(1) 各種のサムプルを採取した弾力性のあるサムプル容器ユニツト群を耐圧容器中に充てんし, 所定の成型条件において水圧により加圧成型することを特徴とする固結に関する試験装置を考案した. 本試験装置は構造が簡単で取扱いやすく, 圧縮成型に関する方向性がなく, また成型条件に関するバラツキのない多数の成型サムプルが容易に得られるので, 固結現象を定量的に解明するための精度の高い大量のデータをじん速かつ容易に得る目的に適していることが判明した.
(2) 圧力, 温度, 時間, 水分等の個々の因子と固結強さの関係を定量的に求め, 一般式で表わすことができた.
(3) 固結に関係のある諸因子について綜合的な試験を行い固結現象を定量的に解明することができた. すなわち, 諸因子と固結強さの関係を一つの式にまとめて表わすと
y=k
2·θ
1/2·e
c1p·e
k1pt-k
2'·θ
-1/2·e
-c1'
p·e
-k1'
ptたゞし, 第一項において
k
1=const.
c
1=f
1(σ, ψ)
k
2=k
3f
2(m, x)
となる. 第二項は第一項と全く同様であつて, たゞ各常数に負号を与えた形式である. 上式における各記号は
y: 固結強さ θ: 時間 m: 水分
p: 圧力 σ: 粒度分布 x: 不純分
t: 温度 ψ: 粒子の形状 k
3: 常数
である.
(4) 上式において諸因子中の1ヶに着目して他を常数として扱えば, その因子と固結強さの関係を表わす一般式となる. 第二項は弱い固結条件においては大きな影響を有するが, 強い固結条件においては無視することができる. また, 平均粒径が1mm以上の場合にはc
1, c
1'が零, すなわちe
c1p, e
-c1'
pが1であると見なして差支えない.
(5) 上式の現場あるいは他物質への適用や固結機構等に関する簡単な考察を行つたが, これ等については別途に試験を行う予定である.
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