本研究の目的は,容姿という領域固有の完全主義(容姿に対する完全主義)の適応的側面と不適応的側面を同時に測ることができるPhysical Appearance Perfectionism Scale(PAPS)の日本語版を作成することであった.研究1では,原版を日本語へ翻訳し,因子構造を検討した.確認的因子分析(n=545)の結果,原版と同じ2因子構造(「完全さへの願望(Hope For Perfection)」,「不完全さへの懸念(Worry About Imperfection)」)が再現された.研究2では,関連する既存の尺度を用いて収束的妥当性を確認した.偏相関分析(n=655)の結果,おおむね原版の結果が再現された.研究3では再検査信頼性を確認した.相関分析(n=158)の結果,原版と同様の高い信頼性が確認された.以上の結果から,日本語版PAPSは,高い妥当性と信頼性を備えた尺度であることが示された.