日本文化人類学会研究大会発表要旨集
Online ISSN : 2189-7964
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日本文化人類学会第42回研究大会
選択された号の論文の344件中101~150を表示しています
個人発表
【分科会】 <経済>の生態人類学-「アカウンタブルな社会」のための想像力-
  • 「アカウンタブルな社会」のための想像力
    松村 圭一郎
    セッションID: D-13
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/27
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    生態人類学は、「適応」概念を土台に、自然環境を「生存=生き抜く」ための実践を記述してきた。しかし、資源や財の配分が行われる「経済」をめぐる実践に目を向けると、人びとが「アカウンタブル(説明可能)な社会」のために想像力をめぐらせて行為や社会関係の意味づけをしていることがわかる。「適応」を「生きるに値する社会の想像」と読み替えることで、<経済>という現象を読み解くあらたな視点を提起する。
  • 東アフリカ牧畜民の民族境界を越えた友人関係
    佐川 徹
    セッションID: D-14
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/27
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    エチオピアに暮らすダサネッチは、周囲の4民族を「敵」に分類している。実際、彼らは長年にわたって戦いをくり返してきた。それにもかかわらず、多くのダサネッチは敵に帰属する友人がいる。友人関係は、訪ねてきた敵を歓待しモノを贈与することを契機に形成される。本発表では、民族レベルでは敵対関係にある二者が出会い、モノを与え/受け取り、それが返す行為を導出して結果として持続的な友人関係に結実する過程を検討する。
  • 東アフリカ、ウガンダ農村社会における地酒の社会的含意
    白石 壮一郎
    セッションID: D-15
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/27
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    発表では地酒のもつ社会的含意とその変化に注目し、アフリカ農村社会における(かつての)象徴財としての地酒の機能とその象徴機能の「失墜」ないし「転化」、そして人びとがそれを社会変化や、現在の社会分節を語るさいの象徴として動員していることを論じる。
  • マラウイ湖漁獲分配における場所の二面性の操作
    中山 節子
    セッションID: D-16
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/27
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    マラウイ湖における漁労は、都市的な労働倫理の導入にともない商業漁業への移行を果たしたかのように論じられてきた。しかし実際には漁労者たちは、新旧の技術的・組織的要素を並立させ、都市・農村という対立的な場所のイメージとして湖に投影する。こうして創出される湖の場所としての二面性が、漁労をめぐるさまざまなエージェントのアカウンタビリティおよびその承認としての漁獲分配の討議性をたかめていると考えられる。
  • タンザニア都市路上商人による暴動のアカウンタビリティ
    小川 さやか
    セッションID: D-17
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/27
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    本発表では、タンザニアの路上商人が行政の一斉検挙に抵抗して起こした暴動を、商人たちが路上で取り結んでいる錯綜的な社会関係に着目して考察する。それを通して<負ける戦い>である暴動が、路上商人にとってアカウンタブルになる観点とは、緩やかな相互扶助の網の目に埋め込まれながらも、独立した経済アクターとして自立性を維持できる社会空間を再生産/再構築することに、暴動が貢献することであることを論じる。
  • パプアニューギニア、トーライ社会において交換レートを実/演する方法
    深田 淳太郎
    セッションID: D-18
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/27
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    パプアニューギニアのトーライ族の人々は税金や授業料の支払に貝貨を使用する。貝貨と法貨の間には交換レートが存在し、日常的に様々な商品がこのレートで売買されている。しかし葬式の際に盛んになされる商品の売買ではこのレートは完全に無視される。このようなケースで通常注目されるのは葬式という場の特殊性だろう。が、本発表では逆にその葬式(=図)を「特殊」に見せる「通常の交換レート」(=地)の「秘密」に迫りたい。
  • 臓器提供における聖なるもの
    山崎 吾郎
    セッションID: D-19
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/27
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    臓器提供意思表示カードは、人間の意思というにはあまりに単純な語の羅列しか表現しない。にもかかわらず、これがGift of Life(生命の贈与)の根拠となるのは、人間の意思をカードによって説明可能(アカウンタブル)にすることで、臓器の贈与経済が成り立っているからである。本発表では、死と引き換えになされる、それゆえ原理的に返礼不可能な提供行為の説明可能性(アカウンタビリティ)について考える。
個人発表
【分科会】 「Non-native」人類学者による日本の村のフィールドワーク
個人発表
E会場
個人発表
【分科会】 メタモルフォーシスの人類学
個人発表
  • 古典期マヤ人の日常生活と政治経済組織
    青山 和夫
    セッションID: E-20
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/05/27
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    本研究発表は、第4回(平成19年度)日本学術振興会賞を受賞した「古典期マヤ人の日常生活と政治経済組織の研究」の総括である。810年頃の敵襲によって焼かれた「マヤ低地のポンペイ」アグアテカ遺跡の住居跡および周辺遺跡の発掘調査で出土した石器をはじめとする全遺物の分析を10年間にわたり体系的かつ学際的にに行い、交換、手工業生産、政治経済組織、職業の専門化、日常生活、都市性や戦争に関する重要な情報を提供した。
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