社会情報学
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8 巻, 3 号
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特集論文
  • 與那覇 里子
    2020 年 8 巻 3 号 p. 1-13
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/08/27
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,新聞において若者がネット上のフェイクニュースを信じているとの言説が浸透していった経緯を明らかにすることである。2016年の米大統領選以降,沖縄の地元紙2紙は,インターネット上のフェイクニュースを若者が信じているとの指摘が多いが,高齢者がフェイクニュースを信じているという指摘をした記事もなかった。

    全国紙・地方紙の過去記事のデータベースから若者がフェイクニュースを信じているとする関連記事を抽出する。記事内容を確認し,新聞言説の広がりの経緯を追う。

    結果,メディアを専門としない複数の専門家がコメントの中で学生とのやりとりを通しての言及をはじめ新聞週間や主権者教育など,フェイクニュースを信じる若者を問題視する形で,繰り返し新聞に取り上げられていた。一方で,専門家が発言を始めてから,記者が実際に裏付け取材をするまで1年7カ月を要していた。

    沖縄の若者がフェイクニュースを信じているとの根拠は乏しかったものの,「伝聞」の状態でマスメディアが取り上げ続けたことで「本当」のこととして見なされていた。また,地元2紙が沖縄の若者がデマを信じているとの指摘を始めた後に,地元2紙以外の新聞社も同様の記事を扱い始めていた。

    本研究は,対象となった記事の件数が少ないため,一般化することは適当ではないが,正確と公正を謳う新聞社が専門家のコメントに依存している可能性があると指摘した点では意義がある。

  • 藤代 裕之
    2020 年 8 巻 3 号 p. 15-28
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/08/27
    ジャーナル フリー

    ファクトチェックは,2016年のアメリカ大統領選挙をきっかけに世界的に拡大しているが,党派的な偏りや人々に適切な情報を届ける難しさといった課題が指摘されている。国内では,政府がフェイクニュース対策のためファクトチェック推進を求めているが,課題に関する議論は置き去りとなっている。本研究では,2018年に行われた沖縄県知事選挙を対象に,地元新聞社が行ったファクトチェックに対するソーシャルメディアの反応を定性的に分析することで課題を明らかにする。その結果,一部のファクトチェック記事が党派的な反応を引き起こし,政党関係者により対立候補の攻撃に利用されていた。ファクトチェック記事を紹介するツイートとフェイクツイートの反応を比較したところ,党派的な分断が存在することが明らかになった。党派的な反応を引き起こす要因は,ファクトチェックの国際基準違反とファクトチェックとうわさ検証の区分の曖昧さにあった。ファクトチェックにおけるジャーナリズムの役割は,有権者に判断材料を提供することにある。その実現のためには,ファクトチェックという言葉を整理すること,確認・検証する対象を分かりやすく有権者に提示して透明性を高めること,ファクトチェックの取り組みが中立・公正であることを有権者が確認できる仕組みの導入が必要である。

  • 耳塚 佳代
    2020 年 8 巻 3 号 p. 29-45
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/08/27
    ジャーナル フリー

    2016年のアメリカ大統領選を機に,「フェイクニュース」の拡散が社会問題化した。オンラインの有害な情報に対する懸念が高まり,メディアリテラシー教育にも変化が求められている。本稿は,「フェイクニュース」問題をめぐる国際的議論の方向性と海外におけるメディアリテラシーの新たな取り組みを精査し,日本の現状と課題を考察する。グローバルな議論においては,「フェイクニュース」現象が政治利用されていることから,前提として,この用語を使わずに情報区分を整理した上での偽情報・誤情報対策が主流となっている。一方,日本では依然として「フェイクニュース」がさまざまな情報を含む形で使用されている現状がある。また日本のメディアリテラシー教育は,新聞やテレビなど主にマスメディアが発信するメッセージを批判的に読み解くというアプローチが長く主流であった。しかし,党派的分断が進み,メディアに対する信頼が低下する社会においては,従来のアプローチが過度なメディア・既存体制不信と結びつき,自分の信念に合致する偏った情報のみを信じる素地にもなりかねない。こうした点を踏まえた上で,一定の効果が証明されている海外の取り組みを参考にしながら,日本のメディア環境・社会背景を考慮した「フェイクニュース」時代のメディアリテラシー教育について考えていくことが重要である。

  • 水谷 瑛嗣郎
    2020 年 8 巻 3 号 p. 47-63
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/08/27
    ジャーナル フリー

    フェイクニュース問題は,現代における様々な情報技術の影響を受けており,「思想の自由市場」という概念それ自体の前提を揺さぶっている側面がある。「フェイクニュース(偽情報)」がもたらす危害は,本稿の視点では次の3点が特に問題となる。まず第一にデモクラシーへの影響,特に「選挙」に対する影響である。次に,同じくデモクラシーの影響の中でも,我々の民主政治体制を支える言論空間に対する影響である。そして第三に人権(human rights)に対する影響である。フェイクニュースによりもたらされるこれら「危害」の解消を図るうえで,政府,特に立法府がとり得るオプションとして真っ先に思いつくものに,虚偽情報の発信者に対するコンテンツ(内容)規制やオンライン・プラットフォームに対する規制が考えられる。しかしながらそうした方法はフェイクニュースを解消するよりも,むしろ思想の自由市場に「歪み」をもたらす可能性があることに注意を払わなければならない。本稿では,コンテンツ規制よりも表現空間へのダメージを抑える別の形態の可能性を探る観点から,選挙運動における「選挙運動の沈黙」規制や,既存の報道機関への助成策,そしてプライバシーや個人のデータ保護(例:GDPR)といった手法について検討を行っている。

原著論文
  • 木方 真理子, 向江 亮, 行実 洋一
    2020 年 8 巻 3 号 p. 65-80
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/08/27
    ジャーナル フリー

    東日本大震災により,関東地方に主に電力供給をしていた東京電力は,社会に多大な迷惑をかけたことにより,社員の働きがいが大幅に低下し,その後,改善はあまりみられていない。福島復興への責任を担い,電力の安定供給を果たすべき社員の離職も震災後数年は多かった。

    本論文では,「働きがい」や「離職」と関連の高い「会社の誇り」に着目し,2002年からの社員意識調査の経年データをもとに過去のメディア報道が,対象組織に属する社員に与えた心理的影響を明らかにする。東日本大震災後7年たった現在も,東京電力に関する報道は,東日本大震災前の数倍あり,そうした報道は6年以上の長期に蓄積して,社員の意識に影響することが分かった。特に過去1年と6~8年の新聞報道蓄積量から高い精度でその影響は予測され,予測値とのずれから,会社の誇りの回復には,ビジョンの提示,顧客サービス向上などが有効であることが示唆された。こうした視点からインフラ事業など公共性が高い企業や社会貢献を理念としている会社においても,同様の施策が有効と考えられる。

  • 梅原 英一, 加藤 菜美絵, 諏訪 博彦, 小川 祐樹, 杉浦 昌
    2020 年 8 巻 3 号 p. 81-95
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/08/27
    ジャーナル フリー

    個人情報は,管理や取扱いに十分な注意が必要な情報である。多くの組織では,個人情報を保護するための組織内の規則およびルールが策定されている。さらに従業員に個人情報保護に関する教育と訓練を行っている組織も多い。組織では個人情報保護に対する注目が高まっている。しかし,情報漏洩や紛失などの事故は依然として発生している。そこで本研究では,組織に所属する従業員の個人情報保護行動モデルを構築する。600人の従業員にアンケート調査を実施し,探索的因子分析,検証的因子分析および共分散構造分析を用いて分析した。その結果,知識が態度に影響を与え,態度がスキルに影響を与え,個人情報保護行動につながる個人情報保護行動モデルを構築した。この結果を踏まえて,従業員の個人情報保護を促進する方法を提案する。

  • 吉見 憲二, 上田 祥二, 針尾 大嗣
    2020 年 8 巻 3 号 p. 97-113
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/08/27
    ジャーナル フリー

    スマートフォンやソーシャルメディアの普及を背景に,SNS等を通じた児童の被害が増加しており,青少年を取り巻く情報環境は大きなリスクと隣り合わせになっている。本研究ではその中でも近年深刻な社会病理となっている「売買春」に着目し,Twitterにおける問題投稿に付帯されるハッシュタグの特徴について計量テキスト分析の手法を用いて分析した。

    結果より,登場頻度の高いハッシュタグについて「エリア示唆」「援助(間接的表現)」「援助(直接的表現)」「裏アカウント示唆」「学生示唆」「性描写」「その他」の7つに分類し,その中でも地域名を明示する「エリア示唆」と売買春を間接的に示唆する「援助(間接的表現)」の共起関係が強いことが明らかとなった。こうした知見はサイバー補導における効率的な事前検知につながることが期待できる。

  • 鳶島 修治
    2020 年 8 巻 3 号 p. 115-128
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/08/27
    ジャーナル フリー

    本稿では,日工組社会安全研究財団が2014年に実施した「第5回社会生活における不安感に関するアンケート(犯罪に対する不安感に関する調査)」のデータを用いて,インターネットでのニュース接触が犯罪不安に与える影響について検討する。犯罪不安の規定要因に関する研究では以前からメディア接触の影響に関心が向けられてきたが,従来の研究はマスメディア(新聞,テレビ,ラジオ)に焦点をあてており,インターネットでのニュース接触が犯罪不安に影響するのかどうか(また,どのように影響するのか)は明らかにされていない。近年ではスマートフォンをはじめとしたモバイル端末の急速な普及によってインターネット上でニュースを読む機会が多くなっており,インターネットでのニュース接触が犯罪不安に与える影響を実証的に検討することは重要な課題である。犯罪不安の規定要因に関する重回帰分析の結果,インターネットでのニュース接触の頻度は本人犯罪不安および同居家族犯罪不安を高めることが示された。また,年齢層別の分析から,インターネットでのニュース接触が本人犯罪不安を高める効果をもっているのは20~39歳の若年層だけであること,40~59歳の年齢層ではテレビでのニュース接触が本人犯罪不安および同居家族犯罪不安を高める効果をもっていることが示された。他方で,60歳以上の高齢層に関しては,新聞・テレビ・インターネットでのニュース接触と本人犯罪不安の間に明確な関連が見られなかった。

  • 小西 利充
    2020 年 8 巻 3 号 p. 129-145
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/08/27
    ジャーナル フリー

    本研究は,日本が貿易を行っている主要国を対象として,ネットワーク論の観点から知識労働者による国際的な人的交流と経済取引が相関関係にあることを公開データに基づいて定量的に明らかにすることを目的とする。そして,国境を超える経済取引では,互いの国や地域が地理的に離れているだけではなく,文化的に乖離していることも障壁になると考え,国際的な人的交流と経済取引の関係に,2国間の距離として地理的距離と文化的距離の2つを加えて検証することで経済取引における距離の影響を併せて確認する。アジア地域をはじめとする新興国の経済発展や,国際交通機関や国際物流網の発達,情報通信環境の整備とともに,国際的な財貨の取引だけでなく,国境を越えたサービスや人の移動が増加している。また,貿易は国内取引に比べて地理的な距離が大きいだけでなく,商慣習や文化が異なる相手との取引であることに伴う不確実性も増す中,経済取引を促すような人的交流の重要性も増していると考える。本研究では,国際的な経済取引において,知識労働者の移動と交流が重要な役割を果たすと考え,ネットワーク理論に基づく先行研究を踏まえて,専門的・技術的分野に該当する日本での在留資格を持つ高度専門職者数と当該諸国との貿易額に着目して,国際的な人的交流と経済取引に関する分析を行う。また,国際的な人的交流と経済取引の関係に,人的交流の障壁となるものとして地理的距離と文化的距離を加え,その影響を検証する。検証の結果,高度専門職者数と貿易額が正の相関関係にあることから,知識労働者による国際的な人的交流が経済取引と相関関係にあることが明らかとなった。また,地理的距離と文化的距離が,国際的な経済取引との間でそれぞれ相関関係にあることが併せて確認された。

研究
  • 境 真良
    2020 年 8 巻 3 号 p. 147-163
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/08/27
    ジャーナル フリー

    ディープフェイクは,動画又は写真の人の容貌データから,別の動画の特定の人の容貌をそれに似せて合成する偽作動画作成技術である。その被害を受けるのは自らの容貌で偽作動画を生成された芸能人等の著名人であるが,偽作動画の公開の民事的差止を行う際に,ディープフェイク以前の手法であれば有効であった実演家の隣接権は,容貌データ上の実演記録と偽作動画の間に表現の類似性・依拠性が認められにくいことから用いることが困難であり,アイコラ裁判等に鑑みると,肖像権又は肖像パブリシティ権に基づく請求が認められるのみである。現状のディープフェイクによる偽作動画の内容及び公開態様からみて,容貌再現の制度が高ければ差止請求の認容は可能性が高いが,財産権である肖像パブリシティ権に基づくのではなく,人格権たる狭義の肖像権に基づくことになろう。しかしながら,人格権は権利者本人が行使することが必要とされ,一般的に芸能人のビジネス支援(ビジネストラブルの解消を含む)を行う芸能プロダクションはこれを行使できない。偽作技術の発展,根拠となる権利として著作権法上の実演家隣接権が選択不可能となり肖像権(人格権)に限定されることで公開差止の法的請求を行いにくくなることは,産業実態上の不都合を生じる。これを緩和ないし解消するための新たな法解釈や立法措置が望まれる。

  • 林 浩輝, 梅原 英一, 小川 祐樹
    2020 年 8 巻 3 号 p. 165-175
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/08/27
    ジャーナル フリー

    本研究では,政治的コミュニケーションの新たな手段として期待されるSNSの中でもTwitterに着目し,意見の一極集中やアナウンスメント効果などの世論形成理論の成立の可能性を考察した。2015年5月に実施された大阪都構想のツイートを分析対象とし,トピック分析および新聞記事と比較することで,ツイートとアカウントを賛成と反対に分類した。これを用いて賛成および反対の投稿数及びアカウント数の推移を分析した。その結果,多数派認知がTwitterの投稿に影響を与えている可能性は確認できなかったものの,リツイートのネットワーク分析の結果では,賛成と反対が明確に分かれたネットワークが存在することが分かった。また次数中心性および媒介中心性が極端に高い少数のアカウントが存在することが確認できた。その結果,オピニオンリーダーの出現とアナウンスメント効果の成立の可能性を見出すことができた。

  • 澤田 昂大, 五十嵐 祐
    2020 年 8 巻 3 号 p. 177-189
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/08/27
    ジャーナル フリー

    ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)において,私たちは様々な情報を発信し,周囲の人々とのコミュニケーションを行っている。その一方で,SNSで個人情報を含むセンシティブな内容を発信することは,プライバシーの懸念を高めうる。この問題に対処するため,多くのSNSでは利用者が情報の公開範囲に一定の制限を設けることのできるプライバシー設定機能が実装されている。本研究は,大学生のTwitterユーザーを対象として,ツイートの非公開設定機能の利用動機尺度を作成し,学年,性別および非公開設定機能の利用動機がプロフィール欄における個人情報の記載行動に与える影響について検討を行った。探索的因子分析の結果,「公開範囲のコントロール」,「不利益の回避」,「社会的影響」の3因子が抽出された。また,これらの下位尺度得点を含めた重回帰分析の結果,「公開範囲のコントロール」はプロフィール欄における名前の匿名化を促し,「社会的影響」は個人の特定を容易にしうる情報の記載を促進していることが示された。さらに,学年が上がるにつれてさまざまな情報の記載が抑制されていることや,女性がより積極的に情報の記載を行っていることも示された。

  • 長 広美, 柳瀬 公
    2020 年 8 巻 3 号 p. 191-206
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/08/27
    ジャーナル フリー

    本研究は,先行研究から見えた調査上の課題点を踏まえ精度の高いSNS利用状況を把握すること,各SNS利用の代替・補完性について明らかにすること,そして,SNS利用が学業成績に及ぼす影響について体系的に解明することを目的とした。SNS利用時間の測定では,調査票調査や日記式調査にみられる自己申告によるものでなく,調査対象者の大学生(N=153)が所持しているスマートフォンのバッテリー使用状況を用いて収集した。学業成績の測定についても,先行研究の多くが採用している自己申告GPAではなく,専門科目の学期末試験の得点を用いた。

    分析の結果,LINEとInstagram,TwitterとYouTubeとの間にそれぞれ補完的な利用関係があることが明らかになった。学業成績には,LINE,Twitter,YouTubeの利用が負の影響を与えていた。つまり,これらのSNSの利用時間が増えるほど学業成績が悪くなることが示唆された。本研究結果は,SNS利用によって注意力が散漫になったり,SNSに費やす時間が学習の時間を減少させ,結果として学業成績の低下につながるという先行研究結果と整合性があるものであった。本研究では,SNS利用と学業成績との関連性の議論に実証的根拠を示すことができたとともに,当研究領域における現代社会のSNS利用行動の複雑さを解明する一つの可能性を見出した。

  • 数永 信徳
    2020 年 8 巻 3 号 p. 207-222
    発行日: 2020/07/01
    公開日: 2020/08/27
    ジャーナル フリー

    いつでも,どこでも,ネットに接続してコンテンツを視聴することが可能になり,人々の視聴習慣に変化が生じてきている。そのため,テレビやネット配信といったメディアを問わず,国民・利用者が多様で良質なコンテンツを視聴できる環境を確保することが,必要不可欠となっている。

    英国では,多様で良質なコンテンツを確保するために,主要放送事業者に対して,外部独立製作番組割当規制(クオータ制)を遵守することが義務づけられている。この外部独立製作番組も含め,BBCやITVなどの主要放送事業者は,2007年から先駆的に「同時配信」や「見逃し配信」等の動画配信OTTサービスを展開してきた。それゆえ,当然の帰結として,英国では,早い段階から外部独立製作番組のネット配信に向けた著作権等の利用と保護に関する法的枠組みが構築されてきた。

    そこで,本稿では,外部独立製作番組のネット配信に向けて,「どのメディアかではなく,いつの時点での利用か“when, not where”」という考え方を出発点として議論されてきた英国の先行事例を検証していくこととする。はじめに,クオータ制を構成する「量的目標」,「独立製作事業者の定義」,「著作権等の基本原則」の三要素を概観する。その上で,外部独立製作番組のネット配信に向けた共同規制による著作権等の利用と保護に関する「合意形成」の過程を考察していく。

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