電気関係学会九州支部連合大会講演論文集
2020年度電気・情報関係学会九州支部連合大会(第73回連合大会)講演論文集
選択された号の論文の298件中151~200を表示しています
  • 窪園 隆介, 福田 修, 中山 功一, 大島 千佳, 林 喜章
    セッションID: 07-1P-02
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    本研究グループでは,在宅などにおける認知症高齢者の支援を目的としたスマートエアリアルハンドの開発を目指している.このハンドは,パラレルワイヤーで空間を自由に移動し,目的とする物体を利用者に届けることができる.本研究では,このハンドに搭載した深度カメラと一般物体検出技術を利用した把持動作制御を提案する.提案手法では,1.深度カメラで撮影した動画像から,物体とカメラとの距離を計測すると共に,2.物体を検出する際の矩形情報からその中心座標を取得し,動画像の中心に位置するかを判定する.深度カメラと対象物との位置関係に基づいて,把持可能と判断した場合に把持動作を行う.

  • 濵﨑 亮大, 中山 功一, 大島 千佳, 林 喜章, 福田 修
    セッションID: 07-1P-03
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    ディープラーニングによる画像処理を実用化する際の大きな課題は,学習用データの確保である.本研究では,日常の生活空間に設置された固定カメラの連続画像から,差分検知アルゴリズムにより,自動的に移動した物体を切り出す.切り出した画像を,類似度検出アルゴリズムにより,自動的に分類する.これにより,日常の生活空間において,学習用データを事前に確保する必要なく,移動したあらゆる物体の移動を検知し,記録することを可能とする.さらに,スマートエアリアルハンドと連携することで,認知症高齢者などの支援を目指す.

  • 洞 秀和, 南里 敢太, 森山 裕鷹, 中山 功一
    セッションID: 07-1P-04
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    製造メーカや種類の異なる様々な家電の制御アルゴリズムを,個々の家電のユーザに対して最適化するアルゴリズムを提案する.また,その有効性をシミュレーション実験により検証する.最適化手法には,ブロックチェーンを用いることで,集中管理する必要のない進化的計算手法であるSA-GAを用いる.SA-GAの自律AIは,遺伝子として表現された生活家電の制御アルゴリズムをもつ.SA-GAにより自律AIが学習することで,個々の生活家電が,自らのユーザに対して個別に学習するのみならず,製造メーカや種類の異なる家電同士でも学習を共有できる.

  • 村山 京哉, 下島 真
    セッションID: 07-1P-05
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    本研究では機械学習を用いて農業を支援するシステムを構築するための研究を行う。対象とした作物はきゅうりである。きゅうりは樹が実をつけてから毎日収穫しなければならず、探しながら立ったりしゃがんだりする動作が収穫者の主な負担となっている。機械学習できゅうりを判別し、収穫者とは別の視点に設置したカメラを用いて収穫に適したきゅうりの位置を特定し、葉に隠れた実を探す時間を減少させ収穫効率を上げることが研究の目的である。

  • 猪股 能成, 高見 利也
    セッションID: 07-1P-06
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    本研究では,群知能が最適化問題を解く過程を可視化するための手法として,動的モード分解を利用した手法を提案する.群知能とは人工知能技術の1つで,最適化問題のサイズに対してスケーラブルであるが,それを解いている過程は評価値以外で可視化しづらい.このデメリットを解消するため,主に流体力学などで用いられている動的モード分解を使用する.群知能の1つである粒子群最適化を適用したエージェント群に最適化問題を解かせ,その位置座標の時系列を動的モード分解で解析する.今回は,エージェントや最適化問題のパラメータを変えることによる動的モードの変化について発表する.

  • 亀澤 祥平, 内田 誠一
    セッションID: 07-1P-08
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    本研究では,深層ニューラルネットワーク(DNN)によるデータの改ざん検出を提案する.具体的には,原データに対して,同じ次元の別データを透かし情報として加算する.この加算により,DNN内の最大値プーリング層において,特定のニューロンが最大値として選択されやすくなる.逆にそのニューロンが選択されなければ,データに対して何かしらの改ざんが行われた可能性がある.本発表では,こうした発想の妥当性を検証するために行った初期的な実験の結果を報告する.

  • 早稲田 凌亮, 中原 航大, 渕田 孝康
    セッションID: 07-1P-09
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    近年、人狼ゲームにおける人工知能の実現を目的とした人狼知能の研究がなされており、どのようなエージェントが強いかを評価する場として人狼知能大会が開催されている。人狼ゲームは、不完全情報ゲームのひとつであり、人工知能の実現が難しいとされている。人狼ゲームでは、他プレイヤーを説得することや、他プレイヤーの役職を推定することが重要である。本研究では、人狼知能において深層学習を用いた他プレイヤーの役職推定を行うことによって、自分の陣営にとって有利になる手法を提案する。

  • 大塚 翔太, 永井 秀利, 中村 貞吾
    セッションID: 07-1P-10
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    近年、不完全情報ゲームである人狼ゲームが注目されており、人狼知能プロジェクトも立ち上がっている。プロジェクトには人間と同じようにプレイするプレイヤの作成という目標があるが、現在のAIには実際に人間が行うような多彩な戦術は組み込まれておらず、戦術に幅がない。そこで、これまでの研究でまだ実装されていない”騙り戦術”を実装し評価を試みた。しかし、実際に人間同士で戦術を行う場合、他プレイヤが戦術に対してある程度の理解がなければならないという問題があり、現在のAIでは評価が難しいことがわかった。そのことから、本研究では”騙り戦術”を理解し行動するプレイヤの作成を行う。

  • 小田 直輝, 永井 秀利, 中村 貞吾
    セッションID: 07-1P-11
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    チェスや将棋のAIが人間のトッププレイヤを凌ぐ強さまで到達し,次なる目標であった囲碁においても,AIが人間のチャンピオンを超えるに至った.強い囲碁AIを作るとういう目標が達成され,次なる目標は,人間との共存共栄である.囲碁の棋譜解説では,ゲームの内容を分かりやすく伝えるために,囲碁用語を用いて解説が行われる.解説では,ある着手が局所的には同じ配置のように見えても,着手周辺の石の配置や石の勢力,打たれた手順などの情報次第で異なる囲碁用語を用いる.そのため,解説者は適切に囲碁用語を選択する必要がある.本研究では,出現頻度の高い囲碁用語に対して適切に選択することを試みる.

  • 岡田 壱星, 永井 秀利, 中村 貞吾
    セッションID: 07-1P-12
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    最近の研究により囲碁AIの強さは人間のトッププレイヤを超える棋力となった。そのことにより、現在は強さに関する研究ではなく、人間を楽しませる、指導するプログラムに関する研究が重要度を増している。囲碁学習者が囲碁を上達する手段の一つに詰碁を解くといった方法がある。学習者が詰碁の問題を解く際に自分の棋力にあった難易度の問題を選ぶことがあるが、詰碁の問題それぞれに解くポイントや5分で解ければ7級といった難易度がある。しかし、詰碁の問題の難易度は問題の作成者や囲碁上級者でないと判断できない可能性がある。そこで本稿では詰碁問題の難易度の分析を自動で行えないか試みる。

  • 青木 龍汰, 永井 秀利, 中村 貞吾
    セッションID: 07-1P-13
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    麻雀は複数回の点数のやり取りを行い順位が決定する.山に残っている牌を予測することで効率よく聴牌や和了ができ,点数を得ることができる.また,山牌を予測することで,相手の情報である手牌の推測に利用することもできる.このことから山牌を予測することは重要な行動であり,実力に大きく関わることであると考えられる.本研究では,他プレイヤの捨て牌を用いて山牌の推定を行った.

  • 福山 貴洋, 永井 秀利, 中村 貞吾
    セッションID: 07-1P-14
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    近年、多人数不完全情報ゲームである麻雀について様々な研究が行われている。麻雀では、プレイヤは点数を獲得するために上がりを目指すが、上がり点の大きさと上がりまでの早さはトレードオフの関係にある。効率良く得点するためには、これらのバランスを取ることが重要であると考える。本研究では、対戦相手による影響を排除した一人麻雀において、高得点の上がりを狙う小松らが提案した手法を基に、牌効率を考慮することで期待得点の向上を試みる。

  • 田中 滉人, 工藤 孝人
    セッションID: 08-1P-01
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    本研究では,Java3DとFDTD(Finite Difference Time Domain)法に基づく電磁波シミュレータの開発を行っている.Java3DはJavaの拡張子としてSunMicroSystemsによって開発された,3Dグラフィックス用のAPIである.したがって,Java3Dプログラムはさまざまなタイプのコンピュータ上で実行可能である.また,FDTD法はマクスウェルの微分方程式を差分化し,時間領域で解く方法であり,K.S.Yee によって電磁波解析に初めて応用されて以来,計算機の発達とタイミングを合わせて発展してきた.本稿では,3Dグラフィックスによる電磁波伝搬の可視化を目指し,Java3Dを用いて疑似3次元空間における半波長ダイポールアンテナやアレイアンテナからの放射界をアニメーションにより表現した.

  • 河野 誠太, 工藤 孝人
    セッションID: 08-1P-02
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    高度情報化社会では,不要電磁波による電子機器の誤作動や電波傍受による機密情報の漏洩,輻輳や干渉による通信障害などの課題がある.一般に金属壁を用いればこれらの問題に対処できるが,必要な電磁波も遮断してしまう.そこで,一定の帯域幅を持つ電磁波のみを遮へいするため,フォトニック結晶構造とFSS(周波数選択鈑)に着目している.前者は異なる屈折率をもつ物質を立体的に配置した構造体で,後者は導電率の高い物質を特殊な形で平面的に配置した構造体である.本稿では,これらを組み合わせた周期構造に対し,FDTD法に基づく3次元数値解析を行い,周波数帯やその帯域幅をある程度調整可能であることを示している.

  • 田崎 航平, 多喜川 良, 金谷 晴一
    セッションID: 08-1P-03
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    テラヘルツ波は空間分解能と物質透過性が高く、テラヘルツ周波数帯で吸収スペクトルを持つ物質が存在することから、非破壊・非接触で検査をするイメージングデバイスに用いることに適している。現在開発されている整流型検出器を用いたイメージングデバイスはテラヘルツ帯で検出感度が低いという課題がある。そこで、本研究ではテラヘルツイメージングのための高利得で広帯域なスロットアンテナを設計した。アンテナの裏面にフローティングメタルを配置することで単方向指向性を確保し、アレイ化することでカップリングにより広帯域化を行った。45nmSOIプロセスを用いてアンテナを試作し、測定を行ったので報告する。

  • 山本 駿佑, 井出 卓弘, 金谷 晴一
    セッションID: 08-1P-04
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    近年、小型通信端末の普及や大容量の通信によりデータトラフィック量が飛躍的に増加している。また、将来的なIoTデバイスの普及や自動運転技術の進歩などによりこれからもデータトラフィック量が増加することが予想される。これらの通信量の増加に備えるために重要視されている技術が、次世代の通信規格である5G通信である。5G通信で利用される周波数帯のうち、28GHz帯は多くの情報量を送受信できるため注目されている。本研究では、5G通信で利用される28GHz帯を広帯域で送受信することができる平面型スロットアンテナを設計した。また提案したアンテナのアレイ化を行い、利得の向上を実現した。

  • 井ヶ瀬 直人, 藤本 孝文, グアン チャイユー, 田中 俊幸
    セッションID: 08-1P-06
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    カメラ型内視鏡を用い映像を通して、手術器具を挿入し行われる内視鏡手術が近年多くなっている。この手術の際に臓器の周りにある脂肪を取り除かなければいけない場合がある。その場合、カメラ型内視鏡では内臓脂肪と神経が同じ色であり、神経の位置を正確に把握できず傷つける恐れがある。これを防ぐために手術器具の先端に直径10mm程度のマイクロストリップアンテナを取り付け神経の検出する方法を提案する。検出可能な周波数を決定するためにシミュレーターを用い、神経の有無での反射波の差を比較した。22GHz付近でS11を-10dB以下を達成し、神経の有無で差が十分得られることを確認した。

  • 内藤 賢, 藤本 孝文, グアン チャイユー, 田中 俊幸
    セッションID: 08-1P-07
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    内視鏡手術に用いられる一般的なカメラ型内視鏡では内臓脂肪に埋もれている血管を視覚的に見つけることが困難であり、血管を傷つけてしまう危険性がある。この問題の解決策として、電波型内視鏡アンテナを用いた血管検知が可能であるのかを検討している。本稿では、先行モデルに対してアンテナの周囲に金属板を装荷することにより、指向性利得かつ、血管検知の精度の向上を狙っている。なお、アンテナには小型化が容易であるマイクロストリップアンテナを用いており、製作誤差を軽減するためにすべてのモデルのサイズを実寸の2.5倍スケールで考慮し、アンテナの周波数は8GHz付近で駆動する設計にしている。

  • 松岡 剛志, 緒方 将人, 石田 健一
    セッションID: 08-1P-08
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    誘電体円柱による散乱波から誘電体円柱の比誘電率の存在範囲を,ニューラルネットワークを利用して特定することを目的としている.今回は同軸2層誘電体円柱の分類の性能について検討している.

  • 松岡 拓海, 大塚 信也, 井波 潔, 羽馬 洋之, 山本 尚史
    セッションID: 08-1P-09
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    筆者らはこれまで、SF6 代替ガスとして CO2 や Dry air、 N2 などの自然ガスを対象に部分放電(PD)放射電磁波を異なる帯域のアンテナを用いて測定し、検出特性やアンテナ距離依存性などを比較検討している。放電ガス種とアンテナ距離により遠方界条件は異なるため、本論文では基礎検討として、周波数帯域を変化させたガウス波形を入力電流とし、ダイポール放射モデルによりアンテナ帯域を考慮した検出電磁波の振幅値特性の距離依存性やアンテナ配置の角度の影響を検討した。さらに、これらの結果をDry air中でのPD放射電磁波の実験結果と比較検討した。

  • 野田 怜於, 横田 光広
    セッションID: 08-1P-10
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    近年、光通信技術を支える各種光部品の中で、平面基板上の光導波路構造あるいはファイバを基本とした方向性結合器の研究が盛んに行われている。方向性結合器は、光の分岐や結合といった機能を持つデバイスで、基本は直線または曲線状の2つのコア部が隣接した構造である。本研究では、3次元方向性結合器にグレーティングを装加したデバイスにおける結合長や結合効率を、FDTD法を用いて数値的に検討を行っている。断面が矩形の導波路が隣接して配置された3次元グレーティング型方向性結合器を作成し、TE波、TM波の2つの偏波に対して光波結合状態を観測し、結合長や結合効率を定量的に評価している。

  • 鈴木 蒼史, 横田 光広
    セッションID: 08-1P-11
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    近年、無線通信端末の普及により、多様な環境下での通信が増加している。しかし、電波伝搬状態は、周囲の環境や状況により大きく変化する。屋内環境においては、壁や窓、什器などの材質や大きさによって複雑な影響を受けている。一方、コンピュータの機能は日進月歩し、計算速度が速まり、記憶容量が増加し、シミュレータの使用によって設計が短時間で効率よく出来るようになった。本研究では、宮崎大学6階の研究室を3次元モデル化し、窓、扉、什器、人体の有無により電波伝搬の状態がどのように影響を受けるかについて、FDTD法により数値的に検討している。

  • 上原 昂大, 横田 光広
    セッションID: 08-1P-12
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    近年、FDTD法による数値解析法で電磁界のシミュレーションが幅広く利用されている。しかし、FDTD法によるシミュレーションは入力した条件下で数値解析を行う。したがって、実際に起こりうるシミュレーションに近づけるために条件を入力する必要がある。本研究では、デバイ分散性を持つデバイスにおける電波伝搬について数値的に検討している。デバイ分散による分極から電束密度、磁界、電界を求め、FDTD法に適した式を採用している。複素比誘電率の周波数特性からパラメータを決め、周波数に対する電界の伝搬状態について検討、考察を行っている。

  • 土持 智哉, 横田 光広
    セッションID: 08-1P-13
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    光通信技術の発展に伴い、より高度な光集積回路の需要が高まっている。導波路のコア内部に設けられた周期構造であるグレーティングは、ファイバ内を透過していく光の中で位相整合条件を満たす波長だけが反射として放射される。このような特徴からグレーティングは、光通信においてフィルタとしての機能を持つ光デバイスとして用いられる。本研究では、FDTD 法を用いて光ファイバにグレーティング構造を付加したデバイスからの光波の放射について数値的検討を行い、グレーティング周期と放射角について考察する

  • 西田 昌也, 横田 光広
    セッションID: 08-1P-14
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    近年,携帯電話や無線通信,レーダーなど電磁波を用いたものが数多く用いられている。また,計算機の発達により情報処理の技術が高度化しており,シミュレーション技術が発達している。この技術は自動車業界でも普及しており,自動車衝突事故防止システムなどが発明されている。本研究では、2次元構造の見通しの悪い交差点において車両が交差点に進入してきた場合,電波がどのように伝搬するかについて、FDTD 法を用いて数値的に検討を行っている。また,Mur とPML の2つ吸収境界条件でどのような違いがあるか比較,検討を行っている。

  • 二宮 海渡, 佐々木 伸一
    セッションID: 08-1P-15
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    近年,大規模集積回路の高速スイッチング動作によるプリント配線板電源層からの放射雑音・電源雑音が問題となっている.本研究室では,この二つの雑音の低減方法として基板端電源層間に整合用の抵抗を付加する方法(抵抗付加法)を提案しており,三次元電磁界解析によりその有効性も確認している.一方で,電源雑音・放射雑音を片方だけではなく共に低減できる抵抗値が明確になっていなかった.本研究では,放射雑音及び電源雑音を低減するのに適した整合用の抵抗値を決定するべく,これまでの検討で行われていた方法とは異なる方法で計算を行い,過去の結果と比較を行った.

  • 松嶋 紘哉, 佐々木 伸一
    セッションID: 08-1P-16
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    近年の情報化社会の発展によって、情報通信デバイスに対する高機能化が要求されており,搭載機器の高密度化やデバイスの高速化が進んでいる.しかし,それに伴って回路基板において、放射ノイズや放熱、信号品質の劣化といった様々な問題が生じており,誤作動や故障の原因になっている.本研究では,信号線路に曲部を考慮した場合での,特性改善の検討を目的に,伝送特性,放射雑音及びコモンモードノイズの評価を進めていく.3次元電磁界解シミュレーションにより,曲部の形状を変化させた場合の伝送特性の劣化及びコモンモードノイズの改善の検討を行った.

  • 小池 大一朗, 奥村 浩幸, 松嶋 徹, 福本 幸弘
    セッションID: 08-1P-17
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    PLC(電力線搬送通信)は電力線を通信線としても用いる通信方式であり,既存の電力線を利用可能であることから新設・管理のコストが削減できる点,また長距離通信が可能であるといった利点からIoT社会の通信網として期待されている。しかし電力線は通信線としては設計されていないため平衡度の不整合などからモード変換が発生し,電磁ノイズを放射する懸念があることから利用可能範囲が制限されている。本報告ではこの法整備を進めるためにサイズを縮小したモデルを用いて電磁ノイズ測定を簡易化できないか検討した。その結果実際の大きさにおける等価電界強度の測定結果を最大4dB程度の誤差で再現できるモデルを構築できた。

  • 小林 透, 岸本 友太, 今井 哲郎, 荒井 研一
    セッションID: 09-1P-01
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    筆者らは、これまで、スマホが使えない高齢者でも離れて暮らす親せき等とLINEを介した双方向のコミュニケーションが可能なソーシャルメディア仲介ロボットを開発している。本発表では、ソーシャルメディア仲介ロボットによるコミュニケーション履歴を活用したり、本ロボットに加速度検知機能を搭載した小型センサを連携させたりすることで、日々の生活の中での認知症の予兆検知方式を提案する。

  • Thi Thi Zin, 小林 郁雄, 椎屋 和久, Pyke Tin, 堀井 洋一郎, 濱 裕光
    セッションID: 09-1P-02
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    高齢化、大規模化する現代の畜産で、24時間365日にわたり家畜の健康管理を適切に行い、異常や変化に留意し続けながら経営を継続することは容易ではない。本研究開発では、家畜生産性の改善と地域活性化の実現を目的とする牛のモニタリングシステム構築に必要な要素技術の開発を行った。ここでは、牛の栄養状態の指標となるBody Condition Score (BCS)を自動評価できる画像解析システムおよび定期的に牛のBCS評価のため経時変化モニタリングシステムの開発について発表する。

  • 小幡 利幸, 草野 健一郎, 菊永 満治, 高濱 征士朗
    セッションID: 09-1P-03
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    総務省の関連施策の説明、戦略的情報通信研究開発推進事業(SCOPE)の概要と近年の採択状況について説明する。

  • 伊東 麻沙美, 緒方 公一
    セッションID: 09-1P-04
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    音声信号から声道形状を逆推定する手法の開発を進めている。逆推定結果,すなわち得られた声道形状を効果的に表現する可視化は調音運動の把握ために重要である。本稿では,声道の変化部位を容易に把握するための表示方法や,声道断面積の時間的変化から速度を計算して3次元グラフとして表示する方法など,可視化ツールの開発について述べ,その有効性について報告する。

  • 伊藤 智史, 秋田 昌憲, 緑川 洋一
    セッションID: 09-1P-05
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    本研究室では、定常雑音環境における日本語5母音発声データのフォルマントシフト状況を測定し、聴取雑音とロンバード効果の関連性について報告している。これまでの報告では、雑音の周波数特性や大きさによって各話者のフォルマントの推移が、似たような推移になるという結果が得られている。本報告では日本語5母音発声データのフォルマント五角形の重心の変化に着目し、聴取雑音とフォルマントシフトの関係性について報告する。

  • 高木 祥多, 右田 雅弘, 戸田 真司
    セッションID: 09-1P-06
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    そりで引きずった海底動画に付随したデータである音響情報を利用した底質推定を目指すうえで、データの作成の方法、分類器の作成またはその検証実験による精度の確認をシミュレーション環境を用いて行った。実験 1 では陸上での実験において実験環境を仮定し、分類器の精度確認の目的で行った。結果としては約 94%の精度であった。また、同様の分類器を用いて水中に環境を変えた実験 2 を行った。精度は約 73%で、礫と貝殻、砂と土の誤認識が多く、また水槽という環境において海底とは全く違う環境のため音響情報という面だと水槽により響いた音をより得ている可能性が存在するため海底だとより認識率が下がる恐れがある。

  • 木村 隆人, 丸田 英徳
    セッションID: 01-2A-01
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    本稿では,状態空間モデリングによるDC-DCコンバータの素子パラメータ推定による故障検知手法の検討を行ったので報告する。提案手法では,故障検知のための意図的な信号の入力を必要とせず,コンバータのスタートアップ時に得られる出力電圧,インダクタ電流および制御量から,回路素子のパラメータを推定することで,劣化した素子による故障の検知を実現する。パラメータ推定においては,回路素子の複合的な劣化を同時かつ定量的に推定することができることをシミュレーションにより確認した。

  • 小倉 弘毅
    セッションID: 01-2A-02
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    クリーンエネルギーの有効活用と環境保全に対して、太陽光発電は新エネルギーの中でも最も普及してきており、今後も導入の増加が見込まれている。太陽電池などのいわゆる新エネルギーは直流出力であり、これらの新エネルギーから得られた電力を効率よく運用するには電力変換装置が必要不可欠である。本論文では、昇降圧チョッパと極性切替インバータから構成される単相正弦波PWMインバータを取り上げ、ユニークな特徴について述べている。さらに、コンピュータシミュレーションと試作実験器による従来方式(昇圧チョッパと正弦波PWMインバータ)と本提案方式の動作波形や電力変換効率の比較を行い、提案方式の有効性と実用性を明らかにしている。

  • 黒木 宏保, 村上 英一, 竹下 達也, 織田 一弘
    セッションID: 01-2A-03
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    高電圧用途で期待されるSiC-MOSFETの応用に関しての理解を深めるために、SiC-MOSFETを用いた昇圧チョッパを利用し、太陽電池のMPPT制御とLED照明の最適化を行えるシステムを設計・試作した。太陽光強度の変化に応じて最適動作できるように、Raspberry Piで昇圧チョッパとLED個数を制御した。今回は、手動で電圧・電流・温度の値を入力することで、基本動作を確認した。今後は、電流・電圧・温度センサモジュールを使用して自動化されたシステムを完成させる予定である。

  • 高島 恵輔, 内山 勇之介, 浜崎 真一, 大道 哲二
    セッションID: 01-2A-04
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    近年、大型のバッテリを搭載した車両機器の普及に伴い、充電システムの開発も進んでおり、その一つにワイヤレス給電(WPT)がある。これには非接触による絶縁などの利点があるが、有線送電に比べて送電効率が悪い。これは、回路内にキャパシタを組み込んで共振回路を構成することで改善できるが、トランス間の結合係数によってパラメータがその都度変化してしまう。本研究では,仮想的に任意の静電容量を持つキャパシタとして動作させる回路としてアクティブキャパシタ(AC)を提案し、これをWPT回路に組み込むことで,送電効率の向上を図る。本ACの制御手法を示し、その動作検証結果をシミュレーションにより示す。

  • 中田 喜基, 浜崎 真一, 大道 哲二
    セッションID: 01-2A-05
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    太陽光発電システムで用いるパワーコンディショニングシステム(PCS)の高性能化が求められている。本研究では、マルチレベル波形出力を可能にするモジュラーマルチレベル変換器(MMC)をPCSに適用したMMC形式PCSについて研究を行った。MMC形式PCSの制御は,MMC内部のキャパシタ電圧を制御しながら適切な出力制御が必要であるため,入力と出力の電流制御が需要となる。本研究では,高精度な電流制御を加えた制御系を構成し,MMC形式PCSの性能向上を図った。本制御にについて理論,シミュレーションおよび実験による動作特性の検証を行い,MMC方式PCSの有効性を示す。

  • 川村 和輝, 浜崎 真一, 大道 哲二
    セッションID: 01-2A-06
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    本研究では, NPC方式3レベルインバータの中性点電位変動による脈動の抑制制御法について研究を行った。3レベルインバータでは出力電圧波形の歪みを低減するために,どのように中性点電位の脈動の抑制が必要となる。特に低電圧入力や大電流を扱うインバータでは,中性点電位の脈動が大きくなり,出力の歪みが大きくなる。そこで本研究では,その脈動が基本波の3倍調波であることに着目し,3倍調波のコモンモード電圧を重畳する抑制手法を提案する。この新提案方式の脈動抑制効果をシミュレーション及び,3レベルインバータの小容量ミニモデルを用いて実機での検証を行い,本方式の有効性を明らかにした。

  • 川村 佑次郎, 山本 悠貴, 浜崎 真一, 大道 哲二
    セッションID: 01-2A-07
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    近年の分散型電源システムの導入増加による配電系統の電圧上昇,電圧変動への解決策としてUPFC(Unified Power Flow Controller)の導入が挙げられる。本研究では,UPFCにディジタル制御のデッドビート制御を適用した制御について研究を行った。UPFCは,2台のインバータを系統にそれぞれ並列・直列に接続し,インバータ間を直流コンデンサで接続した構成である。並列側で無効電力補償・コンデンサ電圧一定制御を,直列側で電圧低下補償を行い,電力品質を向上させることができる。本研究では高速で高精度の応答が期待できるデッドビート制御を適用し、その効果について系統ミニモデルにより実験検証を行い,さらにトランスなどの実機パラメータの影響を考慮した特性改善を図った。

  • 峯野 夢絃, 岩切 遥祐, 三宅 琢磨, 迫田 達也, 近藤 房和, 東山 昇一, 稲岡 優子
    セッションID: 02-2A-01
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    屋外で用いられる電気絶縁機器へのストレス要因は様々であるため, 様々なポリマー材料の劣化評価試験が行われている。しかし, 試験には長時間を要するものがあり,新しい材料で作製したポリマーがいしを短期間で比較検討できない。本研究では, ポリマーがいし用外被材料の長期信頼性を比較的短期間に定量的に評価可能な手法を確立することを目的とし,交流課電による連続塩霧試験によりシリコーンゴムにおける電気的特性と撥水性回復特性を調べている。その結果, 試料によって異なる電気的特性や撥水性回復特性を定量的に評価できることを明らかにした。今後,別の試料においても同様の試験を行い, 今回試験した試料との比較検討を行っていく。

  • 足立 昂平, 迫田 達也, 三宅 琢磨, 後藤 成彦, 阿嘉 良昌, 安食 富和, 春日 靖宜, 深野 孝人
    セッションID: 02-2A-02
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    電力機器に絶縁性能に優れ、軽量であるシリコーンゴム等のポリマー材料の適用が進んでいる。しかし,ポリマー材料は劣化すると,最終的に自己回復が出来ない現象であるトラッキング破壊に至る。本報では,トラッキングの発生過程を実験室内で模擬するため,シリコーンゴム試料に対して傾斜平板法を実施し,試料の漏れ電流,トラッキング,及び試料表面の放電形態を観測した。その結果,トラッキングは課電開始後に下部電極から上部に向かって形成されるが,時間経過とともに下部電極付近で集中して放電が発生したためトラッキングは上部に向かってのびなくなることを確認した。電圧の増加に伴い漏れ電流は増加し,トラッキングの形状も変化した。

  • 岩切 遥祐, 峯野 夢絃, 三宅 琢磨, 迫田 達也, 近藤 房和, 東山 昇一, 稲岡 優子
    セッションID: 02-2A-03
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    ポリマーがいしは軽量で取り扱いに優れているが、磁器製のがいしに比べて価格が高いという問題がある。そのため、添加剤を削減する等、材料変更によるコスト削減は低価格化への1つの方法と考える。また、ポリマーの長期信頼性の確認は、特殊な試験や長期間の試験が必要であり、コスト高で時間を要する。そのため、短期間に評価できる試験方法が確認できれば、材料変更が容易になりコスト削減が実現可能となる。本報では、シリコーン試料に対して傾斜平板法を行い、耐エロージョン特性を評価した結果について述べる。

  • 大石 雄介, 大塚 信也
    セッションID: 02-2A-04
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    パワーデバイスの封止材としてシリコーンゲル(以下、ゲルと略す)が使用されている。信頼性やデバイス診断の観点から、ゲル中の絶縁破壊に至る放電進展特性の理解は重要である。筆者らはこれまで、不平等電界下におけるゲル中の放電路電界解析を行い、放電路を導電路と仮定した場合に放電は進展できることを明らかにしている。本研究では、粘度が低い種類の異なるゲル中の放電路電界解析を行った。同ゲル中放電路の形状は従来と異なり枝分かれ構造であった。この進展する放電路は導電路、停止する放電路はボイドと仮定した場合に進展現象を説明できた。また、放電進展が開始および停止する電界値はゲル種によらず概ね一致することがわかった。

  • 浜砂 享平, 大角 浩太郎, 井上 好之, 小迫 雅之, 匹田 政幸
    セッションID: 02-2A-05
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    筆者らは,新たな機能性電気絶縁材料を開発するためフラーレンに着目し,フラーレンの電気絶縁性ナノフィラーとしての可能性を検討している。これまでエポキシ/フラーレン複合材の板状試料にて短時間破壊試験を行い,フラーレンを0.6wt%添加することで絶縁破壊強度が約30%向上することを報告してきた。板状試料における破壊箇所は,楔ギャップ間の放電に起因した破壊と考えている。そのため板状試料のバルクにおける絶縁破壊強度はさらに高いと考えられる。本報では砲丸リセス型試料を用いて放電を抑制したモデルで破壊試験を行うと、板試料は約60%低く評価された。また,リセス型試料はフラーレンを添加による絶縁破壊強度向上効果があると分かった。

  • 田代 皓平, 迫田 達也, 三宅 琢磨, 渕上 正樹, 西村 豪志
    セッションID: 02-2A-06
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    エポキシ樹脂等の絶縁体でモールドされた固体絶縁機器では,製造時の注型作製過程において樹脂内にボイドが生じてしまうことがある。ボイド内部での部分放電の挙動及び発生から故障に至るまでの過程を明らかにすることは,固体絶縁モールド機器の安全・長寿命設計を行うために重要である。そこで本研究では,電力機器のエポキシ樹脂部分にボイドがあった場合に,部分放電によりボイドが成長し,最終的に短絡するまでの寿命特性を明らかにすることを目的とし,ボイド含有エポキシ樹脂製テストピースにおいて,部分放電による浸食速度を調べた。本報では,ボイドが絶縁破壊に至るまでの過程や放電頻度や放電電荷量の経時変化について述べる。

  • 山崎 悠平, 中ノ瀬 聡一郎, 三宅 琢磨, 迫田 達也, 川野 渉
    セッションID: 02-2A-07
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    近年,他の電力と同様に電力ケーブルも高経年化が進行しており,これらのケーブルの安全性及び信頼性の確保が大きな課題となっている。実際に国内で,ケーブル劣化が原因となった事故が発生しており,信頼性の高い保守や以上の兆候を早期に把握できる技術が不可欠である。そこで著者らは,高効率な部品交換と早期劣化箇所の判別のため,CVケーブルにおける部分放電をターゲットとした,位置標定機能付き部分放電検出装置の開発を進めている。本論文では,開発した部分放電検出装置の精度評価について検討した結果について述べる。

  • 鶴田 浩誠, 中口 隆成, 迫田 達也, 三宅 琢磨, 田島 豊, 三須 一成, 袴田 将哉, 廣川 光晴, 佐藤 英章
    セッションID: 02-2A-08
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    22kV級の配電用ケーブルには, 架橋ポリエチレンを絶縁体に用いたXLPEケーブルが主に採用されている。1980年代以降に3層同時押出し構造(以降, E-Eケーブルと記載)の採用, 乾式架橋等の水トリー対策によってケーブルの絶縁性能は大幅に向上している。しかし,近年, E-Eケーブルにおいても水トリーの発生が確認され始めた。著者らは配電線路の中で水トリー劣化したE-Eケーブルの劣化度と同ケーブルの区間特定することを目指している。 本報では, 劣化位置標定手法の確立のための基礎研究として,印加電圧により誘起された電流パルスの伝播速度を明らかにするためにインジェクションコイルを用いた電流パルスの伝播速度の測定を行った結果について述べる。

  • 花田 渉, 柿本 康朝, 小迫 雅裕, 匹田 政幸, 飯田 和生, 梅村 時博, 中前 哲夫, 前田 照彦, 尾崎 多文
    セッションID: 02-2A-09
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    筆者らは、モールド絶縁変圧器(CRTr)の部分放電(PD)検出による絶縁診断技術高度化について検討を進めている。前報では、CRTrのインピーダンスの周波数特性が、PDの主要な周波数成分を決定していることを報告した。本論文では、高周波信号伝搬特性解析によるモールド変圧器の部分放電検出法の診断技術への適用を目指し、健全変圧器のインピーダンス周波数特性が、そのへんあつきいがいの外部から流入して変圧器を通過し、センサで検出されるPD信号へ及ぼす影響を検討した。

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