札幌市内で採集したワラジムシの木部および蟻土喫食性,日周行動,糞への集合性,ならびに繁殖期間の推定と雌雄別個体数の消長に関する調査研究を行った.
本種を3日間絶食させた後,スクリュー瓶内で,腐朽木,古木,蟻土(札幌産ヤマトシロアリ),ペーパータオル,対照としてジャガイモの5種類を5日間与え,糞数をカウントしたところ,古木だけ全く喫食しなかった.雌雄ともに蟻土,ジャガイモに対する喫食性の高いことが判明した.
本種の活動を24時間観察したところ,雌雄ともに夜間活動性であることが確認された.
雌雄ともに同性糞への集合性が非常に高く,いずれも100%であった.
札幌市豊平区での抱卵雌の存在は,6月上旬から9月中旬まで観察された.この期間が繁殖期間であったと推定された.
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