電子写真学会誌
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33 巻, 2 号
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論文
  • 金子 明成, 星川 潤, 住谷 浩一
    1994 年 33 巻 2 号 p. 118-126
    発行日: 1994年
    公開日: 2007/05/31
    ジャーナル フリー
    レーザ光の熱によりワックス・インクを転写させるレーザ光加熱型溶融転写方式において主に媒体の検討を行った.インク層のワックスの種類,および厚みを変えプリント実験を行い,また,熱バイアスの効果も検討した.PETフィルムとワックス・インクの融解熱を考慮した二次元熱解析モデルを開発した.このモデルに閾値温度を導入することでレーザ・パワー密度に対する記録エネルギーの変化の予想曲線を求め,実験データと比較した.
    本報告で次の結論が得られた.
    (1)記録エネルギーの低減に熱バイアスは大きな効果があったが,ワックス・インクの処方は他のインク特性と関連し,記録エネルギーの低減に寄与できなかった.
    (2)熱解析モデルと実験との比較により画素中心の温度がインク転写過程に大きく影響していることが示唆され,結果として画素中心のインク/受像紙の接着が重要であると理解される.
  • 中沢享 , 川原 在彦, 水田 泰史, 宮本 栄一, 武藤 成昭, 大木 茂, 細田 徹
    1994 年 33 巻 2 号 p. 127-134
    発行日: 1994年
    公開日: 2007/05/31
    ジャーナル フリー
    ペリレン顔料を電荷発生材料としてホール輸送材料とともに均一に分散した単層感光体の光電機構を考察する目的で,ペリレン顔料の結晶型をα型およびβ型とした場合のゼログラフィック特性を研究した.その結果,機能分離型積層感光体とした場合の電荷発生効率はβ型の方が大きいにも関わらず,単層感光体での光感度はα型を用いた方が高感度であることが判明した.この要因としてα型を用いた場合はエレクトロン輸送特性がβ型よりも著しく優れ,その結果として感光層内部で発生した電荷の感度への寄与はα型の方が大きいことが確認された.ペリレン顔料をホール輸送型マトリックスに分散した感光体の光感度はそのホール輸送特性のみならず,エレクトロンの輸送特性にも密接な関係があることを明らかにした.
  • 丁 錦利, 内藤 裕義, 奥田 昌宏, 堂丸 隆祥
    1994 年 33 巻 2 号 p. 135-141
    発行日: 1994年
    公開日: 2007/05/31
    ジャーナル フリー
    アモルファス半導体の過渡光伝導からその局在準位密度分布を決定するラプラス変換を用いた新しい方法を提案した.従来の方法とは異なり,本方法は再結合時問をはさんだ広範囲の過渡光伝導から局在準位密度分布を決定することが可能である.アモルファス半導体でよく見い出される様々な局在準位密度分布への本方法の適用性を数値計算により吟味した.その結果,本方法はほとんどすべての分布に対して有効であることを示すことができた.
  • Seiji AKITA, Yoshio OZAWA, Kohkichi ISHIBITSU, Takao KAWAMURA
    1994 年 33 巻 2 号 p. 142-148
    発行日: 1994年
    公開日: 2007/05/31
    ジャーナル フリー
    本論文では,コロナ放電を全く用いず(オゾンを生成せず),さらに廃トナーの生じない新しい電子写真プロセスを提案する.現像の実験には膜厚が6μmと従来の感光体よりも非常に薄い直径30mmのa-Si感光体と,磁性絶縁性トナーと磁性導電性キャリアからなる2成分現像剤を用いた.感光体の帯電は導電性キャリアを通して行い,これと同時にLEDヘッドによって画像形成を行う.トナーは絶縁性であるため,導電トナーを用いたプリント方式で問題になっていた転写が容易に静電的に行うことができる.本方式で,感光体周速5cm/s,印加電圧60Vで,画像濃度1.3を達成した.さらに,感光体のキャリア伝導を考慮し,感光体の表面電位の変化を計算した.その結果,キャリア移動度の高いa-Si感光体が本システムに非常に適していることを明らかにした.
資料
Imaging Today
『ハード・コピー・マーキング技術における画質制御技術の現状と今後』
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