学会誌JSPEN
Online ISSN : 2434-4966
1 巻 , 2 号
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目次
原著
  • 小塚 明弘, 舘 佳彦, 望月 能成
    2019 年 1 巻 2 号 p. 60-69
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/30
    ジャーナル フリー

    【目的】胃がん患者に対して胃切除術後の外来栄養指導による体重減少防止効果について検討した.【対象と方法】1)胃切除患者に対して継続的に体重減少防止のための外来栄養指導を前向きに行った55例(以下,指導群)と胃切除患者で外来栄養指導が未受講で術後6カ月の体重を後ろ向きに評価できた53例(以下,対照群)を対象として,術後6カ月の体重減少率を検討した.2)指導群と対照群108例を対象として,術後6カ月の体重減少率10%未満に関する臨床的背景を多重ロジスティック回帰分析にて検討した.【結果】1)術後6カ月の体重減少率は,指導群9.6%,対照群13.3%と指導群が有意に少なかった(p<0.005).2)多重ロジスティック回帰分析にて,栄養指導の受講有(Odds ratio;以下,ORと略 3.495, p=0.007),ステージI(OR 2.823, p=0.027),胃部分切除(OR 8.078, p<0.001)が術後6カ月の体重減少率10%未満の独立した因子であった.【結論】胃がん切除後の外来栄養指導を行った結果,栄養指導介入群で体重減少防止効果が認められた.

  • 長野 文彦, 吉村 芳弘, 嶋津 小百合, 工藤 舞, 備瀬 隆広, 濵田 雄仁, 白石 愛
    2019 年 1 巻 2 号 p. 70-79
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/30
    ジャーナル フリー

    【目的】脳卒中患者の骨格筋量と歩行獲得との関連について調査する.

    【対象及び方法】2015-2016年に連続入院した脳卒中回復期患者204人を対象とした後ろ向きコホート研究.体組成分析を用いて入院時の骨格筋指数・下肢骨格筋指数を評価し,多変量解析により退院時の歩行獲得との関連を解析した.

    【結果】対象者は204人(平均年齢74歳,男性109人).歩行獲得に有意に関連する因子として,骨格筋指数(P<0.01)・下肢骨格筋指数(P<0.01)がそれぞれ抽出された.

    【結論】脳卒中患者の骨格筋量は歩行獲得の独立した予測因子であることが示唆された.脳卒中患者の骨格筋量は歩行能力の予後予測に有用であり,全症例に骨格筋量の評価が必要である.

症例報告
  • 岩田 力
    2019 年 1 巻 2 号 p. 80-85
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/30
    ジャーナル フリー

    症例は92歳,女性.嚥下困難のため45カ月間にわたり右内頸静脈カテーテルを留置されていたが,利便性を図るために皮下埋没型中心静脈ポート(以下,CVポートと略)造設を依頼された.右鎖骨下静脈より穿刺を行い,ガイドワイヤーを上大静脈へ進めようと試みるも困難で,いったん留置を断念し造影CT検査を行った.3DCTではカテーテルに一致して右内頸静脈から上大静脈起始部に石灰化を認めた.後日に左鎖骨下静脈より留置を試みたところ,ガイドワイヤーは上大静脈へ進まず,最終的に左腕頭静脈の分岐部にカテーテルの先端を留置し,CVポートを造設した.今回,45カ月間におよぶ右内頸静脈カテーテル留置に伴う上大静脈分岐部の石灰化により,右鎖骨下静脈経路からのCVポート造設が困難であった1例を経験したので報告する.

  • 竹中 麻理子, 岩本 昌子, 東別府 直紀, 西岡 弘晶
    2019 年 1 巻 2 号 p. 86-91
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/30
    ジャーナル フリー

    小腸ストーマが造設された短腸症候群患者は,脱水や電解質異常をより一層合併しやすく慎重な管理が必要である.今回,血液透析患者が空腸ストーマを有する短腸症候群になり,水分とナトリウムを管理した2症例を報告する.症例1は64歳女性で,イレウスと腸管壊死のため小腸を切除し,空腸と回腸を端々吻合した.残存小腸が20~35cmで空腸ストーマを有する短腸症候群になった.経口摂取するとストーマからの排液が著明に増加するため,ほとんど経口摂取ができず,静脈栄養で管理した.症例2は71歳男性で,上腸間膜動脈血栓症と腸管壊死のため小腸と盲腸を切除し,空腸と上行結腸を端々吻合した.残存小腸が100~150cmで空腸ストーマを有する短腸症候群になり,経口摂取と静脈栄養で管理した.両症例ともドライウェイト,排液量,血清ナトリウム値などを参考にして水分とナトリウム投与量を調節したが,症例や病期により必要量は変化し,慎重に個別対応することが必要であった.

  • 天野 香世子, 川合 亮佑, 鮫島 碧, 福海 奈歩, 大村 泰正, 松島 暁, 宮地 正彦
    2019 年 1 巻 2 号 p. 92-97
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/30
    ジャーナル フリー

    症例は60歳代女性.血液透析中に非閉塞性腸間膜虚血(non-occlusive mesenteric ischemia;以下,NOMIと略)を発症し広範囲小腸切除および双孔式人工肛門造設術を施行し,トライツ靭帯から90cmの部位で空腸瘻となった.空腸瘻患者では消化液喪失などが問題となり低栄養に陥りやすいため,「空腸ストーマより排出された腸液を濾過し,回腸粘液瘻へ再注入すること」(以下,この手技を「腸液返還」と略)を導入し,静脈栄養とシンバイオティクス療法を併用して栄養管理を行った.最終的には人工肛門を閉鎖し,中心静脈栄養を離脱して経口摂取のみで退院した.空腸瘻となった患者の全身管理法として,「腸液返還」は非常に有用な手技であると思われる.

プロジェクト報告
  • 丸山 道生, 飯島 正平, 石橋 生哉, 犬飼 道雄, 居石 哲治, 川崎 成郎, 倉田 なおみ, 鈴木 裕, 田部井 功, 千葉 正博, ...
    2019 年 1 巻 2 号 p. 98-103
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/10/30
    ジャーナル フリー

    【目的】世界標準規格の誤接続防止コネクタ,ISO 80369-3の本邦への導入が厚生労働省から発表された.新コネクタの胃瘻カテーテルは接続部の内腔の口径が小さく,粘度の高い半固形化栄養剤を注入可能か,ユーザビリティ試験を行った.【方法】日本静脈経腸栄養学会誤接続防止コネクタ検討ワーキンググループを中心に,2種類の半固形化栄養剤注入に関して,現行コネクタとISOコネクタの比較官能試験を高齢者と看護師(各8名)を対象に行った.【結果】半固形化栄養剤をシリンジで注入する場合の「負担感」と「問題なく注入できるか」という官能試験では,ISOコネクタは現行のコネクタと同等であると考えられた.【結語】新コネクタに移行しても,半固形化栄養剤は現行のコネクタと同様に使用可能である.今後も,日本静脈経腸栄養学会は病院や施設,在宅におけるISOコネクタへの移行を,安全かつ速やかに行う体制づくりを実施していく.

その他
編集後記
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