植物環境工学
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28 巻, 3 号
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論文
  • 大石 直記
    2016 年 28 巻 3 号 p. 125-132
    発行日: 2016/09/01
    公開日: 2016/09/01
    ジャーナル フリー
    トマトの温室栽培において植物群落の葉面積指数(LAI)を非破壊的に評価するため,散乱光センサを開発した.本センサは,直達光を防ぐ黒色遮光枠(100 mm × 100 mm × 100 mm)の内部にシリコンフォトダイオードを取り付けただけの構造である.本センサはその開口部を北方向に向けて植物群落内(PL)および群落外(PU)に設置し,光量測定を行った.本センサによる温室内の光量(PU)は,温室内の骨材や保温資材のような遮光物の影響を受けずに温室外日射量と同様なパターンで変化した.トマトの3段摘心栽培において散乱光センサによって求めたRLI(%;PL/PU × 100)は,日中の時間帯では一定値を示した.トマトの栽培条件(季節,N供給量)に関わらず,トマト定植後のRLIはLAIの増加とともに減少し,平均RLIの自然対数値(ln(Avg. RLI))とLAIとの間に直線的な負の相関関係がみられた.以上から,散乱光センサを用いることによって,トマトの温室栽培におけるLAIの非破壊評価が可能と思われた.
  • 中原 浩貴, 森 太郎, 松崎 弘美, 松添 直隆
    2016 年 28 巻 3 号 p. 133-141
    発行日: 2016/09/01
    公開日: 2016/09/01
    ジャーナル フリー
    土壌中と植物内での青枯病菌の病原性野生株(野生株)と非病原性変異株(PC株)の増殖特性の相違を明らかにするため,土壌とナスに野生株とPC株を同濃度かつ同時に混合接種し,菌密度を調査した.土壌中では両菌株とも同様に増殖したが,植物内ではPC株より野生株の方が高密度に増殖した.植物内におけるPC株の定着量が,野生株の定着抑制と青枯病発病抑制に及ぼす影響を調査するため,以下の実験を行った.1)PC株の接種日数が異なるナスを用いて,PC株定着量と青枯病防除効果との関係を調査した.その結果,PC株を高濃度で接種した初期の植物でのみ,PC株の高濃度の定着が確認され,青枯病の防除効果が確認された.2)野生株の接種濃度よりも低濃度のPC株接種区と高濃度の接種区を設け,青枯病防除効果と根,茎および葉における両菌株の定着量を調査した.その結果,高濃度のPC株接種区では,根における野生株の定着が抑制され,青枯病の防除効果が発揮された.
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