著者は,中国を中心としたアジアの穀物生産と水資源のために,国内データを用いた穀物生産指標を開発してきた.日本をはじめとするアジアの穀物生産量を早期にかつ正確に監視する必要から,従来の方法の日射と植生指標NDVIに加えて,温度障害を取り入れてきた.本研究では,これまでの低温不稔を考慮した光合成型の穀物生産指標のモデルに,水稲と小麦を念頭にした水ストレスを取り入れようとしている.制御温室において水稲に水ストレスを加え,葉面からの反射率スペクトルを測定した.すでに提案されているSRWI(Simple Ratio Water Index)とNDWI(Normalized Difference Water Index)の水分指標について,MODISによる広域測定とASTERによる検証を想定し,両衛星の短波長赤外帯を用いた水ストレス指標の適用性を検討した.
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