森林総合研究所研究報告
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19 巻, 4 号
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  • 田中 亘
    2020 年19 巻4 号 p. 331-340
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/19
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    日本国内における生産年齢人口の減少のもと、多くの産業で外国人労働力の受入れが進められている。しかし、実績は多くないものの林業でも外国人労働力を受入れしようとする動きが近年は見られるようになってきた。本研究はそういった動きに着目して、外国人労働力の受入れに関わる制度を整理し、愛媛県が実施しているモデル事業の成果と課題について考察した。制度面に関して、技能実習生の受入れのためには技能検定制度の整備が不可欠であること、それを目的として林業技能向上センターが2019年に設立されたこと、ただし目標実現までには5年程度の時間を要することが明らかになった。課題として、その間の組織の拡充と情報発信の強化が必須であると考えられる。愛媛県の事例からは、技能実習生は技能修得と並んで日本文化の体験や得られる賃金に多く期待していること、受入れ企業は技術指導面での負担が大きくないと感じる一方、経済面での負担が少なくないことが明らかになった。また、モデル事業における受入れ期間は1年間であるため、海外への技能移転に関しては成果が限定的な状況といえる。
  • 下川 知子, 池田 努, 眞柄 謙吾, 戸川 英二, 中村 雅哉, 大塚 祐一郎, 野尻 昌信, 高尾 哲也, 小川 睦美, 中山 榮子, ...
    2020 年19 巻4 号 p. 341-348
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/19
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    タケ資源から、食素材への適用を目指したセルロースナノファイバーを製造する技術開発を行った。ソーダ蒸解法によって調製したタケパルプをアスペルギルス由来の酵素製剤で前処理することによって、続くビーズミルでの解繊を円滑に行うことが可能となった。解繊に用いるジルコニアビーズの直径と粉砕容器内での速度および処理時間は、得られるセルロースナノファイバースラリーの特性に影響を与えた。ナノ化の進行程度は粒度分布分析によって把握し、透過型電子顕微鏡観察で確認した。得られたセルロースナノファイバー懸濁液の形態観察、粒度分布分析、フィルム強度および摩擦特性から、タケ由来セルロースナノファイバーを製造する方法として、食品添加物として認められたアスペルギルス由来酵素製剤を使用したパルプの前処理と、直径1mmのジルコニアビーズを用いたナノ化処理を採用することとした。得られたタケセルロースナノファイバーのマウスを用いた急性経口毒性試験では、致死量の中央値(LD50)が2,000mg/kgよりも高いことを確認した。
  • 小長谷 啓介, 山中 高史
    2020 年19 巻4 号 p. 349-356
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/19
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    液体窒素を用いた凍結保存は、担子菌類の菌株を長期間保存するのに優れた手法とされている。しかし、当手法によって菌株の形質が安定的に保存されるのか評価した研究は非常に少ない。本研究では、液体窒素凍結保存がマツタケ菌株の菌糸伸長と菌根形成能に及ぼす影響を調査した。マツタケ4 菌株の菌糸体を、バーミキュライトと栄養培地入りのクライオバイアル(以下、バイアル)中で前培養した。次に、凍結保護剤(最終濃度、ジメチルスルホキシド5%、トレハロース10%)を加え、凍結容器またはプログラムフリーザーを用いて、-1°C/ 分の冷却速度で-80°C まで冷凍し、液体窒素で気相保存した。1菌株(Y1株;IFO33136株と同一)は最長3年間、その他の3菌株は最長2年間保存した。保存後に再生した菌糸体を菌糸伸長試験およびアカマツを用いた菌根合成試験に供試した。その結果、全ての菌株は良好な菌糸再生率を示した。また全ての菌株は凍結保存後もアカマツ実生苗に菌根を形成した。以上から、本研究で用いた液体窒素凍結保存手法は、菌糸伸長および菌根形成能を大きく損なうことなくマツタケ菌株を安定的に長期間保存するのに有効と考えられた。
  • 古澤 仁美, 仲野 翔太, 山中 高史
    2020 年19 巻4 号 p. 357-359
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/19
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
  • 小野 賢二, 竹田 宣明, 宮本 尚子
    2020 年19 巻4 号 p. 361-372
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/19
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    スギ優良品種の種子生産を目的とした採種園では母樹への負担が大きいため、樹体の成長と生殖を共に補う施肥が重要となり、事業区毎、実情に即した基準が必要である。採種園の施肥管理基準を検討するため、東北育種場スギミニチュア採種園で土壌調査し、その理化学特性を把握した。土壌は火山灰を母材とする褐色森林土であった。既存の樹園地の土壌適正値等と比べた結果、当該土壌は腐植に富む一方で、窒素やリン酸、塩基飽和度が総じて乏しかった。反面、国内スギ造林地土壌と比べると、同レベルで、典型的な褐色森林土の特徴を示した。今後は本結果を参考に、着果状況、収率、管理コスト等を勘案し、必要かつ適切な採種園の施肥管理法の検討に活用していく。
  • 久保田 多余子, 野口 正二, 清水 貴範, 阿部 俊夫, 清水 晃, 壁谷 直記, 延廣 竜彦, 飯田 真一, 玉井 幸治, 村上 茂樹, ...
    2020 年19 巻4 号 p. 373-400
    発行日: 2020年
    公開日: 2021/07/19
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    宝川森林理水試験地 (気象観測露場:東経139° 01’、北緯36° 51’ ; 標高816m) は、1937年11月に降水量と流出量の観測を開始して以来、観測を継続してきた。本報では宝川森林理水試験地で観測した、2001年1月から2010年12月までの日降水量と日流出量を公表する。この期間中には、水位-流量曲線の修正と気象観測測器の更新を行った。また、地形と林況を地理情報システムデータとして整備したので、これについても述べる。
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