ペストロジー
Online ISSN : 2432-1540
Print ISSN : 1880-3415
34 巻, 1 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
資料
  • 深谷 雪雄
    2019 年 34 巻 1 号 p. 3-6
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2020/03/25
    ジャーナル フリー
  • 橋本 佳明
    2019 年 34 巻 1 号 p. 7-13
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2020/03/25
    ジャーナル フリー

    2017年5月,特定外来生物ヒアリの国内初侵入が確認された.それは殺人アリの出現として大きく取り上げられ,日本全体をパニックに陥れた.最近は,ヒアリのニュースも少なくなり,その侵入は無くなったかのように思われている.しかし,今も,ヒアリの侵入は続き,このままでは,その国内定着は時間の問題とも言えそうな事態になっている.さらに,ヒアリと近縁のアカカミアリの侵入も数多く発生している.その侵入と定着を阻止する手立てを見つけ出すことが,まさに,急務となっているが,アリ類には他の生物には見られない特異な生態や習性があり,そのことを理解せずに対処すれば,逆に被害を大きくすることも起こり得る.さらに,ヒアリやアカカミアリの侵入は,日本に輸入される海上コンテナで発生している.その対策には,ヒアリやアカカミアリが国際物流によって外来生物化した生態についても,正しく知っておく必要がある.本稿では,ヒアリやアカカミアリの生物学や侵略生態学の解説を行い,ヒアリやアカカミアリの侵入や定着を阻止するための方策について考察した.

短報
  • 佐々木 智基, 雨貝 真実, 石角 陽平, 五箇 公一
    2019 年 34 巻 1 号 p. 15-18
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2020/03/25
    ジャーナル フリー

    2017年6月以来,輸入コンテナに紛れて日本国内に特定外来生物ヒアリおよびアカカミアリが持ち込まれるケースが多数報告されている.ヒアリの定着を未然に防ぐためには,輸入コンテナに対する検疫を強化する必要があるが,毎日大量に持ち込まれるコンテナ全てを検査することは不可能である.そこで,我々は,輸入コンテナ全ての内部にワンプッシュ式の高活性ピレスロイド剤エアゾールを噴霧することで,海外から持ち込まれた外来アリ類を全て殺虫する方式を考案した.本方法を実用化するために,すでに国内に定着している特定外来生物アルゼンチンアリを用いて,実際にピレスロイド剤エアゾールによってコンテナ内に潜む個体を殺虫できるか試験を行った.その結果,トランスフルトリン20 mgとプラレトリン3 mgを含むエタノール溶液1 mLを1回定量噴霧し,2時間密閉状態を保つことで,コンテナ内のアルゼンチンアリをほぼ100%殺虫できることが分かった.今後,アルゼンチンアリとヒアリ・アカカミアリの薬剤感受性を比較し,適用薬量を設定することで,この「ワンプッシュ法」でヒアリ・アカカミアリの国内侵入防除に適用できると期待される.

原著
  • 宮ノ下 明大, 宍戸 功一, 岩崎 修
    2019 年 34 巻 1 号 p. 19-22
    発行日: 2019/03/25
    公開日: 2020/03/25
    ジャーナル フリー

    形状の異なる切り干し大根(輪切り,千切り,割り干し)におけるノシメマダラメイガの発育を,温度25°C,相対湿度60%,日長:明期16 h,暗期8 hの条件で調べた.その孵化幼虫から羽化までの平均発育日数は,輪切りでは34.8±0.3日,千切りでは37.0±0.4日,割り干しでは40.9±0.4日であり,それぞれ有意に異なっていた.これらの発育日数は,生きた本種幼虫が切り干し大根から発見された場合,その混入時期推定の目安になると思われる.同じ条件で玄米での平均発育日数は35.8±0.5日であり,切り干し大根の輪切りや千切りとは差がなかった.切り干し大根(割り干し)と玄米で発育した本種雌成虫の産卵選好性を,玄米と切り干し大根を対象にして調べたところ,いずれも切り干し大根に対して産卵する割合が有意に高かった.今回の発育や産卵選好性の試験結果から,切り干し大根は本種の食害や混入を受けやすいと考えられ,その管理・保管には注意する必要がある.

短報
事例報告
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