流体-固体連成モデルの検証のためのベンチマークデータを,円筒,角柱,L字型の形状を有する落下体を用いた水中落下実験によって取得した.これらの落下体の運動は画像解析により取得し,再現性を確保するために各実験を10~15回繰り返した.4つの連成手法(SPH-DEM,LBM-DEM,FDM-DEM,FVM-DEM)を用いて実験をシミュレーションし,検証手法として水中落下挙動を評価した.他の研究者による流体-固体連成モデルの検証への活用,精度向上のため,得られたベンチマークデータは本論文の付録として公開する.
本論文では,ボロノイ図とドロネー分割の双対性を利用して,損傷挙動を不連続変形に変換する方法を提案する.連続体損傷モデルのような破壊を材料の剛性低下により表現する計算モデルは,三角形や四面体による非構造メッシュとの相性が良い.この特徴を利用して,提案手法では非構造メッシュ(ドロネー分割)をボロノイ図に変換することにより,損傷挙動を不連続変形に変換する.これにより,連続体損傷モデルのような計算モデルであっても,破壊挙動を不連続変形として表すことが可能となる.提案手法の有用性を実証するための数値解析例をいくつか示した後,鉄筋コンクリートの3次元メゾスケール解析に提案手法を適用し,メゾスケールにおける3次元の複雑な破壊挙動を再現するとともに,その現実的な可視化が可能であることを示す.
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