デジタルゲーム学研究
Online ISSN : 2434-4052
Print ISSN : 1882-0913
6 巻, 1 号
選択された号の論文の4件中1~4を表示しています
  • -「有罪×無罪」を用いた高校におけるゲーム体験ワークショップを通して-
    鎌倉 哲史, 須田 一哉, ヴィニットポン ルジラット, 藤原 正仁, 馬場 章
    2012 年 6 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー
    裁判員制度教育の実践にあたっては役割体験の重要性が指摘されるが、模擬裁判の実施には教 師・生徒に大きな負担がかかる。そこで本研究では高校生18名を対象としたワークショップを通して、 模擬裁判に代わるデジタルゲーム内役割体験に基づく裁判員制度学習の有効性について検討した。市販 のゲームソフト「有罪×無罪」を素材としてゲーム内で裁判員の役割体験をさせ、先行研究と同一の尺 度を用いて学習効果を測定したところ、以下の 5 点が明らかとなった。(1) 参加者は「有罪×無罪」の 教材としての有効性を高く評価していた。(2) 裁判員制度に対する関心、参加意欲、及び評議参加への 自信は事後に有意に向上していた。(3) 選択式の知識テスト得点に関して有意な向上は見られなかった。 (4) 記述式の理解度テスト得点に関して有意な向上は見られなかった。(5) 裁判員制度に対する印象につ いて、「こわい」の出現頻度が減少し「重い」の出現頻度が増大した。ただし各形容詞の意味付けには 個人差が見られ、文脈に基づく解釈が重要であることが確認された。
  • 財津 康輔, 樋口 重和
    2012 年 6 巻 1 号 p. 13-24
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー
    近年、デジタルゲームを取り巻く状況は変化を続けており、従来ゲームをする必要性のなかった 人々が潜在的なゲームプレイヤーとして認識され、無自覚に「ゲーム」との接触機会を持つことになっ てきている。このような状況にあって、適切かつ上手にゲームと付き合っていく力が求められている。 本稿では、この「ゲームとの付き合い方」を「ゲームリテラシー」と操作的に定義し、ゲーム開発者の 視点からどのように考えられているかを明らかにした上で、それを測定可能な尺度の作成を試みた。そ の結果、「ゲームリテラシー尺度」と「ゲーム関連パーソナリティ尺度」の 2 つの尺度を構成し、信頼 性と妥当性の検討した上で、尺度の有用性について考察した。
  • -敗北は時として勝利よりも良い-
    レイモンド =B=ファーロン, 蔵原 大
    2012 年 6 巻 1 号 p. 25-28
    発行日: 2012年
    公開日: 2021/07/01
    ジャーナル フリー
    ゲームを活用したアメリカ空軍の高等教育とその理念の紹介です。
  • 八尋 茂樹
    2012 年 6 巻 1 号 p. 29-36
    発行日: 2012年
    公開日: 2019/10/01
    ジャーナル フリー
    本稿ではデジタルゲームのうちコミュニケーション可能な癒し系シミュレーションゲームを利 用した、不登校児童、あるいはひきこもり青年に対する教育福祉的支援の施療事例、すなわち、対象 児童(青年)をデジタルゲームを媒介とした施療によってコミュニケーション不全から回復させ、対 峙する問題への対処・治療ができる段階まで促進させるアプローチの試みを提示した。適切な手法に 則って利用することで、一般的な娯楽目的で流通しているゲームソフトの中にも、教育福祉的支援に も有用である、社会性育成的要素を強く含んだ作品が存在する可能性があり、今後、教育福祉分野に おいてデジタルゲーム研究が促進されるべきであると本稿では考える。
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