広島大学歯学部歯科放射線科では,従来よりX線映画法を用いて口腔機能のX線学的検査を行ってきた.私は口蓋裂手術後患者の嚥下様相の観察を行い,これを学位論文とした.このなかで,口蓋裂術後患者が鼻咽腔閉鎖不全に起因する嚥下障害を克服するため,舌をいかに使っているかを述べ,その代償機能を紹介した.さらに,実際の嚥下をDSA (Digital Subtraction Angiography)を用いて生理学的動態を明らかにし,それらの障害例をビデオにて紹介した.また,現在存在する嚥下障害に関する研究会や学会の特徴や内容を紹介した.最後に,嚥下障害のVideofluorographyに必要な機器や造影剤,装置等を紹介し,実際検査を行うにあたっての注意点,被曝に対する心構えなどをうながした.
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