土木学会論文集F6(安全問題)
Online ISSN : 2185-6621
ISSN-L : 2185-6621
71 巻 , 1 号
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和文論文
  • 中山 貴喜, 神谷 大介
    2015 年 71 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/20
    ジャーナル フリー
     過疎地域では,高齢化に伴う災害時要援護者の増加といった災害脆弱性が顕在化している.また要援護者の避難支援における個別計画では,平日昼間に支援可能者の多くが地域を離れることを想定していない等の課題があり,支援体制が整っているとはいえない.そこで本研究は過疎高齢島嶼地域である沖縄県渡名喜村を対象とし,前述を考慮した要援護者支援に関する地域診断を行った.住民間の認知関係や道路閉塞の危険性を評価した結果,渡名喜村では地域のつながりを活用した徒歩での災害時要援護者支援が適当であると判断し,平日昼間の状況や認知関係,避難時間を考慮した支援者とのマッチング方法を提案・適用した.その結果,保健師との認知関係を活用した最適なマッチングを行うことですべての要援護者の支援が可能になることなどを示した.
  • 伊藤 和也
    2015 年 71 巻 1 号 p. 13-24
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/02/20
    ジャーナル フリー
     建設業における労働災害による死亡者数は従来から墜落災害によるものが最も多く,建設業全体の約4割を占めている.本論文は,土木工事業にて墜落災害発生時の主な作業箇所として分類される「崖・斜面」からの墜落災害を対象として,実態把握および墜落災害防止対策の確立のための基礎データを得ることを目的とした労働災害(死亡災害)事例の調査分析を行った.また,分析結果を基にして,ヒューマン・ファクター工学で適用されている分析手法の一つであるm-SHELモデルを用いた要因分析を行い,斜面工事における墜落災害防止対策として必要な項目や技術について検討した.
  • 佐藤 李菜, 小口 高
    2015 年 71 巻 1 号 p. 25-31
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    ジャーナル フリー
     近年,日本の都市域では内水氾濫がしばしば発生する.内水氾濫による浸水予測は,一般的にシミュレーションによって行なわれ,内水ハザードマップもこの方法で作成されたものが多い.しかし,シミュレーションの実行にはDEM,土地利用,下水道等の多数のデータが必要であり,多大な労力を要するうえ,微細な地形の評価が難しい面もある.そこで本研究では,高解像度のDEMと近年発展が著しい機械学習を用いて,過去の浸水箇所と似た特性をもつ地域を危険性の高い地域として抽出する手法を考案した.具体的には,浸水箇所の特性として道路や地形に関する指標を複数算出し,これを学習データとして機械学習の一つであるランダムフォレストを実行することで,浸水箇所・非浸水箇所を分類した.分類の正解率は約80~90%であり,手法の有効性が示された.
  • 小谷 稔, 飯塚 敦, 河井 克之
    2015 年 71 巻 1 号 p. 32-45
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/10/20
    ジャーナル フリー
     近年,自然災害における被害は甚大であり,災害医療におけるDMAT (Disaster Medical Assistance Team)の役割が,人的被害最小化に大きく貢献する.しかし,情報が錯綜する災害時に医療活動を必要とする場所・規模等を掌握し,適切なDMAT派遣を行うことは難しい.そこで本研究では,過去の地震災害の経過時間に伴う累積報告死者数から導いた被災者推定式を用いて,死者数を最小にする最適化問題を考える.
     その結果,早期派遣が有効であり,条件(DMAT数,被災地の状況)によって累積死亡者数を最小にするDMAT派遣が求められた.また,被災地状況の設定により,妥当なDMAT派遣のあり方を考察することができた.よって,チーム数に限りがあるDMATの有効的派遣のあり方を提案できることで意思決定の一助となり得ると考える.
  • 小谷 稔, 飯塚 敦, 河井 克之
    2015 年 71 巻 1 号 p. 46-57
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/20
    ジャーナル フリー
     災害時の不確実な情報から,意思決定者は災害対応の決断をしなければならない.この決断を下す際に「対応の迅速性」と「情報の正確性」のどちらを優先するかといった意思決定者のジレンマが存在する.この優先度の違いによって,災害対応の結果は異なってくる.そこで本研究では,災害発生後の死亡者数の時間変化をワイブル分布で近似し,逐次得られる死亡者数から最終死亡者数を求めるベイズ推定モデルを構築した.過去の地震災害事例を用いた最終死亡者数を考察することにより,災害対応の決断を下す時間帯を見積もることができ,これは意思決定者のジレンマ軽減に資するものと考える.
  • 及川 康, 片田 敏孝, 石井 雄輔
    2015 年 71 巻 1 号 p. 58-72
    発行日: 2015年
    公開日: 2015/12/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,地域住民の防災意識や防災対応行動の状態の時間経過に伴う変遷過程について,簡便な数理シミュレーションによって記述する分析フレームを提示するとともに,そこでの未知パラメータの値を実態調査データを利用して同定することにより現況再現・感度分析・シナリオ分析を行った.その結果,調査対象地域においては,どのような条件下においても最終的な防災意識の低下は免れ得ないことが示唆されると同時に,ある種の社会条件が整うことにより防災対応行動が持続的に活性化される状況が生じ得ることが示された.
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