植物環境工学
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23 巻, 4 号
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総説
論文
  • 峯 洋子, 高畑 健
    2011 年 23 巻 4 号 p. 144-151
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2011/12/01
    ジャーナル フリー
    循環型養液栽培においてアンモニア態窒素(アンモニア)を含む培養液を利用したときの硝化の進行と循環培養液除菌用に導入された緩速フィルターの硝化に及ぼす影響を明らかにすることを目的として実験を行った.
    3つのタンクに脱塩水で作成したアンモニア培養液(約110 mg N L-1)を入れて通気のみ行ったとき, どれも45日目までは窒素組成に大きな変化がなかった. しかし, その後徐々に硝化が進行し, 2つのタンクでは最終的に硝酸態窒素(硝酸)が蓄積し, 残り1つは亜硝酸態窒素(亜硝酸)が高濃度(66 mg N L-1)蓄積した. 一方アンモニア培養液を実験用緩速ロックウールフィルターで常時ろ過したとき, 無ろ過の場合よりも9~25日早く硝酸濃度が上昇し始め, 緩速ろ過による硝化促進効果が示された. 新規フィルターの場合, 一時的に亜硝酸が蓄積されやすく, 特に培養液pHが7以上のとき顕著であった. しかし継続使用したフィルターの場合には, 亜硝酸を蓄積することなく約30日間で硝化が完了した. ろ材がロックウールのフィルターでは, アンモニア酸化に付随するpHの急低下に対する頻繁な調整が必要であった. これに対し, ろ材を砂にした砂フィルターではアンモニア酸化が進んでも培養液pHは7付近で安定し, さらに硝化の進行もロックウールフィルターより早かった. 新規の砂フィルターの場合, pHが7以上に維持されたこともあり亜硝酸が一時的に高濃度蓄積したが, 継続使用あるいは馴化処理することで亜硝酸の蓄積が大きく抑制された. 以上の結果から, 亜硝酸を蓄積せずにアンモニアを硝化させるためのフィルターとしては継続使用あるいは馴化処理した砂フィルターの使用が推奨された.
  • 佐々木 和哉, 与語 健太郎, 山口 堅三, 齊戸 美弘, 福田 光男
    2011 年 23 巻 4 号 p. 152-158
    発行日: 2011/12/01
    公開日: 2011/12/01
    ジャーナル フリー
    モロヘイヤの葉中に含まれるビタミンB2を非破壊かつリアルタイムで検出することを目的として, UV-LED光をモロヘイヤに照射し, モロヘイヤから発生する蛍光観測可能な光学系を構築した. その結果として, 以下の結果を得た. 本測定法では, モロヘイヤから蛍光観察に要した時間は, 500 msであり, 従来の破壊検査法であるクロマトグラフィー法(数分から数十分)と比較しても非常に短時間の測定である. 本光学系では, リアルタイム計測も可能である.
    1.モロヘイヤからの蛍光スペクトルで, 波長530 nmにピークを持つビタミンB2由来の蛍光を観測した.
    2.紫外線障害が生じない励起光強度で最大の強度を320 μW mm-2と求め, 当該強度においても, 波長530 nmに蛍光ピークを持つ蛍光スペクトルを観測した.
    以上のことから, 紫外光をモロヘイヤに照射することで, 生育過程中のモロヘイヤから非破壊かつリアルタイムでビタミンB2の検出を行えることを示した.
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