レーザ光の熱によりワックス・インクを転写させるレーザ光加熱型溶融転写方式において主に媒体の検討を行った.インク層のワックスの種類,および厚みを変えプリント実験を行い,また,熱バイアスの効果も検討した.PETフィルムとワックス・インクの融解熱を考慮した二次元熱解析モデルを開発した.このモデルに閾値温度を導入することでレーザ・パワー密度に対する記録エネルギーの変化の予想曲線を求め,実験データと比較した.
本報告で次の結論が得られた.
(1)記録エネルギーの低減に熱バイアスは大きな効果があったが,ワックス・インクの処方は他のインク特性と関連し,記録エネルギーの低減に寄与できなかった.
(2)熱解析モデルと実験との比較により画素中心の温度がインク転写過程に大きく影響していることが示唆され,結果として画素中心のインク/受像紙の接着が重要であると理解される.
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