日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
2003年年会講演予稿集
選択された号の論文の613件中251~300を表示しています
  • Najafov Hikmat, 時田 修二, 大塩 茂夫, 齋藤 秀俊
    セッションID: 1M35
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    CVD法によって作製されたTiO_2の蛍光特性を広い温度範囲において調査した。低温におけるUVレザー励起によりセルフトラップエキシトン発光のよる緑色の発光を観測した。カソードルミネッセンス測定において紫外線の発光があった。この発光ピークのエネルギーは、TiO_2のバンドギャップ(~3.35eV)と良く一致した。緑色及び紫外の発光は、 リニア カップリング コンフィグレイション クーディネイトモデルで説明することができる。
  • 深田 裕介, Najafov Hikmat, 大塩 茂夫, 齋藤 秀俊
    セッションID: 1M36
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    大気開放型CVD法により作製したZnOウイスカーは電子励起によって強い紫外線発光が得られる。ZnOの結晶成長プロセスを評価するために、結晶形態とZnOウイスカーのカソードルミネッセンス強度の関係を調査した。ZnOウイスカー群とZnO多結晶膜を実験に用いた。ZnOウイスカー群の紫外線発光強度はZnO多結晶膜より強いことが観察された。これは結晶成長が連続膜からウイスカー形状に変化するときカソードルミネッセンス強度が増加することを意味する。
  • 深田 裕介, Najafov Hikmat, 大塩 茂夫, 齋藤 秀俊
    セッションID: 1M37
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    われわれは大気開放型CVDによって(100) Si基板に、カソードルミネッセンスにより385 nmの紫外線発光が確認されているZnOウイスカーを作製した。本研究では、電子線の照射角度を変えることにより、より強く発光する電子入射角度を調査する。ウイスカーを成長方向に対して電子線入射角度を0 から45゜に傾けるほどCL強度が増す。45 が最適角度であることが分かった。
  • 鷲尾 司, 大塩 茂夫, 齋藤 秀俊
    セッションID: 1M38
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    われわれは鋭利な先端を有するZnO:Alウイスカー群上に低仕事関数材料であるアモルファス水素化窒化炭素膜を電子放射先端材料としてコーティングすることにより、ウイスカー型冷陰極を作製・評価してきた。本研究では二次電子放射能が比較的大きく、耐スパッタ性を有するMgO多結晶薄膜を電子放射先端材料に選択した。電界放射特性を評価した結果、閾値電圧は390 Vであり、印加電圧1.8kVにおける放射電流は1.8mAであった。
  • 鷲尾 司, 大塩 茂夫, 齋藤 秀俊
    セッションID: 1M39
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    われわれはウイスカー型冷陰極を用いた平面照明素子を構成した。本研究では、分光放射輝度計を用いて20×30 mm^2の赤色平面照明素子の輝度を測定した。引出電圧 570V、加速電圧8kVにおいて、輝度1250 cd/m^2が得られた。
  • 佐藤 裕子, 大塩 茂夫, 齋藤 秀俊
    セッションID: 1M40
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    これまで、優先配向Y_2O_3:Eu^<3+>ウイスカーがランダム配向Y_2O_3:Eu^<3+>多結晶膜より、高い発光強度を示したことを報告してきた。今回、ウイスカーの優先配向軸を<100>及び<111>に配向制御を行い、ウイスカーの配向方向と発光強度の関係について調査した。作製した<111>及び<100>Y_2O_3:Eu^<3+>蛍光ウイスカーの発光スペクトルより、スペクトル形態に違いは見られなかった。また、最大発光強度を示した2つの試料、6.5 at.%Eu^<3+><100>Y_2O_3蛍光ウイスカーと 5.5 at.%Eu^<3+><111>Y_2O_3蛍光ウイスカーでは、強度にほとんど差は見られなかった。
  • 佐藤 公泰, 渡利 広司, 熊谷 友里, 小暮 敏博, 田中 順三
    セッションID: 2A06
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    10,12-ペンタコサジイン酸(PDA)の重合膜を炭酸カルシウムの過飽和水溶液に浸漬した。水溶液には、Ca^<2+>の10倍量のMg^<2+>を添加した。また、Sr^<2+>を加えた水溶液にも膜を浸漬した。Sr^<2+>を含まない炭酸カルシウム水溶液に浸漬したところ、重合膜上に紡錘型の析出物が形成された。この析出物はマグネシウムを含むカルサイト単結晶であった。その c 軸は紡錘型結晶の長軸と平行であり、PDA膜の重合方向に垂直であった。Sr^<2+>を含む水溶液の場合、基板上に針状結晶のアラゴナイトが形成された。無機・有機界面におけるPDA膜のカルボキシル基と結晶中のカルシウム・炭酸イオンのコンフォメーションがカルサイト単結晶の方位を規定したと考えられる。
  • 伊藤 哲哉, 増田 佳丈, 米澤 徹, 河本 邦仁
    セッションID: 2A07
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    溶液中においてカチオン性保護剤の存在下でAgイオンを還元することによりカチオン性Agナノ粒子を調製した。またびi基板表面全体をカチオン性自己組織膜(SAM)で修飾した。このSi基板に導電性プローブを用いてAFMにより電圧を印加して陽極酸化し、局所的にシリコン酸化物を形成させた。その後、基板を高濃度のAgナノ粒子分散水溶液に浸漬し、陽極酸化によりシリコン酸化物を形成した部分にのみ選択的にAgナノ粒子を配列させることに成功した。Agナノ粒子はカチオン性であり、かつ、水溶液中でゼータ電位が負であるシラノール基と静電引力および、カチオン性のSAMとの静電反発により、選択的に配列されたのである。
  • 木下 直人, 増田 佳丈, 米澤 徹, 河本 邦仁
    セッションID: 2A08
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    我々は、ZnO薄膜のマイクロパターンを作成するために、無機-有機界面における分子認識を利用した領域選択析出(Site-selective deposition)を試みた。自己組織膜を用いて官能基の異なるマイクロパターン(-OH,-CH3)を作製し、これをテンプレートとして用い、ZnO薄膜の原料水溶液に浸漬した。これにより、ZnOH薄膜のマイクロパターンを大気中、60℃で、 環境負荷の少ない水溶液を用いて作製した。この薄膜は高い解像度を持つものであり、さら に浸漬後、この薄膜を300℃で加熱処理を行うことによりZnO薄膜を得た。
  • 中平 敦, 江口 健一郎, 村上 隆幸, 加藤 航, 溝口 照康, 田中 功
    セッションID: 2A09
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    生体材料には,優れた生体活性や機械的性質などが必要であり,新規な微細構造を持った材料開発が活発に行われている. 一方,金属材料やセラミックス材料の表面に生体活性を持つセラミックス材料をコーティングする研究も多数研究されており,その多くは, プラズマスプレー法やゾルゲル法を利用した比較的厚いコーティングが試みられてきた. 昨今, RFマグネトロンスパッター法やパルスレーザー析出(PLD)法を用い研究も盛んであり,本研究では, PLD法により種々の基板にリン酸カルシウム薄膜をコーティングすることを試みた.
  • 高玉 博朗, 橋本 雅美, 瀧川 順庸, 水野 峰男, 安富 義幸, 小久保 正
    セッションID: 2A11
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    骨と同等の力学的特性を示す人工骨の開発が望まれている。本研究では、Melt Flow Rate (MFR)の異なるポリエチレン(PE)と酸化チタン(TiO_2)を溶融混練することにより複合体を作製し、その力学的特性及びアパタイト形成能について調べた。溶融混練により高充填量のナノサイズのTi0_2を均一分散させた複合体が得られた。MFR=8のPEを用いた複合体が最も高い曲げ強度(約50MPa)及び弾性率(約7GPa)を示し、ヒト皮質骨と同等の力学的特性を示した。得られた本複合体は擬似体液浸漬7日後にその表面にアパタイトを形成した。以上の結果から、本混練法によりアパタイト形成能と骨と同等の力学的特性を示す PE/TiO_2複合体を得られることが分かった。
  • 藤野 茂, 本村 孝二, 森永 健次
    セッションID: 2A12
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    Co-Cr系合金上への2層ガラスコーティングする方法にはエナメル法を用いた。ガラスと合金との良好な接合を得るために、ガラス2層の組成及び焼成条件(温度・時間)の検討を行った。本実験において選択したガラスA(49.8SiO2-15.5Na2O-4.2K2O-15.6CaO-8.9MgO-6.0P205 wt%)、 ガラスB (48.4Si02-14.7Na20-5.2K20-2OTiO2-11.7(RO,R2O3 ,RF2) wt%)を用いて750℃で2分間焼成したものが最も良好な焼成状態であった。このガラスは良好な接合状態を示し、擬似体液(SBF)中に30日間浸漬すると表面にハイドロキシアパタイトが生成していることが確認された。
  • 木付 貴司, 大柿 真毅, 中村 聡, 橋本 和明, 戸田 善朝, 山下 仁大
    セッションID: 2A13
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    生体活性材料であるハイドロキシアパタイトは,血清添加培養液中においてバイオコンポジットスキャホールド(BcS)を形成する. BcSとは骨類似アパタイトと血清タンパクの複合層であり,骨芽様細胞の成長を活性化する.本研究では,生体不活性材料であるチタン(Ti)表面にBcSを形成させ,生体活性 へと導くことを目的とした.Tiおよびアルカリ熱処理Tiを培養液に浸漬した後,その表面上での骨芽様細胞(MC3T3-E1)の挙動を調査した.その結果,アルカリ熱処理Ti上にBcSを形成させ,骨芽様細胞の増殖および接着を活性化させることに成功した.このことからBcSは生体不活性材料表面の改質, および骨組織培養の足場として応用が期待できる.
  • 春日 敏宏, 前田 浩孝, 加藤 克人, 佐々木 めぐみ, 野上 正行, 畠 賢一郎, 上田 実
    セッションID: 2A21
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    擬似体液中でのアパタイト生成能の非常に高い材料をポリ乳酸と炭酸カルシウム(バテライト)を複合させて作製した。バテライト30%で弾性率は3.5~6 GPaまで向上し、また1日以内にアパタイト生成した。また、簡単に多孔質化させることもできることがわかった。得られた多孔体は90%という高気孔率でかつ大きな気孔を有する。骨充填材や組織工学用基質として有用である。
  • 寺岡 啓, 横川 善之, 亀山 哲也, 鬼頭 浩史, 石黒 直樹
    セッションID: 2A22
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    水酸アパタイト(HA)を多孔体に成形して人工骨として用いた場合、比較的早期に自家骨と置換することが期待できる。我々は、HA多孔体の機能を、直径1 mm 程度の小部品の集合体で代替することが出来れば、外科的な方法によらない注入療法により欠損部に HA 多孔体を形成することが出来ると考えている。本研究においては、直径が約1 mmで、骨誘導能を期待できるφ300μmの貫通孔を持つHAビーズの作製を試みた。また、HAビーズを、ウサギ脛骨に作製したφ5×5mmの骨欠損に充填し、骨伝導及び材料吸収を評価した。
  • 犬塚 真博, 中村 聡, 橋本 和明, 戸田 善朝, 山下 仁大
    セッションID: 2A23
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    ジルコニアセラミックスについてはポーリング処理が可能であり、擬似体液(SBF)において負電荷が誘起した表面でCa2+の誘引が生じることを報告してきた。本報では、ポーリング処理したカルシア安定化ジルコニア(CSZ)焼結体を、SBFに浸漬することでCSZ焼結体表面にハイドロキシアパタイト(HAp)が析出するかを検討し、新規コンポジット材料として可能性を模索した。
  • 今井 宏明, 古市 梢, 多田羅 秀誠
    セッションID: 2A24
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    本研究では、ゲル中で生じる周期的な沈殿現象を利用して新規なタイプの層状複合体の合成をおこなった。リン酸イオンを含むポリアクリル酸ゲルを作製し、これにカルシウムイオンを拡散させることでポリアクリル酸ゲル全体を巨視的に均一に石灰化させることが可能であった。カルシウムの拡散方向に垂直に厚さ約10μmのバンド構造が形成されていた。バンド部分はCa/P比が約1.7のリン酸カルシウムが高濃度で存在し、その中には水酸アパタイトの結晶粒子が含まれることが確認された。焼成によって複合体中のポリマーを除去することで水酸アパタイトの層状多孔体を得られた。
  • 山田 彩, 城崎 由紀, 都留 寛治, 早川 聡, 尾坂 明義
    セッションID: 2A25
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    キトサンオルガノシロキサン複合体の細胞適合性と生分解性に関して基礎的な検討を行った。ヒト骨芽細胞様細胞MG63を用いてMTTアッセイ, ALP活性および細胞形態を調べたところ,複合体はキトサンと比較して優位に高い値を示した。一方,リン酸バッファー溶液およびリゾチーム溶液を用いて生分解性評価を行ったところ,複合体はキトサンに比べて膨潤しにくく分解速度が低下することが分かった。以上のことから, GPSMとの複合化によりキトサンの細胞適合性が向上するだけでなく,生分解速度も制御可能であると期待される。
  • 大倉 利典, 宮地 智子, 門間 英毅, 高橋 聡
    セッションID: 2A26
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    X線光電子分光法(XPS)を用いて、硝酸カルシウム四水和物((Ca(NO_3)_2・4H_20)とリン酸水素ニアンモニウム((NH_4)_2HPO_4)から合成したアモルファスリン酸カルシウム(ACP)の01s スペクトルを測定した。ACPの構造として考えられているCa_9(PO_4)_6のクラスターモデル中には非架橋酸素と二重結合酸素のみで架橋酸素は存在しないと考えられる。しかし、測定した01s スペクトルを分離・検討したところ、非架橋酸素と二重結合酸素だけでなく架橋酸素の存在を考慮すると計算値と実測値のカーブが一致するという結果が得られた。このことから、Ca_9(PO_4)_6 のクラスターモデルには存在しない架橋酸素の存在が考えられる。
  • 相澤 守, アレクサンドラ ポーター, セレナ ベスト, ウィリアム ボンフィールド
    セッションID: 2A27
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    均一沈殿法により合成した単結晶アパタイトファイバーの加熱による微細構造の変化をXRD, FT-IR, SEMおよびTEMを用いて調べた。加熱前のアパタイトファイバーは歪みをもち、ファイバー表面に対して c 軸に平行に配列したドメインから構成されていたが、このファイバーを800℃から1200℃で1h加熱したとき、ドメイン構造は消失したが、歪みはそのまま存在していた。 1000℃および1200℃で加熱したアパタイトファイバーの場合、それらの微細構造は焼結中に変化して粒界と欠陥を形成した。また、1200℃で1h加熱したアパタイトファイバーは焼結中に炭酸基を放出して多くのボイドを含んでいた。
  • 川井 貴裕, 大槻 主税, 宮崎 敏樹, 谷原 正夫, 中尾 淳子, 坂口 佳充, 小長谷 重次
    セッションID: 2A28
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    骨組織に類似した構造を有する有機-無機ハイブリッドを合成するには、体液類似環境において有機高分子表面に骨類似アパタイトを形成する方法が重要となる。演者らは先に、カルボキシル基またはスルホン酸基を含有した芳香族ポリアミドに塩化カルシウムを添加したフィルムがヒトの細胞外液に類似した水溶液中で表面にアパタイトを形成することを報告した。本研究では、これらのポリアミド表面に形成したアパタイトの形態を調べた。微細な薄片状の粒子が集合し、フィルム表面と複雑に絡み合っている形態が観察された。このフィルムでは、カルシウムイオンが溶出した後に、表面でアパタイトの不均一核形成が誘起され、それが成長してアパタイト層になることが推察される。
  • 加藤 純雄, 沼田 雄一郎, 月舘 大志, 小笠原 正剛, 菅井 幹夫, 中田 真一
    セッションID: 2B01
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    層状ペロブス力イト型化合物K_2NbO_3Fとアルキルトリメチルアンモニウム系界面活性剤を用い、水溶液中で反応させ、メソ構造を有する複合体を合成した。得られた構造体をMCl_2水溶液中でイオン交換反応を行うことで、2d六方構造のK-M-Nb系酸化物(M=Ca, Sr, Ba)を合成した。メソ構造体に起因するXRDピークは、423Kでの熱処理後の試料においても確認された。Nb系メソ構造体にアルカリ土類金属イオンを導入することで熱安定性が改善されたと考えられる。
  • 野島 亜浩, 白梼山 毅, 大倉 利典, 門間 英毅, 高橋 聡
    セッションID: 2B02
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    界面活性剤を鋳型としてモリブデンをシリカ骨格中に導入したシリカメソ構造体を合成した. そして, 結晶化させることで熱的性質について検討を行った. X線回折の結果、ヘキサゴナル構造のメソ構造体特有のピークが確認できた.また,窒素吸着測定の結果、均一な細孔径を有しており、高比表面積であった. 熱分析の結果より修正 Kissinger の式から結晶化の活性化エネルギーを求めたところ,モリブデンの含有量が増加するにつれて結晶化の活性化エネルギーは大きくなる傾向が見られた. メソ構造体を維持している間はアモルファス構造であることから,結晶化は細孔の崩壊によって急速に始まると考えられる.
  • 小棹 理子, 吉田 博久, 西本 右子, 稲田 健志
    セッションID: 2B03
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    硫酸浴中で陽極酸化して作製したナノポーラスアルミナ膜のSの分布をX線光電子分光法(XPS)により検討した。また、固体NMR法により結晶性を検討した。XPSにより、表面のS濃度は10nm程度の深度で約1/4になるのが認められた。一方、TG─DTA (700-1300℃)では、孔径が小さくなればなるほど、α-Al2O3への転移温度が低下した。また、NMRスペクトルより、結晶度の良いアルミナでは0ppm付近の6配位Alが顕著となる。6配位と4配位のAlが混在しており、とくに25nm試料では低磁場側にシフトしており、4配位のAlが多いことが示唆された。
  • 湯 楓秋, 不動寺 浩, 目 義雄
    セッションID: 2B04
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    高分子粒子とセラミック粒子のへテロ凝集を利用してアルミナ多孔体を作製した.サスペンションの調整条件と細孔構造の関係を検討した.高分子およびアルミナの粒径と混合比およびpHなどの調整条件を制御することにより、三次元の規則構造多孔体を得ることができた.
  • 長岡 孝明, 津越 敬寿, 堀田 祐二, 渡利 広司
    セッションID: 2B05
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    セラミックス多孔体の作製に、低環境負荷、成形体強度の向上、及び焼結体の組織制御に効果の見込める水硬性無機バインダの使用を検討した。本研究では、アルミナ、及び高温特性に優れたアルミナ基多孔質セラミックスの作製を目的に水硬性アルミナを使用し、その成形体特性、焼結挙動、多孔体特性を検討した。
  • 吉野 浩行, 吉門 進三
    セッションID: 2B06
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    本研究では,陽極酸化法を用いてネサガラス上に多孔質Al酸化皮膜を形成し,機能材料として応用することを目的とする. 真空蒸着法によりネサガラスの導電面 ITO 上にAlを蒸着したところ,両者の密着性が良くないことがわかった. そこでネサガラスを300℃で加熱しながらAlを蒸着したところ,両者の密着性が改善された.この試料を様々な条件で陽極酸化したところ,電解液に硫酸10vol%水溶液を用い, 電圧10V, 液温25℃の条件の場合に,処理中に皮膜が隔離することなくほぼ全てのAl をAl酸化皮膜に変化させることに成功した.
  • 冨田 崇弘, 川崎 真司, 岡田 清
    セッションID: 2B07
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    高気孔率なセラミックスを作製するために、一般的には有機物の気孔形成材を使用するが、焼成時に大量のCO_2を発生するため環境への負荷が大きい。そこで、演者らはそのような有機物を使用せずに、シリカゾルを機械的に攪拌することを特徴とする方法で高気孔率なシリカ多孔体を作製した。pH、温度、界面活性剤濃度を調節することで、望みのゲル化時間を得られるゾルを調製し、ゲル化の直前で泡立てることで、シリカゾルのフォームを作製し、その構造を保ったままゲル化させることができた。このゲルの600℃仮焼品の気孔率は90%以上で、1000℃焼成品の強度は2.4MPa、ヤング率は0.9GPaであり、フィルター用途で重要となるガス透過係数は、5.3×10^<-11>m^2であった。
  • 香取 茂美, 近藤 新二, 真瀬 洋
    セッションID: 2B08
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    ナノメーターサイズで一次元の貫通気孔を持つ膜を多孔質基材上に形成する新しい方法、「同時エッチング法」を開発した。分相処理を施した緻密質のバイコールガラスから直径20mmφ、厚さ 1mmのディスクを切り出し、片面を鏡面研磨したものを基材として用いた。基材上に共晶分解法でFe2O3一次元針状ナノ結晶とそれを取り囲むSiO2マトリックスから成る前駆体膜を作製し、膜と基材を同時にエッチングした。その結果、基材が多孔質化できると同時に膜も多孔質化され、膜面に垂直な一次元ナノ貫通孔を持つシリカ膜が得られた。
  • 久米 廷志, 伴 隆幸, 大矢 豊, 高橋 康隆
    セッションID: 2B09
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    シリカライト-1(以下S-1と略す)細孔内へのパラニトロアニリン(以下p-NAと略す)の吸着について検討した。Si (OEt)_4, Et_3N, NPr^n_4Br, H_20,を用いて、粒径1.0×0.7×0.3μm の単分散な S-1単結晶を調製した。このS-1単結晶へのp-NAの吸着は、それらを入れて減圧封緘したアンプルを150℃で熱処理して行い、得られた試料はXRD, TG-DTA, UV-Vis, IR により評価した。これらの結果から p-NAはS-1細孔内に優先的に吸着した後、粒子外表面に吸着することが分かった。また、S-1細孔内に吸着するp-NAの量を検討した結果、S-1結晶のストレート細孔とジグザグ細孔の交差する部分にのみp-NAが吸着すると考えられた。
  • 森井 伸夫, 上原 雅人, 榎本 尚也, 北條 純一
    セッションID: 2B10
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    都市ごみ焼却灰はCaを多く含むためそのまま水熱合成を行なってもゼオライトは合成されない。都市ごみ焼却灰に水ガラスを添加することでゼオライトの合成を行なった。水ガラスを加えたNaOH水溶液に都市ごみ焼却灰を加え、水熱合成を行なった。水ガラスを10g以上添加することでゼオライトNa-P1 が生成した。反応温度、水ガラス添加量を増加させることでゼオライトの陽イオン交換容量が増加した。生成したゼオライトの陽イオン交換容量は最大で243meq/100g となった。
  • 水谷 友則, 笹井 亮, 伊藤 秀章
    セッションID: 2B11
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    石炭飛灰はアルカリ処理により、様々なゼオライトへと転換でき、また木質系廃棄物は活性炭の原料となる。本研究ではこれらの産業廃棄物を同時に処理し、多孔体材料を作製することを目的としている。石炭飛灰、木質系廃棄物、ベントナイト、水を混合・混錬後、窒素雰囲気下600℃、または850℃で焼成した。次いで焼成体を2.0M水酸化ナトリウム水溶液中、120℃で20時間の水熱処理を行った。水熱処理後の試料からNa-Pゼオライト相が検出され、液相中でのメチレンブルーの吸着能を示した。
  • 山田 尚征, 武井 孝, 近沢 正敏
    セッションID: 2B12
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    本研究では、紫外線照射によってトランス体からシス体へと光異性化することが知られている4-フェニルアゾベンゾイルクロライド及び4-フェニルアゾベンゾイックアシッドを用いて、層状ケイ酸塩カネマイトに対するアゾベンゼン部位の固定化を試みた。この光異性化を利用して、層間距離、細孔の構造、大きさなど、層空間を制御することを目的とした。アゾベンゼン部位を化学吸着により導入することができたが、層間には物理吸着種も含まれていた。また、UV-vis測定より紫外線の照射前後で光異性化を確認することが出来た。
  • 新井 裕之, 亀島 欣一, 岡田 清
    セッションID: 2B13
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    負の層電荷を持つスメクタイトと正の層電荷を持つ層状複水酸化物(LDH)を混合・複合化させることで、細孔構造や吸着サイトを制御し、高い比表面積を持つ複合試料の合成を試みた。原料として合成および天然サポナイトと、共沈法により合成したMg-Al-CO3型LDHを用いた。複合化は所定の混合比で、溶液中およびボールミルにより混合・複合かさせた。得られた複合試料のXRDパターンから、LDHのピークは混合試料では明確に現れていたが、複合試料では明らかにピーク強度が弱くなっていることが確認された。一方、粉砕試料はどちらも粉砕効果が認められたが、比表面積は乾式より湿式ミル試料の方が顕著に大きい値を示し、何らかの複合化効果が生まれた結果であろうと推察される。
  • 高橋 寛, 服部 敏裕, 松田 元秀, 三宅 通博
    セッションID: 2B14
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    前回までに、鉄などの有用資源を含む産業廃棄物である溶解ダスト(製鉄所や鋳物工場のコークス炉から発生するガスの冷却固化体)及び鋳鉄粉(鋳物製造工程から排出)の再資源化を検討し、層状化合物であるハイドロタルサイト様化合物への転化と、その生成物がリン酸イオンや硝酸イオンを取り込む機能を有していることを報告した。今回は、前記二つのイオンだけでなく塩化物イオンおよび硫酸イオンの4つを含む混合溶液からのリン酸イオン及び硝酸イオンの除去特性に関して評価したので報告する。
  • 柄谷 周子, 西村 文秀, 千葉 晶彦, 千田 晋, 岡田 秀彦, 中平 敦
    セッションID: 2B15
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    現在、地熱発電では井戸から熱水と蒸気を取り出し、蒸気のみを発電に用い、 熱水は利用せずに地下に戻している。これは、重金属の一つであるAsがこの熱水に含まれているためである。さらに、この地熱水には SiO2 を含有することから、熱水の輸送管にSiO2が堆積し輸送の妨げとなる。そこで本研究では、環境低負荷で、吸着能・イオン交換能に優れたアパタイト系材料を用いて地熱水中のAs及びSiO2を除去することを試み、除去能を評価した。Asイオンは初期濃度約4ppmから数時間で大幅に除去された。特にSiO2 を置換固溶させたApは、45時間後にAsの環境基準値0.01ppm近くにまで達することが確認された。さらに、SiO2を置換固溶させたApは、SiO2も除去することが可能であった。 流水中での実験でもAsを除去することが確認できた。これより、As及びSiO2 を除去するのにHApは有効であることが示唆された。
  • 板原 浩, 田島 伸, 谷 俊彦
    セッションID: 2B21
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    沈殿法により、{001}面の発達した板状β-Co(OH)2結晶(粒径~0.5 μm、アスペクト比~5)を作製した。この結晶は異方性が高く、かつ、Ca3CO4O9などのCo系熱電材料を構成するCoO2副格子と格子整合性がある。したがって、本研究で合成した板状β-Co(OH)2結晶は、Co系熱電材料の配向セラミックス作製用テンプレート(前駆体)として有望である。
  • 谷 俊彦, 板原 浩, 河本 邦仁
    セッションID: 2B22
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
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    p型熱電材料Ca3CO4O9は、電気伝導率の異方性が大きいため、この物質をバルク素子として実用化するためには多結晶の粒子配向技術が鍵となる。ミスフィット型層状構造を有するCa3Co4O9のCdl2型CoO2副格子層に着目し、これと相似構造を持つCo(OH)2板状粒子を炭酸カルシウムと混合しテープ成形後に熱処理することにより、高配向度のCa3Co4O9セラミックスを作製した。反応性テンプレートCo(OH)2と補完原料CaCO3のin-situ反応過程をTG-DTAと高温X線回折法により調べたところ、スピネル型Co3O4を経てCa3Co4O9が生成することがわかった。
  • 板原 浩, 夏 長泰, 杉山 純, 谷 俊彦
    セッションID: 2B23
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    反応性テンプレート粒成長(RTGG)法により高配向Ca3Co4O9セラミックス(ロットゲーリング 配向度~100%)を作製した。作製した試料の面内方向の電気伝導度は、1050Kで~1.55×104 S/mであった。この値は、同試料の面外方向および無配向試料の電気伝導度より著しく高かった。RTGG法により、高配向Ca3Co4O9 セラミックスが合成でき、熱電特性を向上させることができることが示された。
  • 周 玉琴, 松原 一郎, 村山 宣光, 申 ウソク, 伊豆 典哉
    セッションID: 2B24
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    スピンコート法により50~500nmの範囲で結晶粒径を制御した(Ca2.6Bi0.4)Co4O9の c 軸配向膜を作製し熱電特性を評価した。電気抵抗率は半導体的な温度依存性を示し、結晶粒径の増加と共に電気抵抗率は低下した。ゼーベック係数は結晶粒径が小さくなるに従い増加した。EDX 分析の結果、試料による組成変化はなかったことから、ゼーベック係数の変化は結晶粒径に起因するものである。出力因子は120nmの平均粒径を持つ試料で最大となり、結晶粒径の微細化により熱電特性を向上させることが可能であることを示している。
  • 大脇 良隆, 福田 昇平, 有田 慎介, 一ノ瀬 昇
    セッションID: 2B25
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    現在高い熱電特性を示す材料はBi_2Te_3 等の金属間化合物であるが、高温での耐久性や毒性、さらには希少元素を用いる点から大規模応用には問題がある。この問題を解決する材料として酸化物熱電材料が注目されつつある。近年、NaCo_2O_4が従来材料に匹敵する高い熱電特性を示すことが報告されたように、絶縁層と伝導層の交互積層化が熱電特性の向上に有効であることが示された。Bi_2Sr_2Co_2O_9 は絶縁層であるBi_2O_2層と伝導層であるCoダブルペロブス力イト層が交互積層している。そこで本実験では、Bi_2Sr_2Co_2O_9を母相にし、BiサイトのBa 置換、SrサイトのBa置換、CoサイトのCu置換を行い、その熱電特性を評価した。
  • 藤代 芳伸, 塩野 修, 淡野 正信
    セッションID: 2B26
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    自動車排ガスの廃熱を利用する熱電エネルギー変換器の開発を目的とし、結晶構造からセラミックス中の粒子配向といった幅広いスケールレンジでの構造制御(パノスコピックスケール)により熱電酸化物セラミックスを開発している。 本発表では熱電酸化物の構造デザインの結果を示す。
  • 一楽 洋治郎, 松田 元秀, 三宅 通博
    セッションID: 2B29
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    CaMnO3ペロブス力イト層とCaO岩塩層が c 軸方向に交互に積層した構造を有するマンガン系化合物であるCa4Mn3O10 について、本研究ではCaサイトをSrで一部置換した試料を合成し、その熱電特性を検討した。 その結果Ca4-xSrxMn3O10 において、x = 0, 0.2, 0.4 で単相試料であることが明らかとなった。一方Srの一部置換により母体であるCa4Mn3O10 よりも高いゼーベック係数が観測された。また、Ca3.6Sr0.4Mn3O10 のゼーベック係数の絶対値は800℃において約227μV/Kの値を示した。
  • 太田 慎吾, 増田 佳丈, 河本 邦仁
    セッションID: 2B30
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
  • 小林 史明, 福田 昇平, 有田 慎介, 一ノ瀬 昇
    セッションID: 2B32
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    NaCo_2O_4の優れた熱電特性が報告されて以来、酸化物熱電材料が注目されている。 そこで、遷移金属を固溶したα型層状Ti酸化物であるNaCo_<0.5>Ti_<0.5>0_2に着目した。NaCo_<0.5>Ti_<0.5>O_2はNaCo_2O_4と同一の結晶構造を持ちCoO_6, TiO_6ユニットが稜共有で2次元的に配列した層状構造を有している。したがって、高い熱電特性を持つ新規熱電材料の一つとして期待できる。本研究では、新規熱電材料としてNaCo_<0.5>Ti_<0.5>0_2の可能性を検討し、同時にAサイト及びBサイトの金属イオン置換効果について考察する。大気中1000℃の焼成にてα-NaFeO_2型生成物の単相が得られ、熱起電力及び電気抵抗率は温度上昇に伴い減少するという半導体的な挙動を示した。また、TiサイトをNbで置換することによって熱電特性の向上がみられた。
  • 安川 雅啓, 植田 和茂, 細野 秀雄
    セッションID: 2B33
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    層状オキシセレナイドLa1-xSrxCuOSe (x = 0.00, 0.05, 0.10, 0.15, 0.20)の焼結体試料を作製し, 100~400℃の温度範囲で電気伝導率とゼーベック係数を測定することにより,熱電材料としての可能性を調べた。SrノンドープのLaCuOSeは,伝導率が 100 Ω-1cm-1 程度の値を示すこと,及びゼーベック係数が正の値で非熱活性化型の温度依存性を示すことから,p型の縮退半導体的挙動を示した。Srをドープした試料はいずれも,伝導率及びゼーベック係数とも金属的な温度依存性を示した。x = 0.10まではゼーベック係数が減少しており,この濃度まではホールキャリアが連続的に増加した。出力因子は, x = 0.05で最も大きくなり, 1.0-1.4×10-4 Wm-1K-2 の値を示した。
  • 熊代 幸伸, 榎本 達志, 佐藤 浩太, 横山 隆
    セッションID: 2B35
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    重水素ランプを用いたB2H6-PH3-H2系光・熱CVD法によって、石英ガラス上に析出させた非晶質ホウ素および多結晶リン化ホウ素薄膜の熱電特性を測定した。導電率、熱電能の温度依存性および石英ガラスの熱拡散率から、石英ガラスベースの熱電性能指数を求めた。その結果p,n型を制御した光・熱CVD法で作製したリン化ホウ素薄膜の性能指数は10-4/Kでホウ素薄膜より大きく、高温熱電素子材料として有望である。
  • 熊代 幸伸, 尾崎 史朗, 横山 隆, 佐藤 浩太
    セッションID: 2B37
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    KBF4─KF溶融塩により、陽極に黒鉛坩堝、陰極にNi板を用い680℃、1時間、様々のKBF4/KFと電流密度下(0.5~2.0A/cm2)でホウ素ウエハーを作製した。非結晶ウエハーの純度は87%であった。導電率の温度依存性は0.5eVの熱活性化型で、熱電能(1─10mV/K)は高温まで増加の傾向を示す。レーザーフラッシュ法で求めた熱伝導率は、全温度領域でほぼ一定で非結晶の特徴を示す。熱電性能指数は高温で最大10-4~10-3/Kで電流密度に依存している。
  • 申 ウソク, 邱 法斌, 松宮 正彦, 伊豆 典哉, 松原 一郎, 村山 宣光, 神崎 修三
    セッションID: 2B38
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    熱電変換材料膜は、触媒薄膜形成に用いた、RFスパッタ蒸着法で形成した。リチウムドープ酸化ニッケル焼結体をターゲットとして、アルミナとマグネシアの基板上に製膜した。本センサでは、水素に対する白金の触媒活性が室温付近に於いて他の可燃性ガスに比べで高いことから、水素選択性が生じる。
  • 淡野 正信, 片山 真吾, 黄 海鎮, 藤代 芳伸, 平松 拓也, 塩野 修, ブレディヒン セルゲイ, ザヒール ハサン, 濱本 孝一
    セッションID: 2C06
    発行日: 2003年
    公開日: 2004/07/05
    会議録・要旨集 フリー
    環境浄化と省エネルギー化の両立を図るために、排ガス中NOxの自立連続的な浄化を可能とする材料=システムの開発を進めた。電気化学セル方式による直接分解での課題であるセル作動時の消費電力の低減を図り、さらに排ガス廃熱からの熱電変換によるセル作動電力供給を可能とする、熱電セラミックスの開発等を行った。まず、NOx浄化用電気化学セルの低消費電力化のために触媒─電極層の構造制御を行い、酸素分子をNOx浄化反応場から除くことで、世界最高となる高電流効率を実現した。さらに空孔のナノサイズ化等による反応場の増大と分子選択性付与、及びパーコレーション制御によるセル内部抵抗の低減により、従来技術に対する優位性を示す低消費エネルギーレベルを達成した。また、熱電セラミックスの変換性能向上を図るために、特に変換効率の低いn型多結晶体で層状チタン酸塩へのキャリアドーピングや酸化亜鉛系の微細結晶粒組織化による低熱伝導化による変換性能向上に成功し、p型材料での高配向絹織化や、n型-p型の接合界面構造の最適化による発電出力の向上を達成した。
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