粉末を乾燥させ,造粒後, 100MPaの一軸加圧成形により成形体を作製した.焼結は二段階で行ない,前段では常圧焼結を,後段では熱間等方圧(H.I.P)焼結により行った.1900℃の常圧焼結により得られた焼結体を,さらにH.I.P焼結したところ,透光性を有すAlONセラミックスを得ることができた.
  • 松本 祐輔, 多々見 純一, 目黒 竹司, 米屋 勝利, 矢野 豊彦
    セッションID: 1H30
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    AlNファイバーは出発原料のモルフォロジーを保持すると同時に、NH3-C3H8 混合ガスを添加した単一工程のみで合成可能なガス還元窒化法により作成した。得られたAlNファイバーは、AFM及びSEMにより微構造及び粒子サイズの観察が行われた。SEMにより合成ファイバーのモルフォロジーは出発原料と変わらないと判断されたが、一方 AFM による観察の結果、合成ファイバーの粒子サイズは出発原料の2倍であることが確認された。
  • 田村 貴志, 森谷 義明, 今村 誠, 大石 克嘉
    セッションID: 1H31
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    難焼結性として知られるAlNセラミックスが,焼結助剤を添加することにより常圧で得られることは周知の事実である。しかし,その焼結挙動に関しては,不明な点が多い。すなわち,それが「固相焼結」なのか「液相焼結」もしくは,その両方が関与したものなのかという点である。我々は,以前,粒界相の液相がAlNの焼結挙動に与える影響を調べた結果,その液相がAlNの焼結に非常に重要な役割をしていることを明らかにした1)。その後,逆に, AlN粒子の粒界に全く液相が存在しない場合において, AlNの焼結挙動がどのようなものになるかについて興味をもった。このような理由から,本研究では, AlN表面上の酸化アルミニウム成分と反応しても, 2000℃以下では,液相が存在しないMgOを焼結助剤に選び,このAlN-MgO (5wt%)系の焼結挙動を調べたので報告する。
  • 渡利 広司, 中野 裕美, 浦部 和順, 石崎 幸三, 森 克徳
    セッションID: 1H33
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    近年、半導体レーザー用サブマウント(熱吸収シート)、レーザー発信機用放熱基板、次世代型半導体製造装置部材として、単結晶並みの熱伝導率(250W/mK以上)を有するAlNセラミックスの開発が進んでいる。今回、AlNを窒化還元雰囲気で長時間焼成し、単結晶並みの熱伝導率を有する焼結体の開発に成功した。その特性及び微構造を詳細に調査したので報告する。その結果、添加したY量や不純物酸素量は還元焼成により大幅に低減できた。特に、粒内酸素量は単結晶と同程度であった。また、熱伝導率は単結晶並みの値が室温で得られた。微構造観察の結果、還元焼成の焼結体は粒界3重点等での第2相の結晶相の存在は見られず、2粒子界面の厚さはlnm以下でその化学組成はAl, Y、O (非晶質)で構成されていた。粒内には、TEMレベルでの転位、積層欠陥は観察されなかった。温度4~1000Kで熱伝導率を測定した場合、200~1000Kでは単結晶と試料Bとの熱伝導率の違いは見られなかった。温度200K以下では、単結晶と試料Bとの熱伝導率の大きな違いが観察され、これはフォノンの平均自由行程の計算から熱伝導の粒界効果による影響だと考察された。
  • 城所 隆, 山田 鈴弥, 平尾 喜代司, 山内 幸彦
    セッションID: 1H36
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    B_4C セラミックスは高い硬度を有し耐摩耗性に優れた材料であるが、低強度,低靭性であることから、その用途は極めて限定されている。これまでに、CrB_2, TiB_2等の金属ホウ化物粒子の分散複合化により機械的特性が向上することを示したが、本研究では同材料の摺動特性について報告する。作製したB_4C-TiB_2焼結体について、ブロックオンリング法により摺動特性を評価したところ、その比摩耗量はSi_3N_4材料と比較して小さいことがわかった。また、摩擦係数についても、相手材がSiCの場合、Si_3N_4材料よりも低く、今回の開発材料の優位性が見出された。
  • 納富 啓史, Uddin M.N., 山里 将朗, 永野 正光
    セッションID: 1H37
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    プラズマCVD法により窒化炭素薄膜(CN)をSi(100)基板上に調製した。前駆体としてHMTAを用いた。CN薄膜調製中のプラズマを、発光分光分析により解析した。調製した膜はAFM, XRD, XPS, Raman分光法により評価した。薄膜のXRD測定からα-とβ-C_3N_4が析出していることがわかった。Ramanスペクトルからα-及びβ-C_3N_4相の共存が確認された。XPSではsp^2とsp^3C-N結合が共に存在していることがわかった。プラズマの発光分析ではっ_2と比較して非常に大きいCNの発光ピークが観測された。HMTAが窒化炭素膜の前駆体として有望であることがわかった。
  • 米澤 歴, 飛塚 俊秀, 柳田 国宏, 細道 善文, 後藤 俊樹, 堀田 憲康
    セッションID: 1H38
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    反応温度800~1550℃にて浮上式還元窒化反応によりフレーク状窒化チタン粉末の合成を試みた. 薄片状窒化チタンは反応温度1200℃以上で合成された. N_2-NH_3-C_6H_<14>雰囲気,反応温度1300℃以上で窒化された粉末は茶色を示した. 全ての反応温度において生成粉末の比表面積および粒度分布は原料粉末の値とほぼ同一であった. 生成粉末を15 MPaにて加圧成型したものの電気抵抗値は, 反応温度の上昇に伴い減少した.
  • 井上 博文, 片山 恵一, 今井 雅三, 矢野 豊彦
    セッションID: 1I06
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    本研究では、焼結雰囲気を変えることにより焼結体を作製し、焼結体の酸素分析を行なうことにより微構造及び機械的性質に及ぼす助剤揮発の影響を検討した。1MPa の Ar 雰囲気中で 40MPa の圧力下1950℃で1時間ホットプレス法により焼結を行なって得られた焼結体の内側と外側の酸素分析を行なった結果、ガス圧をかけることにより、助剤の揮発が外側において抑制されていることが確認できた。XRD による相同定においても内側と外側で同じ生成相を持っていた。ガス圧の影響により SiO2 の揮発が抑制され、助剤分布の均一な焼結体が得られた.
  • 田中 英彦, 広崎 尚登, 西村 聡之
    セッションID: 1I07
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    11種の金属ホウ化物 5 vol%とB 2.5 vol%、C 3 vol%を加えて焼結した。そのうち、MoB, NbB2、TaB2、TiB2、VB2、WB と ZrB2 を添加すると、焼結中の粒成長が抑えられ、金属ホウ化物を加えないときよりも焼結密度が高くなり、緻密化が促進された。また2000℃で焼結が完了し、通常の常圧焼結法より低温で焼結できることがわかった。特にWBを添加すると低温で緻密化する傾向があった。そこで、WB、B の添加量を変えて焼結したところ、WB が2-6 vol%、B が 0.8-2.5 vol%とCが 3 vol%の添加物量で常圧焼結できた。IF 法による破壊靭性値は4.1 -4.8 M Pam^1/2で金属ホウ化物を添加しないSiCの値(3.3 MPam^1/2) より大きかった.
  • 須山 章子, 伊藤 義康
    セッションID: 1I09
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    反応焼結法によるSiCの製造プロセスは、Near-Net成形が可能な低温プロセスであり、工業的にもメリットがある。SiC+C→SiCの反応によるSiC生成時の体積膨張分の気孔を有するC多孔体を用いれば、Siの融点(1410℃)以上の温度で緻密なSi/SiC複合材料が製造できるものと考えられる。本研究では、機械加工性に優れた木炭を用い、Siを含浸することで反応焼結体を作製し、微構造及び分光放射率の評価を実施した。原料に気孔率約35%の木炭を用いて、減圧下1693Kで金属Siを溶融、含浸させて、反応焼結体を作製した。また、得られた焼結体を減圧下1873Kで熱処理して、遊離Siを除去し、多孔質焼結体を得た。反応焼結体及び多孔質焼結体について、研磨加工後の金属顕微鏡及びSEM観察、気孔率、気孔率分布、比表面積等の微構造評価を実施し、FT-IRにより反射スペクトルを測定し、放射率を算出した。
  • 須山 章子, 亀田 常治, 伊藤 義康
    セッションID: 1I10
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    反応焼結SiC(RS-SiC)の曲げ強度と含有する遊離Siの大きさに良い相関が見られることを明らかにし、平均曲げ強度が1000MPaを越える高強度RS-SiCを開発した。そこで、高強度RS-SiCの部品化技術の一環として、接合方法について検討している。本発表では、高強度RS-SiCの成形体どうしを有機系接着剤で接着させ、一体で反応焼結を実施した試験体を作製し、強度特性及び微構造を評価した。平均粒径約1μmのSiC粉末と平均粒径約0.3μmのC粉末を調合し、造粒粉末を準備した。CIP成形後、40×20×t5mmの形状に成形体を加工し、成形体どうしを有機系接着剤で接着して、40×40×t5mmの成形体を作製した。脱脂処理により接着層を多孔質化させた後、減圧下1693Kで金属Siを溶融、含浸させて、反応焼結を実施し、一体の焼結体を作製した。得られた焼結体は、中央部に接合層がくるように3×4×40mmの曲げ試験片を加工し、3点曲げ試験により、接合部の強度特性を評価した。そして、金属顕微鏡、SEMを用いて接合部の微構造観察を実施した。
  • 石山 新太郎
    セッションID: 1I11
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    核熱によって水から水素エネルギーを製造できるISプロセスの実用化に向けて、プロセス中の硫酸蒸発器の概念設計を実施した。本蒸発器は、強酸及び高温/高圧環境にあるため、その伝熱部はセラミックス材料を用いて設計されている。本発表では、硫酸蒸発器の概念設計を実施する上で必要な各種セラミックスの高温濃硫酸中での耐食性能ならびに概念設計された各種硫酸蒸発器実機の特徴ならびに性能評価について報告する。
  • 渡利 広司, 中野 裕美, 浦部 和順, 石崎 幸三, 森 克徳
    セッションID: 1I12
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    近年、小型電気部品・機器の高集積化に伴い、部材におけるサーマルマネージメントの重要性が認識され、ダイヤモンド、AlN、SiC、Si3N4等において更なる高熱伝導率化に関する研究が進んでいる。一方、焼結体の熱伝導率に関する論文において、焼結体の室温熱伝導率は主に粒子径、粒界の厚さにより決定されるという結論が多い。今回、SiC焼結体の熱伝導率温度依存性の評価により、理論的及び実験的にSiC焼結体の室温での熱伝導率は粒内の結晶欠陥に制御され、60K以下の低温において粒界効果により熱伝導率が低下することを明らかにした。同時に、詳細な微構造観察を行い、結晶欠陥についても報告する。得られた焼結体の熱伝導率は、500K以上の温度については単結晶とほぼ同じ値を示す。一方、300K以下では焼結体と単結晶の熱伝導率は大きく異なったが、温度(40K以下)に対する熱伝導率の勾配はほぼ同じ(≒3)であった。この勾配値は Klemens の理論的予測値から粒界による熱伝導率の低下であると示唆された。次に、焼結体の熱伝導率からフォノンの平均自由行程を計算すると60K以下の温度では約5μmと一定となった。これは、60K以下の温度ではフォノンは粒界の存在により主として散乱されるため、フォノンの平均自由行程は粒子径(約6μm)と同程度になるためであると考えられる。以上のように、粒界効果による熱伝導率の低減は低温(60K以下)において主として起こり、室温付近での焼結体の熱伝導率は違う因子(結晶の不完全性等)で制御されることを示す。
  • 本多 沢雄, 藤堂 剛, 西川 直宏, 淡路 英夫, 宮本 和也, 工藤 篤史, 大野 一茂
    セッションID: 1I13
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    DPF (Diesel Particulate Filter) に使用される,様々な気孔率,気孔径を持つ炭化ケイ素多孔体(気孔率40~80%および気孔径5~30ミクロン)について,赤外線放射加熱(IRH)法により熱衝撃試験を行った. 熱衝撃強度R1c を実験的に算出することにより,多孔体微構造と耐熱衝撃性の関係について定量的に評価することができた. R1c は気孔率・気孔径の増加とともに減少したが,気孔径に対してより強い依存性を示した.
  • 吉岡 良樹, 小西 幹郎
    セッションID: 1I14
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    SiCにBNを添加して得られたホットプレス焼結体を焼結後、焼結温度と同程度の温度で熱処理することで抵抗率1010Ω・cm以上の絶縁体に近い特性を持つ大型(直径 370mm)のSiC焼結体を得た。この焼結体は粒界に不純物相が存在しないことから、添加したBNからB,N 双方がSiC結晶粒に固溶し、ドナーとキャリアの補填効果により絶縁体に近い特性が得られていると考えられた。焼結体の組織観察や熱処理条件を変えて作製した試料の電気的特性を調べた結果から、熱処理温度や焼結体の微細構造によりB,N の固溶状態が変化し、誘電率や誘電損失値などの電気的特性が変化することが分かった。
  • 増本 博, 青木 穂, 後藤 孝
    セッションID: 1I15
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    CVD-SiCを電子サイクロトロン共鳴(ECR)プラズマを用いて, N_2-0_2およびAr-O_2雰囲気で、温度範囲 473~1073 Kで酸化させた。酸化速度に及ぼす反応温度、酸素分圧および結晶面(Si面とC面)の影響について調べた。N_2-0_2およびAr-O_2 両雰囲気において、C面の酸化膜厚の方がSi面より大きかった。酸化膜の構造はアモルファスSiO_2であった。Ar-O_2雰囲気での酸化膜形成はN_2-0_2雰囲気より低酸素分圧で進行した。CVD-SiCのECRプラズマ酸化は、低温における酸化膜作製に非常に有効であった。
  • 香林 和也, 高田 智司, 阿部 修実
    セッションID: 1I27
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    マシナブル・ガラス・マイカ複合材料の高強度化を目的として,原料粉末の微細化, チタニア,ジルコニア(YTZ)の添加,セルシアン添加を検討した.原料粉末を粉砕処理すると,マイカ粒子の長軸径が1.08μmまで減少し強度が147MPaから186MPaに改善された. 添加したチタニアは,ガラス相に溶解するため分散効果は認められず,粉砕処理とほぼ同じ強度になった. しかしながら,これを徐冷処理すると,チタン酸マグネシウムが析出して強度が226MPaに向上した. YTZは分散効果とマイカ粒子の成長抑制によって強度を向上させた. セルシアンを添加すると,セルシアンがガラス相に溶解して,マイ力の粒成長が顕著になる950℃付近よりも低温で十分に緻密化し, 204~265MPaの高強度が得られた.
  • 新川 裕生, 樽田 誠一, 北島 圀夫
    セッションID: 1I28
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    本研究ではマグネシアおよびアルミナ混合粉体にマイカ組成ガラスを添加し、焼結挙動および得られたスピネル/マイカ複合体の機械的性質について検討した。マイカ組成ガラスを添加すると1150~1200℃の範囲で急激に緻密化が進行した。このような焼結の進行は、約1000~1100℃での液相の形成に起因している。マイカ組成ガラスを40%添加して得られたスピネル/マイカ複合体は、超硬ドリルを用いて穴をあけることが可能であり、致命的なチッピングも見られなかった。この複合体の曲げ強度は約225MPaであった。
  • 加藤 孝幸, 兵頭 健生, 清水 康博, 江頭 誠
    セッションID: 1I29
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    メカノフュージョン法を用いてアルミナ中空粒子を調製することに成功した。その中空粒子の粒子は、市販のセラミックス中空粒子(アルミナバブル、フライアッシュ、シラスバルーン)に比べて高い強度を示した。これは、強度的に均一な粒子壁を持つことに起因していると考えられる。また、メカノフュージョン法で調製したアルミナ中空粒子をアルミニウムへ添加して作製した複合材の3点曲げ強度は、市販セラミックス中空粒子を添加した複合材料より高い値を示した。その破断面を観察すると割れていない真球状の粒子が確認でき、破壊がアルミニウム─アルミナ中空粒子の界面に沿って進行したと考えられる。
  • 李 鵬遠, 今井 雅三, 矢野 豊彦
    セッションID: 1I30
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    Two kinds of liquid-phase coating method, vacuum enhanced dip-coating and in-situ reaction deposition, was applied to coat LaPO4 on alumina fibers for improving the coating uniformity. Coating was characterized for thickness, microstructure and composition by SEM and XRD. The influence of the coating precursor concentration on coating uniformity and mechanical property of composites with the coated fibers by two coating methods was investigated and compared. The composites using the fiber coated by in-situ reaction deposition method showed better mechanical properties.
  • 熊谷 尚紀, 李 眞昊, 加藤 俊作, 森吉 孝, 吉村 昌弘
    セッションID: 1I31
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    本研究では、代表的な炭素繊維であるPAN系炭素繊維とピッチ系炭素繊維の高温高圧水溶液中(400℃から800℃、1 00MPa、24時間)での腐食挙動を調査した。炭素繊維は、500℃以下では酸性溶液、アルカリ性溶液の両方で優れた耐食性を示したが、700℃以上の特にアルカリ性溶液で急激な重量減少を示した。高い温度で反応するにつれて、sp3結合やsp2結合を示すラマンピークが鋭くなった。我々は、炭素繊維外側の非黒鉛化組織から腐食が始まり、温度が上昇するにつれて内側の微結晶黒鉛化組織にまで腐食が及ぶと結論づけた。
  • 田邊 靖博, 渡邊 智之, 荻田 泰久, 安田 榮一
    セッションID: 1I32
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    C/C複合材料の疲労特性に対する水の影響について調べた。その方法として、大気中および、水中、水が溶けにくい真空ポンプ油中で繰り返し疲労試験を行なった。その結果、大気中での亀裂進展速度に比較し、水中では高くなり、油中では低くなることが分かった。したがって、大気中の繰り返し疲労試験において、荷重繰り返し効果が亀裂進展速度に最も大きな影響を与えているが、大気中の水の影響も無視できないことが分かった。
  • 前田 英司, 岸 和司, 谷 英治
    セッションID: 1I33
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    2段反応焼結法で繊維強化炭化ケイ素複合材を製造する際の強化繊維として炭素繊維を用いた場合に、その製造条件が諸特性に与える影響について調べた。試料の原料には、炭素繊維の織布(CF)とカーボンペーパー(CP)を使用した。CFはフェノール溶液に、またCPはフェノールとシリコン粉末の溶液に浸漬し、乾燥させた後成形し、炭素化とフェノール溶液の再含浸を数回行った後、真空中1450℃で反応焼結とシリコンの溶融含浸(2段反応焼結)を行った後、3点曲げ試験を行った。CP用溶液のSi/Cモル比は0.8~1.0前後が適当であり、この比が小さいと界面強度が弱く弾性率が低かった。CFがCPより少ない場合には、フェノール樹脂再含浸回数の多い方が繊維強化の効果が増大した。また、CFを浸漬するフェノール溶液の濃度にも最適な濃度が存在することがわかった。
  • 兼子 直記, 吉田 克己, 今井 雅三, 橋本 和明, 戸田 善朝, 矢野 豊彦
    セッションID: 1I34
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    炭素被覆を行ったSiC 繊維 (Tyranno SA)を用いて, SiC長繊維強化SiC基複合材料の作製を行った. Tyranno SA への炭素被覆には,1700℃-1800℃, 0.5h-2h,真空中で熱処理を行った. 原料粉末としてβ-SiCを,焼結助剤としてAl2O3,Y2O3,CaO を用いて,ドクターブレード法を用いてグリーンシートを得た. それらを用いてホットプレス法で焼結した. 複合材の強度は,繊維に熱処理を施していないものに比べ, 低い値を示す傾向が得られた.
  • 井川 直樹, 田口 富嗣, 山田 禮司, 實川 資朗
    セッションID: 1I35
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    SiC繊維強化SiC複合材料(SiC/SiC)は、低誘導放射能特性や高温安定性などから、核融合炉用構造材料として注目されている。一般にSiC/SiCでは、繊維の引き抜け効果等を得るために繊維─母相間に界面材料を用いている。近年、従来よりも高温安定性や耐酸化性に優れた高結晶性SiC繊維が開発され、酸化物系の界面材料の利用が可能と成りつつある。本研究では核融合環境下で使用が可能な低放射化-耐照射性界面材料開発の一環として、SiC繊維上へのSiO_2系酸化物被膜の作製とその機械特性について検討した。SiO_2系被膜層は2回のdip処理によりほぼ繊維全表面に形成された。X線回折の結果から、被膜層はアモルファス状態であった。これら被膜した繊維の引張強度は、被膜を作製しない繊維と同程度の強度を維持していることが分かった。
  • 井上 貴博, 鈴木 雅人, 袖岡 賢
    セッションID: 1I36
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    界面層といてAl_2O_3を導入したSiC繊維強化/SiC複合材料を、繊維巻上法とPIP法を用いて作製した。表面にα-Al_2O_3粉末、γ- Al_2O_3粉末及びAl(OC_3H_7)_3を被覆したSiC繊維を、SiC粉末を懸濁させたポリ力ルボシラン/ヘキサン溶液中に浸漬し巻き取ってシートを作製し、これを473K, 20MPaの条件で加圧成形した。この後1473K, 1.8ksの条件で熱分解を行い、複合材料を作製した。作製した複合材料は典型的な非脆性破壊と大きな破壊仕事を示し、被覆Al_2O_3粉末が粗いほど高い強度と破壊靭性値を示した。
  • LEE Jse-Seol, 今井 雅三, 矢野 豊彦
    セッションID: 1I37
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    Green sheets of the composites using Tyranno SA short fibers with Al2O3-Y2O3-CaO and ZrO2-Y2O3-Al2O3 sintering additives were prepared by tape-casting, and then there were stacked and hot-pressed at 1650-1750°C. The short fibers were mostly aligned along sheet forming direction and long axis of bend bars, i. e., perpendicular to the hot-press direction. From SEM observation, the SiC matrix was found to have a relatively uniform microstructure composed of fine SiC grains with smaller size than 1 mm.The pullout of short fibers was observed in the case of the composites used ZrO2-Y2O3-Al2O3 additives, however fracture behavior of the composites was catastrophic. Bending strength of the composites with Al2O3-Y2O3- CaO additives was higher than that of the composites with ZrO2-Y2O3-Al2O3 additives.
  • 田口 富嗣, 井川 直樹, 山田 禮司, 實川 資朗
    セッションID: 1I39
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    SiC繊維強化SiC複合材料(SiC/SiC)は優れた高温強度を有することから、核融合炉への応用が期待されている。これまでに低放射化の観点から、BN層の代わりにC/SiC二重層の界面処理した繊維を用い、緻密化が可能な反応焼結法によりSiC/SiC複合材料を作製し、その機械的強度結果を報告した。近年、耐照射性及び耐熱性のよい高結晶性SiC繊維が開発されている。反応焼結法では、1420℃での高温の熱処理を伴うため、耐熱性のよい繊維を使用することが望まれる。そこで本研究では、従来のHi-Nicalon繊維及び高結晶性SiC繊維であるHi-Nicalon type S繊維を用いて反応焼結法によりSiC/SiC複合材料を作製し、本材料の機械的特性に及ぼす高結晶性SiC繊維の影響を検討した。その結果、高相対密度(約90%)のSiC/SiC複合材料を作製できた。曲げ試験において、Hi-Nicalon及びHi-Nicalon type Sの繊維を用いた試料は、共にC/SiC二重界面層を施したためプルアウトを生じ、非脆性破壊を起こした。Hi-Nicalon type Sを使用した試料の強度が、Hi-Nicalonを使用した試料に比べ大きい値を示した。これは、耐熱性の優れたHi-Nicalon type Sを使用した試料の方が繊維の劣化が少なかったためと考えられる。
  • 山田 禮司, 井川 直樹, 田口 富嗣
    セッションID: 1I40
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    宇部興産製チラノSA繊維は高い熱伝導率を有することで知られている。ここでは、SA繊維(直径10μm)を3次元に織布したプリフォーム(X:Y:Z= 1:1:0.09, 1:1:0.2, 1:1:0.45, 1:1:1.23)を用いて、CVI及びPIP/CVI法によりSiC/SiC複合材料を製作し、その熱拡散率及び熱伝導率を評価した。その結果、試料厚み方向の熱伝導率として、室温付近で40~60 W/mK,1000℃付近で20~30 W/mKの高い値を得た。熱伝導率は繊維の配向方向依存性に関しては、低温領域では厚み方向に繊維を高配向した場合、熱伝導率の向上が見られたが、高温領域ではその効果は小さく、また試料密度にバラツキが有る場合、その効果は明確ではない。
  • 深尾 真司, 中西 義一, 伊藤 嘉昭, 吉門 進三
    セッションID: 1J06
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    LiNbO_3単結晶から温度変化によって放出される電荷について報告する.電流は直流電流とパルス電流の2種類存在した.電荷量は雰囲気の圧力,種類に依存し,約5Paで最大となった.圧力を1.3×10^<-3>Paと高真空にした時には電流は検出されなかったことから,気体原子・分子が電流発生にかかわっていると考えられる. 電流の正負は,電極に向かい合わせる結晶の電気面に依存した. ステンレスの試料台の上に単結晶を置いただけの時は,電荷量は雰囲気気体の第一イオン化エネルギーに関して,Boltzmann因子に比例した. しかし, 試料台と単結晶を電気的に同電位にすると,電流は検出されなくなった.
  • 佃 洋, 井上 好章, 内山 休男
    セッションID: 1J07
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    LaCrO_3は固体電解質燃料電池用インターコネクタ材料などを,高温での安定性と導電性が必要な環境での実用化が期待される。 しかし, LaCrO_3は緻密化が難しいが,筆者らはTiの置換が焼結性改善に有効であることを報告した。本報告では, Ti置換がLaCrO_3の特性,特に高温で用いる機能性材料として重要な熱膨張挙動と導電率に及ぼす影響を検討した。
  • 山中 伸介, 松田 哲志, 牟田 浩明, 黒崎 健
    セッションID: 1J08
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    ペロブス力イト型酸化物の物性研究は個々の化合物ごとに行われており、系統的研究は少ないのが現状である。一方原子力分野においては、高燃焼度酸化物燃料中において、核分裂生成物の一部がペロブス力イト型酸化物を形成することが確認されている。燃焼が進んだ際の燃料ペレット全体としての物性を把握するためには、燃料母材の物性もさることながら、析出する個々の相の物性も把握しておく必要がある。このような背景のもと本研究では、高燃焼度燃料の特性評価に役立てることを目的として、(Ba,Sr)(U,Pu,Zr,RE,Mo)O_3系ペロブス力イト型酸化物の各種基礎物性を系統的に測定・評価した。対象化合物として、BaUO_3,BaZrO_3, Ba(U,Zr)O_3, BaCeO_3, BaMoO_3, SrZrO_3, SrCeO_3を選定し、結晶構造・格子定数などの結晶学的性質、融点・熱膨張率・熱容量・熱伝導率・デバイ温度などの熱物性、各種弾性定数・微小硬度などの機械的特性、電気抵抗率・ゼーベック係数などの電気的特性について、系統的な物性研究を実施した。
  • 松田 哲志, 牟田 浩明, 黒崎 健, 山中 伸介
    セッションID: 1J09
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    Ba系ペロブス力イト型酸化物は、原子炉燃料ペレット中で形成される可能性があり、その挙動評価は重要であるが、その熱物性は十分に理解されていない。本研究では、Ba系ペロブス力イト化合物を合成しその熱物性を評価し考察した。Ba系ペロブス力イト型化合物として、BaUO_3、BaZrO_3、BaCeO_3 及びBa(U_<1-x>Zr_x)O_3を固相反応にて合成した。得られた試料の結晶構造をXRDにより同定した。それぞれ機械加工し熱物性評価用の供試体とし、示差熱膨脹計により熱膨脹率を、トリプルセル型DSCにより比熱を、サーマルアレスト法により溶融温度を測定した。熱伝導率についてはレーザーフラッシュ法により得られた熱拡散率と比熱から評価した。いずれの試料も単相の化合物であることを確認し、また固溶系についても Vegard 則に従う固溶体が得られたことを確認した。これら試料の熱物性を評価し、系統的に整理し考察を行った。
  • 黒崎 健, 松田 哲志, 牟田 浩明, 山中 伸介
    セッションID: 1J10
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    本発表では高燃焼度燃料中に析出するペロブス力イト型酸化物のうち、BaUO_3, BaZrO_3, Ba(U, Zr)O_3, BaCeO_3を選定し、特にその機械的特性についての研究成果を報告する。試料の各種弾性定数は超音波音速測定法で評価した。これは試料中を伝わる音速から弾性定数ならびにデバイ温度が評価できるものである。得られた弾性定数は有限要素法解析により100% T. D. に対応する値に補正した。微小硬度はビッカース硬度計を用いて測定した。音速測定・硬度測定ともに室温・空気中にて実施した。弾性定数は BaZrO_3, BaCeO_3, BaUO_3の順に大きな値を示し、ビッカース硬度はBaUO3が最も大きな値を示すことが確認された。なおBa(U,Zr)O_3固溶体の結果と物性間の相関研究等の考察結果については当日報告する。
  • 井本 英夫, 単 躍進, 手塚 慶太郎, 川上 修裕
    セッションID: 1J11
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    我々は秩序ペロフスカイト型酸化物Cd_3TeO_6に、Mn^<2+>イオンを固溶することによる結晶構造および、物性の変化について調査した。試料Cd_<3-x>Mn_xTeO_6 (0.0≦x≦0.65)は固相反応法により合成された。合成された試料は粉末X線回折による相の同定、5NSiを内部標準とした格子定数の算出、Rietveld解析を行った。また、交流二端子法により静電容量と誘電損失を測定し、その温度依存性を調査した。Mnの置換量が増加するにしたがって、格子定数a、b、c共に直線的に減少した。合成した試料のほとんどは電気抵抗が大きく、絶縁的であった。Cd_<2.35>Mn_<0.65>TeO_6の比誘電率は室温で約25であった。室温以下では温度依存性は小さく、室温以上では温度の上昇に伴い急激な増加が見られた。
  • 手塚 裕之, 単 躍進, 井本 英夫, 手塚 慶太郎, 岡部 博孝, 的場 正憲
    セッションID: 1J12
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    アルカリ金属Li^+、Na^+の置換により、Cd_3TeO_6へのホールドーピングを行った。Li^+、Na^+置換試料Cd_<3-x>A_xTe0_6(A=Li^+, Na^+)において、ゼーベック係数を測定したところ、すべて負の値であり伝導キャリアは電子で、ホールドーピングが実現しなかったことが分かった。このことから、価電子帯である02p軌道にホールドーピングによってできたホールは、伝導性に寄与できない状態にあると思われる。そこで、Cd^<2+>サイトをCu^<2+> で置換することにより3d軌道を導入し、02p軌道と混成したCu3d軌道へのホールドーピングを試みた。Cu^<2+>置換のみの試料Cd_<3-x>Cu_xTeO_6において、ゼーベック係数が負であったが、その上にアルカリ金属の置換を加えるとゼーベック係数は正の値であり、キャリアが電子からホールに変化した。
  • 三浦 いずみ, 単 躍進, 井本 英夫, 手塚 慶太郎
    セッションID: 1J13
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    熱電変換材料は今、注目されている材料の1つである。熱電変換材料の性能は、熱電性能指数ZTで表され、Zは、Z=S2/κρである。Sはゼーベック係数、κとρはそれぞれ熱伝導率と電気抵抗率である。ZTが大きいものほど熱電性能は良い。ペロフスカイト型酸化物Cd3TeO6は、単斜晶系で空間群P21/nに属するn型半導体であり、電子ドープさせたcd3TeO6は良い熱電性能指数を示す。しかしこの物質は、電子ドーピングによって電気抵抗率がかなり小さくなったが、ゼーベック係数も急激に小さくなってしまった。この物質の熱電性能を向上させるためには、ゼーベック係数を大きくする必要がある。そのため、本研究では同じ結晶構造を持ち絶縁体であるCaを固溶させたCaxCd3-x TeO6単結晶の合成を試み、その電気物性と構造を調べた。
  • 黒崎 健, 松田 哲志, 牟田 浩明, 山中 伸介
    セッションID: 1J14
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    我々のグループでは分子動力学(Molecular Dynamics: MD)法を用いて、これまでにU-Pu-N-O 系について研究をすすめてきている。このような背景のもと、本研究では、BaUO_3 についてMD計算を実施し、熱容量や熱伝導率を評価した。Ba^<3+>, U^<4+>, O^<2-〉イオンをペロブス力イト型立方晶に配置した体系で、周期的境界条件のもと分子動力学計算を実施した。原子間相互作用はBusing型+Morse型ポテンシャルを用いた。各イオンのポテンシャルパラメータは、BaUO_3の格子定数の温度変化と圧力変化の実験値を再現するよう試行錯誤的に決定した。計算には分子動力学プログラムMXDORTHOをカスタマイズして用いた。格子定数の温度依存性の計算結果と実験結果はよく一致し、計算によりよく再現できた。格子定数の圧力依存性についても同様の確認を行った。このようにして決定した原子間ポテンシャルを用いて分子動力学計算を実施し、熱膨張率、圧縮率、熱容量、熱伝導率等を評価した。結果は当日報告する。
  • 牟田 浩明, 松田 哲志, 黒崎 健, 山中 伸介
    セッションID: 1J15
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    Laを添加したSrTiO_3 は高い出力因子を示し、安価で毒性の少ない新規熱電変換材料として期待される。しかしその高い熱伝導率が性能を減少させており、これを減少させる必要がある。これまで希土類元素の種類を変え熱伝導率の低減を試みたが、十分な性能は得られていない。本研究ではさらなる性能向上を目指し、固相反応法によりLaを添加したBaTiO_3および(Ba, Sr)TiO_3を作成し、室温から1073 Kまでの電気伝導率、ゼーベック係数および熱伝導率を測定した。
  • 大垣 武, 大橋 直樹, 坂口 勲, 関口 隆史, 羽田 肇
    セッションID: 1J27
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    ZnOはGaNと同じウルツ鉱型の結晶構造を持ち、格子定数も近いため、サファイア基板に低温堆積層を用いたGaNよりも高品質な薄膜成長が実現できる可能性がある。そこで本研究では、MBE法によりぺnO単結晶基板上にGaNを作製し、その結晶性、発光特性について検討した。GaN薄膜はMBE法により作製し、K-cellからGaを、ラジカルガンから活性化した窒素を供給した。基板には市販されている水熱合成法により育成されたZnO単結晶を用いた。GaNの成長はZnO単結晶の0001面、11-20面0-11面上に行った。作製した薄膜はXRD測定ちFM観察ばL測定を行い、結晶性と発光特性を調べた。XRD測定、X線極点図測定の結果ぺnOの0001面基板上に作製したGaN薄膜は、基板上にエピタキシャル成長していることが確認された。PL測定結果からZnO基板上に作製した薄膜は、紫外領域に強い発光を持ち、可視領域の発光が極めて弱いことがわかる。これらの結果から、ZnOがGaN薄膜の基板として有効であることがわかる。
  • 両見 春樹, 安達 裕, 坂口 勲, 大橋 直樹, 竹中 正, 羽田 肇
    セッションID: 1J28
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    PLD法により、ZnOにMg、Alを添加させた薄膜を作成し、X線あるいはPL強度などの影響について研究した。基板温度が300℃と低い場合には、超格子膜特有のサテライトピークが明瞭に観察され、急峻な界面を有する超格子の形成が示唆された。また、基板温度600℃の膜ではPL波形のピーク波長が無添加のZnO薄膜のピークより低波長側にシフトしていた。これは、AlやMg が成膜中に層間を拡散し、無添加であるべき層がAlやMgで汚染されたことによると考えられる。
  • 福栄 信一, 安達 裕, 両見 春樹, 坂口 勲, 大橋 直樹, 竹中 正, 羽田 肇
    セッションID: 1J29
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    パルスレーザー蒸着(PLD)法では、ターゲット~基板間の相対位置、及びレーザーパルス照射の繰り返し周波数が、製膜速度や得られる膜の品質に影響する重要なパラメータと考えられる。本研究では、高品質の酸化亜鉛(ZnO)薄膜の合成を目的とし、この基板位置やパルス周波数が、PLD合成したZnO薄膜の成長速度、発光特性や平滑性及び結晶性に与えている影響について検討した。
  • 川村 裕二, 大垣 武, 掛本 博文, 和田 智志, 鶴見 敬章
    セッションID: 1J30
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    酸化亜鉛薄膜は,透明導電体,紫外域発光レーザー等の応用を考え,積極的に研究されている.特に薄膜の高品質化においては酸素ラジカルが有効であるといわれており,酸素ラジカルを用いた成膜が盛んになされている.そこで,本研究では,ラジカル酸素の発光スペクトルを測定することにより,その波長・発光強度と電気特性の関連を調べた.また,酸素ラジカルの元で,Alをドープした高品質な酸化亜鉛薄膜を作成することにより, 2.1×10-4の低抵抗率の薄膜を得ることが出来た.さらに,酸化亜鉛単結晶基板上にAlドープ酸化亜鉛薄膜を成膜することにより,人工超格子の薄膜を作成しその電気特性を調べた.
  • 中川 光晴, 田中 健三, 岡元 智一郎, 川本 昂, 高田 雅介
    セッションID: 1J31
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    次世代の2次エネルギーとして期待されている水素は、可燃性・爆発性を有する気体であるため、水素ガスセンサーの開発が必要となっている。我々はPd薄膜の水素化反応に伴う光学特性変化を捕らえることを原理とした光検知式水素ガスセンサーの研究を行ってきた。これまでにPd薄膜を用いた光検知式水素センサーが、室温において優れた応答・回復特性を示すという結果を得た。しかし、膜厚が数十nm以上のPd薄膜は、水素化時の10%もの体積膨張に起因して表面形状が変化し、感度が低下するという問題を有していた。最近、有機基板を用いることによって、水素化に伴うPd薄膜表面の形態変化が抑制され、耐久性の高いセンサー試料が得られることがわかってきた。本研究では、ステアリン酸(SA)をPd薄膜とガラス基板との間のバッファー層として用い、試料の表面形状および光学特性の変化を検討した。
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