ペストロジー

原著

チョコレート製品でのノシメマダラメイガ Plodia interpunctella 幼虫の発育

宮ノ下明大, 今村太郎

原稿種別: 本文
2011 年 26 巻 2 号 p. 53-57
発行日: 2011/11/30
公開日: 2019/04/10

DOIhttps://doi.org/10.24486/pestology.26.2_53

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チョコレート製品でのノシメマダラメイガ幼虫の発育を調べた．ミルクチョコレート製品での成虫羽化率は25℃で8%，30℃で22%と低く，発育日数は25℃で140日以上，30℃で88日以上かかった．これらの結果より，ノシメマダラメイガ幼虫にとって，チョコレートそのものは適した食物とはいえないと考えられた．アーモンドを含むミルクチョコレートでは，アーモンドを含まないものに比べて短い発育日数（約69日／25℃，約52日／30℃），高い成虫羽化率（50%／25℃，53%／30℃），重い成虫体重を示した．ロースト・アーモンドのみでは，チョコレートのみよりも成虫羽化率は高く（80%／25℃，53%／30℃），発育日数も短かった（約42日／25℃，約24日／30℃）．ミルクチョコレート製品での成虫羽化率は，個別飼育の方が集団飼育（n＝5）よりも高くなった．

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事例報告

イミダクロプリド食毒剤を用いたトビイロケアリ Lasius japonicus Santschiの防除事例―屋内における徘徊個体数の減少―

間瀬信継, 青山修三, 川村桃子

原稿種別: 本文
2011 年 26 巻 2 号 p. 59-63
発行日: 2011/11/30
公開日: 2019/04/10

DOIhttps://doi.org/10.24486/pestology.26.2_59

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アリ用べイト剤クアンタム（イミダクロプリド0.03%）のトビイロケアリに対する防除効果を札幌市内の3つの木造家屋で検討した．クアンタム施用は，行列，出没箇所を中心にべイドステーションを使用するか直接給餌を行った．徘徊個体数の減少は屋内で早くて1日から3日，遅くて2週間程度で見られた．しかし，屋外では長期化する傾向にあった．家屋内でのクアンタム総使用量は29.2 g（イミダクロプリド成分量約0.003 g）と少なく，べイド剤施用は有効な防除手段であることが示唆された．また，トビイロケアリの防除では，事前調査による営巣場所，侵入経路の把握が，給餌の方法，場所数，給餌量を決める上で大変重要である．

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富山におけるミヤマエリユスリカ Orthocladius frigidus の冬期大量飛来

上村清, 吉枝卓郎, 柳沢清雅, 小林貞

原稿種別: 本文
2011 年 26 巻 2 号 p. 65-67
発行日: 2011/11/30
公開日: 2019/04/10

DOIhttps://doi.org/10.24486/pestology.26.2_65

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2007年1月上旬，神通川右岸近くの富山市磯部町の8階建白色新築マンションの7・8階に，冷水性のミヤマエリュスリカが大量飛来した．体色は黒色で，大半はオスであった．
暖冬による雪解け水と大雨による増水で流されてきた蛹が，下流部の河川改修で生じた淀みで羽化し，成虫が8階建マンションの高層部の灯りに誘引されたと思われる．

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