デジタルゲーム学研究
Online ISSN : 2434-4052
Print ISSN : 1882-0913
3 巻, 2 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • 田島 祥, 松尾 由美, 瓜生 恭子, 坂元 章
    2009 年 3 巻 2 号 p. 159-170
    発行日: 2009年
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー
    本研究では、MMORPG(多人数同時参加型オンラインRPG)の使用がプレイヤーの対人ネット ワークのサイズに及ぼす影響を実験によって検討した。学生69名(平均年齢19.95歳)を対象に、プレイ開始から 2 週間後、4 週間後、6 週間後の対人ネットワークのサイズを比較した。その結果、実験群 と対照群の間に有意差はみられなかった。また、実験群を対象に、MMORPGでの集団行動が及ぼす影響について構造方程式モデルを用いて検討したところ、MMORPGでの集団行動が対人ネットワークのサイズに及ぼす影響はほとんどみられず、対人ネットワークのサイズが大きいほどMMORPGでの集団行動が促進されるという逆方向の因果関係が確認された。
  • -同人・インディーズゲーム制作の質的データ分析-
    七邊 信重
    2009 年 3 巻 2 号 p. 171-183
    発行日: 2009年
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー
    本研究は、日本の同人・インディーズシーンにおけるゲーム制作の特徴と、これを持続的に可能にしている社会経済的条件、およびここから多様な表現が生み出されている要因を、質的データ分析によって解明することを試みたものである。インタビューデータのコード化の結果、同人・インディーズ のゲーム制作には、1志向性、2自律性、3柔軟性、4開発スピード、5ユーザーとの距離、6売上・ 収入において特徴があることが明らかになった。さらに、1数千本~1 万本程度の売り上げでペイライ ンを越えるビジネスユニットとエコシステムが形成されていること、2このエコシステムの中で、制作 者の個性を反映した尖った作品が持続的に開発されていることが示された。この結果は、日本における 持続的な小規模ゲーム開発の社会的・経済的可能性を示唆している。
  • -『ハッカーズ』から『Digital Game Preservation White Paper』まで-
    山根 信二
    2009 年 3 巻 2 号 p. 185-190
    発行日: 2009年
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー
    デジタルゲームの歴史研究において、技術革新を可能にした社会的技術的な環境への注目は重要である。この領域は研究者よりもジャーナリストがいち早く調査していた領域でもあるが、さらに今日では大学におけるゲーム研究にも歴史研究が取り入れられている。しかし研究目的に耐えるデジタ ルゲームの保存については十分な蓄積がなく、今後の課題となっている。そこで新たな担い手によるゲームの保存の戦略をとりあげ、現在の段階を位置づける。
  • ― 世界初のテレビゲームブーム ―
    上村 雅之
    2009 年 3 巻 2 号 p. 191-203
    発行日: 2009年
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー
    テレビ受像機でゲーム遊びが楽しめるテレビゲーム機が米国で誕生して半世紀の歳月が流れた。世界中の人々に親しまれている多くの遊び道具が永い歴史を刻んでいる中で、テレビゲームは最も新しい遊び道具の一つと位置づけることができる。第二次世界大戦後急速に普及した代表的な大衆向け商品、テレビ受像機と電卓(電子式卓上計算機)がテレビゲームの誕生と普及の鍵を握っていた事実 はテレビゲームの歴史を考える上で重要なポイントである。そして多くの大衆向け商品と同様にテレビゲームも又「ブーム」と呼ばれる急速な普及現象に支えられながら現在もなお、技術的な変貌を遂げつつある。本論文では第一部で世界初のテレビゲームブームに至るまでの歴史を概観する。又第二部では、現在のテレビゲーム産業の基礎を築いたとされているファミコン(正式名称ファミリーコンピュータ)の登場までの歴史とその設計思想の概要を紹介する。尚本論文は筆者がファミコンの開発に一技術者として参加した時に体験した様々な出来事を歴史的な流れとして理解する為の調査・研究を 基に執筆されたものである。
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