全身的なそりかえりを伴う緊張性咬反射により,摂食活動の快適性が著しく阻害されていた重度脳性麻痺症例に対して,OTとのジョイント・セラピーを試みた.その効果と要因について,STが単独で行うセラピーと比較しながら検討した結果,以下の知見を得た.(1)12セッションにわたる経過の中で,緊張性咬反射が漸次軽減した.(2)1セッションの中でも,ST単独セラピー場面からジョイント・セラピー場面に移行すると,緊張性咬反射が減少し,出現しても全身的なそりかえりにまで至らなくなることが多かった.(3)ジョイント・セラピーにひき続いて行ったST単独セラピー場面において,若干ながらジョイント・セラピーの効果の持続が認められた.(4)緊張性咬反射軽減に対するジョイント・セラピーの効果の要因として,頭部アライメントのよりよい調整が考えられた.
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