人工知能学会全国大会論文集
Online ISSN : 2758-7347
第34回 (2020)
選択された号の論文の892件中201~250を表示しています
  • 梶岡 瑞貴, 松原 行宏, 岩根 典之, 岡本 勝
    セッションID: 2B6-GS-12-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    本稿では,一次方程式の解法手順をユーザが対話的に「教えることにより学ぶ」システムの開発を行った.本システムはシステムが一次方程式の解法操作を提案し,ユーザがその提案に対してフィードバックを行う.それを基にシステムが学習し,新たな解法操作を提案する.その操作を繰り返し行うことで「教える」ことを実現した.また,開発システムがユーザのフィードバックを基に学習したかを調査するシミュレーションの結果,全解法過程において適切な解法操作を必ず操作候補の中に含むことを確認できた.

  • ードキュメントセマンティクスとマルチモーダル情報の活用ー
    正野 敦也, 林 佑樹, 瀬田 和久
    セッションID: 2B6-GS-12-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    研究ミーティングなどの創造的議論の理解を深めるためには,議論後に音声や映像メディアを用いてリフレクションすることが有効であり,この振り返りの質を高める支援システムも数多く提案されている.一方,既存手法の多くは発言情報に基づく省察活動に焦点が当てられており,例えば資料を説明している提案者への理解が追いつかず,説明内容とは異なる箇所を読み返している参加者がいる区間といった,言語・非言語インタラクションを考慮した観点からの振り返りを支援するものはない.我々はこれまで,議論時の発話や視線遷移などのシグナルを統合したマルチモーダル情報を活用し「他者の理解が追いついていない可能性がある」といった振り返りに資する議論区間を検出・提示する振り返り支援システムを提案してきた.本稿では支援手法を発展的に拡張し,先行研究で活用したマルチモーダル情報に加えて,意味内容に踏み込んだ振り返り区間の検出のために,議論資料の諸要素へのセマンティクス情報,議論参加者の役割情報を活用した振り返り支援のための議論区間の検出法を検討する.

  • 古澤 嘉久, 田和辻 可昌, 松居 辰則
    セッションID: 2C1-GS-12-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    教授・学習過程において学習者の心的状態を把握することは,教育・学習の効果の観点から重要である.近年は対面授業だけではなく,非同期型学習であるeラーニングなどの動画を通した授業の形態も増加している.ところが,非同期型学習は,対面型の授業とは異なり教師がいるとは限らず,コンテンツを提供している立場の人間が生徒のモチベーションを管理することは難しい.このため,システムによる学習者の心的状態を推定することが必要である.そこで本研究では,オンデマンド動画視聴時における学習者の心的状態を生体情報から推定するモデルを,様々な課題に即して構築した.例えば,内省報告によるラベルづけは,自身の心的状態を一貫して適切に評価することは難しいことから必然的にノイズを含んだラベルとなることや,個人ごとの推定モデルを作成するにあたって,データ数が少ないことからより良い初期値を選択する必要があることなどを考慮したモデルを構築した.またActivation Maximization とSmooth Gradを利用することで,個々のモデルがどのような入力を元に予測をしているのかについて考察をした.

  • 藤田 早苗, 服部 正嗣, 小林 哲生, 納谷 太
    セッションID: 2C1-GS-12-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    近年,日本の英語教育改革が進められ、ますます英語力を伸ばすことが求められている. しかし、学習者の英語力は個人差が大きく、一律な教育では個人にあった効率的で適切な学習支援は難しい。個人にあった学習支援を行うためには、初学者の英語力をできるだけ正確にはかる必要がある。 そのため、我々はまず、語彙数、文法知識、読解力、といった複数の観点に基づいて英語力をはかる調査方法を設計した。特に、語彙数は英語力の基礎となると考えられるため、初学者の語彙数をできるだけ簡単に正確に測るための方法を検討した。 本稿では、中学2,3年生33名に対して行った予備調査の結果を報告する。

  • 藤白 智也, 浅利 恭美, 宮田 真宏, 山田 徹志, 大森 隆司
    セッションID: 2C1-GS-12-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    我々はこれまで,教育学支援のために,小学校の授業の画像中の子どもの位置・向きから関心推定する手法を提案してきた.これを自動化するため我々は,AI技術を用いて映像から子どもの2次元骨格情報を抽出し,それから3次元姿勢を推定してきた.しかし,骨格を抽出には揺らぎがあり,精度に課題があった. そこで本発表では,骨格抽出における揺らぎを補正・除去し,姿勢推定を安定化した.そして姿勢の変化を時系列分析し,単位時間当たりの子どもの姿勢の変化を評価することで,授業中の個々の子どもの授業への集中度の推定を目指す.課題は,授業の中でも集中するべき瞬間とそうでない瞬間があることで,その授業の流れの推定が技術的な課題である.本発表では授業内の集中度推定手法の進捗について報告する.

  • 曽我 真人, 稲留 広貴
    セッションID: 2C1-GS-12-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    学習者がデッサン人形をタンジブルユーザインタフェースとして用い,それを好みのポーズに変化させ,仮想人型モチーフの姿勢を変化させる手法を提案し,試作システムを活用した人物画スケッチ学習システムを構築した.仮想人型モチーフの直感的な操作に関しては,RGB動画像から人物の特徴量を算出することが出来るOpenPoseを用いて,Webカメラで取得したデッサン人形のキャプチャ画像から二次元関節座標を取得する.そして深度情報を付与した関節データをUnity上で仮想人型モチーフに適用することによってポージングの直感的操作を実現する.また,人物画スケッチ学習機能では,スケッチ対象となる仮想人型モチーフから算出した骨格と輪郭線を学習者のスケッチ成果物に対象との誤差を可視化した形で比較重畳表示し使用者に誤りの気づきを与える.そして,対象物と成果物の特徴点マッチングによって得点を算出し,学習者の学習によるスキルの向上を可視化する.最後に被験者を募り構築したシステムの評価実験を行い,システムの有効性を検証した.

  • 神田 峻介, 竹内 孝, 藤井 慶輔, 田部井 靖生
    セッションID: 2C4-OS-7a-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    本稿では、大規模な軌跡データに対する効率的な類似検索手法を提案する。本手法はLocality Sensitive HashingとTrie木を活用し高速な類似検索を実現する。高いメモリ効率を実現するために、冗長なTrie木の節点を削減する手法を提案する。さらに、三進数配列を用いたTrie木の簡潔表現であるSuccinct Trit-Array Trieを提案する。大規模な実データを用いた実験において、既存手法と比べて提案手法は検索速度とメモリ効率に関して高い性能を示した。

  • 辻本 大輝, 竹内 孝, 岸野 泰恵, 鈴木 宏和, 依田 憲, 木村 幸太郎, 前川 卓也, 原 隆浩
    セッションID: 2C4-OS-7a-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    近年のセンシング技術や画像処理技術の進展により,生物の移動情報を容易に計測可能となりつつある.これにより,例えば野生動物に添付したGPSデバイスで記録した移動軌跡や,実験室内でカメラ撮影したモデル動物の移動軌跡を解析し,それらの動物の移動戦略の解明を試みる研究が盛んに行われている.これまでに,計測された移動系列を解析するための手法が提案されているが,これらの適用可能範囲は生物種ごとに限定され,生物横断的な解析手法は存在していない.これは生物種によって,観測時間,移動距離,個体数が異なるためである.そこで本研究では,移動系列解析にとって有用な技術の開発を目的として,深層学習を用いた生物移動軌跡の教師なしセグメンテーションを提案する.本手法は,既存の教師なし画像セグメンテーション技術を拡張し,移動系列に適用可能としている.生物種の移動系列実験では,特に線虫と鳥の観測データを用いて提案手法を評価し,複数種類の移動系列のセグメンテーションに適用可能なことを確認した.また,既存手法との比較を行い,提案手法の優位性を確認した.

  • 西田 遼, 大西 正輝, 野田 五十樹, 橋本 浩一
    セッションID: 2C4-OS-7a-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    人が多く集まる大規模イベントでは混雑緩和を目的とした誘導が行われており,誘導の最適化に関する研究が報告されている.既存研究の多くは人々が誘導に従うことを仮定しているが,実際には一定の割合で誘導に従わない人がいる.誘導に従わない理由として誘導以外の要素が関係していると推測される.本研究では,まず行動モデリングによって誘導への不追従を誘発する要素を推定する.そして環境を変化させることで要素を操作し,要素の変化と誘導への追従率の変化の関係を人流シミュレーションによって検証する.その結果,環境を適切にデザインすることで人々の誘導への追従率を向上できることを示す.

  • 戸田 博己, VO Nguyen Le Duy, 杉山 諒太, 佐久間 拓人, 水谷 友一, 鈴木 宏和, 依田 憲, 竹内 一郎
    セッションID: 2C4-OS-7a-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    本研究の目的は,軌跡セグメンテーションの結果に対する統計的有意性を評価することである.この問題の難しさは,統計的推論の段階において,軌跡のセグメントがアルゴリズムによって選択されたという事象を考慮する必要がある点にある.仮に古典的な統計的推論手法を用いたとすれば,偽陽性率を所望の有意水準に制御することができないため,得られた$p$値や信頼区間は妥当性を失ってしまう.そこで本研究では,Selective Inferenceの枠組みを導入することにより,動的計画法を用いた最適な軌跡セグメンテーションの結果に対する適切な統計的推論手法を提案する.さらに,提案手法を動物の軌跡データに適用することで,古典的な統計的推論手法と提案手法との差異を示す.

  • 谷田 裕樹, 鹿内 学, 神長 伸幸
    セッションID: 2C4-OS-7a-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    世界の産業構造の変化により,新しい職業や新たな職業キャリアを構築する個人が増えている.一方で,採用する企業も,転職する個人も,自社・自分の経験以上の情報をもつことが難しい.より適切な情報提供により,意外で新しい職業キャリアを持つ人材が活躍する社会を望めるかもしれない.これまで,転職・採用に関わるデータを学習した予測モデルをもちいた仕事推薦システムの提案はあるが,人材や職業の構造を明にいれた予測モデルの研究は少ない.本研究の目的は,職業経験の移り変わり情報を利用した,職業キャリアの予測モデル構築である.本研究では,実際の膨大な転職データ,職業-スキルセット辞書,Weisfeiler–Lehmanカーネル法をもちいて,職業キャリアをグラフ構造として表現した.さらに,グラフ構造をもつ任意の職業キャリア間の距離を測るために最適輸送理論を採用した.その上で,ある職業キャリアをもつ個人が次に就ける職業の予測(職業ノード予測)について精度評価をおこない,職業をノードにしたグラフ構造である職業キャリア表現の有用性を検証した.結果として,職業予測において先行研究と比較して,より高い精度を示した.

  • 美嶋 勇太朗, 木村 塁, 南川 敦宣
    セッションID: 2C5-OS-7b-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    近年、環境汚染や高齢化といった社会的課題が顕著になるにつれ持続可能で効率的な都市運用を行うスマートシティの需要が高まっている。これに伴い、その街にとって最適なスマートシティを構築するために人々のプロファイルを適切に把握することが重要になってきている。例えば地域単位の各年代の構成比率、家族構成や自動車保有比率を精緻に知ることで子供の見守りサービスや、コミュニティバスやカーシェアリングのようなMaaSサービスを最適に構築することができる。一方で、このようなプロファイルのうち現状正確に把握ができるものは国勢調査から取得できる家族構成程度であり、把握手段に乏しい。加えて国勢調査も5年に1度という頻度であり、刻一刻と変化するプロファイルを正確に把握する手段としては適切ではない。本稿ではこのような社会情勢の変化を踏まえ、地域住民の行動パターンからその特性やニーズを推定する手法を検討している。初期検証として、個人の行動履歴とプロファイルの関係を位置情報とアンケートから調査した。結果、複数のプロファイルについて、位置情報を適切に加工し活用することで有意にプロファイルの推定精度が向上することを確認した。

  • 沖 拓弥, 小川 芳樹
    セッションID: 2C5-OS-7b-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    大地震発生直後,人々の滞留状況や避難状況をリアルタイムに把握することは,二次被害を軽減する上で重要である.しかし,従来のシミュレーション技術を災害時の初動対応等へリアルタイムに活用するためには,計算時間や推定精度の課題を克服する必要がある. そこで本稿では,大地震時の物的被害(建物倒壊,道路閉塞,市街地火災延焼)および避難者一人ひとりの行動を記述する精緻な都市内広域避難シミュレーションの結果を集約し,大地震発生時の避難行動を,機械学習で得た計算量の少ない行動モデルで推定するための手法を検討することを目的とする. 具体的には,エージェントベース型の広域避難シミュレーションモデルから得られる,物的被害も考慮した精緻な都市内広域避難シミュレーション結果を観測軌跡と想定する.まず,これらの軌跡群を,クラスタリングにより比較的少数のパターンに分類し,得られたクラスタの特徴を分析する.次に,軌跡クラスタリング結果をもとに,避難者の状態を推定する方法について検討する.さらに,パターンごとの避難行動特性を時系列データとして学習した避難行動軌跡予測モデルを構築し,本手法の有用性を評価する.

  • 久保 基, 田中 宏季, 中村 哲
    セッションID: 2C5-OS-7b-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    インバウンド観光を促進するためには,まず観光客の行動や滞在先を分析し,その傾向および要因を理解することが,必要不可欠であるといえる. 本研究では,時系列分散表現を使用して観光客の行動をクラスタリングすることを試みた. 先行研究では,長期短期記憶(LSTM)を使用して,旅行者の次の訪問場所を予測する研究が行われている.本研究では,時系列分散表現を獲得する手法をLSTMから双方向LSTM(Bi-LSTM)に拡張した. 観光客のクラスタを抽出するために,LSTMとBi-LSTMから導出された表現ベクトルの距離を計算した, 結果として,LSTMが同様の場所を訪れた観光客をグループ化し,Bi-LSTMが逆順で場所を訪れた観光客クラスターを抽出できることを示した.

  • 中川 翼, 岡 夏樹, 荒木 雅弘, 岡 海人
    セッションID: 2C5-OS-7b-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    本稿の目的は, 商業施設内を移動するユーザの行動履歴から人々を分類することである. 我々はいくつかの前処理を行いクラスタリング結果を改善することや, 休日や平日といった異なる日付に集められたデータを用いてK-means++ (Arthur, 2007)によりクラスタリングを行い, それぞれのクラスタの特徴を分析した. 結果として, 同じ特性を持つ複数のクラスタが出現するとそれらは滞留時間によって分離されることがわかった. さらに, 異なる特性を持つ店舗が潜在的な関係を持つ可能性なども示された. 今後は今回と比較してさらに大規模な施設のデータを用いたクラスタリングを予定しており, その結果を広告配信に応用する予定だ. クラスタリングの精度向上などが今後の課題になりそうである.

  • 筒井 和詩, 藤井 慶輔, 武田 一哉
    セッションID: 2C6-OS-7c-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    追跡者および逃避者のモデル化に関する研究は、二者の位置、移動速度、角速度および二者間距離などの変数を組み込んだ数理モデルを提案し、捕食者および被食者の移動方向の予測を試みてきた(Corcoran & Conner, 2016; Ghose et al., 2006; Weihs & Webb, 1984)。しかしながら、これらのモデルはその単純さ故に、類似した状況において常に同一の移動方向を予測するなど、二者の多様な行動パターンを予測することはできていない。そこで、本研究では、再帰的なニューラルネットワークに長期的な情報を取り込んだ長期短期記憶(LSTM)に基づく、データ駆動的な機械学習モデルを用いることによって多様な移動軌道を予測できるか検討した。LSTMモデルは、追跡者および逃避者の移動方向を従来のモデルよりも正確に予測することができた(追跡角度= 0.92; 逃避角度= 0.98)。本研究の結果は、多様な行動パターンの中にもなんらかの規則が潜んでおり、移動軌道の予測が可能であることを示唆している。

  • 藤井 慶輔
    セッションID: 2C6-OS-7c-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    構成要素が相互作用し複雑な動きを見せる集団運動をモデル化して理解することは、工学的にはもちろん、物理学や生物学などにおいて重要な問題である。しかし、実世界の生物集団などでは、要素間は互いに物理的に接続されていないため、その背後にある規則が不明な場合が多い。そのため、計測されたデータから集団運動のメカニズムを推定・理解するという方法が有効である。本発表では、このためのアプローチについて様々な例を挙げつつ、その一例として、個体間相互作用の動的なネットワークにおける力学的な特徴を抽出する、グラフ動的モード分解を紹介する。実験結果においては、集団スポーツの選手集団の攻撃戦術と守備戦術を既存手法より高い精度で分類でき、ラベル依存的な個体間相互作用のモードについて明らかにした。発表では、現在取り組む別のアプローチについても紹介したい。

  • 平原 大暉, 谷口 俊一, 園田 亜斗夢, 鳥海 不二夫
    セッションID: 2C6-OS-7c-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    AIの社会実装が進むにつれて、カメラから人の状態を推定するという需要が増えており、姿勢推定の出力から動作を推定する試みもされている。しかし、動作にも動きがない物、時間や周期の異なる物が存在し、動作の種類に対して適した分類器が異なるという問題がある。ここで重要となるのは実装時にどの分類器を選べば良いのかである。そこで本論文では、分類器におけるアルゴリズムの種類と使用する動画フレームの2つに注目して、動作の種類に対する分類器の精度変化を調べた。その結果、LSTMとSVMとで動作に対する精度の変化が異なり、動画フレームの時間間隔と推定に使う時間による精度の変化も動作に対して異なることがわかった。

  • 寺西 真聖, 藤井 慶輔, 武田 一哉
    セッションID: 2C6-OS-7c-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    サッカーは22人の選手とボールの相互関係を考慮する必要がある複雑な競技である。近年では選手位置データが計測されているが、その活用は個人の動きにとどまり、チーム戦術の意思決定には主に映像が用いられている。これまでのチームの軌道生成の研究の多くが最終的に予測と実測の誤差だけで評価しており、戦術的な価値(例えば良い守備ができているか)を考慮していない。そこで本研究では、比較的個体差が少ないチーム守備に着目し、守備チームがゴールを守れているか(守備指標)を明示的に特徴ベクトルに与え、守備チームの評価を考慮したマルチエージェント模倣学習を提案する。その結果、提案手法は既存手法(Le et al. 2017)と予測性能自体は同等であったが、守備評価の点で改善された予測軌道を生成することが示された。このことから、集団スポーツにおいて戦術的に意味のある軌道を生成するためには、戦術的な評価を考慮して学習を行うことが効果的であることが示された。

  • 寺西 弘樹, 岡田 真, 森 直樹
    セッションID: 2D1-GS-9-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    近年文書要約に関する研究が活発に行われている.その中でもニューラルネットワークを用いたAttention based SummarizationモデルやPointer Generator Network (PGN) モデルなどがある.しかし,これらの要約モデルは複数の文で構成される文書を1つの文として扱うため,各文を個別に処理したり,文間の関係を考慮して文を要約したりすることは不可能である.要約は文の関係を考慮してされるものであるため,文を個別に処理し文の依存関係を獲得できるモデル構造は,文書要約の改善につながると考えられる.そこで本論文では,複数の文で構成される文書の各文ベクトルを取得する階層型Attentionモデルをもとに文間の関係を得るために,ゲート付き畳み込みニューラルネットワークや自己注意機構を組み込んだモデルを提案する.またPGNのモデル構造を使用するための拡張手法も提案する.実験により提案モデルが各文章を個別に処理することで文間の関係を獲得でき,最新のモデル構造を組み込むことができるハイブリッドモデルであることを示した.

  • 江原 遥
    セッションID: 2D1-GS-9-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    外国語学習において、語彙学習は時間的コストが高いうえ、読解力をはじめとする全般的な語学力と相関が高い。語彙学習の支援においては、学習者が適切な語の使い方を学べるよう、ある語が母語話者の作文や発話を集めたコーパス中でどのような使われ方をしているか、語の用例(コーパス中の出現)を提示したいニーズがある。この時、単にコーパス中の当該単語の出現箇所を羅列するのではなく、多義語については語義を考慮し、類似した語義はまとめ、さらに、覚えるべき主要な出現と例外的な出現を分けて提示してくれると、より語彙学習に有用であると思われる。しかし、このように、語の出現ごとに語義を付与したり、覚えるべきかどうかを判定する作業を、人手で行うことは、アノテーションコストが高すぎて非現実的である。そこで、本研究では、文脈化単語埋め込み(BERT)と教師なし深層異常検知に基づき、人手のアノテーション情報なしで、こうした語彙学習に有用な用例情報を提示する手法を提案する。

  • 塙 一晃, 永田 亮, 乾 健太郎
    セッションID: 2D1-GS-9-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    文法誤り解説文生成とは,文法誤りを含む文に対してライティングに関する解説文を生成するタスクである.解説文生成を自動で行うことができれば,学習者の支援を低コストで行うことができるようになり,学習者のライティング能力の向上が期待される.しかし,一方で,適切でない解説文を生成してしまった場合,かえって学習の妨げになることが懸念される.そこで本稿では,不適切な解説文の生成を防ぐために,解説文生成における機械学習モデルの出力の確信度の測り方についての調査を行った.実験を通して,検索類似度に基づく手法や予測編集率に基づく手法が効果的に機能することがわかった.

  • 菊井 玄一郎, 松岩 祥平
    セッションID: 2D1-GS-9-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    7段落前後の英語エッセイテキスト約120テキストの各段落に対して5つ以上のタイトルを付与したコーパスを構築した.本稿ではこのコーパスの作成方法と作成されたコーパスの特徴について述べ,さらに,ニューラルネットによる要約手法を適用した場合の精度について報告する.

  • Zhishen YANG, Naoaki OKAZAKI
    セッションID: 2D1-GS-9-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    Vision and language as a vibrant multimodal machine learning research field aim to create models that serve comprehension of information across vision and language modalities. In this work, we utilized the multimodal Transformer model with joint text-vision representation to approach one of the vision and language tasks: news image caption generation. The multimodal Transformer model leverages context from the article with consideration of the scene in the associated image to generate caption. The experimental result demonstrated the multimodal Transformer significantly improved the quality of generated news image caption.

  • 鈴木 雅大, 松尾 豊
    セッションID: 2D4-OS-18a-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    本研究では,何らかの要因によって崩れた画像を,対応する補助情報(例えば画像のラベル)を利用することで修復する条件付き画像修復というタスクを考える.一般的な画像修復では,欠損箇所や崩れた画像の生成過程が予め分かっていることが多いが,このタスクではそれらは未知とし,その代わり与えられる補助情報を頼りに修復をする.このタスクを解くために,本研究ではまず,VAEに基づきラベルが与えられた下での画像の条件付きモデルを学習する.そして,このモデルを事前分布としてエネルギー関数を求め,これを最小化するように反復的に画像を更新することで,修復画像を生成できることを示す.実験によって,条件付きVAEの再構成による修復ではラベル情報を考慮されないこと,そして提案手法によってラベル情報を考慮した条件付き画像修復ができることを示す.

  • 玉井 信也
    セッションID: 2D4-OS-18a-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    自律的な産業用ドローンシステムを構築するために、我々は世界モデルを持つエージェントを3Dシミュレーター内で実装し、迷路環境におけるナビゲーションタスクの性能について調べた。エージェントは学習によって性能を向上させ、このことは世界モデルの実世界タスクに対する適用可能性を示唆するものである。世界モデルを実世界タスクに適用する際の課題とそれに対するアプローチについて議論する。

  • 谷口 尚平, 岩澤 有祐, 松尾 豊
    セッションID: 2D4-OS-18a-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    償却変分推論は,データを入力として潜在変数の確率密度関数を出力するパラメトリックな関数を用いることで,潜在変数の事後分布の近似推論を高速に行うことのできる強力な手法であり,変分自己符号化器など生成モデルの学習に広く使われている.既存研究では,画像などの固定長のベクトルで表現される入力に対する償却変分推論を扱うものが多かったが,本稿では可変サイズの集合を入力とする場合について扱う.集合を扱う償却変分推論において難しい点は,集合のサイズが可変であり,取り得るサイズの数が膨大になり得るという点である.このとき,取り得るすべてのサイズの集合について最適化することは,計算コストの観点から現実的ではないため,限られたサイズの集合に対して最適化された関数が,任意のサイズの集合に対して汎化することが保証されているのが望ましい.本稿では,特定の関数族のみがこれを保証できることを示し,これを用いたモデルの提案を行う.実験では,提案法が他の関数族を用いる手法に比べて,集合のサイズに対する汎化性能を向上させることをトイデータ,1次元回帰,画像補完のタスクで示す.

  • 佐藤 琢, 村田 真悟, 出井 勇人, 尾形 哲也
    セッションID: 2D4-OS-18a-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    予測符号化をはじめとした脳の計算理論の発展に伴い, 人の基礎的な知覚・行動原 理について理解が進められている. 特にロボットを用いた試みでは,再帰型神経回 路モデル (RNN) を備えたロボットによる環境適応や未来の目標に応じた動作生成 について調べられてきたが,様々な行動の可能性がある中での目標に応じた柔軟な 行動生成についてはよく調べられていない. 本研究では予測符号化によってロボッ トの目標に応じた柔軟な行動の生成が可能であることを示すことを目的とした. 実 験では過去の環境から未来の目標状態までの予測誤差を考慮した適応機構を持つ RNN をロボットに実装し,実験者とのブロック受け渡しタスクを行なわせた. 結 果,環境と目標に応じた行動探索が可能であることが確認され,目標を達成するよ うな効率的な未学習の動作が観察されることもあった. この結果は,未来状況を含 めた予測誤差最小化により目標に応じた柔軟な行動生成が説明できることを示すと ともに,他者との協調行動の理解にも示唆を与える.

  • 阿久澤 圭, 岩澤 有祐, 松尾 豊
    セッションID: 2D4-OS-18a-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    Variational Autoencoder (VAE)の訓練はposterior collapse,すなわち潜在変数がデコーダーに無視される現象にしばしば妨げられる. 本稿では,既存のVAEがしばしば仮定するデータ生成過程の情報識別不能性がposterior collapseを生じると主張する. これは,情報識別不能なデータ生成過程においては,特定の潜在変数が特定の情報を持つように設計されているのにも関わらず,他の潜在変数がその情報を期待尤度を損なうことなく獲得できてしまうためである. そして自己回帰デコーダーを持つVAEとdisentangled sequential autoencoderを例に挙げて,この解釈がposterior collapseの統一的な説明を与えることを示す. 加えて,情報識別不能性の問題を緩和するために,敵対的学習を用いた条件付き相互情報量の最大化による正則化手法を提案する. この正則化手法はモデルや潜在変数の構造を特定のものに制限する必要がない. 実験では提案手法が前述の2つのモデルにおいてposterior collapseを緩和することをRDカーブなどを用いて確認する.

  • 西江 洸介, 高津 芳希, 岩橋 直人
    セッションID: 2D5-OS-18b-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    ロボットが周囲の実世界情報をセンサを用いてオンラインでメンタルスペースに取り込みシミュレーションによりプランニング・学習を行う世界理解・意思決定の数理モデル―フィジクスプロジェクション―をすでに提案している。本研究では、フィジクスプロジェクションにおける物理エンジンに基づくプランニングの手法の提案、実装、評価、検討を行った。

  • データ交換可能なフレームワークの提案
    児玉 隆一郎, 廣瀨 剛, 長瀬 雅之, 川口 仁, 菅 佑樹, 尾形 哲也
    セッションID: 2D5-OS-18b-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    近年、深層学習・機械学習技術の発達とともに、深層学習・機械学習のロボットへの応用が期待されている。 一方で、現状のロボットシステムの開発環境は複雑であり、 ロボットに深層学習・機械学習技術を容易に組み込み連携させることが難しい。 そこで我々は、既存のロボットシステム開発環境を参考に、 簡易に利用することが可能なロボット向け統合開発環境を作成した。 その開発環境にニューラルネットワークのモデル構築・学習機能を実装し、 構築したモデル・学習結果をロボットシステムに組み込むことを可能とした。 本論文では、同開発環境のログ・学習データ交換の仕組みを中心に述べる。

  • 松嶋 達也, 古田 拓毅, 顧 世翔, 松尾 豊
    セッションID: 2D5-OS-18b-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    強化学習において,環境とオンラインに相互作用するコストの高い問題では,事前にデータセットを用意しておき方策を学習するオフライン強化学習が有望である.しかし,既存のオフライン強化学習手法は大きなデータセットに依存しているため,小さなデータセットを利用した場合,学習が不安定になるという問題を抱えている.オンラインの強化学習では,学習のサンプル効率を高める方法としてモデルベース強化学習が利用されているが,オフラインの問題設定に単純にダイナミクスモデルを組み込むだけでは性能を発揮できない.本研究では,モデルベース強化学習において,オフラインデータを利用して方策を学習する新たな手法を提案する.本提案手法は,ダイナミクスモデルのアンサンブルと,オフラインデータから推定した挙動方策とターゲット方策のダイバージェンスによる制約という2つの要素を併せ持つ.評価実験では,高次元連続制御のベンチマークを用いて,本提案手法がより小さなデータセットにおいても安定して方策を学習できることを示す.

  • 豊田 みのり, 森 裕紀, 鈴木 彼方, 林 良彦, 尾形 哲也
    セッションID: 2D5-OS-18b-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
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    本研究では動作とともに学習していない単語 (未知語)を含んだ言語指示も受容可能な言語と動作の統合表現の獲得を目指す.提案モデルは山田ら (2018)の言語と動作の相互変換モデルに基づき,言語用と動作用の2つのRecurrent Autoencoder (RAE)とretrofit Layer (rLayer)と名付けた言語入力を変換する非線形層により構成される.両RAEでは対となる中間表現を近づける学習により統合表現を得るが,ここで言語用RAEの入力として,rLayerにより動作と対応づけて変換した事前学習済み分散表現を用いる.これにより,分散表現をより意味に応じた表現に変換し.未知語の指示への含まれ方に関わらず正しく受容した統合表現による動作生成を可能とする.3単語による言語指示と提示された対象へのロボット動作の,視覚入力に応じた相互変換の評価実験の結果,相互変換の実現とともに,未知語を含んだ指示に対してもその含まれ方に依らない動作生成が可能であることが示唆された.また,変換後の各単語の表現のcos類似度の可視化により,未知語であっても意味に合わせ表現が分離されることが確認できた.

  • 境 辰也, 宮澤 和貴, 青木 達哉, 堀井 隆斗, 長井 隆行
    セッションID: 2D5-OS-18b-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    現在機械学習モデルの説明性に関する研究が活発であるが,実世界でのロボットの自律活動を前提とした議論はほとんど行われていない.また判断根拠提示の先にある人間の納得感向上や受容促進に関しても,十分な研究はなされていない.よって本研究では,自律ロボットが行動決定に用いる強化学習モデルに対し,人間に受容される説明を生成することを目的とする.認知科学の知見によると,人間に受容される説明の生成には「事象の理解に十分な必要最低限の情報を提示すること」が重要である.この要件を満たすため,本研究では世界の予測モデルを利用した意思決定プロセス内の重要要素の同定,および重要要素を用いた説明生成のフレームワークを提案する.提案手法では強化学習によるポリシー獲得と同時にRNNを用いて予測モデルを学習する.そして,予測モデル上での反事実計算により,出現頻度の高い状態を重要要素として同定する.その重要要素のうち,質問者が知らない情報を提示することで説明を生成する.実験環境には,報酬獲得に複数状態の経由が必須であるグリッド環境を用いた.実験の結果,人間の受容要件を満たす説明が生成されることを確認した.

  • 谷中 瞳, 峯島 宏次, 戸次 大介, 乾 健太郎
    セッションID: 2D6-OS-18c-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    ニューラルネットワークが言語の構成性を捉えられているのかという問題は古くから議論されており,近年では,深層学習モデルに基づく実証的な研究が進められている.これまでのニューラルネットワークの言語における汎化性能に関する研究では,主に思考の体系性,すなわちニューラルネットワークが任意の文(表象)からその背後にある統語論的構造に応じて意味を再構成するかについて分析が行われてきた.しかし,思考の体系性よりもさらに一段階複雑な推論の体系性,すなわちニューラルネットワークが表象間の関係性を推論規則に応じて推論するかについては,その体系性の複雑さから依然として自明でない.本研究では,ニューラルネットワークの自然言語推論の体系性について分析することを目的とする.文脈自由文法の生成規則からトップダウンに自動生成した推論データでモデルを学習し,未知の構成要素の組み合わせに基づく推論データでモデルの汎化性能を評価する手法を提案し,ニューラルネットワークの自然言語推論の可能性を考察する.

  • 小林 由弥, 鈴木 雅大, 松尾 豊
    セッションID: 2D6-OS-18c-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    複雑な物体を多数含む実世界のような環境において、意味や機能などの抽象的な概念に基づいてそれらを分割・認識する「シーン認識」は重要な高次の認知機能の一つである。近年、環境のモデル化を行い行動を決定する「世界モデル」と呼ばれる一連の研究が注目を集めているが、本研究はシーンや物体の認識などを考慮し、世界モデルにおける表現獲得の高度化を目指したものである。 既存の生成モデルによるシーン認識は完全な教師なし学習であるため、オブジェクトとして認識すべき対象に関する制約がなく、目的通りの分割ができないという問題がある。例えば実画像のような複雑なテクスチャを含むデータは適切な分割が難しく、この問題は手法の適用範囲を狭める原因となっている。本研究では、分割すべき対象に関する知識を取り込み、複雑なオブジェクトでも適切に分割を行うことができる手法を考える。具体的には、背景と前景の確率分布の対照を行うことで最初に背景を分割し、前景に関してはさらにオブジェクト単位の分割を行うことを考える。これにより、既存手法で対応が困難であったデータに対しても認識可能となることを示す。

  • ジェプカ ラファウ, 瀧下 祥, 荒木 健治
    セッションID: 2D6-OS-18c-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    Lack of background knowledge about the everyday world is an obstacle on the way to simulate usual situations and their changes. In this paper we present a simple idea for extending common sense knowledge bases for Japanese language by using a language model.

  • 出来事の集合はどの様に作られるのか?
    山川 宏
    セッションID: 2D6-OS-18c-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    統計的学習は、出来事の生起回数を数えることに基づいて環境から知識を獲得します。 したがって、出来事の集合を柔軟に定義できれば推論できる範囲が広がります。 この発表では、あらゆる統計的学習を支える最小の表現となる整列構造を最初に定義します。 これは、要素として出来事を指定するためのインデックスを持つ事例インデックス集合(CIS)と、各インデックスに従って値領域から各変数に対応する値を読み取る値読み取り手順で構成されます。 現場の技術を分析して抽象的なCISを構築する基本手順を特定した。その手順とは、全てのCIS内の要素を起点として次の手続きを繰り返す「CIS内の特定の要素を起点として部分的な領域を切り取って高次のCIS要素に関連付ける手続き」となります。 今回の検討は、自動的に整列構造を発見することで、推論能力を高める人工知能の研究に貢献できると期待しています。

  • 小須田 玲花, 小名木 佑来, 太田 丞二, 高橋 愛, 髙岡 浩之, 横田 元, 堀越 琢郎, 森 康久仁, 須鎗 弘樹
    セッションID: 2E1-GS-13-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    日本国内における死因第2位である心疾患のうち主な疾患に冠動脈狭窄症がある.現在,冠動脈狭窄を診断するにはCT画像を読影後,治療が必要な可能性がある場合はより詳しく検査して治療するか決定する.それには,侵襲的検査の一つであるカテーテル検査を用いるため患者への身体的・経済的・精神的負担が大きい.CT画像のみを用いて要治療か否かを診断できれば,不要な侵襲的検査を避けることができ患者へのリスクを減らすことが可能である.本研究では,深層学習モデルを用いてCT画像のみから要治療患者であるかを識別する手法の提案を目的とする. モデルの学習にはCT画像のうちShort Axialと呼ばれる,冠動脈の血流軸に沿って横断面を表示させた画像を使用した.狭窄の指標には冠血流予備量比(以下,FFR)という冠動脈血流の比率を用いる.また,無限階調の画像であるCT画像を256階調へ変換する正規化を行った.学習の手法として冠動脈一枝毎のスライスを時系列であるとみなしてLSTMを含むモデルを提案する.深層学習モデルと時系列情報のあるCT画像を利用すればCT画像のFFRから要治療患者を特定可能であることが分かった.

  • 小林 智久, 岸本 直也, 花ヶ崎 伸祐, 呂 湘潯, 笹井 敏裕, 菅澤 拓也, 北野 和彦, 神谷 早織, 松原 正明
    セッションID: 2E1-GS-13-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    人工股関節全置換術(以下、THA)において、各患者に最適な術前計画を行うことは、医療画像・各種計測値・骨密度・筋肉の緊張など考慮すべき点が多く、ベテランの医師でも難しい。一方で、精度の高い術前計画は、治療成績の向上や確実なインプラント調達に繋がる。また、医療機器メーカーにおいても、必要以上の医療機器サイズ・種類を出荷しており、請求も実際使用したものしか出来ないため、ビジネスを圧迫していた。そこで、過去のTHA症例データおよび機械学習技術を活用して、各患者に最適なインプラント・サイズ予測モデルと挿入位置・角度・座標の予測モデル、またそれらをX-ray上に自動配置して医師が活用できるWebアプリを開発。現状の医師の精度をベンチマークとした、機械学習モデルでの術前計画精度および、出荷削減可能性を検証した。 結果として、約200症例の少ないデータで、患者背景(構造化データ)とX-ray & CT(画像データ)を組み合わせたマルチモーダル機械学習モデルを開発することにより、一部医師の性能を上回る結果となった。また出荷削減においては、40〜61%の削減可能性を見出せた。

  • 中村 賢治, 室田 大輝, 渡辺 由佳子, 浅尾 高行
    セッションID: 2E1-GS-13-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    医療機器関連の特許や審査書類は大量にあるが、大半が紙媒体の申請でデジタル化されていない。これらを自動的にデジタル化し、解析することで新たな知見を得られる可能性がある。そのため、医療機器関連の特許や審査書類をデジタル化し、半自動分類をするシステムを構築した。 Adobe Acrobat DCを用いて特許書類をデジタル化し、形態素に分解する。形態素の重要度をTF-IDF法を用いて計算し、誤変換の頻度の高いワードを抽出する。その後、RNNを用いてテキストデータを大分類4種、小分類127種に分類する。これらを自動的に行うRPAシステムをPythonベースで構築した。その結果、高い分類精度を得ることができた。

  • 池田 武史, 亀谷 由隆, 水野 智博, 溝神 文博
    セッションID: 2E1-GS-13-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    近年,多剤併用(ポリファーマシー)問題は注目を集め,高齢者医療にとって重要な課題であると言える.ポリファーマシーでは薬物有害事象の増加が問題となるが,その原因は多岐にわたり,単純な薬剤の組み合わせだけではなく,患者の病態・生活・環境にも関係しており,薬物有害事象の発生を予測するのは容易ではない.しかし,その予測を行うことができれば薬物療法の安全性に貢献できると考える.そこで本研究では,ポリファーマシー状態の高齢者における薬物有害事象の評価方法を確立することを目的として,過去の患者の薬剤投与履歴等を用い,薬物有害事象の発生を予測する規則分類器を構築することを考えた.薬物有害事象として,高齢者における転倒・転落のリスク因子となる低血圧症に着目した.100人分の患者データから低血圧症の予測を考え,分類器で用いる規則は連続値・離散値を同時に扱える識別パターン発見手法で抽出した.評価実験においては,得られた識別パターンの妥当性を医療的見地から議論し,構築した規則分類器の予測性能を C4.5, RIPPER, XGBoost と比較した.

  • 田代 弘平, 寺崎 優希, 横田 元, 太田 丞二, 堀越 琢朗, 森 康久仁, 須鎗 弘樹
    セッションID: 2E1-GS-13-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    脳動脈瘤の破裂は,くも膜下出血の主因である.くも膜下出血の多くは予後が不良であり,死亡率も高い.そのため,医師による動脈瘤の早期発見と治療が重要である. 脳動脈瘤の診断には, MRA(Magnetic Resonance Angiography)が広く用いられている.また,脳動脈瘤を自動で検出する手法として,MRAに対して,CNN(Convolutional Neural Networks)を用いる方法がいくつか提案されている. 特に3DMRAとMIP(Maximum Intensity Projection)法による2D画像を組み合わせた,Multi-Modal CNNを用いた手法は,高い感度を記録しているが,脳内における病変候補の位置や幾何的情報を用いておらず,誤検出が多いという問題があった. 本研究では,前処理として病変候補の位置や血管構造等を用いて,偽陽性を削減した後に,Multi-Modal-CNNへの入力を行った.実験の結果,偽陽性削減前と比較し,同等の検出感度で低い誤検出率が得られた.

  • 再燃焼系炎上における分析
    鳥海 不二夫, 榊 剛史
    セッションID: 2E4-OS-1a-01
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    ソーシャルメディア上では様々な言説が投稿されているが,炎上と呼ばれるバースト現象が発生することも多い. しかしながら,炎上は一部のユーザによって引き起こされることが知られている. そのため,炎上時に広く広まる意見は,世間一般の意見との乖離が存在する可能性が高い. そこで,本研究では既知のコミュニティ分布を用いて,炎上時に拡散された意見が一般からどの程度乖離しているかを 評価する指標を提案する. 提案指標を複数回の炎上を繰り返す大規模な炎上事例に対して分析を行った.

  • 石井 景渡, 三浦 雄太郎, 鳥海 不二夫, 菅原 俊治
    セッションID: 2E4-OS-1a-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では、ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)のゲーム理論モデルであるSNS規範ゲームを用いて、SNSのコンテンツに対する価値観がSNSにおける人間関係の構築や行動学習の際に及ぼす影響について分析する。現在流行しているFacebookやTwitterに代表されるSNSは、ユーザによる自発的なコンテンツ投稿により維持されている。ゲーム理論の枠組みをSNSに適用した先行研究では、ユーザ間のSNSのコンテンツに対する価値観の差異が各ユーザが取る行動や人間関係の構築に与える影響を考慮していないという問題があった。そのため本研究では、SNSのコンテンツに対する価値観の差異をゲーム理論における行動に対する報酬とコストで表現し、人間関係の構築過程における親密度の差異を重み付き有向グラフで表現したモデルを提案する。ここでは単に価値観の差異を導入するだけでなく、これを用いてSNSにおいて積極的、普通、消極的な行動が期待できるような人を定義して実験した。その結果、積極的な人ほど記事投稿をするような行動の違いがあった。また積極的な人同士が結ばれ、消極的な人はほとんどと結ばれない傾向があった。

  • ネットワーク構造と情報共有者の創造性の交互作用に着目した分析
    楊 鯤昊, 藤崎 樹, 植田 一博
    セッションID: 2E4-OS-1a-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    専門家ではなく、商品やサービスの利用者によって行われるイノベーションは、ユーザーイノベーションと呼ばれる。先行研究は、社会ネットワークの構造と、情報共有者の創造性がユーザーイノベーションに影響することを別個に明らかにしてきた。しかしながら、社会ネットワークの構造と情報共有者の創造性の2つを同時に考え、両者の交互作用がユーザーイノベーションにどのような影響を与えるのかについては検討されていなかった。そこで本研究では、「Idea Storm」というウェブサイト上の6,333名のユーザーと、2,213,782件のデータ分析を通してこの点を検討した。具体的には、情報共有の創造性と情報共有のネットワーク構造が、対象者のイノベーションに与える影響を分析した。その結果、両者の交互作用が観察された。すなわち、創造性の高い情報共有者は、(対象者の隣人が互いに繋がっていない)開放的なネットワークでは対象者のイノベーションにポジティブに影響するのに対し、閉鎖的なネットワークではネガティブに影響することが明らかとなった。

  • 佐藤 寛紀, 橋本 康弘, 土井 樹, 岡 瑞起, 池上 高志
    セッションID: 2E4-OS-1a-04
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    Webにアップロードされる情報は、実世界のイベントとWeb内部で起きるイベントの両方を反映し, 変化することによって発展してきた. この様子を生物進化の類推で議論しようというのが、ここでの目的である。本研究では、例としてRoomClipというインテリア写真共有サービスにおけるハッシュタグの使用法の時間的変遷に対応する変異と選択に焦点を当てて解析する。 本研究の解析結果は, 使用されるハッシュタグの組み合わせの多くが既存の組み合わせの再利用であることを示し, これはハッシュタグの選出に偏りがあり, 新規組み合わせの出現が起きにくいことに起因すると推測される. このような組み合わせの多様化過程は, 生物進化において自然選択がある特定の形質を選択すること, また, 変異発生率が低く抑えられていることと類似する.

  • 奥田 慎平, 保坂 道雄, 笹原 和俊
    セッションID: 2E4-OS-1a-05
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    近年、言語も生物と同様に文化進化することが知られており、その研究をする際に進化生物学のアプローチが有効となっている。本研究では、英語の完了形構文の進化に焦点を当て、haveとbeの助動詞選択で働いている進化駆動力を検出するために、3つの大規模な英語コーパスを用いて19個の対象動詞におけるbe/have+PP用法を分析した。時系列とともに2つの相対頻度を分析することからhave+PPの補助選択が動詞の性質と文法的な使用法に依存していることが確認できた。また、集団遺伝学で用いられている手法を進化言語学に応用したFrequency Increment testを適用することにより、多くのbe+PPからhave+PPへの変化は、方向的な選択の力が働いている可能性があることを明らかにした。

  • 全 珠美, 水野 貴之
    セッションID: 2E5-OS-1b-02
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    HYIPは高い利益を得ると広告して参加者を集めるポンジ詐欺の一種である。この投資プログラムはリスクが高いにも関わらず参加者は集まって経済的な被害を受けることになる。本研究では、ビットコイン市場で観察されたHYIPに関する取引データを用いて、この投資プログラムが活性化し崩壊するまでのメカニズムを分析する。HYIPプログラムから利益を貰うか貰わないによって、肯定的または否定的なフィードバックのループが発生する。参加者たちはネットワークを形成していて、彼らの模倣行動によって投資金額はLog-periodic的なパターンで成長する。この現象は株式市場のバブル形成・崩壊のメカニズムと同様である。本研究では、代表的なバブル時の株価予測モデルであるLPPLモデルを応用しHYIPの活性を予測する。この研究は今後、仮想通貨市場で現れるポンジ構造の詐欺プログラムの追跡や効果的な規制の研究につながると期待する。

  • 土井 翔平, 水野 貴之, 栗崎 周平
    セッションID: 2E5-OS-1b-03
    発行日: 2020年
    公開日: 2020/06/19
    会議録・要旨集 フリー

    グローバルな株式所有関係により、企業は間接的に外国政府や企業の支配下に置かれることがある。例えば、中国政府は国有企業を通じて外国の電力会社や港湾事業者に間接的な影響を及ぼしていると言われている。そこで報告者たちは昨年、こうした間接的支配を定量化するNetwork Power Index (NPI) およびその計算アルゴリズムを発表した。本報告では株式ネットワークの変化によるNPIの変化に焦点を当てる。具体的には香港が中国の完全な支配下に置かれた場合と中国から独立した場合のシミュレーションを行う。NPIは株主の議決権比率それ自体ではなく株主間の議決権比率の分布によって決定されるため、中国と香港の間の政治的対立が第三国に波及することが考えられる。本研究のシミュレーションにより、それぞれのシナリオにおいて得をする国と損をする国が明らかにした。興味深いことに、日本は香港の地位がどのようになったとしても影響力を低下させることが分かった。このような株式関係の変化が第三者に与える影響は効果的な株式投資にも役立つものだと考えられる。

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