Japanese Journal of Tropical Medicine and Hygiene

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インドネシア共和国北スマトラ州アサハン県の6力村で, 1979年5月より1980年7月まで, 糞便検査による住民の腸管寄生蠕虫調査を行った。検査にはセロファン厚層塗抹法, 飽和食塩水浮游法及び試験管内濾紙培養法を用いた。被検者1,784名のうち虫卵陽性率は, 回虫卵77.5%, 鞭虫卵88.2%, 鉤虫卵60.5%で, 他に媛小条虫卵と嶢虫卵がおのおの4名と2名より検出された。回虫卵の陽性率は [水田面積/総面積] 比 (水田占有率) の高い村が低く, 鉤虫卵の陽性率は水田占有率の高い村が高い値を示した。また豚を飼育する地域では, 豚を飼育しない地域に比較して回虫卵の陽性率が有意に低く, 鉤虫卵の陽性率が有意に高かった。水田占有率の高い村では, 豚の飼育の有無により鉤虫卵陽性率に著しい差は見られなかったが, 水田占有率の低い村では, 住民の鉤虫卵陽性率は豚を飼育する住民の方が, 豚を飼育しない住民に比較して有意に高かった。回虫卵, 鞭虫卵, 鉤虫卵の陽性率は深井戸, 浅井戸及び川の水を飲用に供している住民の問で, 有意差が見られなかった。

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