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LCA 研究が、地域循環共生圏の形成にどのような貢献ができるのかを論じている。これまでの日本 LCA 学会の特集号のテーマを土台に、地域スケールの LCA 研究の蓄積から課題と展望を整理し、オープン・イノベーションを通じたインベントリ構築、ライフサイクル・デザイン思考、地域の資本形成の重要性を提起する。
本解説記事では地域循環共生圏の理念を具体的・分析的な研究に応用するため、地域循環共生圏の理念を整理・解説し、既存の圏域概念との比較から地域循環共生圏の特徴を示す。また応用のための枠組みとして、地域循環共生圏に必要な 9 要件と、地域循環共生圏構築にかかわる様々な活動に対し共通に適用可能な一般的な要素への分解とその構造化の手法を紹介する。応用例としてこれまでに行われている地域循環共生圏事業の簡単な分析例を示す。最後にライフサイクル分析において地域循環共生圏の理念を活用する際に予想される課題として、多目標の考慮や空間範囲の重視を挙げる。
近年、全国各地で検討・具体化の動きが広がる地域循環共生圏について、分散型エネルギーを軸とした場合のコンサルティングの枠組を紹介し、その適用例として、1)北海道古平町、2)福島県大熊町、3)富山県富山市の取組みを報告する。あわせて、個々の地域の特性や地域資源の多様性等を踏まえ、今後の地域循環共生圏づくりの方向性を考察する。
日本を始め、多くの国、そして多くの非政府主体、つまり企業、投資家、自治体等も、2050 年より前にネットゼロを達成することを目指すと表明している。特に企業の場合は、ネットゼロの対象はスコープ 3 を含むことが基本となっており、ライフサイクル全体での GHG 排出量の把握と削減が急務となっている。加えて、土地利用やCO2 除去についても、算定報告基準の策定が進んでおり、これについてもスコープ 3 までを含むことが基本となっている。本稿では、企業がネットゼロ目標を設定し、確実に削減するための課題と対応についての最新動向について概説する。特に、ネットゼロ要件におけるスコープ 3 の扱い、減らせるスコープ 3 算定、土地利用・除去の算定報告の今後について最新動向を紹介する。
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