イギリスの国立図書館ブリティッシュ・ライブラリー(British Library)は,1972年の成立から現在にいたるまでに,6回にわたる将来計画としての「戦略計画(Strategic Plan)」を発表し,その存在をアピールしてきた。本稿は,この「戦略計画」がそれぞれどのような内容を持ち,計画がどのように変遷していったか,その背景に何があったかを見きわめる試みである。ブリティッシュ・ライブラリーの「戦略計画」は自己の改革を目指したものであったが,図書館の将来の方向への改善と軌道修正を含んでいるため,今後に続く取り組みもまた,世界の図書館界から注目されることになろう。
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