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松下 智裕
セッションID: 1Aa01
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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光電子ホログラフィーはXPSと関連する測定法であり、内殻準位それぞれの化学状態の立体原子配列が得られる。測定可能となる原子配列は、結晶中のドーパント、埋もれた界面など。光電子を広い立体角で測定をするため、阻止電場型電子エネルギー分析器を開発した。高いエネルギー分解を持ちつつ、約±50°の広い立体角を測定できる。また、データの解析理論の研究も進めてきた。これらの装置、理論、応用例について紹介する。
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松井 文彦
セッションID: 1Aa03
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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光電子運動量顕微鏡は電子エネルギー分析器と光電子顕微鏡を複合した多機能投影型光電子解析装置である。運動量空間での視野径を最大Ø6.4 Å-1まで拡げられる特徴を活かし、顕微モードで選択した数μm大の微小領域からのバンド分散を計測することができる。分子研UVSOR軟X線ビームラインにて、欧州外で初となる光電子運動量顕微鏡専用実験ステーションを立ち上げた。本講演では、実際の測定例を紹介する。
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山根 宏之
セッションID: 1Aa06
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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「接着」は古来より用いられてきた接合方法で、分子レベルからマクロレベルに至るマルチスケールの現象が複合的に関与する。本講演では、次世代の航空機や自動車における接着技術の重要性と課題について概説し、その課題に放射光軟X線がどう貢献できるのか?という問いに取り組んだ研究を紹介する。
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西原 達平, Hyunju Lee, 原 知彦, 築紫 大河, 大下 祥雄, 小椋 厚志
セッションID: 1Aa08
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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結晶シリコン太陽電池の高効率化のために、変換効率の劣化要因を硬X線光電子分光法(HAXPES)を用いて評価した。特に、SHJ太陽電池に用いられる透明導電膜に関連する特性劣化要因評価や、新規キャリア選択コンタクト材料として注目されている酸化チタン(TiOx)および二次元層状物質である遷移金属ダイカルゴゲナイド(TMD)について紹介する。
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小板谷 貴典, 山本 達, 松田 巌, 吉信 淳, 横山 利彦
セッションID: 1Aa10Y
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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雰囲気光電子分光法を用いて、金パラジウム合金への水素吸脱着過程のリアルタイム追跡実験を実施した。まず軟X線雰囲気光電子分光装置の改良を行い、100 mbar程度の気相雰囲気中で十分な強度でXPS測定が可能となった。 装置改良後にPd-Au試料を用いてAP-XPS実験を実施し、水素存在下で起こる金属-水素化物相転移にともなう各元素の化学状態変化を観測することに成功した。
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坂井 ありす, 吉田 真明
セッションID: 1Aa11S
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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再生可能エネルギーを利用した水分解プロセスを実現させるため、酸素生成効率の高い水分解触媒が望まれている。本研究では炭酸マンガン鉱物をボールミル等で粉砕することで、水分解触媒の開発に成功した。さらにX線吸収微細構造法(XAFS)による測定を行ったところ、粉砕後の鉱物表面で構造歪みの発生が示唆された。したがって開発した鉱物触媒は、粉砕によって発生した表面の構造歪みが反応サイトとして機能すると推測した。
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鈴木 峰晴
セッションID: 1Ap01
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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表面分析の分野では計測装置,試料準備,計測,データ処理のフロー全てに渡る信頼性が問題となる.計測における信頼性の要素は,3R (repeatability, replicability, reproducibility)として整理されている. 表面分析研究部会ではそれを踏まえて,最新の装置を用いた計測,データ処理の進展を紹介していただき,さらには表面化学分析における標準化に関して議論する機会を企画した.
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西原 達平, 町田 雅武, 安野 聡, 小椋 厚志
セッションID: 1Ap02
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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デバイス性能を決定づける埋もれた界面の評価手法として、従来の光電子分光法よりも高いエネルギーのX線を使用した硬X線光電子分光法(HAXPES)が注目されている。特に近年、実験室ベースのLab. HAXPESが開発され広く利用されつつある。励起光源に液体GaKaを使用し、安定した高強度を確保している。本発表では、Lab. HAXPESを用いた実測測定事例今後の展望について述べる。
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増田 卓也
セッションID: 1Ap04
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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汎用的な実験室型装置を基盤として、環境セル、電圧印加モジュール、大気非曝露試料搬送容器を具備した革新的なXPS測定システムを開発し、液体および固液・固固界面のその場観察を実現した。液体試料の定量測定や固体電解質上に析出したシリコン電極へのリチウム脱挿入観察といった応用事例について紹介する。
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山本 貴士, Paul. M. Dietrich, Mirko Weidner, Andreas. Thissen
セッションID: 1Ap06
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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近年燃料電池や触媒等の試料を実際の動作環境に近い状態で分析可能な手法としてNear Ambient Pressure XPS(NAP-XPS)が注目されている。独のSPECS Surface Nano Analysis GmbHは研究室レベルで展開可能な装置としてEnviroESCAを開発した。講演では実際の測定結果を交えながら装置の特色について詳しく報告する。
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原田 善之, 角谷 正友, 篠塚 寛志, 登坂 弘明, 吉川 英樹, 田沼 繁夫
セッションID: 1Ap09
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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NIMS-DPFCのRDEデータセットに登録されている、GaN初期酸化過程のように、データセット多数XPSスペクトルの解析について、スペクトル群をデータセット化し、データセットに対して自動解析を試みた。スペクトル解析には、BIC解析法をはじめ、主成分分析かターゲット変換を行う2種類の方法を試みている。これら解析結果からGaN、各面、各ガス種による酸化傾向について報告する。
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松村 太郎次郎
セッションID: 1Ap11
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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スペクトルデータを効率よく解析する手法としてspectrum adapted EM algorithmを紹介する.本発表では,手法の理論的な背景を説明し,その適用例として人工および実験データへの解析事例を紹介する.さらに, ECM algorithmによる拡張手法の導入と,拡張手法を用いたバックグラウンド処理や分離ピーク数の最適化に関する最近の取り組みについて話題提供を行う.
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—ISO/TC 201/SC 4 およびSC 7での活動を中心に—
永富 隆清
セッションID: 1Ap13
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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表⾯化学分析に関する国際規格を取り扱っている国際標準化機構(ISO)第201技術委員会(ISO/TC 201)における最近の標準化活動の動向に関して,発表者が主に関わっている第4小委員会(SC 4: Depth profiling)と第7小委員会(SC 7: Electron spectroscopy)の活動を中心に紹介する.
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木村 芳滋
セッションID: 1Ap15
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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ISO/TC201/WG4は生物試料 (Biological Materials)の表面分析の標準化を行っている作業グループ(WG)である.2018年より本WGの瀬藤委員,2021年より発表者が国際コンビナーを務めている.本発表では最近の生物試料の表面分析に関する動向をTOF-SIMS, MALDI-TOFによる質量分析イメージング法を中心に紹介し,合わせて標準化のニーズについて紹介する.
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三宅 晃司, 真部 研吾
セッションID: 1Ba01
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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I would like to consider the direction of tribology research in the society such as SDGs and green innovation.
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中野 健
セッションID: 1Ba03
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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固体摩擦には「静摩擦」と「動摩擦」の二種類が存在することが常識となっている。しかし、著者らの研究グループは、幾何学的な非対称性を導入したすべり摩擦システムの力学解析を通して、動摩擦力ベクトルの回転が見掛けの静摩擦を作り出すことを発見した。この「動的固着モード」の視点から言えば、「固着-すべり遷移」は、純粋に力学的な言葉だけを用い、「過減衰-不足減衰遷移」として説明することができる。
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浦島 周平, 内田 琢, 本間 芳和, 由井 宏治
セッションID: 1Ba06
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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大気中における材料表面の摩擦力は、相対湿度によって変化する。この湿度依存性は摩擦面への吸着水の凝集によって議論されることが多いが、吸着水がどのように摩擦面へ凝集していくかは不明なままであり、そもそも摩擦面に吸着水が均一な薄膜を形成しているかすらわかっていない。そこで我々は、代表的な親水性材料であるシリカ表面に対し、界面選択的振動分光によって摩擦印加前における吸着水の凝集構造の湿度依存性を解析した。
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川田 将平, 丹治 隼輔, 宮武 正明, 佐々木 信也
セッションID: 1Ba08
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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地球環境問題を背景に、機械要素における摩擦低減技術の開発が求められている。本研究においては、イオン液体の摩擦界面構造が、摩擦表面の状態に大きく依存することに着目した潤滑システムの構築に取り組んだ。実験方法と結果として、摩擦表面に電位を外部から入力することで、イオン液体の吸着構造を制御する試みで、摩擦係数の能動的制御に成功している。
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山田 真爾
セッションID: 1Ba10
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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水系潤滑は生体界面の低摩擦を司る機構としての重要性に加え,エネルギーの効率的利用や低環境負荷などSDGsの観点からも注目を集め,研究が加速している.水系潤滑の適用分野拡大に向けた大きな課題は耐荷重性が低いことであり,その対策の一つに添加剤の利用がある.我々は水溶性高分子を検討しており,シリコーン系両親媒性高分子の添加剤が滑り界面に吸着,水和層を形成して荷重を支え,高い潤滑効果を示すことを見出した.
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Liliany Pamasi, Aydar Irmikimov, 阪井 雄也, 清水 智也, 楊 浩邦, 細糸 信好, 服部 梓, 大坂 藍 ...
セッションID: 1Ca02R
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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Our group has successfully fabricated pyramidal structures with Si{111} clean faceted surfaces (edge width W 16 μm) on Si(001) substrate by combining Si substrate processing technology and ultra-high vacuum surface technology, and performed Fe deposition (film thickness ΘFe 30 nm). The magnetization field (M-H) curve of the pyramid-shaped Fe nanofilm controlled with atomic precision was measured by vibrating sample magnetometer, and the characteristic of the M-H curve (bending point due to stable magnetic vortex formation) predicted by LLG was observed [3]. In the present study, in order to further understand the magnetic behavior of three-dimensional magnetic nanofilms, we have investigated 1) the thickness dependence of Fe film and 2) the aspect ratio dependence of the pyramidal structure with different length (L) and fixed-width (W), that is, the facet line structure. In this talk, we will report the details.
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福嶋 隆司朗, 角田 一樹, 竹田 幸治, 一ノ倉 聖, 平原 徹
セッションID: 1Ca03S
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
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磁性トポロジカル絶縁体ヘテロ構造では、表面ディラックコーンにギャップが開くが、基板との界面でギャップレスな状態が残り、量子異常ホール効果の発現の妨げになる。そこで、ヘテロ構造からサンドウィッチ構造へ発展させ、下面にも強磁性層を作る必要があるが、二つの磁性層の相互作用については未解明である。そこで今回、角度光電子分光測定とX線磁気円二色性測定により、サンドウィッチ構造の電子状態と磁化特性を調べた。
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家永 紘一郎, 金 聖憲, 宮町 俊生, 小森 文夫
セッションID: 1Ca04Y
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
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強相関物質CePt5の単層膜をPt(111)上へ成長させ,走査トンネル顕微/分光法で構造と電子状態を観察した.原子分解能観察から,最表面にPt4層を持つ(2×2)-CePt6/Pt(111)の形成が判明した.5Kでの準粒子干渉測定ではPt表面状態の下方シフトが観測され,表面直下のCePt2層から表面Pt4層への電荷移動と解釈される.さらに分光測定ではコヒーレント近藤状態を示唆する異常が観測された.
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吉澤 俊介, 鷺坂 恵介
セッションID: 1Ca05
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
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極低温走査トンネル顕微鏡(STM)により 2H-NbSe2 の電荷密度波(CDW)状態の観察を行った。フーリエ変換ないし畳み込み演算を利用した微小変位抽出の手法を原子分解能 STM イメージに対して適用することで、CDW のドメイン構造について恣意性をできるだけ排除した解析を行った。
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土師 将裕, 佐藤 優大, 山田 高広, 山根 久典, 平井 大悟郎, 広井 善二, 長谷川 幸雄
セッションID: 1Ca06
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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伝導帯と価電子帯がブリルアンゾーンの線上で交差するギャップレスな電子系はラインノード半金属と呼ばれ、新たなトポロジカル状態として注目を集めている。近年、NaAlSiはラインノード半金属であり、さらに7 Kと比較的高い温度で超伝導転移を示すことが示された。そこで本講演では、NaAlSiで実現している電子状態を明らかにするため極低温走査トンネル顕微鏡測定を行った結果について報告する。
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佐藤 優大, 土師 将裕, 吉澤 俊介, 内橋 隆, 長谷川 幸雄
セッションID: 1Ca08
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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ステップ密度の異なるSi(111)表面上のPb単原子層薄膜において磁場誘起超伝導絶縁体転移(SIT)を電気伝導測定および走査トンネル顕微鏡(STM)観察によって評価した。その結果、結晶性の高い系の特徴である異常金属状態を含む磁場誘起SITの振る舞いがステップ密度に依存することが判った。さらに、講演では、ステップ密度の増大により、クーパー対が局在したボース絶縁相が発現する可能性についても言及する。
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出 高志朗, 小林 俊博, 田中 友晃, 一ノ倉 聖, 清水 亮太, 一杉 太郎, 平原 徹
セッションID: 1Ca09S
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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以前、超高真空中での電気伝導測定により絶縁SrTiO3基板上の単層FeSeの超伝導を検出した。今回、より高温での転移が期待されるNbドープSrTiO3に基板を変更した。基板に伝導性があるので常伝導状態でも抵抗が低く、mΩオーダーの抵抗変化より超伝導を検出する必要があるため、抵抗測定の精度を向上させた。その結果をNb薄膜の超伝導観測を通じて示し、単層FeSeについての電気伝導測定の結果を報告する。
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横田 健太, 小林 宇宏, Wenxuan Qian, 稲垣 俊輔, 坂本 一之, 内橋 隆
セッションID: 1Ca10S
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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半導体上の表面金属超構造はバルクと異なる電子状態をもつ。このような低次元電子状態は電荷移動などの近接効果を利用することで物性を変化させることが出来る。本研究では原子層超伝導体Si(111)-(√7×√3)-InにPTCDA分子とZnPc分子を蒸着し、転移温度を測定した。PTCDAでは転移温度が減少し、ZnPcでは転移温度が上昇した。STM結果から吸着構造がTcの変化に影響していることが分かった。
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多田 幸平, 尾崎 弘幸, 藤丸 航志, 北河 康隆, 川上 貴資, 奥村 光隆
セッションID: 1Ca11R
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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ジラジカル状態は酵素反応や単分子磁石など様々な物質を理論的に検討するうえで重要な電子状態の一つである。他方、固体表面の一般的な電子状態計算法である密度汎関数平面波法の結果からジラジカル状態の特徴量を簡便に算出する方法はなく、データ駆動型研究及び表面相互作用解析の妨げとなっていた。本発表では、電荷密度に基づき簡便に特徴量を解析する方法を提案し、表面相互作用による変調を理論的に検討する。
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—前駆滑りと摩擦係数の挙動—
岩下 航, 松川 宏, 大槻 道夫
セッションID: 1Ca12S
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
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近年の研究で,粘弾性体では,系全体の滑りの前に発生する前駆滑りによって,固体間に発生する摩擦のアモントン則が破れることが明らかになっている。しかし,先行研究の解析は2次元系に限定されるため,本研究では,有限要素法と1次元有効モデルの解析によって,より現実的な3次元の粘弾性体での滑りの運動を調べた。その結果,前駆滑りの挙動と巨視的な静摩擦係数が圧力と系のサイズに対して変化することを示した。
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岩田 孝太, 杉本 宜昭
セッションID: 1Cp01
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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氷の表面は様々な現象が起きる場である。しかし、その詳細な表面構造は未だ不明な部分が多くある。本研究では、原子間力顕微鏡を用いて、KCl(001)基板上での氷の成長と表面構造の観察を行った。その結果、水の暴露量が少量の場合には、界面構造と思しき新奇な周期構造が観察された。一方、水の暴露量を増やした場合には基板が均一な結晶氷に覆われ、その表面は金属基板上に成長させた場合と同じ構造を示した。
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春山 潤, 杉本 敏樹, 杉野 修
セッションID: 1Cp02
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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金属表面上の水の性質を理解・予測することは, 電気化学デバイスの性能向上の指針となり得る. これまで固体表面における水の研究は活発に行われてきたが, 我々は第一原理計算を用いて, この金属表面上の水分子の配向構造の振る舞いの理解を目指している. 今回の発表ではPt(111)表面の単層氷の構造を推定し, 求まった最安定構造とこれまでに報告されている実験結果と整合性の比較・検討を行う.
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塚原 規志, 吉信 淳
セッションID: 1Cp03
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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ハロゲンを有する分子の凝集において, 分子間の水素結合およびハロゲン結合は, 有機結晶や薄膜の構造を決める重要な要素である。本研究では, 基板上に吸着した1,3,5-トリス(4-ブロモフェニル)ベンゼン分子をSi(111) (√3x√3)-Ag薄膜およびAg多層膜の表面に吸着させ, どのような構造の分子膜が得られ, その形成メカニズムをSTMを用いて明らかにした。
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山田 豊和, 横田 健太, 中澤 芳洋, 荒本 夏帆, 根本 諒平, ピーター クリューガ ー, 唐津 孝
セッションID: 1Cp04
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
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巨大ダイポールを有する有機分子を用いて、貴金属表面上で新たな低次元成長制御が可能であるか、検証した。超高真空走査トンネル顕微鏡を用いた。
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金沢 真伍, 木元 康成, 福谷 圭祐, 解良 聡, 山田 豊和
セッションID: 1Cp05
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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超高真空環境の貴金属表面においてTBB分子(1,3,5-tris(4-bromofenyl)benzene)をUllmann couplingさせ二次元格子作製を目指した。基板はAu(001)とCu(111)を用いた。試料観察には、原子分解能を有する走査トンネル顕微鏡および低速電子線回折法を用いた。また、電子構造は走査トンネル分光法と紫外光電子分光法を用いた。詳細を報告する。
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西野 史, 根本 諒平, 王 祺嫻, 堀江 正樹, 細貝 拓也, 長谷川 友里, 解良 聡, 山田 豊和
セッションID: 1Cp06S
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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ホスト-ゲスト分子からなる包接化合物は外部刺激応答を示すことが分かっており、溶液やバルク中での研究が進められてきた。今回、我々は原子レベルで平坦な貴金属基板上での包接化合物の合成を行った。超高真空走査トンネル顕微鏡、光電子分光にて吸着構造、電子状態の解明を行った。ゲスト分子はホスト分子膜上に室温で安定に吸着し、一部で包接化合物を形成していると考えられる。
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赤田 雄治, 今岡 享稔, 山元 公寿
セッションID: 1Cp08S
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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合金クラスターはバルクやナノ粒子と異なる性質を示すことが期待されている一方で、合金クラスターに対する実験手法は限られている。そこで、本研究では原子分解能を有する走査型透過電子顕微鏡(STEM)を用いた合金クラスターの直接観察を実施した。実際に、異周期元素を自動で識別する解析手法の構築に成功し、原子分解能STEMによる直接観察が、合金クラスターに対する新たな実験手法として有効であることが示された。
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三輪 寛子, 下村 浩一郎, Amba Datt Pant, 鳥養 映子, 永嶺 兼忠, 朝倉 清高
セッションID: 1Cp09
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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ルチル型TiO2内部の欠陥構造を素粒子であるミュオンをプローブとして用いたミュオンスピン回転/緩和/共鳴(µSR)法により検討したところ、安定構造の一つとして、酸素欠陥内部で水素原子が二つ安定化するという新しい構造を見出した。また、DFT計算によりこれらの水素はヒドリドとして存在し安定化していることを示した。
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清水 康司, 安藤 康伸, 南谷 英美, 渡邉 聡
セッションID: 1Cp10R
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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Au/Li3PO4/Li積層構造を用いた新規メモリデバイスの動作原理の理解に向け、電極-固体電解質の界面構造やそこでのLi分布の解析が必要となる。本研究では、密度汎関数理論に基づく第一原理計算のデータをもとにAu/Li3PO4界面系に対するニューラルネットワークを用いた原子間ポテンシャルを作成した。作成したポテンシャルを用いて界面近傍におけるLi欠陥挙動の解析を行ったので、その結果を報告する。
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李 君寰, 李 韶賢, 川合 健太郎, 稲垣 耕司, 山村 和也, 有馬 健太
セッションID: 1Cp11S
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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グラフェン中の局所欠陥に由来する電子状態は、様々な工学分野で重要な役割を持つ。我々は、走査型トンネル顕微鏡(STM)により、高配向性グラファイトの表面上に剥離・形成した単層厚さのナノグラフェンを観察した。特に、長方形状の周期を持つ不思議な電子状態に着目し、その特徴を詳細に調べた。さらに、グラフェンナノリボンの電子構造を第一原理計算し、長方形状格子の起源を考察した。
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司 文, 田中 友晃, 一ノ倉 聖, 平原 徹
セッションID: 1Cp12S
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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Monolayer iron selenide (ML FeSe) on strontium titanate (STO) is a superconductor with Tc over 60 K, in which the STO substrate plays an important role in the high Tc. To figure out the local effect of the STO surface reconstruction on ML FeSe, we use low temperature (5 K) scanning tunneling microscopy/spectroscopy (STM/STS) to measure the correlation between the surface structure and the electronic state as well as the superconductivity of ML FeSe/STO -√13×√13. In the atomically-resolved STM images, we observed 1×1-only area, periodically arranged 'z'-like patterns, and dumbbell-like defects. The STS spectra have been simultaneously measured in the corresponding regions on the surface and the details will be shown in the presentation.
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近藤 剛弘
セッションID: 1Cp13
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
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ホウ素を構成元素に含む二次元物質は様々な安定構造(多形)を示すことが知られている。このため応用に向けて扱いにくいという見方ができる一方で,多くの異なる物性発現の可能性がある魅力的な材料という見方もできる。我々はこれらのうち水素化したホウ素の二次元シート(ボロファン)の一種であるホウ化水素シートと,硫化ホウ素シートを創出させ,特性を調べてきた。本講演では,これまでの成果と最近の進展を報告する。
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宍戸 理恵, 真柄 英之, 芥川 智行
セッションID: 1Da01
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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TOF-SIMS分析では、質量の大きい有機分子の検出感度は低下する傾向にあり、インタクトイオンの状態での検出は困難である場合が多い。Matrix enhanced SIMS法は、有機分子の検出感度を向上させる前処理法のひとつである。本研究では、TOF-SIMSのための新しいマトリックスを探索することを目的として、脂肪族のカルボン酸マトリックスを用いた、リン脂質の検出感度に関する分析評価を行った。
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矢渕 翼, 小栗 雅史, 青木 弾, 福島 和彦
セッションID: 1Da02R
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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日用品などの溶液製品の機能を制御するには、組成と構造の関係を捉えることが重要である。そこで、Cryo-TOF-SIMSとCryo-SEMを組み合わせたCryo-TOF-SIMS/SEMを溶液の組成・構造解析に応用することを考案した。モデル柔軟剤を分析したところ、球状の構造が観察され、その構造中で特定の成分が特定の位置に分布していることが明らかとなった。発表では柔軟剤の保存安定性についても考察する。
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寺前 奎吾, 宮澤 佳甫, 児島 亮平, 平原 佳織, 堀家 慎一, 福間 剛士
セッションID: 1Da03
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
会議録・要旨集
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3次元原子間力顕微鏡は、試料の固液界面の3次元揺動分子構造を可視化できる手法である。本研究では、カーボンナノチューブ(CNT)を用いた尖鋭プローブの作製を行い、染色体の計測を行った。その結果、CNT探針は染色体の内部に挿入され、その内部情報を反映した力分布が取得できた可能性が高いと考えられる。さらに、本手法で計測できる生体試料は染色体だけでなく多岐にわたり、実用性の高い計測手法になると考えられる。
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前田 泰, 橘田 晃宜, 倉谷 健太郎
セッションID: 1Da04
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
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c-AFMを全固体電池に適用し局所的な電気化学反応の観察を試みた。正極活物質としてLi(Ni1/3Mn1/3Co1/3)O2、固体電解質としてLi2S-P2S5(LPS)を用いて電池試料を作製し、正極断面をc-AFMにて観察を行った。その結果、NMC/LPS界面やMNC粒子内粒界付近に特異的に充電電流が観察された。
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高橋 康史
セッションID: 1Da05
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
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触媒や蓄電池の開発において表面の反応性をマイクロ・ナノスケールで構造とともに可視化することは、結晶方位や粒界の反応性を理解するうえで、非常に重要である。そこで、ナノピペットをプローブに用いて、局所的に電気化学セルを形成し、ナノピペットを走査することで試料表面の反応性を可視化する走査型電気化学セル顕微鏡を開発した。この技術を用いて、水素発生反応の触媒や、リチウムイオン2次電池の評価を行った。
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栗田 弘史
セッションID: 1Da09
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
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大気圧低温プラズマの生物応用が近年活発に研究され、プラズマ照射は細胞に対して酸化ストレスとなり、様々な生命現象を惹起することが明らかになってきた。このとき直接的に影響を受けるのは核酸・タンパク質・脂質などの生体高分子であり、なかでもDNAは遺伝情報の伝達などを担う重要な生体分子である。本講演では、プラズマ照射によって生じるDNA 損傷について、筆者らの研究成果を中心について報告する。
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白藤 立, 呉 準席, 中谷 大樹, 前澤 詩織, 高岡 素子
セッションID: 1Da11
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
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高分子の分解に関する気液界面プラズマの分解レートの性能評価のために,難分解性高分子として知られているたんぱく質の分解を行い,報告されているマイクロバブル援用水中プラズマとの比較を行った.マイクロバブル援用水中プラズマでは,0.1 mg/mLのものが0.01 mg/L以下となるために60分を要するのに対し,本方式では約3分で0.01 mg/L以下となった.
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長澤 颯, 荻谷 拳, 渡邉 怜音, 菅 洋志
セッションID: 1Da12
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
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吸引プラズマ法はプラズマが発生する細管先端の口径を小さくすると安定してプラズマが発生しないという問題点があり,次世代のより精度の高いエッチング加工のため,プラズマの更なる局所化が求められている.本研究では,それらの問題を解決するために小型で強い磁場を発する永久磁石を用いた磁場レンズに注目し,有限要素法による磁場解析を行い,鋼材の形状を設計することにより,磁場レンズを製作した.
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佐野 義人, 神永 健一, 丸山 伸伍, 松本 祐司
セッションID: 1Dp01S
発行日: 2021年
公開日: 2021/12/24
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強磁性半導体であるEuOは半導体特性の大部分が未解明であり,電気化学測定を行った報告例はない。本研究では,導電性を有するNbドープSrTiO3(STO)単結晶基板を採用しているが,基板加熱に伴いSTO基板界面から膜中への酸素熱拡散がEuO薄膜の高品質化を阻んでいた。本講演では,STO基板上へのEuO薄膜作製におけるSrOバッファ層の導入および真空ポストアニールの効果について議論する。
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