生体医工学
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55Annual 巻 , 5AM-Abstract 号
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抄録
  • 川田 徹, 清水 秀二, 上村 和紀, 杉町 勝
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 382
    公開日: 2017/09/13
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    【目的】糖尿病(DM)では神経障害や血管障害が生じるが、DMが動脈圧受容器反射による血圧調節にどのような影響を与えるかは不明である。本研究の目的はDMが動脈圧受容器反射を介した血圧調節に及ぼす影響を定量化することである。【方法】ストレプトゾトシンをラット腹腔内に投与することにより1型DMを発症させた。4週後に頚動脈洞圧受容器反射の開ループ静特性をDMラット(血糖>300 mg/dL)と正常(NC)ラットとで比較した(各7匹)。頚動脈洞に存在する圧受容器領域を体循環系から分離し、頚動脈洞内圧(CSP)を60から180 mmHgまで階段状に変化させて、交感神経活動(SNA)と体血圧(AP)の応答を測定した。【結果】CSPとSNAの入出力関係で記述される動脈圧受容器反射の中枢弓の特性は逆シグモイド曲線を示し、シグモイド曲線の最低値(SNAのパーセント最小値)はDMのほうがNCに比べて有意に高かった。SNAとAPの入出力関係で記述される動脈圧受容器反射の末梢弓の特性はほぼ線形に近似でき、回帰直線の傾きはDMのほうがNCに比べて有意に小さかった。【結論】ストレプトゾトシン誘発性のDMにおいては、ストレプトゾトシン投与後4週の時点ですでに中枢性の神経調節と末梢性の心血管調節の両者とも障害されていることが判明した。DM治療においては起立性低血圧などの血圧調節障害についても注意する必要がある。

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  • 丹羽 貴郁, 萩沢 康介, 江南 慧, 広富 優華, 寺原 航, 長井 健一郎, 尾崎 一平, 四ノ宮 成祥, 守本 裕司
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 383
    公開日: 2017/09/13
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    【背景】内因性アミノ酸である5-アミノレブリン酸(5-ALA)はヘム合成経路における前駆物質である。5-ALAを生体内投与すると、ヘムならびにヘム分解産物であるCOやビリルビンが増加することが実験的に示されており、様々な生体作用(抗炎症、血管弛緩、ATP産生亢進、糖新生抑制など)も近年報告されるようになった。そこで本研究では、5-ALAの動脈硬化抑制効果について検証した。 【方法】LDL受容体欠損マウスに通常飼料を16週間投与した後、次に示す4種類の飼料投与プロトコールを12週間に実施した:1.通常飼料 (n = 6)、2.コレステロール(1.25%) 含有飼料(1.25%) (n = 7)、3.コレステロール(1.25%) + 5-ALA (10mg/kg/day)含有飼料 (n = 10)、4.コレステロール(1.25%)+エゼチミブ(10mg/kg/day)含有飼料 (n = 6)。飼料プロトコール実施期間に採血して脂質検査を行い、最終的には大動脈を採取して動脈硬化プラークの多寡をオイルレッドO染色によって評価した。 【結果】5-ALA含有飼料投与マウス群はコレステロール含有飼料投与マウス群と比べ、プラーク面積が有意に少なかった。しかしそのプラーク抑制効果は、エゼチミブ含有飼料投与群には及ばなかった。 【結論】5-ALAは生体での抗アテローム性動脈硬化薬として利用できる可能性が高い。

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  • 長井 健一郎, 寺原 航, 萩沢 康介, 丹羽 貴郁, 江南 慧, 広富 優華, 四ノ宮 成祥, 守本 祐司
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 384
    公開日: 2017/09/13
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    ヘム代謝の前駆物質である5-アミノレブリン酸(ALA)は細胞において蛍光物質であるプロトポルフィリンIX(PPIX)に代謝される。演者らはALAを外因的に投与された動脈硬化モデルマウスにおいて、動脈硬化プラークからPPIX由来の蛍光が見られることを見いだした。そこで今回、その蛍光を呈する部位がプラーク内のマクロファージに起因するとの仮説を立てこれを検証した。高コレステロール食を与えられたLDL受容体ノックアウトマウスにALAを静脈内投与し、大動脈を取り出し、共焦点レーザー顕微鏡で観察した。また、大動脈の一部をF4/80抗体(抗マクロファージ抗体)で染色した。観察の結果、動脈硬化プラーク内にてF4/80陽性のマクロファージの集積と一致する蛍光がみられた。蛍光を呈する部位とマクロファージ(F4/80)陽性部位の一致度は感度47%、特異度95%であった。以上の結果よりALA投与による蛍光イメージングは動脈硬化プラークにおいてマクロファージを観察する特異的な手段になりうることが示唆された。

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  • 小川 恵美悠, 荒井 恒憲
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 385
    公開日: 2017/09/13
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    発表者はタラポルフィンナトリウムを用いた光増感反応を応用し、副作用を抑えた新しい頻脈生不整脈のアブレーション治療を開発している。光感受性薬剤投与後から光照射までの時間を短く設定することで細胞の外側で一重項酸素を発生させ、不整脈治療において必要な数分オーダーの電気伝導遮断効果を得ることができる。従来の癌に対する光線力学治療では細胞内に薬剤を取り込ませて反応を起こすが、細胞の外側で反応を起こす場合は細胞外に存在する血清蛋白との結合が反応効率に影響を及ぼす要素となる。血清蛋白の中で65-75%の高い結合寄与率をもつアルブミンは、動物種によって構造が異なり薬物結合サイトの欠落があることが知られており、これまでに結合率と死細胞率が動物種によって異なることが明らかになった。ヒト、ウシ、イヌ由来のアルブミンを用いて、アルブミン動物種が光増感反応進行およびアルブミン酸化に与える影響を調査した。反応進行計測にはタラポルフィンナトリウム由来の700nm帯蛍光の反応中計時変化を計測し、アルブミン酸化には光増感反応前後の紫外領域の溶液吸光度を計測した。光感受性薬剤濃度は20 μg/mlとし、アルブミン濃度を0-20 mg/mlと変化させた。イヌアルブミンはヒトとアルブミンの酸化が類似しており、ウシアルブミンはヒトおよびイヌと比較してアルブミンの酸化による吸光度変化が約3倍大きかった。

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  • 高橋 晴香, 浜田 梨沙, 小川 恵美悠, 荒井 恒憲
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 386
    公開日: 2017/09/13
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    発表者は光増感反応による神経障害をex vivoで調査することを目的とし、神経のタラポルフィンナトリウム取込と光増感反応による神経障害を電気伝導計測で調査した。ザリガニ腹側神経とブタ横隔神経を20 μg/mlタラポルフィンナトリウム溶液に0-240 min接触後、薄切し、蛍光顕微鏡で観察した。断面方向の蛍光輝度を算出したところ薬剤接触時間に依存して蛍光輝度は増加し、接触時間120 minで飽和した。またブタ横隔神経において神経周膜内部では周膜外部1/3程度の蛍光輝度となった。この結果より有髄神経において神経線維を含む周膜内部では光増感反応が起きにくい可能性が示唆された。またザリガニ腹側神経をタラポルフィンナトリウム 20 μg/ml に接触後、波長663 nmのレーザ光を放射照度120 mW/cm2で照射し、光増感反応を起こした。電圧1-5 V, パルス幅0.1-0.5 msで神経を刺激し活動電位を測定した。照射時間の増加に伴い活動電位の伝播速度は遅くなり、照射時間25-65 sで活動電位は消失した。この結果より無髄神経において大気分圧下では光増感反応に対する耐性はないと考えられる。光増感反応を用いた上大静脈の電気伝導遮断をin vivo実験で実施したところ横隔神経が保存されたという報告がある。本研究の結果からタラポルフィンナトリウムの周膜内部への低取込と神経の低酸素分圧が光増感反応を用いた電気伝導遮断における横隔神経保存の原因である可能性が示唆された。

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  • 浜田 梨沙, 小川 恵美悠, 荒井 恒憲
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 387
    公開日: 2017/09/13
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    発表者は、光増感反応を用いたin vitro実験において、溶液内の溶存酸素量を増やし更に酸素環境および反応進行を把握することを目的に、赤血球を培養溶液に加え溶液の透過吸収分光測定を行うことを提案した。光増感反応を用いたin vitro実験において、光照射に伴いの酸素分圧が低下し、酸素枯渇が生じていることが報告されている。酸素枯渇は反応効率の低下につながるため、酸素環境に関して十分に考慮する必要がある。酸素予備能のあるヘモグロビン(以下、Hb)を溶液に加えることで酸素の化学的溶解量を増やすことが可能である。さらに、主なHbとして知られる酸素化Hb、脱酸素化Hb及びメトHbはそれぞれ特有の吸収スペクトルを持つため、吸収分光測定により酸素化Hb及び脱酸素化Hb量を解析でき酸素環境を把握可能である。加えて、分光測定からは光感受性薬剤の退色も分かるため光増感反応の進行を把握することもできる。光感受性薬剤talaporfin sodiumを含む赤血球混濁液試料に対し、波長663 nmの励起光を当て、反応後の試料の透過吸収分光測定をした。得られたスペクトルに対し、重回帰分析を行い、各Hb濃度を算出した。放射照射量増加に伴う酸素化Hbの増加、脱酸素化Hbの減少及び薬剤退色が確認できた。これは本法により反応による酸素消費と反応進行を捉えられていることを示していると考えられる。

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  • 佐藤 弘明, 水戸部 一孝
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 388
    公開日: 2017/09/13
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    疾患の中には特有のタンパク質濃度の異常を引き起こすものがあり,タンパク質の種類および濃度を測定することは病態の把握に有効となる.そこで,血清タンパク質を電気泳動で分画し,タンパク質の分画濃度比から病態を把握する手法が活用されている.しかし,タンパク質を可視化する過程で有害物質を含む染色液を使用するため,安全性の問題が指摘されてきた.そこで我々は,人体に対して無害であり,生体物質に吸収されやすいテラヘルツ(THz)波に着目した.過去の研究おいて,セルロースアセテート(CA)膜電気泳動法によって分画したタンパク質をTHz波により可視化できることが報告されている.しかし,取得したTHz吸収画像はコントラストが低く,出現したバンドも不明瞭であった.そこで本研究では,電気泳動後のタンパク質を対象としてTHz吸収画像のコントラストを向上させるプロセス技術を構築することを目的としている.本報告では,THz イメージングに適したCA膜電気泳動法の前処理手法について検討し,マテリアルプリンタを用いたCA膜への塗布手法および電気泳動後の乾燥手法を新たに構築した.さらに,前処理過程の違いによるTHz吸収画像を比較すると共に,THz吸収画像の背景ノイズを低減しタンパク質のバンドを抽出するための画像処理手法について検討した.

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  • 孫 越, マルリン ラマダンバイディラ, アルアミン サイクルイマン, 川嶋 大介, 武居 昌宏
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 389
    公開日: 2017/09/13
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    リンパ浮腫治療においてリンパ浮腫の早期発見は重要課題であり、現状、確立された検出法はない。本研究では、リンパ浮腫の早期段階で細胞間質液に現れるアルブミンのよどみを電気的に検出することで、リンパ浮腫を早期発見する「インピーダンス・トモグラフィ法」を提案する。まず、二電極を利用してリンパ浮腫と正常細胞の電気特性を測定し、アルブミンの検出に最適なパラメータを調査した。この結果をもとに、リンパ浮腫の早期状態を模擬した人体ファントムを用いてインピーダンス・スペクトルの多点計測を行い、ファントムの断面分布画像を取得した。得られた画像には、観察断面のアルブミンのよどみ位置が明瞭に現れており、本手法がリンパ浮腫の早期発見手法として利用できる可能性を示した。

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  • 桑波田 晃弘, 隣 真一, 金子 美樹, 塩澤 幹雄, 武井 寛之, 中村 清吾, 中川 貴之, 佐伯 亘平, 斉藤 逸郎, 日下部 守昭, ...
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 390
    公開日: 2017/09/13
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    乳がんのセンチネルリンパ節生検において,磁気トレーサーならびに磁気プローブを用いた手法は,現在の標準手法であるラジオアイソトープ法にとって代わることが可能な新手法である.乳がんのリンパ節(腋窩リンパ節:大きさ5-20 mm程度)同士は房状に近接しており,1つのセンチネルリンパ節を同定するためには,5 mm以下の空間分解能を持った磁気プローブの開発が求められる.本研究の目的は,高精度アクチュエータを用いた空間感度分布計測システムによって,永久磁石を用いた磁気プローブの空間感度分布特性を明らかとし,連なった複数のリンパ節から1つのセンチネルリンパ節同定が可能なことを実証することである. リンパ節内に取り込まれる磁気トレーサーを模擬したファントム(磁性流体:リゾビスト,5 μL)に対して,開発した磁気プローブの長さ方向の検知距離は約8 mmであり,半値幅により評価した横方向の空間分解能は約4 mmであった.また,上記のリゾビストファントムを横方向に4 mm離した位置に配置した2つのリゾビストファントムに対して,プローブの長さ方向1 mm以内の範囲において,磁気プローブを用いて2つのファントムを区別できることを実証した.したがって,永久磁石を用いた磁気プローブは,複数のリンパ節から1つのセンチネルリンパ節を同定できると考える.

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  • 佐藤 佑樹, 小笠原 純平, 桑名 健太, 土肥 健純
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 391
    公開日: 2017/09/13
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    鏡視下手術において術者にとって直感的な認識が可能である3次元立体内視鏡装置が開発されたが,特殊なメガネが必要であることや視覚疲労が大きいことから手術現場には適さない.これに対し我々は裸眼観察可能かつ視覚疲労の少ないIntegral Videography(IV)を利用した立体表示内視鏡を提案している.IV方式立体表示法はレンズアレイと高解像度ディスプレイから成るIVディスプレイでIV表示用のIV要素画像を表示することで,物体の反射光を再現し視点に応じた立体像を表示する方法である.現在用いているステレオビジョンによるIV要素画像取得法では,IV要素画像作成に使用する三次元モデルの構築に必要な距離情報計測処理に時間を要するため,内視鏡映像に要求されるリアルタイム表示が困難であった.そこで本研究は処理時間短縮に向け,屈折率分布レンズを用いた光学系による,距離情報計測処理を必要としないIV要素画像取得法の原理確認を目的とする.屈折率分布レンズは0.25ピッチを選択することで,レンズ中心に入射する光の入射角度に応じて出射側でレンズ中心からの位置に対応させることが可能であり,IVディスプレイから出力すべき光路の光を取得できる.提案手法の原理確認として,IV表示に使用するレンズアレイの各レンズ背面に対応する画像群を個別に取得し,対応する位置に配置することでIV要素画像を作成した.またIV画像を観察し,観察対象の奥行きを表現出来ることを確認した.

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  • 富山 眞之介, 坂田(柳元) 麻美子, 千葉 滋, 相川 直幸
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 392
    公開日: 2017/09/13
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    血液検査において白血球分画の比率を調べることは, 病気を検診・診断する判断材料として非常に重要な意味を持つ。この検査は専門家による目視で行われており,多大な労力と時間が必要となることから,血中細胞画像を,コンピュータを用いた1 対1 方式Support Vector Machineにより,13 分画の血中細胞に分類する手法が提案されている。しかし,この手法では,色・形態ともに差の少ない白血球分画の精度が低いといった課題が挙げられる。本研究では,この白血球分画のうち分類精度の低い前骨髄球,骨髄球,後骨髄球,好塩基球,好酸球の分類精度の向上を目的とする。まず初めに,特徴量の算出に用いる細胞全体の領域,核領域,細胞質領域,顆粒領域の抽出を行う。それぞれの領域は,画像の背景と各領域の色の差分を利用して閾値処理することで抽出できる。次に,抽出した細胞領域から,28 次元の特徴量を算出する,特徴量は。従来法で用いられた,18 次元の色に基づく特徴量と8次元の形態に基づく特徴量の計26次元の特徴量にと,分類精度向上の為に加えた,(1) 細胞内の顆粒の大きさ分布度合,(2) 細胞内の核位置の偏り度合,を加えた計28 次元で構成される。これらの特徴量機械学習アルゴリズムを用いた分類器に入力することで,入力画像の分類クラスが出力される。本研究で加えた特徴量が分類に有効か評価する。

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  • 佐々木 寛之, 小玉 麻衣, 石井 直樹, 佐藤 大介, 楠 正隆, 中村 孝夫
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 393
    公開日: 2017/09/13
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    脂肪細胞径はその細胞の機能や性質と密接に関係すると考えられている。その測定には組織切片標本や単離細胞が用いられるが、前者では必ずしも細胞径が正確に測定できず、後者では漏出した油滴の分離のためにコールターカウンタ等の特殊で高価な機器を必要としてきた。そこで本研究では特殊な機器を用いずに、高精度に単離脂肪細胞径を測定する方法を開発することを目的とした。 開発過程での組織サンプルにはラット内臓脂肪を用い、コラゲナーゼ処理によって単離した細胞をホルマリン固定し、単離過程で漏出した油滴とともにオイルレッドOにて染色した。ここで単離脂肪細胞と油滴はどちらも見かけ上真球に近く、その判別は容易ではない。そこで無色液体油で洗浄して油滴の呈色のみを減弱させた。すなわちこのとき染色された細胞内トリグリセリドは固定細胞膜によって保持されて流出しないため、コントラストの差から細胞と油滴を容易に区別できる。これを純水中に浮遊させてから、クロロホルムを添加して細胞周囲の油成分の比重を増加させ、細胞群を容器の底面に沈殿・単層化することにより、浮遊細胞群の顕微鏡観察で散見される焦点ずれも抑制して鮮明な画像を得た。これをコンピュータに取り込み、開発した画像解析プログラムを用いて染色が維持されている円のみを自動検出して、多数の脂肪細胞径を高精度に同時測定できるようになった。

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  • 鈴木 遼, 山口 陸, 佐藤 大介, 楠 正隆, 中村 孝夫
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 394
    公開日: 2017/09/13
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    我々は末梢交感神経系の電気刺激による糖代謝制御の可能性について検討している。先行研究では、ラット片側坐骨神経内交感神経束への電気刺激(microstimulation(MS): 幅0.25 msのパルス10個を2回/sで印加)が刺激開始後30sに、末梢組織での糖取り込み亢進に由来すると考えられる一過性の血糖値低下を、血漿インスリン濃度(PI)の変化を伴わずに惹起した。しかしながら、それが一過性の効果か否か、並びにその定量性については不明であった。そこで本研究では、定常的な糖取り込み機能の一般的な定量的評価法の一つであるeuglycemic clamp(EC)を用いて、それらについて検討した。麻酔下のラット片側坐骨神経からmicroneurogram法によって交感神経信号を導出した後、その微小電極を介してMSを行って交感神経活動を亢進させ、刺激開始前、刺激中及び終了後の糖取り込み能を、ECのグルコース注入速度(GIR)で評価した(n=9)。その結果、GIRはMSによって有意に増加した(p<0.01)。また刺激停止後のGIRは低下する傾向にあったが、約1時間後でも刺激開始前に比べて依然として有意に高かった(p<0.05)。これらのGIRの測定中、PIに大きな変動はなかった。これらのことは、MSによる糖取り込み亢進が一過性ではなく、定常的かつ非インスリン依存的であって刺激終了後にもある程度維持される可能性を示唆している。

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  • 八尾谷 亮太, 矢野 哲也
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 395
    公開日: 2017/09/13
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    高度な粒子・細胞分離技術は、科学・生物学的分析、医療検査において重要な技術とされ、これまでに様々な技術が提案されてきた。その中でも表面弾性波(SAW)を用いた粒子分離技術は、装置作製の容易性と極微量の粒子分散液中から粒子を密度または粒径に応じて高効率かつ迅速に分離できることから注目されている。この分離方法では、微小流路内にSAW定在波(SSAW)を形成し、この領域を通過する粒子に音響放射力を作用させる。音響放射力は粒子の体積や物性値によって変化するため、粒子を分級することが可能であり、粒子を種類ごとに流路下流の異なる出口ポートに導くことができる仕組みである。本研究では、入口ポート5つ、出口ポート3つを有する幅150 μm、高さ80 μm、長さ2.5 mmの直線流路を計算機上にモデリングし、数値流体解析により微小流路内の流れ場を計算した上で、流路中央の長さ1.5 mmの領域に渡って通過粒子に音響放射力が作用すること想定し、赤血球および白血球を仮定した粒子の軌道を音響放射力に加え、粘性力および圧力勾配による力を考慮して計算し、血球分離の成否を判定し分離効率について評価した。解析の結果から、平均サイズの各血球粒子を確実に分離するためのSSAW圧力振幅範囲を導出した。また、血球粒子の体積および注入位置のばらつきが分離の成否に及ぼす影響の程度について調べ、分離効率を向上させる方法を見出した。

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  • 矢野 哲也, 渡邊 翔
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 396
    公開日: 2017/09/13
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    【目的】表面弾性波(SAW)を用いた流体駆動技術の開発が進められている.極微量の試料細胞を非接触で迅速に薬液と反応させられることから,医療検査分野への応用が期待される.ここでは,SAW基板上に配置した微小液滴に比較的小パワーのSAWを照射した際の液滴内流動および液滴内の粒子挙動を計算し,粒子分離の可能性について検討することとした.【方法】基板上に滴下した体積30 μLの液滴を直径4.86 mmの半球形状で近似し,計算機上にモデリングし,SAW照射による流体駆動力を考慮して内部の流れを計算した.ただし,SAW照射領域の幅を2 mmとし,液滴中央から水平方向に1.2 mmだけ平行移動させた位置を伝播することとした.【結果】SAW照射開始から0.06 s経過時点で鉛直上向きの流動が見られるようになり,0.2 s経過時までにSAW作用位置近傍に形成された渦状の流れは,その後,徐々に液滴の中心に向かって移動するとともに,その大きさを増し,定常状態に達することが確認された.流動による粒子挙動の計算結果から,密度の大きい粒子は液滴底面に沿って液滴中央方向に移動し,その位置に堆積すること,血球を想定した粒子は分散媒と同程度の密度であるため,液滴内の流動に追随し,液滴中央付近で上昇し,SAW照射停止後,液滴底面上の辺縁部に集積することが確認された.このことから粒子分離の可能性が示された.

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  • 石川 朝生, 岩村 亮, 多田 明日香, 堀江 佐知子, 森 士朗, 小玉 哲也
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 397
    公開日: 2017/09/13
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    がんは現代社会において最も多くの死因別死亡原因を占める疾患である. がん患者の死因の9割は転移によるものである. リンパ節転移は患者の予後決定に直結し, 転移の早期診断および治療の開発が求められている. リンパ節転移はCTや超音波などの画像診断装置を用いてリンパ節のサイズや形の変化から診断する. この方法ではリンパ節のサイズに変化が生じる前の“臨床的転移偽陰性”の段階でのがん転移の進行を見逃す可能性がある. このため, 臨床的転移偽陰性リンパ節の新たな診断方法の開発が喫緊の課題となっている.本研究では, ヒトと同等までリンパ節が腫脹するMXH10/Mo-lpr/lprとルシフェラーゼ発現がん細胞を用いて誘導した転移偽陰性リンパ節を臨床的転移偽陰性リンパ節として, マイクロCT (最高分解能5 μm)を用いて, このリンパ節内の血管構造を評価することを目的とする. 固有腋窩リンパ節の上流である腸骨下リンパ節にルシフェラーゼ発現がん細胞を接種し, 固有腋窩リンパ節に転移を誘導した. 生体発光画像診断装置でルシフェラーゼ発現細胞の増殖が確認され, かつ高周波超音波画像診断装置で腫瘍接種前後でのサイズに変化が確認されないリンパ節を転移偽陰性転移リンパ節とした. マイクロCT画像診断によってリンパ節内に血管欠損領域が確認された. 本研究結果から, 臨床的転移偽陰性転移リンパ節に対するマイクロCT血管造影画像診断法の有用性を示した.

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  • 坂本 翔大, 松下 和生, 平川 侃, 渡辺 晃也, 木戸 倫子, 石井 豊恵, 長倉 俊明
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 398
    公開日: 2017/09/13
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    【はじめに】電解質異常の診断は血液検査であるが連続的に測定することができない。そこで連続測定が可能な生体インピーダンス法を検討した。【目的】生体インピーダンス法で非侵襲的かつ連続的に複数の電解質濃度が測定可能性を検討する。【実験】 NaCl溶液とKCl溶液を複数濃度で周波数特性等を計測すると濃度の上昇とともに、インピーダンスは低下する。また、どの濃度でもNaCl溶液、KCl溶液共に周波数の低域から中域では下降し高周波では上昇する結果が得られた。さらにNaCl溶液とKCl溶液を比較すると、中域まではKCl溶液が低く、高域ではKCl溶液が高く逆転することを確認した。【考察】周波数の低域から中域までは熱や拡散よりもクーロン力が優勢であるために周波数上昇と共にインピーダンスが低下し、Naイオンは水分子の配向により高域に達すると交流電界に追従できなくなるため、キャリアとしての働きが小さくなりインピーダンスが上昇したのではないかと考えられる。【まとめ】NaCl溶液、KCl溶液の2つの溶液を用いて周波数上昇によりインピーダンスが小さくなることが分かった。さらに濃度とインピーダンスの関係も分かった。またNaClとKCl溶液では周波数高域でインピーダンス値が逆転する現象がありNaとKイオンの含まれる水溶液を区別できる可能性が示唆された。これらの結果から多数のイオン濃度においてインピーダンス計測から電解質濃度を計測できるのではないかと考えた。

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  • 長谷川 英之
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 399
    公開日: 2017/09/13
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    本研究グループでは,秒間数千枚を達成する超高速超音波イメージングによる組織動態計測に関する研究を行っている.動態計測のためには,受信超音波信号から対象物の変位を推定する必要がある.しかし一般的には,受信超音波信号は伝搬方向に比べその垂直(横)方向の周波数が低いため,横方向の変位推定精度が低い.横方向の超音波音場の変動周波数を向上させる手法として,横方向変調法[1]がある.横方向変調法は,受信遅延和ビームフォーミング時のアポダイゼーションにより実現できる.一方,方位分解能を向上させる手法として,適応ビームフォーミングがある.しかし適応ビームフォーミングでは通常アポダイゼーションは用いておらず,横方向変調には用いることができない.本研究では,適応ビームフォーマにアポダイゼーションを導入し,横方向変調への適用を試みた.超音波画像評価用ファントムを用いて基礎実験を行ったところ,従来の遅延和ビームフォーミングによる横方向変調に比べ,適応ビームフォーミングを用いた場合にはより急峻な横方向の変調を実現できた.[1] Jensen JA. A new method for estimation of velocity vectors. IEEE Trans. Ultrason.Ferroelectr. Freq. Control 1998;45:837-851.

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  • 和田森 直
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 400
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    非侵襲な血糖値測定の実用的な手法は確立されておらず、精力的な研究が続けられている。光音響分光法(Photoacoustic Spectroscopy; PAS)はその一つである。PA現象は、試料に単色の断続光を照射すると、光吸収に伴う音響波が発生する現象である。この音響波はPA信号と呼ばれ、圧電素子などで検出され、その強度から試料の濃度を推定できる。PA信号強度は、断続光の照射位置から指数関数的に減衰するので、検出器の中心付近に照射することが望ましい。しかし、一般のPZTなどセラミックス系の検出器では、物理的な寸法の制約から照射位置を検出器の中心とすることは困難である。そこで、PA信号の検出器に透明な圧電フィルムを用いることにより、断続光の照射位置の真下でPA信号の測定を可能にした検出器を開発した。その検出器を用いて、グルコース錠剤を対象としたPA信号の検出実験を行い、提案装置の評価を行った。

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  • 坪田 悠史, 川畑 健一, 鈴木 敦郎, 寺田 崇秀, 武 文晶, 山中 一宏
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 401
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    Development of High-speed Iterative Refraction Calibration Method of Ultrasound Computed Tomography System for Breast Cancer Screening

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  • 武 文晶, 坪田 悠史, 鈴木 敦郎, 山中 一宏, 寺田 崇秀, 川畑 健一
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 402
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    超音波コンピュータ断層撮影法(USCT)は、非侵襲的・定量的かつ多パラメータを提示可能な医療画像装置であり、早期乳癌スクリーニング装置として非常に有望視されている。リングアレイを用いた超音波送受信方式は、断層像を再構築するのに適した360度全方向走査可能とする。しかし、同方式において用いられる2種類の送信方式である平面波送信および球面波送信はS / N比および精度に関しそれぞれ制限があり、汎用性の高い画像取得を行う上で問題となる。この問題を解決のため、我々は送信チャンネルと焦点距離を可変とする仮想音源を用いた送信法を開発中である。方法式は全受信チャンネルでも高いS / N比と精度を両立しながら、視野サイズを拡大できること、および減衰の大きい対象を測定可能であることがわかったため報告する。

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  • 門田 智明, 工藤 信樹
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 403
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    我々は簡便な超音波音場可視化法としてフォーカストシャドウグラフ法を提案し,その有用性を検証してきた.従来の実験装置では光源にレーザダイオード(LD)を使用していたが,音場画像に光の干渉によるノイズが重畳するという問題があった.そこで本報告では光源にコヒーレンシーの低いLEDを用いて音場像のノイズ低減および,音圧波形の再現可能性について検討した結果を述べる.光源として波長850 nm,パルス幅5 nsのLDと波長610 nm,パルス幅35 nsのLEDを用い,超音波診断装置用プローブが発生する中心周波数2.5 MHzのパルス音場を可視化した.また,光源の点光源性が音場像に与える影響を調べるため,LED光源のコリメート光学系に200 μmのピンホールを挿入した条件でも可視化を行った.その結果LED光源(ピンホールなし)の条件ではLD光源に比べて音場像上の干渉ノイズが軽減されたが,ピンホールを入れると干渉ノイズが再発した.また音場像から求めた焦点近傍の輝度分布を1階空間積分してハイドロホンで測定した音圧波形と比較した.その結果,1階積分波形には音圧波形特有の急峻な圧力の立ち上がりが見られなかったが,ピンホールを入れることで立ち上がり特性が改善され,音圧波形と良い一致を示した.これよりフォーカストシャドウグラフ法の光源にLEDを使用することで画質が向上した音場像が取得可能であり,音圧波形の再現には光源の点光源性が重要であることが示された.

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  • 追立 理喜, 下村 明栄, 和田 洸, 望月 剛, 桝田 晃司, 小田 雄介, 鈴木 亮, 丸山 一雄
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 404
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    我々は、免疫細胞療法などに応用するため、細胞の周囲に微小気泡を付着させた凝集体を形成し、音響放射力を利用して細胞を血流中で運搬するための技術を開発している。これまでは、細胞を包含した微小気泡凝集体の、照射音波に対する移動量や持続性について報告したが、今回は音場分布を移動させることにより、凝集体を効率的に操作するための手法について検討した結果を報告する。定在波音場中の節の空間的位置を視野内で移動させ、凝集体の動態を画像処理により追跡した。節を20μm/sの等速度で掃引した時、節の移動速度に対し30~60%の速度で凝集体が移動した。同様の計測をT細胞に対しても適用し、動態を制御可能であることを確認した。高音圧で押し出す先行研究の方法に比べ、低音圧の節で移動するため、微小気泡の破壊を押さえることができ、凝集体を制御可能な持続時間が30s以上に向上した。これにより音場分布の変化により、長時間の凝集体の動態制御が可能なことを示した。

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  • 今井 慎司, 工藤 信樹
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 405
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    我々は微小気泡とパルス超音波を用いた細胞への薬物・遺伝子導入技術であるソノポレーションについて基礎的な検討を行っている.なかでも,薬物を付加した微小気泡を用いて目的の部位のみに薬物を直接導入する技術は,使用薬物量の抑制が期待され盛んに検討されているが,導入率が低いことが問題となっている.本研究では,異なる膜損傷のメカニズムを誘導するために,薬物を模擬する蛍光物質を付加した微小気泡に種々の条件で超音波を照射し,細胞内への模擬薬物の導入効果を共焦点顕微鏡により観察した.ヒト前立腺がん細胞を培養したカバーガラスを水槽の底面に設けた観察チャンバに設置した.顕微鏡観察下で模擬薬物付加気泡が付着した細胞に3種類の条件で超音波を照射し(連続波,繰り返し波,パルス波),照射前後および照射中の共焦点観察により膜損傷の様子と模擬薬物の細胞内導入の発生を調べた.その結果,パルス超音波では,気泡の崩壊に伴う微小な水流による膜損傷が,連続波ではマイクロストリーミングによる膜損傷が観察された.しかし,模擬薬物の細胞内への導入は,パルス超音波照射で1例確認されただけで導入効率は3%と低かった.観察例の多くで照射後,細胞膜上に模擬薬物が付着していたことから、低効率は細胞膜と気泡の脂質膜が付着して模擬薬物が膜から離れなかったためと推測され、気泡と細胞の付着状態を制御することによる導入効率向上の可能性が示唆された.

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  • 石島 歩, 東 隆, 山平 真也, 小林 英津子, 長棟 輝行, 佐久間 一郎, 川畑 健一
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 406
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    音響化学療法は集束超音波と色素系薬剤の腫瘍集積性を利用したダブルターゲティングがん治療法として注目されている.しかしながら,抗腫瘍効果の作用機序は明確になっていない.我々は音響化学療法における抗腫瘍効果の作用機序がキャビテーションによって生成されるヒドロキシラジカルなどのラジカル種から色素増感剤への電子移動によって生成される色素由来のラジカル種によると仮定した.色素由来の炭素センターラジカルはヒドロキシラジカルと比較して長寿命であることから,細胞膜の酸化反応を高効率で誘発することが予想される.本発表ではラジカル反応開始剤であるAAPHを用いてヒドロキシラジカルを生成し,それの抗腫瘍効果が光線力学療法及び音響力学療法で広く用いられているchlorin e6(Ce6)色素によって増大されたことについて報告する.培養細胞を用いた検討において100 mM AAPHの抗腫瘍効果がCe6存在下で20倍程度増大した.一方で,光線力学療法の色素として知られているテトラスルホン酸フタロシアニン(電子的安定)はAAPHの抗腫瘍効果を増大させなかった.今後,超音波照射による抗腫瘍効果が同様な傾向であるか検討を行う.

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  • 江南 慧, 野村 信介, 辻本 広紀, 丹羽 貴郁, 広富 優華, 寺原 航, 長井 健一郎, 尾崎 一平, 原 功, 小関 栄一, 正宗 ...
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 407
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    演者らは、ドラッグデリバリーシステム(DDS)型超分子として評価の高い高分子ミセルを用いて、患部選択的な集積性を発揮するDDS型吸光薬剤を創製し、光温熱治療(Photothermal therapy: PTT)における優れた治療効果を実証してきた。ところが、腫瘍を縮退に導く施術条件(薬剤濃度や投与量、光照射強度やエネルギーなど)に設定しても、個体によっては腫瘍増大が見られることがあり、抗腫瘍効果が一定しないことがしばしば観察されることがわかってきた。臨床使用に資する医療技術として昇華させるためにはこの問題を解決して、生体において腫瘍縮退を確実に誘導できることが最重要となるが、演者らは最近、PTTにおいてこの問題を解決できる糸口を見出した。それは、PTT施行最中に腫瘍温度をモニタリングして一定温度以上に光加温することである。光照射中のdosimetryにより確実な腫瘍縮退を誘導できる本法は実臨床に応用できる可能性が高い。

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  • 菊池 凌平, 堀江 佐知子, 阪本 真弥, 森 菜緒子, 森 士郎, 小玉 哲也
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 408
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    がん患者の死因の9割は転移に起因する. リンパ節転移は遠隔転移を引き起こすため, 重要な予後因子とされ, 適切な診断が求められる. 臨床では, CT・MRI・超音波画像診断によりリンパ節の大きさや形状から転移の有無を判断する.サイズや形状に変化のないリンパ節は臨床的リンパ節転移陰性(N0)とされる. 現行の画像診断ではN0リンパ節の微小転移を見逃す可能性がある. よって, 転移偽陰性リンパ節の腫瘍検出可能な診断指標の開発が喫緊の課題である. 本研究では, MR画像診断(T2強調像)と高周波画像診断装置(25MHz, B-mode 画像)による転移偽陰性リンパ節の腫瘍検出能評価を目的とする.全身のリンパ節がヒトと同等の大きさに腫脹するMXH10/Mo-lpr/lprマウスとルシフェラーゼ発現がん細胞を用いてリンパ節転移偽陰性マウスモデルを作製した. 転移偽陰性リンパ節(false-negative N0)の生物発光画像・MR画像・超音波画像・病理像を取得して比較検討した. 生物発光画像でルシフェラーゼ活性が確認された転移偽陰性リンパ節のMR画像と超音波画像では, 病理像で確認された腫瘍巣周辺での高輝度部は確認されなかった. 本研究からMRIと超音波を用いて転移偽陰性リンパ節を診断することは現実的ではないことが示され, 画像診断法に依存しない早期転移リンパ節に対する特異的な診断法・治療法開発の必要性が示唆された.

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  • 新井 慎平, 森泉 裕貴, 小南 成史, 稲垣 拳, 二矢川 和也, 秋山 いわき
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 409
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    近年,複数のモダリティを使用し,得られた画像を融合して新しいイメージングを行うマルチモダリティイメージングの研究が行われている.特に、MR高磁場環境下で撮像する超音波イメージングはラジオ波焼灼治療等に応用可能であるだけでなく,乳癌診断への応用も期待できる.本研究では,MR高磁場環境下で使用される超音波プローブを備えたマルチモダリティイメージングシステムの開発を目的としている.本報告では,非磁性材料で構成されるだけでなく,MRIマーカーを装着した超音波プローブ(ジャパンプローブ社, 5MHz, 256素子)を用いて、MRIの3次元画像データからプローブ位置とBモード画像の2次元断面推定を行い、その位置精度を検討した.実験方法は,次の通りである. 底面の直径30 mm,高さ90 mmのアクリル円錐を内包物とする1辺が100 mmの寒天ファントムを作製し,MRI(日立メディコ社,1.5T)撮像を行った.撮像したMR画像から超音波イメージング(マイクロソニック社,128ch)の撮像断面を推定し,MR画像中に超音波画像を融合した.各画像断面における寒天ファントム底面から円錐までの距離測定を行い,融合画像の位置精度を評価した.その結果,各画像間の距離誤差が2.2 mm~3.4 mmであった.この誤差は,Bモード画像のスライス方向分解能が8mm程度あることに起因すると考えられる.今後は、スライス方向にビームを集束させる音響レンズを装着し,位置精度を向上する予定である.

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  • 山下 智己, 片井 拓弥, 小野木 真哉, 望月 剛, 桝田 晃司
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 410
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    薬物を内包させた微小気泡を超音波により制御し、腫瘍などの目的部位にのみに到達させる薬物送達システムでは、血管網情報の事前取得が不可欠である。我々はこれまで、超音波のドプラモードで得られたボリュームの解析により血管網の3次元再構築を行ってきたが、得られた構造には膨張や欠損が生じるという問題があった。そこで同一座標系で取得されたBモードを利用し、Bモードとドプラモードの融合を利用して血管網情報の再構築する手法を提案してきた。今回は、螺旋チューブを用いて、両モードの欠損や膨張の度合いを定量的に検証した。次に超音波の進行方向を考慮した重みを考慮した上で両モードを融合し、精度を検証した。健常者の肝臓の血管網や、動物の肝臓でも3次元再構成精度を評価した。

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  • 保坂 直斗, 鈴木 俊哉, 牛水 英貴, 望月 剛, 桝田 晃司
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 411
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    我々はこれまで、単板トランスデューサから放射される音響放射力を用いて直径0.5mm以下の極細カテーテルを屈曲させる事に成功したが、血管内で誘導制御するためには、音波の進行方向に関係なく、その先端を任意の方向に屈曲させる必要がある。本研究では、最大256素子を有する超音波2次元アレイトランスデューサによって設計された音響放射力分布の時空間変化を利用して、その実現を目指している。具体的には、各素子を駆動する電圧の位相制御によって、超音波音場の空間的分布を形成し、その形状を音波の照射範囲内で移動させる。実験結果から、カテーテルの屈曲方向に生じた音響エネルギー差が変位に比例することが分かった。本発表では、位相を反転させた2焦点による平面的な屈曲制御と、リング状音場による3次元的な屈曲制御について紹介する。

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  • Sherif Rashad, Shin-ichiro Sugiyama, Kuniyasu Niizuma, Teiji Tominaga
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 412
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    Risk factors for aneurysm rupture have been studied extensively in the past, with several factors showing significant correlations with rupture status. We analysed seventy-one basilar tip aneurysms were included in this study, 22 ruptured and 49 unruptured. Patient data (age and sex), morphometric factors (aneurysm maximum height and volume, aspect ratio, bifurcation angle, bottleneck ratio, and neck-parent artery ratio) and hemodynamic factors (inflow coefficient and wall shear stress) were compared between ruptured and unruptured groups, and statistically analyzed. Aspect ratio, bifurcation angle, bottleneck ratio, and inflow coefficient were significantly correlated with the rupture status on univariate analysis. Logistic regression analysis showed that aspect ratio and bifurcation angle were predictors of rupture. Bifurcation angle correlated inversely with inflow coefficient which in turn correlated directly with wall shear stress on Pearson’s correlation coefficient Bifurcation angle and aspect ratio were independent predictors for aneurysm rupture.

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  • Clément Acquitter, Toshiyuki Hayase, Alain Lalande
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 413
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    A methodology allowing a combined analysis of pathological human thoracic aorta (TA) using both 4D flow MRI and computational fluid dynamics (CFD) is presented. MR images from patient with aneurysm have been acquired with a 4D Flow MRI sequence. The segmentation of the aorta has been performed on the PCMRA image. A volumetric tetrahedral mesh with one inlet and four outlets was generated. In CFD simulations, blood density and viscosity were assumed to be 1060kg/m3 and 4.10-3 Pa.s, respectively. MRI velocity measurements have been used as boundary conditions. CFD simulations have been compared to MRI measurements both qualitatively and quantitatively. A visual evaluation using streamlines and volumetric flow rates at the outlets show good agreements. Moreover, hemodynamics parameters such as WSS have been computed and allow for the evaluation of stress areas. A methodology for a combined analysis of TA taking advantage of both MRI and CFD was proposed.

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  • Xiaobo Han, Naoya Sakamoto, Noriko Tomita, Hui Meng, Masaaki Sato, Mak ...
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 414
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    In the present study, the author constructed an EC-SMC co-culture model with SMCs 3D cultured in a collagen gel, and SMCs phenotype was controlled into a contractile state. Then, different magnitudes of shear stress (SS) were applied to the co-culture model and the results showed that a high SS of 10 Pa could induce higher matrix metalloproteinases (MMPs) productions from SMC in the co-culture model. As to understand ECs influence on SMC responses, TGF-β1 (Transforming growth factor beta 1) expression from ECs were suppressed by an SiRNA transfection method in the present study. Compared to different MMP-2 production levels under different SS in the normal co-culture model, SMCs showed same MMP-2 production level under all SS conditions in the co-culture model with transfected ECs. This result means that TGF-β1 expression from ECs could influence SMCs response to SS in a co-culture model.

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  • Narendra Kurnia Putra, Pramudita Satria Palar, Hitomi Anzai, Koji Shim ...
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 415
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    Restenosis is known as common problem during stent treatment. Stent optimization has been introduced to find the best design criteria in order to improve the endovascular treatment efficacy. Surrogate method is known as efficient method of optimization that has been built up from finite element method (FEM) simulation. Besides obtaining the optimized criteria, response surface plot which constructed by Kriging surrogate estimation process is also beneficial to study the behavior of design variables towards objective functions. In this study, we constructed the response surface map from stent design parameter configuration of strut size and inter-strut gap towards objective function. Our objective function is to minimizing the percentage of low wall shear stress area along deployment region. With this response surface, broad analysis on the stent performance can be clearly observed. More recommendations on how combinations between stent strut’s size and gap should be designed are successfully obtained by this study.

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  • Simon Tupin, Hitomi Anzai, Makoto Ohta
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 416
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    Endovascular devices are medical devices inserted into the arteries in case of aneurysm. This minimally invasive treatment is preferred in case of aged patient. The number of commercially available device designs increased on the market but no data exist regarding direct comparisons of their performance, difficult to perform in vivo. The purpose of this research is to create in vitro experimental platforms allowing the study of the influence of those medical devices by monitoring the hemodynamic changes occurred during their deployments. Precise multi-scale evaluation of pressure and flow rate into the arteries surrounding the aneurysm are performed and synchronized to each step of the medical procedure. Further analysis are also conducted on the geometry of the deployed devices and flow pattern changes after deployment. As a proof of concept, studies of the treatment of an abdominal aortic aneurysm and an intracranial aneurysm are presented.

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  • Maxime Lafond, Cécile Fant, Jean-Louis Mestas, Cyril Lafon, Shin-ichir ...
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 417
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    Ultrasonic cavitation is of great interest in various biomedical applications. In cancer therapy, various ways to enhance chemotherapeutic agents has been explored. The present work emploies a two confocal transducers apparatus and a control loop with passive cavitation detector to generate cavitation in a controlled manner. Firstly, in vitro experiments show for stable cavitation the possibility to increase the efficacy of doxorubicin. Mechanistic studies suggest an indirect interaction between cavitation and the efficiency of DNA repair processes of the studied 4T1 tumor cells. Although this result was not observable in vivo, a safety study was conducted in vivo. Both the effect on healthy tissues and the potential metastatic spreading were assessed. Only slight damages were observed on healthy tissues. It was also shown a reduced metastatic spreading compared in mice which received ultrasound. This suggests the safety and the possibility to employ cavitation in vivo.

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  • Mehdi Djaghloul, Simon Tupin, Abdenaceur Abdouni, Hassan Zahouani
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 418
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    "In this study we characterize the mechanical behavior of human skin on its surface and volume, following an impact induced wave propagation. Spatial and temporal speed of the induced wave propagation are our physical criteria correlated to the skin rheological character. This study comports two main aspects of measurement on the forearm area: 1)The first aspect is the exploitation of the surface wave propagation induced by air blast impact to evaluate its viscoelastic mechanical behavior of the skin. 2)The second aspect is the use of the 20 MHz ultrasonic echography as monitoring tool, to follow the wave propagation in the skin volume and evaluate of the mechanical properties gradient. In order to validate the developed approaches, measurements have been realized on healthy volunteers representing age and gender effect. The obtained results confirm the efficiency of the developed instrumentation to evaluate the skin viscoelastic properties on surface and volume."

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  • 戸川 達男
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 419
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    現在進行中の文明の転換期の前後で育児環境がどう変わるかについて考察した。すでに現在において、乳幼児の生存率が100%に近づいており、転換期後には平均寿命は100歳前後と予想され、ほぼ限界となる。また出生率はほぼ2.0となり、その後はこの状態を維持するための医療を支える技術が不可欠となる。また、成長、学習、育児、社会活動などの期間を振り分けるライフステージの設計の自由度が増し、これが大きな課題になる。その結果、未来的なライフステージの多様性と限界が明らかになり、その時点で文明の転換期が収束し、その後人類の生活環境は安定し、長期にわたる人類の存続が保証される。その時点では、医療や技術は完成度の高いインフラストラクチャーとして定着し、更なる発展はもはや必要とされない。このような未来像から転換期の只中にある現代を見ることが、人間の生き方の選択に示唆を与えることが期待される。

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  • 小谷 誠
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 420
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    筆者は1975年にMITに留学し、人間の身体から発生する微弱な磁気を計測して、人間の脳等の機能の解明や病気の診断に応用する研究を行った。帰国して提案した「高度脳磁場計測装置の開発」が1990年に国のプロジェクト研究に選ばれ、高性能の脳磁場計測装置を開発して、脳機能の解明の研究を行った。 人間の脳神経細胞の数がもっとも多い時は生まれて1年以内である。しかし、幼児の脳神経細胞は、小さな神経細胞体がほとんどであり、ほとんど活動できない。神経細胞体から多数の樹状突起が成長し、更に一本の神経繊維が成長して、隣の脳神経細胞と連絡が取れるようになった時に一人前の脳神経細胞として活動できる。 脳の神経細胞体は減少し始めるが、脳神経細胞に刺激を与えると減少しない。すなわち、その部分の脳神経細胞を使用するように努力することによって脳神経細胞は死滅しない。 脳神経細胞が一人前に育つのは、22歳までである。この期間にどのような教育をするかに将来活躍できる人間になれるかが決まる。ここでは、今までの多くの実験で示された教育方法について説明する。

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  • 上野 照剛
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 421
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    育児工学にバイオマグネテックスと脳科学がどのように貢献できるかを考察した。ルソーのエミールにおける子育てやサリバン先生のヘレン・ケラーに対する躾と愛育、さらには、マザーテレサの考えなどが育児の基本的心構えであると考えた。そこに工学や脳科学がどのように貢献できるかを考えた。著者がこれまで行ってきた研究や現在行っている研究から幾つかの可能性ある貢献を取り上げた。それらは、経頭蓋的磁気刺激と呼ばれる脳の磁気刺激、脳磁図、MRIやfMRI,磁気的手法による種々の治療法、さらには、脳科学の最近のトピックスである、脳の報酬系やデフォルトモードネットワークなどにも言及した。

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  • 中島 一樹, 飯國 高弘, 杉本 涼輔, 藤田 紘也, 金 主賢, 長田 任一哉, 北村 寛, 金山 義男, 戸田 和成, 川端 実, 萩原 ...
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 422
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    We developed both a non-contact urination measuring system as a toilet sheet shape and a cloud network system to store and to utilize the urination data for diagnosis or nursing care. The measuring system consists of a non-contact thermal sensor, a vibration sensor, and wireless communication. Urination is measured by the non-contact thermal sensor. Personal identification is achieved by walking vibration. These data are transmitted via Wi-Fi and a mobile virtual network operator, and are stored in one database. The urination data is displayed on a tablet PC. This study was partly supported by SCOPE (162305003), Minister for Internal Affairs and Communications.

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  • 田中 志信, 本井 幸介, 山越 憲一
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 423
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    生活習慣病予防・健康寿命延伸のためには、血圧や体重などの「生体情報」を常日頃から計測し、長期間にわたり記録し続けることが重要である。この様な観点から、毎日必ず一度は利用する「トイレ」は生体情報取得の格好の場所であり、我々も従来よりトイレを利用した様々な無侵襲生体計測装置の試作開発を行ってきた。本OS講演では、山越憲一名誉教授(金沢大)のグループが開発してきた体重関連指標の長期モニタシステムやトイレ便座を利用した血圧計測システムの概要と計測データ例について紹介すると共に、光学式の尿中多成分モニタシステムの試作開発状況について併せて紹介する。後者のシステムの最終目標は光源に近赤外多波長LED、光検出器にフォトダイオードを用いた簡易構造のもので、そのための基礎的検討として使用波長数の低減化をこれまで進めてきた。その結果、現状で尿中の主要4成分:尿糖(グルコース)、尿素、クレアチニン、塩化ナトリウム(NaCl)を10種類以下の近赤外波長光で濃度推定可能であることを確認しており、その計測精度などについても報告したい。

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  • 松本 成史, 竹内 康人
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 424
    公開日: 2017/09/13
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  • 百瀬 由美子
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 425
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    排泄物は身体の異常や変化がわかり、通常、侵襲を加えることなく採取できる貴重な情報源である。しかし、羞恥心もあり排泄物を人に見られたり、聞かれたくないと感じている人は多く、そのため正確な観察情報の収集ができないこともある。また近年、高齢患者の増加に伴い、認知機能の低下や障害のある高齢者も多くなり、排泄物の量や性状を正確に説明できない場合がある。さらに、トイレの環境は一般的に室温が低く、衣服の着脱も加わり、バイタルサインズに変化を起こしやすい場所といえる。血圧コントロールが重要であるが、便秘をきたしやすく、排便時に怒責を加えることが急激な血圧の上昇を招き生命の危機にかかわる疾患をもつ人もいる。これらの問題を抱える人々に対して、人権およびプライバシーの保護に配慮しつつ、排泄物の量や性状などの生体情報を客観的かつ正確に把握でき、収集した情報が必要に応じて適切に分析される機能が付与されたトイレの開発や、活動に制限が加えられることなく、皮膚と接触している便座等から情報収集・分析ができ、さらにナースステーション等に設置されたモニターで観察できるシステムがあれば患者の安全・安楽が保持され、看護師の臨床判断や迅速な看護行為の助けとなる可能性が考えられる。看護の立場からは、患者の生命の安全と尊厳が重視され、かつ看護実践の効率化・合理化が図られるシステムの開発に期待する。

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  • Haruki Kawanaka, Koji Oguri
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 426
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    主に医療機関や福祉施設での需要から,トイレでの排尿量計測と管理に向けた研究が行われている.我々はこれまでに簡便で衛生的な尿量計測手法として画像処理を用いた液体流量推定を提案してきた.この手法では画像中の放射流脈線を放物線近似し,その放射初速度を導出することで多重円柱モデルによって体積を求める.このような画像処理を行うとなると導入ハードルが高いように思われるが,実際にはRaspberry Piのような安価なシングルボードコンピュータと汎用の画像処理ライブラリでも十分に実用的な計測精度を得ることができる.本研究ではRaspberry Piでの実装について紹介し,安価なカメラシステムでの誤差要因を特定することで精度向上が可能な画像処理アルゴリズムを解説する.

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  • 宮岡 敦史, 塚本 佳也, 横山 淳也, 旗田 茂雄, 鴨野 俊平, 高木 大輔, 田野 隆徳, 明石 満
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 427
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    近年、新たな再生医療・細胞医療への貢献を目指し、人工的な三次元組織作製技術に関する研究が盛んに行われている。加えて、iPS細胞の発明以来、それらiPS細胞由来の各種分化細胞を用いた三次元組織の創薬応用が特に期待されている。現状、人工的に作製された三次元組織内部の構造は制御されておらず、組織内部の構造は各細胞の自己組織化によってのみ決定されるのが通常である。ここで、組織内部の構造を任意に制御できる様になれば、より生体類似及び複雑な構造の組織体作製を目指す事が可能になる。そこで本発表では、ECM薄膜コーティング処理を施したヒトiPS由来心筋細胞、心臓線維芽細胞、血管内皮細胞を用い、三次元心筋組織内部への血管内皮細胞パターニングをインクジェット技術により試みた。加えて、作製された心筋組織をラットへ移植する事で、本手法により作製された三次元心筋組織が機能(心筋組織の拍動能及び血管内皮細胞の血管形成能)を維持しているかの検証を行った。それらの結果より、インクジェット技術を用いる本手法により、細胞の機能を維持した状態で、三次元組織の構造を制御出来る可能性が示された。

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  • 旗田 茂雄, 宮岡 敦史, 鴨野 俊平, 高木 大輔, 田野 隆徳, 明石 満
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 428
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    三次元組織の開発は再生医療、薬剤スクリーニングの分野で多くの需要があります。圧電振動子を利用したインクジェットヘッドはオンデマンドで小さな液滴を高速吐出可能であり、高精度に生体細胞をパターン化するデバイスとして魅力的です。しかし、細胞が沈降しノズル部が目詰まりするという問題がありインクジェットヘッドの利用は容易ではありません。我々は以前、細胞懸濁液のオンデマンド吐出に特化した新たなインクジェットヘッドについて報告しております。このヘッドでは圧電振動子の駆動パルスにより生成される膜の振動で液滴を形成、吐出します。また不吐出の間は膜の微駆動による攪拌を行い、細胞の沈降を防ぎます。今回、我々はインクジェットヘッドからの細胞懸濁液の吐出とハイドロゲル層の構築を組み合わせることによりミルフィーユ状の三次元組織の構築を試みました。積層数及びハイドロゲルの厚さをコントロールすることにより、細胞層2~10層、厚さ50~300umの3次元組織を構築できることを実証しました。これらの結果より、我々のIJヘッドは細胞吐出及び細胞組織の構築に適していると考えております。

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  • 浜田 裕太, 杉本 和之, 吉田 真人, 岩永 進太郎, 塚本 佳也, 境 慎司, 中村 真人
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 429
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    再生医療では、移植医療に必要な重要臓器の作製が求められている。そのためには、複雑かつ立体構造を持つ組織を迅速に作製する技術が必要である。そこで我々は、3次元積層造形した後プレ培養した組織パーツを作製し、それらを組み立てるバイオアセンブリのアプローチを目指している。これまで、細胞を配置した3次元積層造形を可能にする3D Bio printerを開発し、また、造形性と細胞接着性に優れたバイオインク材料の開発を行い、優れたゲル材料を見出してきた。さらに、血管内皮細胞との親和性の高いゲル材料の開発を行い、血管内皮細胞の伸展を確認している。そこで、今回心筋細胞を播種または包埋した3次元組織パーツ構造をデザインして構築しプレ培養を行い、心筋組織パーツとしての機能を評価した。実験方法として、自前で開発した3D Bio printerを用いて、造形性と細胞接着性に優れたゲル材料で3次元構造物を作製し、心筋細胞を直接播種して培養を行った。組織学的評価として細胞の配向を観察し、生理学的評価として、Caイメージングとアドレナリン負荷試験を行った。 その結果、自発的に拍動する3次元構造物の作製に成功した。組織学的評価で細胞の配向性を確認し、アドレナリン負荷試験で拍動数の増加を認めた。これからは血管内皮細胞に親和性の高いゲル材料と血管内皮細胞を加えての共培養、作製した心筋組織パーツのアセンブリにチャレンジしたい。

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  • 藤田 恭平, 馮 忠剛, 小沢田 正, 佐藤 大介, 中村 孝夫, 白石 泰之, 梅津 光生
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 430
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    【背景】幹細胞の心筋分化誘導において心臓組織のECMハイドロゲルが足場として用いられる。本研究では幹細胞分化に対する足場の力学特性の影響に着目し、カルボジイミド系架橋剤EDACにより心室ECMハイドロゲル(vECMゲル)の力学特性を調整し、それらの細胞適合性を評価した。【方法】(1)vECMゲルの作製 まずヤギの心室組織の脱細胞処理を行う。脱細胞組織をPepsin溶液中で消化し、心室ECM溶液を調整する。その後ECM溶液を37°C-5% CO2でインキュベートしゲル化させる。作製したvECMゲルをEDAC溶液で24時間処理する。(2)vECMゲルの圧縮試験 本研究室で開発した圧縮試験装置でゲルの粘弾性特性を測定する。ECMゲルの力学特性の解析は2つの非線形のバネ(K1, K2)と1つの粘性体ηから構成される非線形Kelvinモデルを適用する。(3)力学特性を調整したvECMゲル上での細胞培養 EDAC処理を施したvECMゲル上にラット胎児線維芽細胞を播種し、培養期間中の増殖率および接着面積を評価した。【結果】圧縮試験によりvECMゲルは粘弾性体に特有な応力弛緩を示した。無処理12.5 mg/ml vECMゲルのK1は129.5 Pa、K2は1956.3 Paであったのに対し、EDAC処理によりK1は3868 Pa、K2は5915.9 Paまで向上した。EDAC処理により力学特性を調整したvECMゲル上で線維芽細胞培養を行ったところ、脱細胞組織と同程度のYoung率を有するゲル上で細胞接着面積は最も広くなることを示した。

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  • 酒井 洸児, 榛葉 健太, 大岩 孝輔, 小谷 潔, 神保 泰彦
    55Annual 巻 (2017) 5AM-Abstract 号 p. 431
    公開日: 2017/09/13
    ジャーナル フリー

    創薬研究を効率化する方法として,培養細胞によるアッセイが広く研究されている.動物実験と比較して低コストかつ迅速に評価を行うことが出来る一方で,外挿性の確保に向けて生物種差およびin vivoとの環境の差が課題となっている.近年,薬剤の副作用評価の効率化に向けて,ヒトiPS細胞由来心筋細胞(human iPS cell derived cardiomyocyte; hiPSCM)を微小電極アレイ(Microelectrode array; MEA)上に培養した実験系が開発され,広く用いられている.しかし,検出可能な副作用は心筋細胞のみを対象としているため,心筋組織の活動を調節する神経組織を介した副作用は評価が出来ない.そこで,本研究では,MEA上にhiPSCMおよびラット交感神経節細胞の共培養系を構築した.微小トンネルを介した2つの培養区画をもつ培養チャンバをMEA上に組み合わせ,hiPSCMおよびラット交感神経節細胞を培養した.免疫組織化学染色により交感神経節細胞の軸索が微小トンネルを介してhiPSCMまで到達していることを確認した.微小トンネルに設置した電極から電気刺激を印加して神経細胞の活動を励起した結果,hiPSCMの拍動頻度が上昇した.さらに刺激の印加回数を10, 100, 1000回(10 Hz)として比較したところ,刺激回数の増加に従って拍動頻度の上昇が大きくなった.以上の結果は,hiPSCMが交感神経節細胞による拍動調節を受けたこと,および本システムにより交感神経による拍動調節を制御できることを示唆する.

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