ペストロジー
Online ISSN : 2432-1540
Print ISSN : 1880-3415
27 巻, 1 号
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原著
  • 今村 太郎, 宮ノ下 明大
    2012 年 27 巻 1 号 p. 1-6
    発行日: 2012/04/30
    公開日: 2019/04/10
    ジャーナル フリー

    つくば市の食品総合研究所敷地内に設置したスチール製倉庫内で,水を与える条件と与えない条件でコクヌストモドキ成虫の越冬経過とその後の生存状況を調査した.30°Cで成虫まで飼育したコクヌストモドキ成虫を用いて越冬の実験を行った.水を与えた場合と与えない場合で成虫の生存曲線に違いは見られなかった.1回目の越冬における生存率はいずれも10%以下であり,2回目の越冬における生存率はいずれも50%以上であった.繁殖は2回目の越冬の後にも見られた.最も長く生きた個体は3回目の越冬期直前まで生存した.

  • 矢部 辰男, 大友 忠男, 原島 利光, 重岡 弘, 山口 健次郎
    2012 年 27 巻 1 号 p. 7-11
    発行日: 2012/04/30
    公開日: 2019/04/10
    ジャーナル フリー

    横浜市の委託により市街地(21 ha)のドブネズミ駆除を行った.この地区には簡易宿泊施設や飲食店が多く,生ゴミが無秩序に出され長い間ドブネズミの生息が見られた.地区を10区画に分け,無毒餌で生息状況を把握し(前餌),次いでワルファリン0.1%含有ブロック製剤と罠による駆除を実施した.実施11日目に再び無毒餌を配置して証跡の残る箇所では駆除作業を続行した.実施期間は2009~2011年の1~3月である.その結果,前餌における区画当たりの無毒餌平均消失量は,2009年から順に1.51±1.19 kg,1.18±0.92 kg,0.21±0.25 kgとなり,2011年における値は有意に小さかった(クラスカル・ワーリス検定,H=10.2,d.f.=2,P<0.05).これは大幅な生息数減少を示すもので,住民による環境整備の実施が寄与したと推測される.

事例報告
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