日本計算工学会論文集
Online ISSN : 1347-8826
ISSN-L : 1344-9443
2022 巻
選択された号の論文の18件中1~18を表示しています
  • 新宅 勇一, 中村 文俊, 堤 成一郎, 寺田 賢二郎
    2022 年 2022 巻 p. 20220001
    発行日: 2022/01/27
    公開日: 2022/01/27
    ジャーナル フリー

    本研究では,塑性ひずみ範囲への依存性をMemory surfaceにより表現することができる硬化則を用いた弾塑性モデルについて,主双対内点法およびリターンマッピングアルゴリズムを組み合わることで安定的に求解可能な陰的解法を提案する.主双対内点法を用いることによって,降伏関数やMemory surfaceのような不等式制約条件付きの最小化問題を連続的に最適化可能となる.具体的には,スラック変数を導入することで不等式制約条件を等式制約に置き換えたうえで,パス追跡法によって双対ギャップを徐々にゼロに近づけることで最適化する.一方,主双対内点法は通常のリターンマッピングアルゴリズムよりも未知変数が増加するため,計算コストが大きなる.そこで,Memory surfaceを用いた弾塑性モデルのために,主双対内点法およびリターンマッピングアルゴリズムを組み合わせた陰的解法を提案する.まず,通常の等方硬化則のみを考慮した弾塑性モデルの降伏関数に対して,主双対内点法およびリターンマッピングアルゴリズムを適用した場合の精度および収束性について比較したうえで,Memory surfaceを用いた弾塑性モデルに対して最も有効な数値解析手法について検討する.最後に,異なる塑性ひずみ範囲の繰り返し載荷を受けるノッチ付き丸棒試験片の有限要素解析を通して,Memory surfaceを用いた弾塑性モデルの陰的解法として提案手法の有用性を示す.

  • 嶋田 宗将, 西口 浩司, Peco Christian, 岡澤 重信, 坪倉 誠
    2022 年 2022 巻 p. 20220002
    発行日: 2022/02/24
    公開日: 2022/02/24
    ジャーナル フリー

    本論文では,既往のオイラー型解法において,界面近傍の速度勾配が不連続となる場合に数値不安定が生じうる問題を解決するための方法として,Reference map 法とラグランジュマーカー粒子を用いたオイラー型流体-構造連成解析手法を提案した.

    提案手法を用いて,FSIベンチマーク問題に対する解析を行い,提案手法によって得られた結果と既存の手法の結果との比較を行うことにより提案手法の妥当性を確認した.

    さらに,著者らの既往手法と提案手法との結果の比較を行い,提案手法の有用性を確認した.

  • 野村 怜佳, 藤田 真粹, 大竹 雄, 森口 周二, 越村 俊一, 寺田 賢二郎, 橋詰 正広
    2022 年 2022 巻 p. 20220003
    発行日: 2022/05/19
    公開日: 2022/05/19
    ジャーナル フリー

    This study presents a method of real-time tsunami risk evaluation by combined use of proper orthogonal decomposition (POD) and Bayesian update. The validity of the proposed method is demonstrated through the numerical example targeting plausible tsunamis induced by Nankai-Trough events. First, tsunami simulations are carried out for plausible tsunami scenarios determined by various patterns of fault rupture, and the time histories of wave heights are stored at selected synthetic gauge points. Then, POD is applied to the resulting data matrix of the synthetic dynamics (SD) composed of dynamics modes and coefficients, the latter of which represent scenario-specific information. In the real-time risk evaluation phase, the wave sequences of an actual tsunami event are sequentially measured at the synthetic gauge points and used to estimate the corresponding dynamics coefficients of the constructed SD. At the same time, by the application of Bayesian update, the likelihood of each of the dynamics coefficients pre-calculated for the selected tsunami scenarios is evaluated at each time and sequentially updated to detect the most probable scenario. Finally, the pre-calculated tsunami arrival time and inundation depth distribution corresponding to the detected scenario are determined as risk assessment indices seven minutes after the tsunami generation.

  • Naruethep SUKULTHANASORN, Mao KURUMATANI, Koji NISHIGUCHI, Junji KATO, ...
    2022 年 2022 巻 p. 20220004
    発行日: 2022/06/14
    公開日: 2022/06/14
    ジャーナル フリー

    The present paper proposes the novel design framework for thermal porous structure based on two-scale concurrent topology optimization subject to transient heat analysis. The optimization model considers the heat transfer through the microstructure surface to enhance the heat dissipation performance design. In particular, a well-known homogenization method incorporated the size-dependent term of microscopic heat transfer is exploited to obtain the material properties. Meanwhile, the unsteady-state heat condition is applied to the macrostructure. Furthermore, the heat compliance objective function and the derived analytical sensitivity formulations are adopted to determine the two-scale optimal topologies. As a numerical result, the concurrent design of micro- and macrostructures show the remarkable transient effect. It is also indicated that the microstructure size and the volume constraint are significant parameters for the design of heat performance.

  • 車谷 麻緒, 小倉 大季, 櫻井 英行
    2022 年 2022 巻 p. 20220005
    発行日: 2022/06/28
    公開日: 2022/06/28
    ジャーナル フリー

    近年,数値シミュレーションの品質と信頼性を保証するための取り組みが重要視されており,米国機械学会(ASME)では,V&V(Verification and Validation:検証と妥当性確認)とよばれる数値シミュレーションの品質と信頼性を保証するための方法が示されている.しかし,コンクリートの特徴である破壊や局所化を含む非線形問題では,検証と妥当性確認のそれぞれにおいて課題があるため,V&Vを具体的に実施した事例は見当たらない.そこで本論文では,コンクリートの非線形有限要素解析に対して,検証と妥当性確認を具体的に行った一例を示す.解析対象は切欠きを有するコンクリートはりの3点曲げ問題とし,計算モデルは損傷モデルを用いた非線形有限要素解析とする.また,非線形有限要素解析の計算コストが高い場合に,計算コストの低い代替モデルを用いて妥当性確認を行う方法についても検討する.

  • 山下 拓三, 藤原 淳, 宮村 倫司
    2022 年 2022 巻 p. 20220006
    発行日: 2022/07/28
    公開日: 2022/07/28
    ジャーナル フリー

    本論文では,コンクリート構成則における引張クラックモデルを提案し,鉄筋コンクリート(RC)造建物の大規模有限要素解析に適用した.多軸の繰返し外力を受けるコンクリート材料の構成則のモデル化において,ポアソン効果の影響を考慮した.さらに,内部変数としてクラックに由来するひずみテンソルを導入して明解な定式化をした.

    提案モデルの適用性を検証するために,まず,引張クラックモデルによる応力積分の計算と立方体モデルのFEM解析で基本的な挙動を確認した.続いて, RC部材実験の静的増分解析を実施して,実験の再現性を確認し,要素寸法と荷重増分の影響を把握した.最後に,E-ディフェンスで実施された10階建てRC造建物実験を対象とした大規模FEMによる地震応答解析を実施して,実験と解析の各階の層せん断力-層間変形角関係が比較的良く対応していることを確認した.しかし,層間変形角が小さい領域では,解析の層剛性が高めに評価される結果となった.その理由として,提案モデルでは過去の引張クラック発生に起因する引張強度の低下が考慮されていないためであると分析した.

  • 高荒 圭佑, 干場 大也, 西口 浩司, 加藤 準治
    2022 年 2022 巻 p. 20220007
    発行日: 2022/08/12
    公開日: 2022/08/12
    ジャーナル フリー

    熱伝導問題に対するトポロジー最適化の分野では,理論的な扱いやすさから,大抵は定常熱伝導問題を仮定している.しかし,鋳造金型や電子機器の放熱部品など,温度の空間分布だけでなく,その時間的推移も重要な設計問題では,非定常状態を考慮したトポロジー最適化手法が必要となる.このような背景から,本研究では,非定常熱伝導問題を扱いながら,目標とする時間・空間における温度を評価するような特殊な目的関数を用い,これを最小化する最適化問題を設定する.この最適化問題を,勾配情報に基づいた最適化アルゴリズムを用いて解く.またその際重要となる感度の精度検証を行う.最後に,提案手法の性能と非定常熱問題の一般的な問題について,一連の数値例を通して議論する.

  • 董 紫旭, 正藤 範一, 伊藤 一希, 岩津 玲磨, 高橋 直也, 宮嵜 武, 守 裕也
    2022 年 2022 巻 p. 20220008
    発行日: 2022/08/25
    公開日: 2022/08/25
    ジャーナル フリー

    The velocity boundary layer, formed on an archery bare-shaft arrow, is computed by using two kinds of finite difference codes; an axisymmetric code and a three-dimensional code. Two types of arrow point, i.e., bullet point and streamlined point, are attached to a cylindrical arrow shaft. The Reynolds number, based on the shaft diameter, is varied in a range 10,000 ≤ Re ≤ 20,000, and the attack angle, α, is fixed at α = 0.0o. Critical assessment is performed on the grid dependency of velocity profiles, the difference in velocity profiles between axisymmetric and 3D computations, and the effect of interpolation method on the interpolants by comparing the spline and the tri(bi)-cubic interpolations. The results of assessment indicates that the effect of varying the number of grid points, simulation codes and the interpolation method, considered in the present study, is sufficiently small for the purpose of linear stability analysis.

  • 岡谷 夏実, 塩谷 隆二, 中林 靖, 多田 光利
    2022 年 2022 巻 p. 20220009
    発行日: 2022/08/25
    公開日: 2022/08/25
    ジャーナル フリー

    数学の空間図形は,一般に教科書の紙面など2次元に描かれている.ブロックなど実物を用いた学習では直感的な理解が可能であるが,教科書だけの学習では,より高度な空間認知能力が求められる.本稿では,空間認知能力の不十分な学習者に対し,ARを用いて2次元上の空間図形を3次元で可視化し,平面から立体への変換のイメージを掴みやすくすることで,学習を支援するアプリケーションを開発した.OpenCVライブラリと機械学習技術を用いて,2次元の図面の特徴から3次元データを生成することで,汎用的なARによる学習支援を実現した.また学習効果検証のため,67名と24名を対象に実証実験を行った.空間図形の問題では,線分の長さの比や回転を用いて解く問題で,ARを用いたグループの方が,ARを用いないグループより高い正解率を得る傾向が見られた.また,実験後のアンケートから,開発システムの有効性を確認した.

  • 宮路 幸二, 竹川 大翔, 林 孝太
    2022 年 2022 巻 p. 20220010
    発行日: 2022/08/29
    公開日: 2022/08/29
    ジャーナル フリー

    本研究では,流体−構造連成計算の高度化のために重要な要素技術の開発を行い,成果を検証した.いずれも複雑形状に対する高精度な解析を可能にするものであり,1つはハイブリッド非構造格子のロバストで高速な計算格子変形手法の開発,もう1つは多くの乱流モデルで必要とされる格子点と壁面の最短距離の効率的な計算手法の開発である.前者のために CFD 計算領域を弾性体とみなして実際の弾性力学の方程式を適用し,後者のために Poisson 方程式と補助方程式を利用した.いずれも大規模不規則疎行列からなる連立一次方程式に帰着し,その高速解法に,GMRES と RCM を用いて,性能を比較した.計算格子の種類によって効果は異なるものの,古典的な Gauss-Seidel 法と比較して,最低でも 4 倍の高速化が実現された.本手法の壁面距離の誤差は,曲率の大きな箇所を除いて 5%以内であり,流れの剥離の小さな NASA CRM 巡航条件では,解析結果に及ぼす影響は小さい.更に,開発した手法を用いて遷音速,超音速流れの翼のフラッター解析を行い,フラッター境界を良好に予測した.

  • 渡邊 英吾, 車谷 麻緒
    2022 年 2022 巻 p. 20220011
    発行日: 2022/09/13
    公開日: 2022/09/13
    ジャーナル フリー

    数値シミュレーションの品質を保証する概念であるV&V(Verification and Validation:検証と妥当性確認)において,Verificationは,計算モデルが正しく実装されていることを検証するコード検証と,離散化誤差が十分に小さいことを検証する解析検証の2つで構成される.弾性問題では,はりの理論解を利用して,コード検証と解析検証を行った事例が複数報告されている.しかし,コンクリート構造物は,脆性材料であるコンクリートと延性材料である鉄筋の複合材料であり,その非線形問題には理論解および解析解が一般には存在しないため,既存の方法による検証は困難である.そこで本論文では,鉄筋コンクリートはりの3次元非線形有限要素解析に対して,コード検証と解析検証を行った一例を示す.具体的には,まず既往の研究で示された鉄筋コンクリートはりの参照解を利用し,非線形有限要素解析による参照解の再現性を定量的に示すことで,コード検証を実施する.次に,メッシュサイズを数値解析の因子として,分散分析を行い,メッシュサイズの因子効果を定量化することで,解析検証を行った例を示す.

  • 安岡 紀哉, 澤田 有弘, 松田 哲也, 松本 純一
    2022 年 2022 巻 p. 20220012
    発行日: 2022/09/27
    公開日: 2022/09/27
    ジャーナル フリー

    本研究では,織物複合材料の樹脂浸透問題に対する3スケール均質化法の定式化を示すとともに,織物複合材料のマクロ浸透係数およびメゾ・ミクロ浸透挙動を解析する.このためまず,三つのスケール階層を有する織物複合材料を考え,材料全体に対してマクロスケール,繊維束織構造に対してメゾスケール,繊維束内部の繊維に対してミクロスケールを定義し,強化基材内部を樹脂が浸透する問題を考える.つづいて,それぞれのスケール間におけるスケール比を用いて流速と圧力を漸近展開形で表示し,支配方程式に代入することで,ミクロおよびメゾ特性流速ならびに特性圧力を求めるための境界値問題を導出する.得られたミクロ・メゾ特性流速を用いてメゾ・マクロ固有浸透係数を導出するとともに,メゾ・ミクロ浸透挙動を得る.本手法の適用例として,平織ガラス繊維強化プラスチック複合材料を選定し,実際に樹脂のマクロ浸透係数やメゾ・ミクロ流速分布を求め,本手法の有用性を示す.

  • 後藤 聡太, 金子 栄樹, 武居 周, 吉村 忍
    2022 年 2022 巻 p. 20220013
    発行日: 2022/09/28
    公開日: 2022/09/28
    ジャーナル フリー

    不確かさ定量化とは、システムの入力パラメータの不確実性がその出力に及ぼす確率的な影響を評価することである。不確かさ定量化法の統計学的アプローチとして、Monte Carlo法がよく知られているが,収束が遅いという問題点がある。一方、非統計的アプローチでは、入出力の確率場をそれぞれ確率空間上の関数として展開するため、高い計算効率と精度を持つ。本論文では、非統計手法の一つであるNIPC(Non-Intrusive Polynomial Chaos)法を、有限要素法に基づく並列熱伝導解析ツールADVENTURE_Thermalと統合し、熱伝導率を確率場とする定常熱伝導方程式を解くことで、不確定性を有する熱伝導問題を求解する。この問題に対して、提案手法の計算量を理論的・数値的に評価し、問題の大規模化に伴うボトルネックとなるプロセスを明らかにする。さらに、ボトルネックとなるプロセスの計算量を削減することで、より大規模な問題に適用可能な新しい手法を提案する。

  • 太田 悠誠, 野口 悠暉, 松島 慶, 山田 崇恭
    2022 年 2022 巻 p. 20220014
    発行日: 2022/10/19
    公開日: 2022/10/19
    ジャーナル フリー

    本研究では,自立性を満たす構造設計案を創出するためのトポロジー最適化法を提案する.まず,自立性を満たさない構造を検出するために,仮想的な物理モデルを導入する.次に,レベルセット法に基づくトポロジー最適化法を導入し,自立性を実現するための制約条件を仮想的な物理場によって表現する.自立性が求められる代表例として,音響クローキング設計問題を対象に最適化問題の定式化を行う.トポロジー導関数の考え方に基づく設計感度の表式を述べ,複数の数値解析例を示すことによって提案手法の妥当性及び有用性を示す.具体的には,提案する仮想的な物理場の特徴を説明し,自立性を満たさない構造が排除された音響クローキング構造の最適設計案を示す.

  • 馬込 望, 三目 直登
    2022 年 2022 巻 p. 20220015
    発行日: 2022/10/26
    公開日: 2022/10/26
    ジャーナル フリー

    重合メッシュ法は,異なる基底関数をもつ複数のメッシュを重ね合わせることで,局所的に高い空間解像度を実現できるが,従来の重合メッシュ法は Lagrange 族補間関数を基底関数として用いているため,被積分関数が不連続となり,精度が悪化することが知られている.本研究は,基底関数に2次 B-spline 関数を適用した新しい重合メッシュ法を提案する.提案手法は被積分関数が連続となるため,積分精度と計算速度との両立が可能となる.また,創成解を用いた精度検証を実施し,提案手法の精度および計算コストを定量評価する.

  • 久米川 知也, 牟禮 良晃, 河野 晴彦
    2022 年 2022 巻 p. 20220016
    発行日: 2022/10/27
    公開日: 2022/10/27
    ジャーナル フリー

    複数の場の相互作用を伴う3次元連成解析では,一般に弱連成手法または強連成手法が用いられ,解の正確度を低下させることなく,妥当な計算時間で数値解が得られる手法を選択することが重要である.本研究では,電磁流体流れを計算するための弱連成スキームに分離反復型解法を導入した新たなスキーム(IPCスキーム)を構築し,両スキームを用いて得られた数値解の比較を通して,弱連成スキームの信頼性を評価する.流体・固体・気体を含む領域に一様な交流磁場が印加されるモデルを用いて,ハルトマン数が小さく,時間刻み幅が比較的大きい場合,IPCスキームにより得られる解は弱連成スキームにより得られる解よりも信頼性が高いことが示された.一方で,低ハルトマン数の条件においても,時間刻み幅を十分に小さくすると,両スキームにより得られる解はよく一致することも確かめられた.

  • 渡邉 大貴, 干場 大也, 西口 浩司, 加藤 準治
    2022 年 2022 巻 p. 20220017
    発行日: 2022/11/22
    公開日: 2022/11/22
    ジャーナル フリー

    本研究では,固体材料と界面の物理的性質を考慮したマルチマテリアルトポロジー最適化手法を提案する.材料界面を定義するために,Helmholtz型偏微分方程式に基づいた拡張2段階フィルタリングが導入される.さらに,このアプローチに基づき界面領域の幅を制御することができる.マルチマテリアルトポロジー最適化で生じる問題の非凸性に対処するため,固体材料の材料体積比が相互に独立な材料内挿関数を使用し,これにより構成材料の可換性を担保させた.2つの異なる構造モデルにおいて,平均コンプライアンスの最小化問題の最適化計算を行った.この問題を解くために,目的関数と制約条件の感度を導出した.いくつかの数値例を通して,本提案手法の有用性を示す.

  • 外里 健太, 佐々木 駿, Nilo Lemuel J. Dolojan , 森口 周二, 寺田 賢二郎
    2022 年 2022 巻 p. 20220018
    発行日: 2022/12/13
    公開日: 2022/12/13
    ジャーナル フリー

    降雨の空間的な不確実性を考慮して広域の斜面崩壊ハザード評価を行う手法について提案する.地域の降雨の空間分布特性を分析するために,対象地域の過去の降水量データに対して固有直交分解を用いたモード分解を適用することで,降雨の空間モードを抽出する.抽出された空間モードを用いて対象地域に降りそうな仮想の降雨イベントを作成する.構築した仮想降雨を入力条件として,Green-Amptモデルを用いた浸透解析と無限長斜面を仮定した斜面安定解析を実施することで,斜面崩壊ハザードマップを構築し,降雨の空間的な不確実性が斜面崩壊ハザードマップの結果に与える影響について議論する.

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