日本赤十字看護学会誌
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24 巻, 1 号
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原著
  • 鷹田 佳典, 小林 道太郎
    2023 年 24 巻 1 号 p. 1-10
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/15
    ジャーナル フリー

    本研究は,看護師で,全身性エリテマトーデス(SLE)を患う一人の若年女性(Fさん)の病い経験を,本人の経験に即した形で記述し,分析する.そうした作業に基づき,慢性の病いを生きるとはどのようなことなのか,その一端を内在的に明らかにするとともに,そうした経験を規定している要因を明らかにすることが本研究の目的である.インタビューで得られたFさんの病い経験の丁寧な記述を通してみえてきたのは,Fさんにとって病いをめぐる《わからなさ》と《わかってもらえなさ》がその経験において重要な位置を占めているということであった.Fさんは病いをめぐるわからなさに対し,さまざまな情報を集めつつ,自らの体験を通じて獲得された知識をもとに手探りの対処を試みていた.また,本稿では,病いをめぐるわかってもらえなさについて,看護師に英雄性を求める文化や,患者は自分の病気や体調について周囲がわかるように説明できるはずだという,健康な者たちが持っている前提が関わっていることを指摘した.

  • 園田 希, 松中 枝理子, 宇都宮 真由子, 隈井 寛子, 橋本 真貴子, 大重 育美
    2023 年 24 巻 1 号 p. 11-22
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/15
    ジャーナル フリー

    新型コロナウイルス感染症は人々の生活を激変させ,人々のメンタルヘルスに影響を与えている.本研究は,新型コロナウイルス感染症流行下で幼児を養育する親が,ストレスを感じた出来事とその対処行動,育児支援の実態と育児支援のニーズを明らかにすることを目的に,自記式質問紙による調査を行った.質問紙2,154部を配布し,得られた346件のうち310件を分析した.親は,【今までのように息抜きができない】ことにストレスを感じていた.親が受けている育児支援は新型コロナウイルス感染症流行前と比較し,親しい友人,医療従事者からのサポートが約10%減少し,親は【安心して学び遊べる環境の整備】を求めていた.新型コロナウイルス感染症と共存する中で,幼児を養育する親に関わる職種には,新型コロナウイルス感染症の長期化により親が抱えるストレスを把握したうえで,刻々と変化する状況に応じた支援を提供することが求められる.

  • 千葉 朝子, 村瀬 智子
    2023 年 24 巻 1 号 p. 33-42
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/05/20
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,6か月以上母乳育児を継続した母親が感じた母乳育児の心地よさの体験を明らかにすることである.

    6か月以上母乳育児を継続した母親は,【おっぱいを吸い飲んでくれる赤ちゃんからもたらされる気持ちの安らぎ】,【母児で触れ合えリラックスできる授乳時間】,【順調さの自覚で得られる母乳育児の楽しさや喜び】,【経済的で手間のない母乳育児の楽さ】,【長く続けることで感じる母乳育児に対する愛しさ】という心地よさを感じていた.経産婦の場合は,【上の子の経験に基づく母乳育児に対する不安の緩和】を感じていた.母乳育児が上手くいかない場合でも,【ミルク選択で得た母乳にこだわる辛さからの解放感】により心身の辛さが緩和されていた.また,【助産師・母親同士・家族からの共感的サポートがもたらす不安の緩和】にも心地よさを感じていた.サポートを得ながら,母乳育児を継続することで母乳育児に心地よさが感じられることが示唆された.

  • 中村 滋子
    2023 年 24 巻 1 号 p. 119-128
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/15
    ジャーナル フリー

    〔目的〕壮年期のがん患者を支援する外来看護師たちが診療科を越えて語り合う取り組みがどのように進展するのかを明らかにする.

    〔方法〕アクションリサーチを用いた質的記述的研究である.11診療科の外来看護師25名に対し,13か月にわたり〈ケアを語る会〉の開催を全18回とインフォーマルインタビューを28回行った.〈ケアを語る会〉の逐語録とフィールドノーツを重ね合わせながら質的に分析した.

    〔結果〕取り組みの進展は6つの局面が明らかになった.個々の看護師が壮年期がん患者に関わってきた体験に対峙して,葛藤の共有から始まった.〈ケアを語る会〉で「気になる」患者について診療科を越えて語り合うことへと進展した.やがて看護師たちは診療科を越えたチームワークの手ごたえを得て,日々の実践を皆で捉え直しつなぐ役割を見出していった.

    〔考察〕外来看護師たちが気づいた「気になる」ことを手がかりとして,診療科を越えて語り合いつないでいくことが壮年期の患者を支援する上で重要であることが示唆された.

  • 千葉 朝子, 村瀬 智子, 森田 一三
    2023 年 24 巻 1 号 p. 140-150
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/01/20
    ジャーナル フリー

    本研究は母親が母乳育児に感じる心地よさを測定するための尺度を開発することを目的とした.母乳育児を行っている母親のインタビューデータを元に尺度項目を作成し,次いで,内容妥当性の評価を行い,尺度原案を作成した.作成した尺度原案を用いて,産後3か月から6か月にある母乳育児を行っている母親を対象に無記名式のWeb調査を行い,信頼性と妥当性を検証した.分析対象553名の因子分析および信頼性の検討の結果,【母乳での授乳中の幸福感】【母乳での楽な授乳姿勢】【サポート環境の安心感】【母乳の量と授乳方法の満足感】の25項目4因子構造の母親が母乳育児に感じる心地よさ尺度を作製した.尺度全体のCronbachのα係数は.884であった.既知グループ法による構成概念妥当性の検証の結果,完全母乳栄養群の得点が,混合栄養群やほぼ人工栄養群よりも有意に高く,産褥早期に早産,多胎などの母乳育児困難な要因がある場合はない場合に比べ有意に得点が低かった.

研究報告
  • 新田 真弓, 安部 陽子, 佐々木 美喜, 千葉 邦子, 髙田 由紀子, 辻田 幸子, 古谷 麻実子
    2023 年 24 巻 1 号 p. 63-75
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/10
    ジャーナル フリー

    目的:病院に勤務する女性看護職が,妊娠継続に大きな問題を感じることなく過ごせた職場での体験を明らかにする.

    方法:平成27年~29年度日本学術振興会科学研究費補助金(基盤研究(C)15K11569)「病院看護職の個人および職場の特性と妊娠・出産に関する階層モデル」第一段階で面接調査を行った28名のうち,大きな問題がなく妊娠期を過ごせた10名のデータの2次分析を行った.

    結果:妊娠前の体験では研究参加者は子どもをもつことに迷いはなく,看護は好きなので,身近なロールモデルを参考に妊娠しても就業継続できると考えていた.妊娠中の体験では,職場に上司の配慮や妊娠はお互い様という雰囲気があり,同僚に相談しながら自分のペースで役割を遂行していた.

    結論:研究参加者は,妊娠と就業の両立は自然のことと受け止め,妊娠中も自らの身体変化を理解し主体的に周囲と業務などを調整することで役割を果たせると考えていた.また,上司や同僚の理解,妊娠・出産を受容する職場の雰囲気は,研究参加者が脅かされることなく能力を発揮できる環境となることが示唆された.

  • 鈴木 唆栄
    2023 年 24 巻 1 号 p. 89-96
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/01
    ジャーナル フリー

    本研究は,夫婦の育児共同感を高める開業助産師の支援を明らかにすることを目的とした質的記述的研究である.関東圏内の開業助産師3名に半構成的面接を実施した結果,開業助産師は【継続的な関わりから夫婦を包括的に支える】中で信頼関係を築き,【子育て仲間として妻の心の拠り所になる】,【妻が今辛いと感じていることから解決する】,【夫婦に合った支援方法を模索する】関わりをしていた.また,夫婦の調整役となる中で,【夫婦だからこそ気持ちは言葉にする大切さを伝える】ことや,【夫に期待することを具体的に頼む】こと,【夫婦が互いに以前に比べて成長したことを称賛する】関わりをしていた.そして,児の成長を体感することが難しい夫には,妊婦健診や出産,育児指導の場で【夫が妊娠早期から胎児をイメージできる関わりをする】中で,【次世代の親準備性を育む】支援をしていた.

  • 茂野 香おる
    2023 年 24 巻 1 号 p. 97-107
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/01
    ジャーナル フリー

    看護系大学卒の看護師が臨床看護研究を行った経験とその経験を本人がどのように意味づけているのか明らかにした.病院勤務する看護系大学卒の経験3~7年目の看護師6名に,エピソード・インタビューの手法を用い,1名につき8~17か月の期間,継続的に5~6回のインタビューを行った.Flickの分析方法を参考に,質的記述的に分析し,「大学の研究と臨床看護研究との差異に戸惑う」「戸惑いながらも自身が置かれた状況を受け止めようとする」「患者の看護に活かせる研究をしたい」「厳しい条件の中でも科学的な研究をしようと奮闘する」「探究心に突き動かされて研究にのめり込む」「チームにおける確固たる存在になっていく」「研究を通して自身の認識・行動の変化に気づく」の7つのテーマを抽出した.参加者は,研究の過程で自分の考えや行動を振り返り,能力を向上させた.こうした態度の基礎は,論理的思考と批判的思考を徹底させる大学での訓練で培われたと考えられた.

  • 森安 恵実
    2023 年 24 巻 1 号 p. 108-118
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/30
    ジャーナル フリー

    背景:Rapid Response System(RRS)は,院内の予期せぬ心肺停止を予防することを目的に整備された.予兆があるにもかかわらず要請遅延や非要請であることは予後に影響があるとされ,看護師のRapid Response Team(RRT)要請に至る要因の解明が必須課題である.

    目的:看護師のRRT要請に関連する要因の尺度開発に向けて質問項目を作成することである.

    方法:複数施設の病棟看護師に対しインタビューを実施し,構成概念に基づき質問項目を作成した.

    結果:抽出した項目を分類統合した結果,RRT要請に関連する要因は,環境要因の促進と障壁で【担当医の影響】,【部署の影響】,【RRTの影響】,個人要因の促進と障壁で【判断に影響する因子】,【専門知識・能力】,【個人特性】のカテゴリーとなり,全体で12カテゴリー,56サブカテゴリー,73項目で構成された.

    結論:日本のRRSの現状をふまえた質問項目を抽出できた.本研究結果を元に,尺度開発を継続することを課題とする.

  • 小川 圭子, 安部 陽子
    2023 年 24 巻 1 号 p. 129-139
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/12/15
    ジャーナル フリー

    目的:看護師長や指導者が対応に難しさを感じる新卒看護師が所属する急性期一般病棟の看護師長のマネジメントを記述すること.

    方法:看護師長6名へ半構造化面接を行い,逐語録を帰納的に分析した.

    結果:看護師長は〈対応に困難を感じる状況〉〈同期への影響〉から【新卒の状況の把握】,〈指導者の負担感〉〈病棟の指導力〉〈新卒が育ちにくい環境〉から【指導環境の把握】をし,スタッフの疲弊と医療事故への懸念を認識した.〈対応が難しい新卒の教育計画の修正〉〈対応の難しさを受け止めた指導方針への変更〉〈対応が難しい新卒に適した業務計画〉〈共倒れにならないための配置〉による【対応が難しい新卒の育成方針】を決定,【対応が難しい新卒への支援】と〈病棟の人間関係の修復〉〈信頼できる指導者の育成〉〈柔軟な思考の提案〉により【指導者への支援】をしていた.

    考察:看護師長はダイバーシティ・マネジメント,OODAループを適用していた.

実践報告
  • 今井 多樹子, 永井 庸央, 中垣 和子
    2023 年 24 巻 1 号 p. 43-52
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/07/10
    ジャーナル フリー

    A大学における周手術期看護実習の学修内容を示す主要語と構成概念を,学生108名の課題レポートを基にText Miningで分析した.言及頻度分析では『患者』を筆頭に『手術後』『必要』『手術』『不安』『状態』『重要』『変化』『観察』『実習』『合併症』『疼痛』が判明した.主成分分析とクラスター分析では【薬剤を踏まえた看護アセスメント(自己の課題)】【周手術期における家族看護の実際】【術後の早期離床に向けた疼痛コントロールの重要性】【手術侵襲による合併症の可能性と退院を視野に入れた観察の重要性】【限られた時間での不安軽減に資する看護】【手術侵襲が術直後の身体回復・心理面に及ぼす影響】【状況を見据えた知識に基づく計画力】【入院前の生活を踏まえた個別性のある退院指導】【患者の表情・コミュニケーションから捉える疾患・治療を軸とした情報収集】が判明した.学生は手術侵襲が術直後に及ぼす影響を基盤に,術後急性期には身体的な観察を,術後回復期には退院指導を主眼に置いて学修していた.

  • 小野 麻由子, 木下 彩子
    2023 年 24 巻 1 号 p. 76-82
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/01
    ジャーナル フリー

    はじめに:学修者本位の教育の実現を目指すためには,これまでのコロナ禍で積み上げてきたオンライン授業による学びの検証が重要な基礎資料になると考える.

    目的:看護過程演習にオンラインポスターツアーを取り入れたブレンド型授業におけるアクティブラーニングの効果を明らかにする.

    方法:2年次生108名を対象に,「オンラインポスターツアーを用いたアクティブラーニングの特徴」に関する質問紙調査を実施した.

    結果:有効回答率は39名(36.1%)であった.質問紙のすべての項目で肯定的な回答割合が84.6~94.9%と高値を示していた.自由記述は,「ジグソー法ポスターツアーを行っての効果と課題」「miroを使用しての効果と課題」が抽出された.

    考察:深い学びを得るためには,内化—外化—内化の往還を重視することが重要である.ポスターツアーでは,各自が責任や緊張感をもち,積極的な学習プロセスを踏んでプレゼンテーションに臨むことが示唆され,ブレンド型授業におけるアクティブラーニングの効果が明らかとなった.

資料
  • 浅野 綾子, 田中 裕子
    2023 年 24 巻 1 号 p. 23-32
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/04/15
    ジャーナル フリー

    本研究は乳児家庭全戸訪問事業において主任児童委員が行う親子への支援を明らかにすることを目的に実施した.5名の研究参加者に半構造化面接を行い,質的に分析した.その結果,【母のポジティブな感情を引き出す】【育児困難感につながる要素を探す】【人生経験を活かして子育てのアドバイスをする】【身近な地域の資源を紹介する】【支援の必要性を見極めながら保健師に引き継ぐ】【主任児童委員の役割を再認識する】【主任児童委員ができることの限界を感じる】【親子に深入りしない】【保健師につないだ後の結果が知りたい】など,15のカテゴリと61のサブカテゴリが抽出された.中でも主任児童委員に特徴的であったのが《就学後も視野に入れて関わる》ことであり,学校とのつながりを意識した支援が展開されていた.一方で,保健師との連携においては,訪問後のフィードバックや研修のあり方などに検討の必要性が示唆された.

  • 金子 和恵
    2023 年 24 巻 1 号 p. 53-62
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/10
    ジャーナル フリー

    本研究の目的は,一般病棟に入院する認知症高齢者と看護師の相互作用の様相を,認知症高齢者の安心につながる看護の観点から明らかにすることである.研究には認知症高齢者5名と看護師16名が参加した.参加観察をしたデータをもとに場面を再構成し,看護師へのインタビュー内容を解釈の参考にした.本論文では認知症高齢者の安心や不快に影響した看護師との相互作用の様相にテーマをつけ,認知症高齢者ごとに記述した.結果は,認知症高齢者の戸惑いを察して対応することや,認知症高齢者に拒まれた経験から馴染みの関係を築く,転倒を危惧しながらも認知症高齢者の現状をアセスメントし訴えに応じたことが,認知症高齢者に不快を生じさせない相互作用であった.一般病棟に入院する認知症高齢者の安心につながる看護は,認知症高齢者を個別の存在として関わることでアセスメントが深まり,その実践により認知症高齢者がその場に安心を感じられ,関係性の構築につながる相互作用であると考察した.

  • 藤本 法子
    2023 年 24 巻 1 号 p. 151-158
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/02/15
    ジャーナル フリー

    【目的と方法】精神科慢性期病棟で働く看護師が患者とかかわる中でどのような体験をしているのかを明らかにし,その意味について考察することを目的に,精神科慢性期病棟で通算5年以上の勤務経験があり,精神科慢性期病棟に勤務している看護師3名に,半構成的インタビューを実施した.

    【結果】看護師は,入院が長期化した患者の変化が見えにくく,退院支援が容易ではないという,ケアの厳しい現実に直面していた.一方で,患者の生活空間にともにいて,時間をかけてかかわり続けることで,患者の新たな一面に気づき,患者のもつ力を信じられるようになるという体験をしていた.

    【考察】精神科慢性期病棟では,往々にして日々の患者とのかかわりに価値が見出しにくいが,患者との疑似家族のような関係性の背景と意味,さらに時間をかけてかかわるケアの可能性について検討した.

  • 弥富 祐樹
    2023 年 24 巻 1 号 p. 159-169
    発行日: 2023年
    公開日: 2024/02/15
    ジャーナル フリー

    目的:ICにおける看護師の役割行動の実態を明らかにする.方法:救命救急センターを有する2病院の正規雇用の看護師・准看護師948名を対象に,無記名自記式質問紙による調査を実施した.結果:「説明時の同席」や「説明内容の記録」といった役割行動をとっている看護師は70~80%,「患者・家族の代弁」などでは30~40%であり,「セカンドオピニオンや同意しない権利」など患者の権利擁護に関することは20~30%であった.役割行動の「医師からの説明内容について患者・家族の理解の程度にあわせた補足説明をする」や「患者・家族が医師に直接言いづらいことを代弁する」などは,スタッフより師長以上の役職の看護師の方が行っていた.「ICに関する周囲の役割行動」との関係について,「看護師の役割行動」と「医師からの説明内容が記録されている」などの間で弱い~かなりの正の相関がみられた(τ=.204~.641, p<.01).

第23回日本赤十字看護学会学術集会
交流セッション
  • 日本赤十字看護学会歴史研究委員会, 大西 智子, 大林 由美子, 川原 由佳里, 川西 美佐, 村瀬 智子, 力石 陽子, 石谷 操
    2023 年 24 巻 1 号 p. 83-88
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/11/01
    ジャーナル フリー

    日本赤十字社(以下,日赤)本社は,約150年前の博愛社時代に作成された記録や収集史料を保管している.赤十字情報プラザはポストコロナを視野に日赤本社を訪問せずとも「誰でも,いつでも,どこからでも」赤十字史料を見る機会を増やすことを目指し,令和2(2021)年10月に「赤十字WEBミュージアム」を公開した.

    このWEBサイトで紹介している史料から,日赤は創設以来,常に感染症と対峙してきたことがわかった.その時に何を考え,どのように行動したのか,先人の歩みを知るには史料を探る以外に術はない.

    新型コロナウイルスが蔓延する中,赤十字の仲間への応援の気持ちを込めて,日赤の約150年にわたる史料を紐解き,赤十字WEBミュージアムの特別企画「感染症と赤十字」を活用し,関連所蔵品の一部内容を解説することによって感染症と対峙してきた先人の体験を共有し,時を超えた赤十字の記憶の継承について考える.

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