電気関係学会九州支部連合大会講演論文集
2020年度電気・情報関係学会九州支部連合大会(第73回連合大会)講演論文集
選択された号の論文の298件中101~150を表示しています
  • 堤 友浩, 高村 紀充, 荒岡 信隆, 花井 正広
    セッションID: 03-1P-06
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    ファインバブルは液体への高い溶解性や残存性などの性質を有することが知られる。ファインバブルを鉱油中に分散させることで放電の進展を抑制し絶縁性能向上が実現できる可能性がある。これまでに我々は球対球電極構成での絶縁破壊試験により鉱油中の窒素ファインバブルが絶縁破壊電圧低下の要因にならないことを明らかにした。一方、球電極では電極間の電圧が印加される体積は小さい。本論文では、絶縁破壊電圧が鉱油中の窒素ファインバブルによる影響をより受けやすくするため、電極間の体積が大きい近似Rogowski電極により窒素ファインバブル付加処理を施した鉱油と、脱気処理、窒素バブリング付加処理を施した鉱油の交流絶縁破壊試験を行った。

  • 美山 正樹, 高村 紀充, 荒岡 信隆, 花井 正広
    セッションID: 03-1P-07
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    著者らは電気絶縁油の代替として純水が使用できる可能性があると考えて基礎研究を行っている。しかし、純水には物質が溶け込みやすく、抵抗率が低下しやすい。本論文では、グラフェンが純水の抵抗率に与える影響を調査するために、グラフェン被覆球を浸した純水と、SUS304製の球を浸した純水、球を浸していない純水の抵抗率を比較した。この結果、グラフェン被覆球を浸した純水と球を浸していない純水は同程度の抵抗率となり、SUS304製の球を浸した純水は低い抵抗率となった。グラフェンは純水へのイオンの溶け込みを抑制することができたと考えられる。

  • 佐藤 糧, 荒岡 信隆, 高村 紀充, 花井 正広
    セッションID: 03-1P-08
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    3Dプリンタは金型を必要とせず,立体モデルを作製できるが,電気絶縁材料への応用の報告数は少ない。我々は,過去に積層方向が異なる光造形3Dプリンタ製エポキシ樹脂の雷インパルス絶縁破壊電圧を調査した。その結果,負極性の絶縁破壊電圧が正極性のものより比較的高いことを確認した。しかし,複数サンプルにおいてギャップ間で絶縁破壊せず,沿面放電が生じたため,積層方向が違うことによる絶縁破壊電圧への影響は明確に確認されなかった。本論文では,ギャップ長をそれぞれ0.3 mmに設定した積層方向が異なる光造形3Dプリンタ製エポキシ樹脂の雷インパルス絶縁破壊電圧を調査したので報告する。

  • 李 赫男, 神村 尊, 稲葉 優文, 中野 道彦, 末廣 純也
    セッションID: 03-1P-09
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    我々は熱伝導性フィラーを電界整列させることにより、伝熱シートの熱伝導特性の向上を目指している。ダイヤモンド微粒子は高熱伝導率、高強度、絶縁性などの基礎物性を持つことから高熱伝導なフィラー材料に有望である。本研究では、整列性の確認のために、母材の候補のひとつであるアクリル溶媒中で面内方向に電界を発生させ、粒径5μmのダイヤモンド微粒子を電界整列させた。そして、ダイヤモンド微粒子が分散したアクリル溶媒を、2つのアレイ電極で挟み、電場を印加しながら重合させることで、厚み方向にダイヤモンドフィラーが電界整列したシートを作製した。作製したシートの厚み方向の熱伝導率は定常比較法により評価した。

  • 神村 尊, 李 赫男, 稲葉 優文, 中野 道彦, 末廣 純也
    セッションID: 03-1P-10
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    我々は、ダイヤモンド微粒子をフィラーとした伝熱シートの熱伝導率を、電界整列法により向上させることを目指している。本研究では、フィラーが整列した伝熱シートの熱伝導率を、フィラー充填率とフィラー・樹脂間の界面熱抵抗を考慮してCOMSOLを用いて調査した。樹脂中に粒径5~30μmのダイヤモンド微粒子を鎖状に配し、フィラー鎖の方向の熱伝導率を定常比較法を模して算出した。ダイヤモンド微粒子密度の上昇に伴い、熱伝導率の向上が確認できた。また、界面熱抵抗の低下によって熱伝導率が2倍程度向上させられることが予想された。今後、フィラー・樹脂間の界面熱抵抗低減のために、シランカップリング剤導入し、熱伝導率の向上を検討する。

  • 角 考弘, 戸高 孝, 佐藤 尊
    セッションID: 03-1P-11
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    Fe-Si-Bアモルファス磁性材料の磁場中焼鈍において、巻鉄心構造を保つためにボルト締めにより面圧がかかることがある。面圧が小さい場合には問題はないと思われるが、面圧が大きいと意図しない方向への磁気異方性付与によって磁気特性が劣化することが考えられる。そこで、面圧下焼鈍が磁気特性へ与える影響を明らかにするために、アモルファス磁薄帯試料を鉄板で挟みボルト締めして面圧応力を印加して焼鈍を行った。本論文では、面圧と磁気特性の関係を調査した結果を報告する。

  • 松原 佳月, 吉村 幸雄, 上床 雄貴, 新田 敦司
    セッションID: 03-1P-13
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    現在,酸化インジウムスズ(ITO)の代替材料として酸化亜鉛(ZnO)を用いたフレキシブルな透明導電膜に関する研究が行われている.著者らは, Al doped ZnO(AZO) と銀(Ag)を用いた多層型の透明導電膜に着目し成膜を行った.しかし、基板側でのAg層への酸素(O)の拡散が見られ,薄膜の特性に悪影響を与えていた.そこで、基板側のAg層とAZO層の間に中間層として銅(Cu)を用いた多層型の透明導電膜に着目した.本研究では,AZO/Ag/Cu/AZO構造の透明導電膜をPEN基板上に成膜した.Cu成膜時の成膜条件を変化させ,電気的・光学的特性の検討を行った.その結果,基板側のAZOとAgの間にCuを製膜することで電気的特性の改善を実現できた.現在,さらなる特性改善に向け,検討中である.

  • 井上 瑞基, 加来 司, 今崎 克哉, 森迫 大義, 鶴林 大樹, 西田 貴司
    セッションID: 03-1P-14
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    現在、医療や産業等の様々な分野でIoTの導入が進んできている中、強誘電体薄膜を用いた独立電源化、消費電力量増加などの課題解決が期待されている。そこで、本研究では基板前面に遮蔽板を配置した改良型スパッタリング法により、強誘電体であるPbTiO3 ナノ結晶の作製と高品質化を試みた。サファイア基板の原子レベル平坦表面上にPbTiO3ナノ結晶を育成し、成膜温度とスパッタ粒子の入射方向に対するサファイア基板のステップテラスの方向が結晶成長に与える影響を調べた。XRDにより、600℃で最も配向性の良い薄膜が確認された。また、AFM観察結果から、ステップテラスの方向が入射方向から見て昇りの場合のみ、ステップに沿ったPbTiO3ナノ結晶配列が確認された。

  • 貞方 敦雄, 荒川 雄介
    セッションID: 03-1P-15
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    有機EL素子では機能分離の考えに基づいて多数の有機薄膜層から構成された多層構造素子を利用している。この様な素子に電流を流して発光させると各所の有機層/有機層界面ではMaxwell-Wagner効果によって各有機層の誘電緩和時間の差と界面を横切る電流の積で表すことのできる界面蓄積電荷が形成されることが知られている。本研究では、二層構造の有機EL素子(ITO/alpha-NPD/Alq3/Al)のalpha-NPD/Alq3界面の蓄積電荷挙動について三角波電圧を印加時に流れる変異電流の測定を実施した。測定結果は三角波電圧の周波数や各有機層の膜厚で大きく異なった。この結果について各層を輸送される電荷のトランジットタイムを計算し解析を行った。

  • 貞方 敦雄, 山本 克奎
    セッションID: 03-1P-16
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    有機ELや有機太陽電池の素子構造は数100nm程度の有機層が電極間に挿入された積層型素子である。有機ELは電極からの電荷注入、輸送、有機層界面近傍の発光分子で再結合を経て発光する。また、有機太陽電池は光を有機分子が吸収し励起子が生成、電荷分離を起こす有機層界面に辿り着き電荷分離することで発電する。ゆえに、二次元的に広がっている有機界面は性能を決める重要な場所である。そのため、発光や発電で重要な有機界面近傍のエネルギー状態を非破壊で簡便に評価する解析手法が必要である。本発表では、CuPC、Pentacene、NPD、Alq3などの有機分子で構成される二層素子に対しての光電流分布の照射光波長依存性や界面近傍の劣化現象について報告する。

  • 貞方 敦雄, 田中 哲平
    セッションID: 03-1P-17
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    熱電材料の性能は無次元性能指数ZTで評価される。ZTはゼ―ベック係数S、電気伝導率σ、熱伝導率κ、絶対温度Tを用いて、ZT=((S^2 σ)⁄κ)Tで表すことができる。本研究では、配向性導電性高分子薄膜に着目している。配向膜では主鎖方向に対しては電気伝導性や電荷による熱伝導性も高い。一方、側鎖方向は電気伝導やフォノン振動による熱伝導は低下する。ゆえに、配向膜の熱電特性の異方性を調べる実験装置が必要である。そこで、真空下で、配向膜の中心から円形状に広がった温度勾配を与えて、その際に生じる熱起電力の計測は中心部の電極と外周に円形状に配置した電極を用いる。発表では、開発途中の装置及び動的FTM法で成膜したP3HT配向膜について報告する。

  • 田村 静, 本田 崇
    セッションID: 04-1P-01
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    本研究では、カプセル型医療機器へ付与する磁気駆動型薬物放出メカニズムを開発した。薬物放出機能を搭載するカプセルには、薬液を内蔵するためのシリコーンバルーンタンクと永久磁石付きのボルトで構成されるピンチバルブが組み込まれる。回転磁界を印加するとボルトは磁気トルクにより上下に回転し、ボルトの先端でのチューブの閉止と開放で流路を調整する。本報告では、その構造、作動原理および基本特性について説明する。また、直交する二つの回転磁界を利用することで局所的な投薬を考慮した穿刺メカニズムとの連結についても開発を行い、同様の説明をする。さらに安定した投薬を行うための停滞メカニズムの追加についても提案する。

  • 木村 公亮, 本田 崇
    セッションID: 04-1P-02
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    カプセル型医療機器の駆動装置として3軸ヘルムホルツコイルが使用されているが、これを臨床で用いる場合、人体を囲むほど大型化する必要がある。それにより、人体内にあるカプセルの位置や姿勢を検出するX線透過装置の妨げになってしまう。そこで永久磁石を回転させて回転磁界を発生させる方法に着目した。この方法は、X線透過装置との併用が可能であり、カプセル内視鏡の自走機能や姿勢制御に有効性があると実証されている。しかし、停滞・細胞診機構などの診断・治療の機構に応用した例はまだないため、それらの機構を搭載した医療用カプセルでの有効性を実証することを本研究の目的とする。

  • 好田 拓矢, 本田 崇
    セッションID: 04-1P-03
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    本研究では、カプセル型医療機器へ付与する磁気駆動バルブを使用したバルーンの膨張による停滞機能を開発した。クエン酸水と重曹による化学反応で発生する二酸化炭素を用いてシリコーンバルーンを膨張させ停滞の動作を行う。反応物質を内蔵するカプセルには、クエン酸を内蔵するためのシリコーンバルーンタンクと永久磁石付きのボルトで構成されるピンチバルブが組み込まれる。回転磁界を印加するとボルトは磁気トルクにより上下に回転し、ボルトの先端でのチューブの閉止と開放でシリコーンバルーンの膨張、収縮の制御を行う。本報告では、その構造、動作原理および基本特性について説明する。

  • 向野 伸, 竹澤 昌晃, 森本 祐治, 宮田 大史
    セッションID: 04-1P-04
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    フラックスゲート磁気センサは室温で動作する高感度な磁気センサであるが、小型化が困難であり微小領域の磁界計測に課題がある。磁性アモルファスワイヤを磁性体コアに用いることで小型化が可能となるが、既存のアモルファスワイヤでは断面積が小さく、十分なセンサ出力が得られない。そこでアモルファスワイヤをコアとして用いるために、大線径化する必要がある。そこで本研究ではフラックスゲート磁気センサの小型化・高感度化に向けて、アモルファスワイヤの大線径化を行う。今回は、開発した装置を用いて試料を作製しアモルファスワイヤ作製の再現性を高めるための装置の改良方針について報告する。

  • 井上 皓司, 河野 一輝, 高嶋 恵佑, 山下 昂洋, 柳井 武志, 中野 正基, 福永 博俊
    セッションID: 04-1P-05
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    車載や医療分野への用途が増加している小型モータの中には,一般的にNd-Fe-B系ボンド磁石が用いられている。ボンド磁石はその優れた形状自由度を示す一方,それを実現するための熱硬化性樹脂の存在が,残留磁気分極や(BH)maxの向上を妨げる。本研究では、Nd-Fe-B系ボンド磁石に替わり、樹脂を使用せずに固形化でき、磁石の薄手化が可能なPLD法を用い,高保磁力が期待できるPr-Fe-B系磁石粉末を実機のステッピングモータ用シャフト上に堆積した。その際,「磁気特性の目標値」と「優れた機械的性質」の両立できるPr含有量の最適化を中心に検討し,最終的に,既存の小型モータと本研究を通じ作製したモータとの動作特性を比較した。

  • 松岡 諒, 奥 光, 高嶋 恵佑, 山下 昂洋, 柳井 武志, 中野 正基, 福永 博俊
    セッションID: 04-1P-06
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    スパッタリング法を用いた高周波帯域用軟磁性薄膜の作製を目的として,「SiO2材料とFe系軟磁性材料」を「ナノグラニュラー化」もしくは「積層化」した高抵抗材料等の開発手法が報告されている。本研究では,PLD(Pulsed Laser Deposition)法を用い,ガラスとFe-Coを組み合わせた複合ターゲットを利用して数10 μm厚の「ガラス粒子を含むFe-Co系磁性膜」の作製を試みると共に,その磁気特性,結晶構造,透磁率の周波数特性ならびに微細構造を検討し,既報の高周波用磁性膜と比較検討した内容を報告する。

  • 松尾 宗洋, 花田 真一郎, 春本 渉太, 山下 昂洋, 柳井 武志, 中野 正基, 福永 博俊
    セッションID: 04-1P-07
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    電子機器の小型・高性能化に伴い,内部に使用される磁石の小型・高性能化が求められている。小型磁石の一つに磁石膜があり,スパッタリング法を中心にNd-Fe-B系異方性磁石膜が盛んに研究されてきたものの,磁石膜の厚さが20 µm程度に留まっており,磁石膜の厚膜化が問題となっている。本研究は,スパッタリング法に比べて高い成膜速度を有するPLD(Pulsed Laser Deposition)法に着目した。PLD法は過去に1000 µmを超えるNd-Fe-B系厚膜磁石の作製を報告しており,本研究ではそこに基板加熱を導入し実験を行った。基板加熱の手法として,基板に直接電流を印加し,発生するジュール熱を用いた。本発表では,電流値変化による,試料の磁気特性や結晶構造観察の結果を報告する。

  • 松岡 凌平, 樋口 晃太, 高嶋 恵佑, 山下 昂洋, 柳井 武志, 中野 正基, 福永 博俊
    セッションID: 04-1P-08
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    スパッタリング法を用いた金属基板へのNd-Fe-B系磁石膜の開発においては100 μm以上の厚膜化がなされる一方,MEMS応用を鑑みたSiやガラス基板への作製では,基板と磁石膜の線膨張係数の差より,成膜や熱処理時に応力に伴う磁石膜の剥離現象の発生,ひいては最大20 μmまでの厚膜化が報告されている。我々はPLD法を用い,Si基板上にNd-Fe-B系磁石膜を160 μmまで厚膜化し,微細加工やマイクロ着磁などを検討してきた。本研究では,Nd(Pr)-Fe-B系磁石膜に比べ,飽和磁気分極や結晶磁気異方性は劣るものの,①価格や②Siやガラスに対する線膨張係数に対し優位性を有するCe-Fe-B系磁石膜に着目し,その磁気特性や機械的性質を評価し,NdやPr元素の一部のCe置換の可能性を検討した。

  • 桃崎 瑞貴, 堀川 誉, 高嶋 恵佑, 山下 昂洋, 柳井 武志, 中野 正基, 福永 博俊
    セッションID: 04-1P-09
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    我々は, Pulsed Laser Deposition法を用い5 mm角Si基板上に数10μm厚のNd-Fe-B系磁石膜を成膜し,熱処理した際,自然酸化膜付きSi基板では磁石膜が剥離する一方,500 nm厚熱酸化膜を有するSi基板上の磁石膜は密着性が強く,仮に試料が破壊した際には,Si基板内部より破損が生じ,その破損する現象もNd含有量に依存する事を報告してきた。しかし,上記の結果は,PLD法のみで確認したにすぎない。本研究では,PLD法と同様,高真空中で数10 μm/hの速度で成膜でき,更により大きなSi基板に成膜可能な真空アーク蒸着法において,「Si基板の酸化層」や「Nd含有量」がNd-Fe-B磁石膜の堆積現象(破壊現象)に重要な因子である事を明らかにしたので報告する。

  • 日笠山 航也, 田中 俊秀, 高嶋 恵佑, 山下 昴洋, 柳井 武志, 中野 正基, 福永 博俊
    セッションID: 04-1P-10
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    これまで我々は,真空アーク蒸着法を用い5 mm角程度の基板に等方性Nd-Fe-B厚膜磁石の作製してきたものの,(1) ヒステリシスループの2段化に伴う動作点での磁気分極の低下,(2) 小型デバイス応用に向けての成膜面積の増加の必要性などが課題として挙げられてきた。本研究では,「試料形状を鑑みた2段化の抑制」や「基板回転機構による膜厚分布を抑制した成膜面積の増加」に対し検討したので報告する。

  • 金子 忠幸, 田中 凌将, 山下 昂洋, 柳井 武志, 中野 正基, 福永 博俊
    セッションID: 04-1P-11
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    Fe-Ni合金は優れた軟磁気特性を有する磁性体として広く知られており,センサなどの磁気デバイスに応用されている。本研究室では,電解めっき法を用いたFe-Ni膜の成膜を行い,その磁気特性に関する報告を数多く行ってきた。現在,機器の小型化のため駆動周波数が上昇傾向にあり,導電性基板を必要とする電解めっき膜では,基板部のうず電流損失が無視できない損失源となりつつある。そこで,本研究では,非導電性基板に成膜が可能な無電解めっき法に着目した。本稿では,無電解めっき法を用いて作製したFe-Ni厚膜の磁気特性を検討したので,その結果を報告する。

  • 林田 侑飛, 三枝 香風, 山下 昂洋, 柳井 武志, 中野 正基, 福永 博俊
    セッションID: 04-1P-12
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    電力変換回路で用いられる磁性デバイスの小型化には、駆動周波数を増加させることが有効であるが、駆動周波数の増加は渦電流損失の増大を招くため、その対策が必要となる。本研究室では、これまでにクエン酸をベースとするめっき浴から優れた軟磁気特性を有するFe-Ni系厚膜を作製し、それを薄帯状試料として利用することを提案してきた。本稿では、十kHz~数MHz帯域で動作する変圧器やインダクタへの応用を想定し、厚さ20 µm以下のFe-Ni系薄帯を作製し、磁気特性を評価したのでその結果を報告する。

  • 佐藤 佑亮, 松尾 雄志, 山下 昂洋, 柳井 武志, 中野 正基, 福永 博俊
    セッションID: 04-1P-13
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    近年,イオン液体と呼ばれる室温付近に融点を持つ塩を新規電解溶媒として利用する研究が盛んにおこなわれている。そんな中,本研究室ではイオン液体の一種である深共晶溶媒(Deep eutectic solvent, DES)が,磁性めっき膜作製における新しいめっき溶媒として利用できることを示してきた。また,Fe-Niめっき膜に関する従来検討の中で,アミン系の浴添加剤が膜質や磁気特性改善に有効であることを示し,DES浴と水溶媒の浴では磁気特性に与える膜組成の影響が異なることを見出してきた。本検討では,アミン系以外の浴添加剤の効果について検討したので,その結果を報告する。

  • 伊野 拳太朗, 狭間 陸, 古谷 誠也, 山下 昴洋, 柳井 武志, 中野 正基, 福永 博俊
    セッションID: 04-1P-14
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    我々の研究室ではこれまでに小型永久磁石として数~数百ミクロンの厚みを有する膜状の磁石膜(以後,厚膜と表記)に関して様々な報告を行ってきた。磁石厚膜を医療分野へ応用する場合,優れた磁気特性に加えて,生体安全性の優れた材料が必要となる。希土類磁石は磁気特性こそ優れるが耐食性が低いため,上記応用では白金系磁石膜が一つの候補材料となる。本研究では本研究室がこれまで報告してきた電気めっき法で作製したFe-Pt磁石膜に関し,その磁気特性に与えるめっき条件の影響を検討したのでその結果を報告する。

  • 鶴岡 晃典, 高嶋 恵介, 山下 昂洋, 柳井 武志, 中野 正基, 福永 博俊
    セッションID: 04-1P-15
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    Fe-Pt系磁石は,(BH)maxが150kJ/m3を超える優れた等方性材料であると共に,優れた生体安全性より医療応用が期待されている。本研究では,Fe-Pt合金ターゲットに高エネルギーのパルスレーザを照射する Pulsed Laser Deposition 法を用い,Si基板上に堆積したFe-Pt系磁石を剥離させる現象を利用し,磁石薄帯の作製を検討した。その狙いとして,耐熱性の低い基板への接着による試料作製や,成膜手法に基づく微細構造制御をバルク材料へ応用するといったものがある。本発表では,剥離を利用したFe-Pt磁石膜の磁気特性を報告すると共に,デバイス応用を鑑みた機械的性質についても紹介する。

  • 下條 将也, 林 匠平, 迫田 達也, 林 則行
    セッションID: 05-1P-01
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    近年、激しい雷活動が確認された夜間に、太陽光発電所でパワーコンディショナー停止などの不具合が確認されている。この不具合の原因は解明されていないが、我々は雷発光に伴う発電に起因する可能性もあると考え、このような短時間の光照射に伴う太陽光発電システムの過渡応答特性の解明を行っている。その最初のステップとして、今回は自然雷による太陽光モジュールへのパルス光照射環境を調査するために、夏季雷を対象に、自然雷光の発光波形、立ち上がり時間、持続時間等の発光特性の実測を行った。同時に、夏季雷光の短絡時間照射を受けた太陽電池モジュールの短絡電流の応答特性の実測を行った。本論文では、これらの実測結果を報告する。

  • 中村 健, 平山 斉, 川畑 秋馬, 吉村 幸雄, 千葉 恭男, 増田 淳
    セッションID: 05-1P-02
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
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    日照量豊富な鹿児島は太陽光発電に適した地域であるが、桜島火山降灰による太陽電池モジュールの直接的な発電量低下やモジュールの信頼性低下が懸念されており、降灰環境下での発電量の定量的評価や降灰対策技術の開発が必要である。本研究では、太陽電池モジュール上への積灰を抑制し、発電量最大化を実現するための指針を得ること、ならびに降灰環境下に適した太陽電池セルに関する知見を得ることを目的としている。本稿では、粒度分布の異なる火山灰を用いてカバーガラス上に降灰させ、疑似太陽光を照射したときの透過及び反射スペクトル分布を測定し、火山灰とスペクトル分布の変化の関係について調べたので、その結果について報告する。

  • 梶村 奎慈, 三谷 康範, 塩田 淳
    セッションID: 05-1P-03
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    近年、二酸化炭素を排出しないことやFIT制度などにより再生可能エネルギーである太陽光発電が普及しているが、日中に発生する余剰電力の逆潮流により電力系統が乱れるおそれがある。また、FIT終了後には余剰電力の売電価格が大幅に低下し、余剰電力の自己消費が求められる。そこで、樹木などによる影や雲の影響を考慮した短時間後の日射量を予測できれば、余剰電力がいつ発生するか把握でき、その分負荷をかけることで余剰電力の自己消費が可能となり、結果的に逆潮流の量を減らすことができる。本研究では、日射量の予測をする際に用いる推定式による値と実際の日射量の誤差を小さくするよう推定式を補正し、その精度の向上を目的とする。

  • 池田 晃樹, 原 重臣
    セッションID: 05-1P-04
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    現在、再生可能エネルギーとして期待されている太陽光発電の発電量が落ちる原因の1つとして、雑草により太陽電池モジュールに影がかかることで日射量が低下してしまうことがある。メガソーラーにおいては、除草作業のコストが多くかかるため年間の最適なスケジュールで作業を行いたいという要請がある。本研究では、太陽電池モジュールの南側に生える雑草をモデル化して日時、緯度などの条件により任意の時間、場所でのモジュールにかかる影の長さや影の概形、日射減少量を算出するプログラムを作成しシミュレーションを行った。雑草が作る影による日射減少量が季節によってどのように変化するかを推定することができた。

  • KWON DONGIN, 三谷 康範, 塩田 淳
    セッションID: 05-1P-05
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    日本では、固定価格買取制度等により、太陽光発電の導入が進んできた。我々の研究チームでは地理情報システム(GIS)を用いた日射量解析手法を構築してきた。一方で、近年、大規模な災害が発生し、太陽光発電パネルが被害を受け、復旧復興の妨げになるケースが発生している。その要因として設置者が日射量のみを基準にして設置場所を決めていることが考えられる。本研究では、GISを利用して災害想定区域に設置されている太陽光発電パネルを抽出し、可視化する仕組みを構築した。既存研究と組み合わせ、自治体が災害発生前に把握し、災害発生時の対応計画を立てるとともに安全でかつ日射量が多く得られる場所に設置できるようになる。

  • 中住 秀喜, 山本 周平, 三谷 康範, 牛房 義明
    セッションID: 05-1P-06
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    近年、調整力を持たない太陽光発電の大量導入により、周波数調整電源不足、配電線の急峻な電圧変動が問題となっている。本論文では両問題に対し、近年導入が進んでいる燃料電池型コージェネレーション(燃料電池コジェネ)を用いた制御手法を提案する。具体的には、周波数調整電源不足問題に対しては、燃料電池コジェネによるガバナフリー制御、電圧変動問題に対しては、LRTタップ切換変圧器による自動制御、燃料電池コジェネ付属のPCSによる無効電力制御を行わせる。この制御手法が電圧変動抑制にどの程度効果があるか、福岡県北九州市城野地区で実際に計測されたデータを適用した配電系統モデルを用いて、解析を行った結果について述べる。

  • 西川 倫太郎, 玉木 貴裕, 三谷 康範, 渡邊 政幸
    セッションID: 05-1P-07
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    近年、慣性を持たない太陽光発電の導入量の増加により、電源脱落時に推定以上の周波数変動が起こってしまうといった擾乱に対する耐性の低下が懸念されている。このような電力系統の強さを把握するために位相計測装置から得られる位相情報と系統間の潮流情報を用いて広域動揺モードを観測し、対象地域が持つ系統慣性の推定を試みている。この系統慣性推定には各地を代表する位相情報の使用が重要であり、本稿ではその探索手法と系統慣性の推定値について述べる。

  • 磯村 亮太, 千住 智信
    セッションID: 05-1P-08
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    環境問題を考慮して温室効果ガス排出量を削減するために、再生可能エネルギー発電が大量導入されている。主に需要家に導入しやすい太陽光発電が大きな割合を占め、発電時間帯が限定されているため負荷変動量が大きくなってしまうダックカーブ現象が発生してしまう。ダックカーブ現象は系統運用効率が悪化してしまうため、改善すべき問題であり、様々な対策が施されている。本研究では、以前提案した新しい負荷需要制御手法に関して、現実的な条件下でのシミュレーションを行った。具体的には、遮断時間や接続時間の制約を考慮することで、より現実的な負荷需要制御を行う。提案手法を用いることで最適な運用を行うことができることを示す。

  • 杉村 諒, 千住 智信, 高橋 弘
    セッションID: 05-1P-09
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    2016年11月に全ての国が温室効果ガス排出量削減に取り組むパリ協定が発効し、二酸化炭素排出量の削減のために再生可能エネルギーが注目されている。しかし、日本は欧州諸国と比較してコストが高いことから大量導入できない状況が続いているため、適切な設備容量と導入方法が求められている。そこで本研究では、再生可能エネルギー設備である太陽光発電設備と風力発電設備、及び蓄電池、燃料電池、ディーゼル発電機を含む小規模離島における設備拡張計画を検討する。本提案では各設備コストが少しずつ下がり、逆に燃料費が少しずつ増加すると仮定し、その際の設備容量と導入設備、及び運用計画を提案する。

  • 竹宗 徹, 橋口 卓平, 田島 大輔, 高山 滉平
    セッションID: 05-1P-10
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    地球環境問題やエネルギー安全保障の観点から,今後,再生可能エネルギーを利用した分散型電源のさらなる導入が予想される。しかし,離島・へき地などの小規模系統に分散型電源が導入された場合,太陽光や風による変動に伴い,分散型電源の出力が変動し,系統の電圧・周波数に影響をもたらす可能性がある。そこで,本研究では,小規模系統に分散型電源や蓄電池が導入された場合の,電圧・周波数安定化制御手法に関する研究や,各機器の協調制御に関する研究を行っている。本論文では,再生可能エネルギーの出力変動による周波数変動を抑制するために複数の蓄電池を用いた安定化制御の有用性について確認したので,その結果について示す。

  • 屋比久 哲也, 千住 智信, 高橋 弘
    セッションID: 05-1P-11
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    近年、地球温暖化や化石燃料枯渇の問題からCO2排出量の削減が世界的に求められている。エンジンやタービンなどの内燃機関を用いて発電を行う際に発生する熱を温熱や冷熱に変換して活用するCombined Cooling Heating and Power (CCHP)や再生可能エネルギーは廃熱やCO2削減に貢献できるとして注目されている。本研究では発電した電力や温冷熱を販売することにより再生可能エネルギーを大量導入したスマートシティにおける利益最大化を行う。

  • 浮木 拳, 佐竹 昭泰, 三谷 康範, 牛房 義明
    セッションID: 05-1P-12
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    近年電力の自由化によって、既存の電力会社に加えて様々な小売電気事業者が電力を売買するようになった。本稿では、廃棄物発電を中心とした小売電気事業者に着目する。現在、該当の小売電気事業者では、主に一日を通してほとんど一定の出力である廃棄物発電を利用し、昼間帯の需要が中心の高圧ユーザに対して電力供給をしており、夜間に余剰電力が生じている。この問題に対し、一般家庭へ電力供給を行うことで夜間余剰電力の有効利用を検討する。その際、今後一般家庭で電力需要が高まる可能性の高い機器として挙げられる電気自動車の消費電力を考慮した上で電気自動車の普及率に対し一般家庭への供給件数等を検討する。

  • 仲泊 明徒, 千住 智信, 高橋 弘
    セッションID: 05-1P-13
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    再生可能エネルギー普及への取り組みの活発化による単相分散型電源の増加といった原因から,電圧不平衡が増加する懸念がある。電圧不平衡の増加は分散型電源導入の抑制へ繋がる可能性があるため,電圧不平衡の改善が求められる。以上の背景から,本研究では,三相個別にタップ制御可能なSVR(3ΦSVR)を仮定し,電圧不平衡の改善を考慮しつつ,配電損失を最小化する3ΦSVRとLRTの協調制御を提案する。提案手法では,不平衡負荷,日負荷曲線,PVの導入が考慮される。シミュレーションによって,各不平衡指標が改善することを確認し,提案手法の有効性を確認した。

  • 小家 慎平, 塩田 淳, 三谷 康範
    セッションID: 05-1P-14
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

     近年、地球温暖化やエネルギー枯渇問題への対策として、内燃車に比べ環境にやさしく、EVと比較して航続可能距離が長いPHEVが普及している。走行にかかる費用削減のため、可能な限りEV走行したというユーザの要望があるが、バッテリ容量が小さく、EVに比べて電気のみでの航続可能距離が短いことが課題として挙げられる。そのため、走行で使用するエネルギー管理が重要となる。本稿では、EVの消費電力量推定手法をPHEV版に改良した手法を提案し、バッテリ残量で到達可能な範囲を地図上に可視化する。さらに、エンジンによる発電でEV走行で航続可能距離が延びることから、ガソリン残量も考慮した到達可能範囲の提示する手法を構築し検証した。

  • 黒木 謙一, 小田 謙太郎, 古屋 保, 佐藤 豊彦, 森 邦彦
    セッションID: 06-1P-02
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    Bitcoinでは,計算機の計算量が一番多い人にブロック作成の権利が与えられる.計算を平等に行う為には,新しく作成されたブロックがネットワークを経由して,皆に同時に共有される必要がある.作成したブロックを皆に共有する為に要する時間を考慮して,Bitcoinでは約10分間の計算時間を要し,ブロックサイズは1MBという制限がある.これがスケーラビリティ問題の本質的な問題で,7取引/s程度の処理で頭打ちとなる.本研究では,ブロックチェーンを複数にし,異なる役割を担わせることでこの問題の解決を試みる.具体的には,一番計算を行った人に一定時間ブロック作成の権利を与え,別のチェーンに記録を行うという仕組みが考えられる.

  • 西島 裕亮, 小田 謙太郎, 古屋 保, 佐藤 豊彦, 森 邦彦
    セッションID: 06-1P-03
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    計算ゴーストイメージング技術のノイズ耐性ついて検証する。計算ゴーストイメージングとは、被写体にランダムパターンを照射することで、光強度が得られる。このランダムパターンと光強度を相関演算することで被写体を再合成することができる技術である。これは再合成に一次元情報の光強度を用いるために少しのノイズが生じたとしても、影響を受けずに再合成することが可能である。しかし、現在ではノイズの種類や強度に耐性があるのか定量的に評価されておらず、これを評価することは重要なことである。今回はどの程度の耐性があるのかの検証を行った。

  • 大迫 真也, 小田 謙太郎, 古屋 保, 佐藤 豊彦, 森 邦彦
    セッションID: 06-1P-05
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    遺伝的アルゴリズムとは,生物の進化メカニズムを模倣して最適解を探索する最適解探索アルゴリズムである.逆ハーフトーン処理とは,ハーフトーン画像(二値画像)から連続階調の濃淡画像に復元する処理のことをいう.本研究では,ルックアップテーブルという注目画素に対しその周辺の白黒の疎密パターンで濃度値を決定する方法と複数の平滑化フィルタを用いた逆ハーフトーンフィルタの設計を行う.また,その際にフィルタの組み合わせやパラメータの決定は膨大な試行回数を必要とすることから,このようなフィルタ設計を求める問題を,組み合わせ最適化問題とし遺伝的アルゴリズムにより解決する.

  • 本田 匠, 森山 英明
    セッションID: 06-1P-06
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

     近年,計算機上で機密情報が扱われる機会が増加している.これに伴い,機密情報の取得を試みる標的型攻撃や高度標的型攻撃,マルウェアを用いた攻撃などが日々増加している.計算機の管理者は,システムを安全な状態に保つことが要求されるが,攻撃の動作を解析して対応することは難しい.本稿では,KVM(Kernel-based Virtual Machine)による仮想計算機環境において,ゲストOS上の機密情報を保有するファイルへの操作が発生した際に,ネットワークを通じた機密情報の拡散を防止する手法について検討する.

  • 森山 英明
    セッションID: 06-1P-07
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    計算機内で管理されている機密情報は,外部へ漏えいすることで企業や個人にとって大きな損失となる.近年では,機密情報の取得を試みる標的型攻撃やマルウェアを用いた攻撃など,日々新しい攻撃の手法が確立されている.計算機の管理者は,システムを安全な状態に保つことを要求されるが,管理者が動作を解析して対応することは難しい.本稿では,KVM(Kernel-based Virtual Mchine)による仮想計算機の環境において,ゲストOS上の機密情報を保有するファイルに対してアクセスが発生した際に,ネットワークを通じた機密情報の拡散や,機密情報を有するファイルの変更を防止したVM環境(以降,解析用VM)を作成し,解析用VM上で動作を解析する手法の実現について述べる.

  • 有馬 薫, 片山 徹郎
    セッションID: 06-1P-08
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    ソフトウェアの品質確保のための方法の1つとして、成果物のトレーサビリティの維持が存在する。しかし、成果物のトレーサビリティの維持には、手間と時間がかかること、人手に起因するミスが発生する可能性があることの2つの課題が存在する。そこで我々の研究室では、2つの課題の解決を目的として、UMLとソースコード間のトレーサビリティをリアルタイムに維持するツールRETUSSを開発した。しかしRETUSSは、シーケンス図とソースコード間のトレーサビリティの維持において適用範囲が狭く、有用性が高いとは言えない。そこで本研究では、RETUSSの有用性の向上を目的として、RETUSSにおけるシーケンス図への適用範囲を拡大する。

  • 横路 海斗, 重村 哲至
    セッションID: 06-1P-09
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    徳山高専情報電子工学科では,ノイマン型コンピュータの動作原理を学ぶために,機械語学習用マイコンTeC7が使用されている.TeC7は小型で携帯可能なため,自宅でも機械語を直接打込んで行う演習を手軽に実施できる.しかし,アセンブリ言語を用いた演習を行う際は,クロス開発環境を構築したPCと接続する必要がある.PCを持っていない学生や,個人のPCにクロス開発環境を構築できない学生など,自宅で演習ができない学生が多く,TeC7の特徴が活かされていなかった.本研究では,TeC7にクロス開発用のもう一台のマイコンを内蔵させ,TeC7本体と何か端末があればどこでも演習を可能にする環境の構築を行った.これにより,自学自習の機会を増やすことができる.

  • 森田 晴道, 趙 謙, 吉田 隆一
    セッションID: 06-1P-10
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    従来の2次元FPGA(Field-programmable Gate Array)の配置段階において一般的に使われる配線長予測モデルHPWL(Half-perimeter Wirelength)は、複雑な配線構造を持った3次元FPGAに適用した場合、ネットの配線長の予測精度が低い問題がある。本研究では、ディープラーニングを用いた3次元FPGAでのネット配線長予測手法を提案する。実際のルーティング結果を用いて畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を訓練することで、個々の3次元FPGA構造に特化した高精度なネット配線長予測モデルを容易に作成することができた。

  • 野田 竜平, 趙 謙, 吉田 隆一
    セッションID: 06-1P-11
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    分散システムにおいて通信量の変動やデバイスの故障などの環境変化が絶えず発生している。それらの環境変化に対して情報システムの機能を変更して適応する必要がある。そこで我々の先行研究ではソフトウェアの機能モジュールを自律的に入れ替えることによって適応型分散システムJuiceを提案している。本研究ではFPGA(Field Programmable Gate Array)をハードウェアアクセラレータとして用いて、ハードウェア機能も変更出来る、高性能な適応型分散システムを提案する。FPGAの再構成を利用し、ハードウェアとソフトウェアの融合による環境適応の実現を目指す。

  • 吉野 紘和
    セッションID: 07-1P-01
    発行日: 2020/09/18
    公開日: 2021/01/20
    会議録・要旨集 フリー

    昨日のAI作業が、MATLABを使うと”ワンクリック”で完了するかも知れません。一般にAI技術を”データの収集”から始めて、”アプリケーションとして配布”するワークフローでは、用いるパッケージ間や開発環境間、技術領域間において数多くの"溝"が存在します。その溝を埋めるための単純作業やコーディング、調査に時間を取られてしまうことも珍しくはありません。一方で、従来から画像、信号、通信、テキスト、制御、統計、機械学習などの領域で用いられてきたMATLABは、近年、AIワークフロー用の学習器アプリや、プロセッサ実装用の自動Cコード生成器などのツールを強化し続けています。”溝”の無い複数領域に渡る高速AI開発を可能にします。

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