本研究は,実験参加者の反応とそれに付随する結果の履歴提示が能動的随伴性課題における反応確率効果を規定するか調べた.二つの実験において,実験参加者(
n=132)は,コンピューターの画面に1人ずつ提示された50人の患者に対して実験的な薬を投与するか否かを決め,セッションの最後に薬の効果を評定した.われわれは,両方の実験において反応と結果の履歴提示の有無を操作した.また,実験参加者が経験する結果密度を,高い結果密度(実験1)と低い結果密度(実験2)として操作した.回帰分析と偏相関分析をデータに対して実施した.高い結果密度の条件において,履歴提示は,履歴提示がない場合に比べてより高い反応確率効果を生じさせた.低い結果密度の条件は,履歴提示がない場合に機能的な結果を引き起こさなかったのに対して,履歴提示をすることで実際に経験した随伴性に基づく正確な随伴性判断を生じさせた.偏相関分析は,投与頻度を薬の有効性評価と関連づける単回帰直線が反応確率効果だけでなく実際の随伴性を反映することを明確にした.
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