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楊 昊宇, 谷本 慶, 竹本 昌平, 服部 賢, 大門 寛
セッションID: 2P23S
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
会議録・要旨集
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Si(001)清浄表面に室温にてFe (4 ML)を蒸着し、加熱処理を施すことにより、二次元の鉄シリサイドナノカーペットが創成できる。このナノカーペットを利用したキャリア伝導におけるトラップサイトとなるため、応用を目指す場合はガス終端などで不活性化する必要がある。そこで我々はNOガス暴露に対するβ-FeSi
2(100)表面の状態変化や安定性を調べている。
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鹿又 健作, 三浦 正範, 有馬 ボシールアハンマド, 久保田 繁, 平原 和弘, 廣瀬 文彦
セッションID: 2P24
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
会議録・要旨集
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室温原子層堆積を用いてアクリル樹脂、スチレン樹脂上に酸化膜の堆積を行い、X線光電子分光と赤外吸収分光によって評価を行った。その結果、樹脂材料の違いによって堆積される膜厚が異なることが分かった。発表では、赤外吸収分光を用いた原料分子の吸着と酸化過程について議論を行う。
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平野 恵, 國武 雅司
セッションID: 2P25
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
会議録・要旨集
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現在、薄膜の表面構造の解析方法として、ナノレベルで評価が可能な原子間力顕微鏡(AFM)が広く使われている。また、AFM関連技術として表面電位像を得ることのできるケルビンプローブフォース顕微鏡(KFM)がある。今回、酸化グラフェン(GO)をターゲットサンプルとし、HOPG、ITOと比較することで、GOの絶対表面電位の局所評価を検討したので報告する。
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横山 智洋, 永井 滋一, 岩田 達夫, 畑 浩一, 鈴木 勝成
セッションID: 2P26
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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電子源の性能は電子光学装置の色収差に影響を受けるため、放出電子のエネルギー分布を評価する必要がある。本研究グループでは、電界誘起酸素エッチングにより先端部にナノ構造を持つエミッタの作製に成功した。電界誘起酸素エッチングにより作製したエミッタからの放出電子のエネルギー分布は調べられていない。そこで本研究では、作製したナノ構造体からの電界放出電子のエネルギー分布を測定し、エネルギー分布の評価を行った。
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籔押 慶祐, 小野田 穣, 宮嵜 洋記, 杉本 宜昭
セッションID: 2P27
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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シリセンはSi原子がハニカム状に配列した物質で、二次元トポロジカル絶縁体として注目されている。本研究では、室温AFM/STMを用いてAg(111)表面上に形成したシリセンの観察を行った。STMによって表面の凹凸像を取得し、AFMによって最表面のSi原子上で周波数シフトおよび時間平均トンネル電流の距離依存性を調べた。その結果、探針先端原子と試料表面原子との間に化学結合が生じていることが分かった。
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谷口 昌宏, 西川 治
セッションID: 2P28
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
会議録・要旨集
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アトムプローブでイオンをパルス電界蒸発させるトリガーにはパルスレーザー、電圧パルスのいずれか一方が用いられている。演者らはトリガーによる選択性を明らかにするために、トリガーを交互に印加するだけでなく、一方のトリガーで電界蒸発を検出した時点で、トリガーを交代させ、電界蒸発を二つのトリガーで完全に交互に起こさせながら分析するシステムを製作中である。今回の発表ではその概要と性能試験について報告する。
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今村 元泰
セッションID: 2P29
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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シリコン酸化物薄膜について光電子分光法による膜厚測定は他の手法では難しい1nm程度の極薄膜にも用いることがでいるが、そのためにはシリコン酸化物中での光電子の減衰長についての知見が必要となる。本講演においてはその減衰長を求めるために重要なパラメータとなるRoについて低エネルギー領域において角度依存性を測定したことを報告する。
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浪江 将成, 西村 文宏, 金 在虎, 米沢 晋, 高島 正之
セッションID: 2P30S
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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半導体材料である炭化ケイ素は、従来のSi材料より優れた物性を有することで次世代パワー半導体として期待されている。また配線幅やめっき膜厚もより微細化が要求されている状況の中、まだ微細化・溝への均一なめっき膜の形成と基材との密着性等に課題が残っている。これらの問題点を改善するため、SiC表面を焼成した後、フッ素処理することで容易に微細凹凸を形成し、めっき膜との密着性に優れたSiCウェハの作製を試みる。
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山田 幹, タン ニィヤ ディン, 三田 正弘
セッションID: 2P31
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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本研究では、加工プロセス起因により膜種が限定されてしまう薄膜メンブレンの問題を解決し、樹脂基板上で汎用性のある立体構造を持ったメンブレンの形成技術を提案する。
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永山 幸希, 松田 宗平, カルトシュタイン オリバー, 小山 政俊, 前元 利彦, 佐々 誠彦
セッションID: 2P32
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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近年、透明フレキシブルディスプレイなどへの応用に向けた酸化亜鉛系薄膜トランジスタなどの研究に注目が集まっている。ここで、プラスチックなどのフレキシブル基板は熱に弱いため高温の熱処理などのない加工プロセスが求められる。フレキシブルデバイスとして使用するためには、曲げても壊れないことが必要となる。今回、フレキシブル基板上に作製したZnO薄膜の曲げ状態での特性評価を行ったので、その結果について報告する。
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黒川 裕平, 長谷川 繁彦
セッションID: 2P33
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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GaNナノロッドを電子デバイスなどに応用するためには、単一のナノロッドを基板から取り出す必要がある。本研究では、孤立したウルツ鉱型GaNナノロッド形成に向けて、その形成初期過程を調べた。バッファー層として窒化シリコン超薄膜を用いているが、形成される孤立GaNナノロッド密度はバッファー層厚に依存していることが明らかとなった。GaN成長初期に現れる準安定相の閃亜鉛鉱型GaNとの関連について議論する。
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南 颯人, 佐々木 正洋, 山田 洋一, 細貝 拓也, 中野谷 一, 安達 千波矢, 長谷川 友里
セッションID: 2P34
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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熱活性遅延蛍光分子は、緻密な分子設計によって内部量子効率100%を実現することが知られている。高効率の有機ELデバイス実現のためには、高い内部量子効率の維持が重要であると考える。我々は金属基板上でいくつかのTADF分子について高配向の単分子膜を形成し、STMにより構造解析を行った。また、過渡発光計測の結果、TADF分子の一種である4CzIPNは遅延蛍光の発光効率が膜厚に依存することを見出した。
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若林 洸, 竹内 祐子, 田中 学, 谷井 孝至
セッションID: 2P35S
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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表面改質技術を用い、癌・正常細胞を簡便に選別可能なマイクロ加工基板の開発を行った。細胞接着/阻害領域を作り分け、細胞一つがかろうじて接着できるパターンを作製し、単一細胞の接着能を評価してきた。今回、接着領域を掘り下げたホール構造配列を作製すると、癌細胞が優先的に接着することが分かった。癌・正常細胞を50:50で混合播種した結果、98%の確率で癌細胞が接着し、細胞腫の選別が可能となった。
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城 貞晴
セッションID: 2P36
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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輸送気相法で得られたナフタセン結晶をX線トポグラフで検証したところ、転位消滅を満たすパターンが確認された。これは部分転位の存在によって出現したものと考えられ、結晶内部にストロー状空洞構造、表面には帯状構造を形成させる原因となっていることがわかった。講演では、この解析により判ったストロー状空洞や表面帯状構造を生じる理由、また、面すべりの生じやすさ等について説明する。
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張 嶺碩, 関根 泰斗, Lkhamsuren Ganchimeg, Asatyas Syifa, 林 智広
セッションID: 2P37S
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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本研究ではペプチドSAMの構造が抗付着性に及ぼす影響の解明を試みた。X線光電子分光法によるペプチドSAM内のペプチド分子の吸着状態を解析した結果、ペプチド分子の吸着構造が界面の水分子の振る舞いを決定し、抗付着性に多大な影響を及ぼす事が判明した。
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柿本 恭宏, 立原 義宏, 岡本 吉晃, 手老 龍吾
セッションID: 2P38
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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支持脂質二重膜(SLB)は親水性固体基板上に形成された脂質二重膜で、基本的な物理化学的特性を検証できる.生体内には糖脂質などの修飾脂質が存在し機能しており、そのような親水性頭部の比較的大きな高分子鎖を持つ脂質の挙動についていまだ不明な点が多い.本研究ではPEG (polyethylene glycol)修飾脂質をモデルとして用い、SLBの形成・観測・流動性評価を行なった.
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今井 健太, 堀尾 智子, 服部 敏明, 澤田 和明, 手老 龍吾
セッションID: 2P39
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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CCDイオンイメージセンサを用いた人工脂質二重膜の多点計測系の確立を目的として、イオン感応膜で被覆したセンサ上へ支持脂質二重膜(SLB)をベシクル融合法によって形成した。SLB形成前後のセンサでK
+濃度の異なる溶液交換での時間応答を測定したところ、SLB形成後は形成前に比べ出力電位が低下し、電位変化が減速した。SLB形成後のセンサへグラミシジンを添加し同様の測定をしたところ、SLB形成前に似たすみやかな応答が得られた。
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馬場 祐治, 下山 巖
セッションID: 2P40
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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CsClおける表面電離機構を明らかにするとともに、その応用として、土壌からのCsのイオン脱離についても検討した。CsClから脱離するCsのイオンと中性粒子の相対比(Cs+/Cs0)は400度付近で極大を示し、この温度では、ほとんどのCsがCs+イオンとして脱離することが分かった。また、Csを吸着させた粘土鉱物では、500度という低温でCsがCs+イオンとして脱離することがわかった。
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遠藤 頼夢, 近藤 篤義, Hirulak Siriwardena, 浜井 雄大, 渡邊 大輔, 下村 勝
セッションID: 2P41
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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色素増感太陽電池に向けた酸化亜鉛鋳型を用いた酸化チタンナノチューブ光電極において,酸化チタン表面に残留する微量の亜鉛種が,発電特性を劇的に変化させることを見出している.そこで,亜鉛残留物の影響をより明確にするため,酸によって表面の亜鉛種を取り除き各種測定を行ったところ,吸着した色素量は減少したにも関わらず光電流値は増加した.すなわち,色素から酸化チタンへの電子注入効率が向上したことを意味している.
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大竹 智也, 平井 悠司, 下村 政嗣
セッションID: 2P42S
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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世界中で問題となっている慢性的な水不足の解消のため、本研究では背面の親水-疎水性の凹凸パターンにより過酷な砂漠環境下でも大気中から水滴を捕集しているゴミムシダマシという昆虫に着目した。ゴミムシダマシの背面構造を模倣した水滴捕集材料を表面修飾や加工が容易なアルミニウムを用いて作製し、捕集効率の測定を行ったので結果を報告する。
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ELUMALAI Ganesan, Dinh Hung Cuong, NOGUCHI Hidenori, UOSAKI Kohei
セッションID: 2P43
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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Fuel cell will be one of the best alternative energy sources. In which at cathode, oxygen reduction reaction (ORR) is one of well-studied processes. Here we report boron nitride nanosheets (BNNS/Au) hybridized gold as a novel electrocatalytic material for ORR and hydrogen evolution reaction (HER). BN modified Au electrode is reported to be reduced the overpotential of Au by 0.27 V. On the other hand electrochemical HER proceeds very efficiently at BNNS (0.1- 0.22 µm)/Au, with overpotentials only 40 mV larger than at Pt electrode at 15 mAcm
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吉武 道子, 肥田 聡太, 森山 拓洋, 岸田 悟, 木下 健太郎
セッションID: 2P44
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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グラフェンや厚さ4nmのPt膜など、非常に薄い膜でもダメージ無しに電気コンタクトするプローブを開発し、かつ電気コンタクトする面積を制御したものを開発している。今回、このプローブを用いて電気測定した結果を、蒸着により電極形成したものと比較し、本プローブの特徴ならではの利用方法を提案する。
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水沢 まり, 桜井 健次, 山﨑 大, Xiang Jinxing, 武田 全康
セッションID: 2P45
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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白色パルス中性子を用いた中性子反射率イメージングの方法を応用し、金電極と電解質水溶液界面の電気二重層の面内の不均一な構造を解析する。その最初の実験として固液界面の反射投影プロファイルを測定した。実験はJ-PARC MLF ML17で行った。試料は30×30×2mmtの合成石英基板上にクロムと金を順にスパッタで積層し、金スパッタに際して一部をマスクして膜厚を不均一にしたものを用いた。これを50mM硫酸を入れたセルに封入後、面内回転角を0°、90°とした時の反射投影を測定し、そのプロファイルと膜厚の不均一な分布との関係を調べた。
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安藤 淳, 宮脇 淳, 入沢 寿史, 久保 利隆
セッションID: 2P46
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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グラフェンに続く次世代ナノエレクトロニクス材料として注目を集めている、遷移金属ダイカルコゲナイド等の層状化合物半導体は、他の原子薄膜材料と同様に「比表面積」が大きく、その応用展開には、表面の理解と制御が重要となる。今回、代表的な表面修飾・加工プロセスの一つであるプラズマ照射による表面形態変化について、TiSe2、WSe2などを対象に調べた結果を発表する。
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田中 雄介, 原 正彦, 矢野 隆章
セッションID: 3Aa03
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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貴金属ナノ粒子の表面プラズモンを利用した表面増強ラマン散乱(SERS)分光法は、単一分子検出感度を有し、高感度センサーなどのデバイスへの応用が期待されている。今回我々は、非貴金属である二酸化チタンナノ粒子表面においてSERSが発現することを発見した。さらに、ナノ粒子表面に吸着した分子のSERSスペクトルが通常のラマンスペクトルとは異なることを見出し、分子吸着状態(吸着サイト等)を分光分析することに成功した。
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柳沢 雅広, 齋藤 美紀子, 國本 雅宏, 本間 敬之
セッションID: 3Aa04
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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ラマン散乱分光法は非破壊で動的な化学構造の変化を測定することができる.また高速での測定も可能なのでさまざまな外部入力と同時に測定することもできる.本報告では,摺動時の摩擦力などの機械物性とラマンスペクトルを高速で同時測定を行った結果を紹介する.
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西山 博通, 永田 伊智郎, 犬飼 潤治, 飯山 明裕
セッションID: 3Aa05S
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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高性能な固体高分子形燃料電池開発のためには、燃料電池内部の反応状態・反応分布の観察および解析が必要となる。本研究では非線形ラマン散乱分光であるコヒーレントアンチストークスラマン分光法(CARS)を用い、発電中燃料電池の電解質膜内部における水分布を高空間(5 um)・時間分解能(5秒)で測定した。種々の発電条件下における電解質膜内部の膜厚方向の水分布の定量を行い、詳細な反応解析を行った。
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柿澤 優, 飯山 明裕, 犬飼 潤治
セッションID: 3Aa06
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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燃料電池内部の反応は時間的・空間的な分布を伴って進行する.なかでも酸素還元反応は発電性能に直結しており,発電中燃料電池内の酸素分圧分布の把握が重要である.我々は、先端に酸素感応色素を塗布した光マイクロプローブを用いた新規装置を設計・構築し,過渡時を含めた発電中燃料電池のガス拡散層内部の酸素分圧計測を可能とした.新たに見いだされた燃料電池内の振動現象を、本装置を用いて解析した.
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横田 泰之, 早澤 紀彦, 楊 波, 數間 恵弥子, Catalan Francesca Celine, 金 有洙
セッションID: 3Aa08
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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電気化学走査トンネル顕微鏡(EC-STM)は、原子分解能観察が可能なことから電極表面の微視的研究に広く用いられてきた。我々は、高分解能で振動分光測定が可能な探針増強ラマン分光(TERS)に注目し、EC-STMとTERSを組み合わせたEC-TERSシステムの開発を行っている。発表では、我々のEC-TERSシステムの開発について現状を報告し、ラマンイメージングを行うための課題について議論する。
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野口 秀典, Shuo Yang, 魚崎 浩平
セッションID: 3Aa09
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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界面選択性の高い和周波発生(SFG)分光法は、反射赤外吸収分光(IRAS)、表面増強ラマン分光(SERS)等の振動分光法と同様に電気化学の分野でも適用され、界面分子構造の情報を与えてくれる。一方、界面電子構造に関する情報は、電極触媒の性能を決める上でもその重要性が多くの理論計算から指摘されているにも関わらず、乏しいのが現状である。本研究では、電気化学SFG分光法を用い、入射する可視光のエネルギーを変えることで、界面分子構造だけでなく溶液中の界面電子構造をプローブ可能であることを、モデル系としてPt/CO界面に適用した例について報告する。
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豊島 安健
セッションID: 3Aa10
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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金属表面における吸着種などを赤外反射吸収分光法で検出する際、斜め入射により検出感度の大きな増大が得られるが、金属表面直上から離れるに従い検出感度が低下することが知られている。シリコン薄膜最表面の水素を検出対象とし、薄膜成長による下地厚さの増加に伴う最表面検出感度の低下を実験的に観測し、これを定量的に解析するモデルを構築した。
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村松 康司, 高橋 直子, 奥山 勝, 大森 俊英, Gullikson Eric
セッションID: 3Aa11
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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金属とエンジンオイルの摩擦メカニズムを解明することを目的として,基本的なエンジンオイルを介して摩擦させた金属面を全電子収量軟X線吸収分光法で観察した。エンジンオイル層の軟X線吸収スペクトルを得るため,金属由来のFeL端ピークをモニターピークとすることで金属由来のスペクトルをバックグラウンドとして削除した。本法により摩擦部と非摩擦部におけるエンジンオイル層のCK端XANESを抽出することができ,特に摩擦面における薄いエンジンオイル層の状態分析ができる見通しが得られた。
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村松 康司, 大内 貴仁
セッションID: 3Aa12
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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一般に軟X線照射による絶縁性バルク試料の全電子収量測定は困難であるが,導電性基板に密着させた状態で軟X線を照射すれば,その導電性基板を介して容易に全電子収量を計測できることを見出した。これは軟X線が通過する近傍に導電パスが形成されるためであることを明らかにした。
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長 康雄
セッションID: 3Ap01
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
会議録・要旨集
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宮嵜 洋記, 小野田 穣, 杉本 宜昭
セッションID: 3Ap03S
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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これまでのAFM研究では、主にSiでできた探針が用いられ、探針先端原子はSiに固定されていた。本研究は、探針側の元素を変更することを目的として行った。探針側の元素によって、試料表面原子との間の結合エネルギーが変わることを利用して、実際に先端を他元素(具体的にはAl)に置換することに成功した。この手法を用いれば探針先端を色々な元素に変えられるため、原子間の相互作用の研究に様々な応用が可能である。
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岡林 則夫, Peronio Angelo, Gustafsson Alexander, Paulsson Magnus, 新井 豊子, G ...
セッションID: 3Ap04
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
会議録・要旨集
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原子間力顕微鏡と走査型トンネル顕微鏡による非弾性電子トンネル分光を組み合わせ、探針のつくる力場のなかでCO分子の振動状態がどのように変化するか計測した。実験結果を、二重振り子をもとにした古典的なモデルにより分析した。
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新井 豊子, 稲村 竜, 藏 大輝, 富取 正彦
セッションID: 3Ap05
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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非接触原子間力顕微鏡法(nc-AFM)を活用すれば、試料表面と探針の間で起こるエネルギー散逸を原子スケールで検出できる。本研究では、Si(111)-7×7表面を試料として、平均高さ一定モードで探針と試料間距離を変えながら、nc-AFMのトポ像、エネルギー散逸像、電流像を同時観察した。その結果、探針接近時の散逸像に、トポ像には見えないSi吸着原子の変位の痕跡と解釈できる変化を捉えたので報告する。
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坂井 公紀, 増田 卓也, 魚崎 浩平
セッションID: 3Ap06R
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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本研究では、水素終端化シリコン単結晶H-Si(111)電極のLi脱挿入過程における表面構造の変化をその場AFMにより観察した。Li挿入電位より正の電位において、電解質の粒子状分解物が電極表面に析出する様子や、Li挿入・脱離過程において、Li-Si構造体が成長・収縮する様子が捉えられた。AFM像の解析から、構造体の成長は一様に起こるのに対し、収縮は空間的に不均一に進行することが示された。
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塩足 亮隼, 杉本 宜昭
セッションID: 3Ap08R
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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金属表面に直接吸着した水分子の配列、すなわち水単分子層の構造を微視的に調べる手法として走査トンネル顕微鏡 (STM) が主に用いられてきたが、配向の異なる水分子が混在する系において、STM 像だけでその構造を決定することは難しかった。本研究では、非接触式原子間力顕微鏡 (AFM) を用いて水単分子層を高空間分解能で観察を行い、STMでは分からなかった個々の水分子の配列を可視化することに成功した。
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梅田 健一, 湊 丈俊, 小林 圭, 山田 啓文
セッションID: 3Ap09Y
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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近年、われわれが開発した液中動作の3D-FM-AFMおよびMD計算を用いて、プロトン性および非プロトン性のイオン液体水溶液中において、負帯電のMica上に形成された溶媒和構造の比較を行った。その結果、プロトン性の場合には、カチオンとアニオンが水分子と水素結合ネットワークを形成し、分子数個分のクラスター構造を形成するのに対し、非プロトン性の場合には、このような構造を形成しないことを明らかにした。
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宮田 一輝, Tracey John, 宮澤 佳甫, Haapasilta Ville, Spijker Peter, 川越 祐太, Fos ...
セッションID: 3Ap10R
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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周波数変調原子間力顕微鏡(FM-AFM)は液中で試料表面の原子分解能観察が可能な技術である。我々はこのFM-AFMの要素技術の帯域を向上させることで、分解能を維持したまま速度を∼1 s/frameに改善した。さらに、カルサイト(CaCO
3)の溶液中における結晶溶解過程を開発した高速FM-AFMでその場観察し、溶解中の原子ステップ近傍に特異的な構造の領域(遷移領域)が存在することを明らかにした。
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山田 啓文
セッションID: 3Ap11
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
会議録・要旨集
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冨田 健太郎, 野口 秀典, 魚崎 浩平
セッションID: 3Ap13R
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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非水系のリチウム-空気二次電池は、次世代大容量蓄電池として注目されているが、正極のエネルギー効率の低さと制御の難しさが実用化への障害となっている。本研究では、レドックスメディエーター型触媒を添加することでその課題の解決を試みた電池の正極反応について、電気化学水晶振動子マイクロバランス法を用いて定量的な解析を行った。溶媒の違いや充放電速度の違いが、正極反応に与える影響について調べた。
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内橋 隆
セッションID: 3Ba02
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
会議録・要旨集
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この数年、原子層から構成される真の二次元系物質と見なせる系で超伝導が発見され、注目を集めている。本講演では、シリコン表面上に形成されたインジウム原子層超伝導体を、超高真空・極低温環境・強磁場環境における電子輸送測定で調べた結果を報告する。
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菅原 克明
セッションID: 3Ba04
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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近年、様々な層状物質における原子層化による新規物性開拓が世界各地で行われている。これまで我々は、ARPESを用いた電子状態の直接観測からグラフェンなどの原子層物質における超伝導発現機構に関する研究を行ってきた。そこで講演では、グラフェンの超伝導化と遷移金属カルコゲナイド原子層超伝導体の研究成果について紹介する。
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長谷川 修司, 高山 あかり
セッションID: 3Ba06
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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これまで我々は、その場4端子伝導測定により半導体基板上の表面超構造の2次元超伝導について研究を行ってきたが、最近、表面Rashba効果を示す表面での超伝導を観測した。Rashba系表面のように空間反転対称性を破り、かつスピン軌道相互作用の大きい系では、クーパー対の一重項と三重項の混合状態が期待されている。講演では、Rashba系表面超構造における様々な実験結果を紹介するとともに、その起源について議論する。
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山影 相
セッションID: 3Ba09
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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トポロジカル超伝導体は,その表面にマヨラナ粒子が現れるため,興味深い現象が現れる可能性がある.一方,常伝導状態においても同様の系があり,トポロジカル絶縁体と呼ばれている.その表面にはディラック電子が現れるが,トポロジカル絶縁体がトポロジカル超伝導になると,表面ディラック電子と表面マヨラナ粒子が混成しリフシッツ転移を起こす.これは表面敏感な輸送現象に異常を与える.
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市村 晃一, 野村 一成
セッションID: 3Ba11
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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有機超伝導体における走査トンネル分光(STS)測定による超伝導ギャップの異方性の直接観測について報告する。我々は2次元的な超伝導物質であるκ-(BEDT-TTF)
2Xの単結晶側面においてSTS測定を行い、超伝導状態でのトンネルスペクトルの関数形が面方位に依存して変化することを見出した。この系統的な変化から超伝導ギャップはd-波対称性を持つことを明らかにした。
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金 有洙
セッションID: 3Bp01
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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銀および銅の単結晶表面上に吸着したジメチルジスルフィド分子が可視光の照射により分解する様子をSTMを用いて分子レベルで観測し、反応挙動を解析した。実験結果と第一原理電子状態計算法による理論計算結果の比較から、分子と金属基板の界面における相互作用によって、分解反応に必要な光エネルギーが減少し、分子の励起寿命が長くなった結果、金属基板上での可視光による新たな反応経路が形成されたことを明らかにした。
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一杉 太郎
セッションID: 3Bp03
発行日: 2017年
公開日: 2017/08/17
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講演者は、諸事情あり、走査トンネル顕微鏡を用いた研究から離れる。そこで、2008年から講演者が注力してきた、「走査トンネル顕微鏡による金属酸化物薄膜研究」を振り返る。SrTiO
3、LaAlO
3、(La,Sr)MnO
3、SrVO
3,LiTi
2O
4薄膜などの原子像観察に加え、表面における二次元電子状態に関する知見を総合的に報告する。そして、研究を終えるにあたって思うことを包み隠さず述べる。
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