聴能言語学研究
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15 巻, 1 号
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  • 大伴 潔
    1998 年15 巻1 号 p. 4-12
    発行日: 1998/04/30
    公開日: 2009/11/18
    ジャーナル フリー
    2語連鎖の発語が困難な精神遅滞児に対し,「絵カード配列」と「サイン」を用いた2語連鎖形成をめざした言語指導を行い,2つの指導方法の効果について検討した.習得基準達成までのセッション数と,語連鎖形成の円滑さの指標としての2語間の発話インターバルについて分析したところ,両指導法間には2語文が形成される程度においては差はみられなかった.しかし,絵カード配列では主語を表す名詞の発話が促されるのに対し,サイン使用時には動詞に重きがおかれる傾向が明らかになり,効果を及ぼすメカニズムについては両指導方法は異なっていることが示唆された.また,習得基準に達する以前にも,2語間の発話インターバルが減少する過程があることが示唆され,精神遅滞児における2語文の形成には(1)基本的2語構造の習得,(2)語連鎖発話に必要な喚語能力の獲得,という2側面があると思われた.
  • 米谷 郁子, 山下 いく代, 佐藤 裕美
    1998 年15 巻1 号 p. 13-21
    発行日: 1998/04/30
    公開日: 2009/11/18
    ジャーナル フリー
    幼小児129名(男67名,女62名)244耳について,クリック音による聴性脳幹反応聴力検査(ABR)と同一症例の純音聴力検査結果を比較し,ABRの信頼性および限界を検討した.ABRは生後1ヵ月~12歳,純音聴力検査は2歳~12歳に施行された.ABR閾値は純音検査の会話音域聴力レベルと強い相関(相関係数0.92)が認められ,感音難聴,伝音難聴ともに,また年齢別ではABR検査時1歳未満も会話音域聴力レベルとの一致率が高く,有用性が認められた.聴力型による検討では,少数ではあるが低音障害型などに一致率の低いものがあり,ABRを施行した患児に対しては,CORや遊戯聴力検査の結果が得られるまで,言語発達も含めて追跡検査する必要があると思われた.またABR無反応群では,ほぼ全例が重度難聴であり,一致はみたが,聴覚活用の期待できる100dBHL台以下が58%と過半数を占めており,説明や補聴器のfittingには留意を要すると考えた.
  • 坊岡 峰子
    1998 年15 巻1 号 p. 22-28
    発行日: 1998/04/30
    公開日: 2009/11/18
    ジャーナル フリー
    コミュニケーションおよび生活全般に意欲を消失していた重度失語症者に対して補助・代替コミュニケーション(AAC)を導入した経過を報告した.いずれのAAC手段も単独での使用は不確実であったが,訓練段階に応じ複数のAAC手段を併用することで伝達に成功する機会が増えた.またその過程で発話面にも改善がみられた.生活全般に関しても,ADLの改善,関心の広がり,QOLの向上が認められた.
  • 自分史の口述
    目黒 文
    1998 年15 巻1 号 p. 29-30
    発行日: 1998/04/30
    公開日: 2009/11/18
    ジャーナル フリー
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