金属基板薄膜サーマルヘッドを試作し,同一プロセスで製作したアルミナ基板サーマルヘッドと,主走査方向の濃度分布の特性比較を行ったところ,転写濃度の均一性は金属基板が優れていた.
転写濃度分布の不均一性を引き起こす原因について,有限要素法による熱解析などにより検討した結果,主原因は次の2要因であることが明らかになった.
(1)サーマルヘツド表面と,インクシートとの接触状態で決まる等価エアギャップの分布状態.
(2) 中央に位置する発熱体と端部の発熱体とで,コモン抵抗値が異なることに起因したコモン電極抵抗値の不均一性.
金属基板薄膜サーマルヘッドが転写濃度均一一性に優れる理由は,基板表面の平坦性に優れ,等価エアギャップの分布が均一で,しかも基板自体をコモン電極にでき,コモン電極抵抗値の均一化が図れるためと考えられる.
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