森林総合研究所研究報告
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21 巻, 4 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 井道 裕史, 小島 瑛里奈, 長尾 博文, 加藤 英雄, 松村 ゆかり, 松田 陽介
    原稿種別: 論文
    2023 年21 巻4 号 p. 247-259
    発行日: 2023/01/16
    公開日: 2023/01/17
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

    複数の植栽地から入手したコウヨウザンを用いて、各種強度試験を行なった。得られた試験結果を用いて強度特性値を評価し、現行の基準強度との関係を検証した。その結果、コウヨウザンの基準強度の設定について以下の結論が得られた。製材の日本農林規格の機械等級区分構造用製材に適用する場合、曲げおよび圧縮はアカマツ他の樹種群に含めることが適当であり、せん断はスギ相当が適当である。枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格に適用する場合、甲種枠組材の特級のみの判断ではあるものの、曲げ、圧縮はJSIII に含めることが適当であるのに対して、せん断はJSII に含めることが適当であるため、現行規格に設定された樹種群では対応できない。めり込みについてはいずれの種類の基準強度も同様で、スギ相当が適当である。ただし、以上は限られた試験体による検討結果であり、製材の日本農林規格の目視等級区分構造用製材としての検討、枠組壁工法構造用製材及び枠組壁工法構造用たて継ぎ材の日本農林規格の甲種枠組材2級としての検討はともに行なっていない。また、せん断、めり込みは、スギの基準強度に対しても下回るものも存在した。さらに、くぎ接合部一面せん断については、密度の低い試験体はスギよりも低い性能を示す場合があった。以上のように、残された課題も多く、今後もデータを積み重ねて検証を進めることが重要である。

  • 土井 寛大
    原稿種別: 短報
    2023 年21 巻4 号 p. 261-265
    発行日: 2023/01/16
    公開日: 2023/01/17
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

    2022年5月および6月に、つくば市の森林総合研究所構内で旗振り法によるマダニ採取を行ったところ、キチマダニ、フタトゲチマダニ、アカコッコマダニ、タカサゴキララマダニが採取された。地域内の野生動物宿主相がシカやイノシシなどの大型動物を欠くことから、小・中型野生動物や野鳥をよく利用するキチマダニ、フタトゲチマダニ、アカコッコマダニは所内外を出入りする野生鳥獣によって運ばれていると考えられる。しかし、タカサゴキララマダニはイノシシが生息する地域によく分布する。さらに、本種の幼若期は人体刺症例が多い。これらのことからタカサゴキララマダニが構内に侵入した経路として、構内に出入りする小・中型野生動物によって持ち込まれた可能性とともに、イノシシの生息地で作業した人の衣類や機材に紛れて侵入した可能性を考慮しなければならない。

  • 花岡 創, 武津 英太郎
    原稿種別: 短報
    2023 年21 巻4 号 p. 267-274
    発行日: 2023/01/16
    公開日: 2023/01/17
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

    トドマツの樹冠画像から球果を検出する精度を、物体検出アルゴリズムのYou Only Look Once (YOLO) の複数のモデルで比較した。YOLOv4 とYOLOv5m の検証では、両者とも0.9 程度のaverage precision (AP) を示した。また、YOLOv5 にはニューラルネットワーク(NN) のレイヤーサイズが異なる5 種類のモデル(YOLOv5n、YOLOv5s、YOLOv5m、YOLOv5l、YOLOv5x) があるため、これらの精度比較も行った。YOLOv5n を除く全てのモデルでAP が0.9 となり、球果検出に関しては、NN のレイヤーサイズによらず同様の精度となった。

  • 野口 正二, 村上 亘, 阿部 俊夫, 細田 育広
    原稿種別: 研究資料
    2023 年21 巻4 号 p. 275-303
    発行日: 2023/01/16
    公開日: 2023/01/17
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

    釡淵森林理水試験地は、山形県最上郡真室川町の積雪寒冷地域に位置し、1939年から森林が持つ水源涵養機能を明らかにするために観測を継続している。現在の試験地は、スギ・ヒノキおよびブナ・コナラなどで構成された針広混交林で覆われている。本報では、同試験地の1・2・3号沢における地形、植生や施業履歴の概況を示し、流域試験地の維持管理作業について紹介するとともに、2006年1月~2010年12月の日流出水量および試験地に隣接する山形実験林の気象露場における日降水量と積雪深を公表する。

  • 久保田 多余子, 野口 正二, 阿部 俊夫
    原稿種別: 研究資料
    2023 年21 巻4 号 p. 305-335
    発行日: 2023/01/16
    公開日: 2023/01/17
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス

    釡淵森林理水試験地 (北緯38°56′12″, 東経140°15′58″) は山形県最上郡真室川町にあり、1~4号沢までの4流域が設定されている。1938年より気象観測が開始され、流量観測が1939年より1および2号沢、1961年より3および4号沢において開始された。本報では、2011年1月~2016年12月の日降水量および1~4号沢における日流出量を公表する。

  • 溝口 康子, 山野井 克己
    原稿種別: 研究資料
    2023 年21 巻4 号 p. 337-350
    発行日: 2023/01/16
    公開日: 2023/01/17
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    電子付録

    札幌市郊外の落葉広葉樹林で1999年から気象観測を行っている。2018年までの20年間の気象観測データをとりまとめた。台風によって観測施設の大きな被害を受けたため、2004年9月から翌年の5月、2018年9月以降、降水量を除く要素の観測は中断した。対象期間の全天日射量、気温、水蒸気圧の平均はそれぞれ12.6 MJ m-2 d-1、7.4 °C、9.4 hPa であった。風速の平均は2.8 m s-1、最多風向は南南東であった。降水量は2007年から2018年までの平均年降水量は1246 mm であった。

  • ―「小笠原諸島調査區 森林植生調査書」のスキャニングと現代語訳―
    加藤 仁, 村尾 未奈, 加藤 英寿, 大橋 春香, 川上 和人, 柴田 銃江
    原稿種別: 研究資料
    2023 年21 巻4 号 p. 351-356
    発行日: 2023/01/16
    公開日: 2023/01/17
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    電子付録

    昭和初期の「国有天然林調査報告書」のデジタルアーカイブの一環として、紙媒体である「小笠原諸島調査區 森林植生調査書」原本をスキャン画像として保存するとともに、その現代語訳と新旧植物名の対応表を作成した。この原本は、昭和10年 (1935年) の小笠原諸島の国有林における一連の現地調査を総括した報告書である。当時の小笠原諸島の森林植生を網羅する様々な群叢の組成構造や主要植物の分布状況等が記載されるとともに、植生連続が考察されている。小笠原諸島の過去植生再現といった森林修復の事業に役立つ情報となるだけでなく、当時の森林官の自然環境や森林植生に関する見識や調査能力も伝える貴重な学術資料である。

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