水産海洋研究
Online ISSN : 2435-2888
Print ISSN : 0916-1562
81 巻 , 2 号
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原著論文
  • 橋田 大輔, 武智 昭彦, 冨山 毅
    2017 年 81 巻 2 号 p. 97-109
    発行日: 2017/05/25
    公開日: 2021/02/26
    ジャーナル フリー

    愛媛県沿岸域において,尾叉長30–80mmのマアジ稚魚の来遊と暖水流入の関連を調べた.稚魚の漁場は宇和島湾以北の沿岸域にのみ形成されていた.稚魚の漁期において,漁場を主操業域とするまき網船1統あたりの日別水揚量(CPUE)が急激に上昇した時には,漁場へ流入する暖水が観測された.また,暖水流入の発生後でのCPUEは,発生前に比べて有意に高かった.これらのことから,マアジ稚魚は南方からの暖水の流入とともに宇和島湾以北の沿岸域に来遊していると考えられる.また,CPUEの急増時に認められた11例の暖水流入うち,4例は豊後水道東部での水温上昇を伴わない水道中央から流入する暖水であった.これまでマアジの漁況変動では,黒潮系暖水が豊後水道東部を北上し沿岸域に急激な水温上昇を引き起こす急潮に焦点が当てられていたが,豊後水道東部での昇温を伴わない水道中央部からの暖水流入も稚魚の来遊に強く関連することが示唆された.

  • 羽生 和弘, 国分 秀樹, 畑 直亜, 水野 知巳, 長谷 川夏樹, 石樋 由香, 渡部 諭史, 藤岡 義三, 日向野 純也, 井上 隆彦, ...
    2017 年 81 巻 2 号 p. 110-123
    発行日: 2017/05/25
    公開日: 2021/02/26
    ジャーナル フリー

    伊勢湾においてアサリの資源変動要因を抽出するため,2012–2014年に主漁場4地区(鈴鹿地区(若松,白子),香良洲地区,松阪地区(松名瀬,三渡川),伊勢地区)の3つの水深帯(水深帯I: 1 m以浅,II: 1–5 m, III: 5–10 m)において,アサリの分布中心(平均密度の高い水深帯)と資源量を調査した.その結果,香良洲地区,松阪地区,伊勢地区における分布中心は水深帯Iと推定された.一方,鈴鹿地区のそれは不明瞭であったが,2013年11月と2014年5月の鈴鹿地区白子では水深帯IIと推定された.2012–2014年の4地区の中で最大の資源量は2014年5月の鈴鹿地区での4,246トンと推定され,その70%は面積の大きい水深帯IIIのものであった.このような大規模資源の出現と消失は,貧酸素水塊の消長と関連があることが示唆された.

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