日本ハイパーサーミア学会誌
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21 巻, 4 号
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  • 伊藤 要子, 田澤 賢次, 和田 重人, 古谷 由香里, 八塚 美樹, 安田 智美, 吉井 美穂, 小川 耕平, 田澤 賢一, 大野 日佐太
    2005 年 21 巻 4 号 p. 209-220
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    HSP (heat shock protein) には, 予めこれを誘導しておくことで細胞修復作用や生体防御作用が認められ, 大きな侵襲による損傷を抑制することから, スポーツ競技力向上, 回復にその効果が期待される.これらの背景をもとに, ヒトにおいて遠赤外線照射加温により安全に能率よくHsp70が誘導し得るか否かを検討した.さらに加温による負荷を軽減する目的で, テプレノン服用後に遠赤外線照射の加温時間を半分に短縮し, その効果を検討した.
    腹・仰臥位をそれぞれ20分間ずつの合計40分間, 40から42℃に遠赤外線照射加温しHsp70の誘導動態を確認した.Hsp70の誘導は, 加温48時問後で2.64倍 (p=0.051), 96時間後で2.07倍 (p<0.05) と有意に増強した.さらに, テプレノン600mg/日の服用の24時間後に加温時間を半分とした遠赤外線照射加温行ったがHsp70の有意な増加は得られなかった.
  • テクニックと合併症について
    高橋 英明, 田中 隆一, 宇塚 岳夫, IGOR GRINEV
    2005 年 21 巻 4 号 p. 221-230
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    [目的] これまで我々は摘出術の不可能な脳腫瘍に対して13.56MHz RF組織内温熱療法を試みてきた.今回, 組織内加温用の電極 (RFアンテナ) の定位的腫瘍内刺入, 留置法についてその達成率, 合併症について検討した.
    [方法] 脳腫瘍125例, 144回の電極設置術施行例を対象とした.内訳は神経膠腫108例 (初発54, 再発54例), 転移性脳腫瘍24例, 悪性リンパ腫5例, 髄膜腫5例, その他2例である.設置手術は, 局所麻酔下に定位脳手術装置を用い, 直径1mmの針状電極と温度センサー用のカテーテルを刺入, 留置した.術後頭蓋単純写および頭部CTにて腫瘍内電極位置と出血などの合併症の有無を確認した.
    [結果] 電極を1, 2, 3, 4, 5, 6本挿入した症例はそれぞれ85, 43, 2, 12, 1, 1例であった.144例中, 138例は適切な位置に電極ならびにカテーテルが設置され, 温熱治療を施行し得た (95.8%).一方, 3例に術後出血を認め, 2例は電極の位置が不適切であり, 1例は髄液漏となり計6例 (4.2%) が温熱治療未実施におわった.
    [結語] 組織内温熱治療のため, 定位的電極およびカテーテル設置術は安全でかつ有効な方法であった.
  • 八塚 美樹, 和田 重人, 原 元子, 松井 文, 駒井 希望, 安田 智美, 吉井 美穂, 田澤 賢次
    2005 年 21 巻 4 号 p. 231-236
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2010/01/29
    ジャーナル フリー
    遠赤外線温熱療法は, 免疫賦活作用を有する癌治療法として, 今改めて注目されている.その特徴は相補・代替医療の特徴を備え, 西洋医学単独では解決しえない病態や未病への治療となる新たなる領域である.そこで, 今回, 肩こり, 不眠, 冷え等の体調の不良を訴える人を対象に, 遠赤外線温熱刺激による効果を, 気分プロフィール尺度 (POMS) を用いて心理的側面の変化から検討した.結果として, 温熱刺激により「抑うつ-落ち込み」, 「怒り-敵意」, 「混乱」においてPOMS評点の有意な低下, 「緊張-不安」, 「疲労」の低下傾向が認められ, 温熱刺激が心理的側面に影響を与えることが示唆された.
  • アンテナ周辺の加温分布計算に基づいた臨床応用
    齊藤 一幸, 青柳 裕, 伊藤 公一, 堀田 洋稔
    2005 年 21 巻 4 号 p. 237-245
    発行日: 2005/12/01
    公開日: 2009/10/21
    ジャーナル フリー
    筆者らはこれまで, マイクロ波組織内加温法に用いる同軸スロットアンテナの研究開発を行ってきた.本論文では, 1本の同軸スロットアンテナおよび2ないし4本の同軸スロットアンテナで構成したアレーアプリケータが生体内において発生させる温度分布の数値シミュレーションを行った.さらに, これらの検討結果を基にして, これまでに4例の臨床応用を行い, 本アンテナの有効を確認した.
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