本報告書は,2012年研究大会・プレカンファレンスでの筆者の発表に,加筆・修正を加えたものである。LinkedInは,世界中で2億人規模のユーザーを抱える,プロフェッショナル専用のSNSである。筆者を含む社会情報学会若手支援部会(SSI-BJK)のメンバーは,プレカンファレンス開催の半年以上前から実際にLinkedInのアカウントを作成し,いくつかのサービスを利用して,その学術利用の可能性を探った。その結果,LinkedInは研究者のブランディングやターゲットを絞ったコミュニケーションが可能である点で,ビジネスユーザーだけでなく,学者・研究者の利用にも適しているであろうことが分かった。しかし一方で,安全性やプロジェクト管理適性など,各種問題があることも判明した。筆者個人としては,LinkedInはSNSの学術利用に適してはいるが,オールインワンではなく,一定の利用コストもあるので,SNS併用の可能性も視野に入れながら,学会全体でSNSの比較検討を続けていくことが望ましいと考える。
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