電子写真学会誌
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35 巻, 4 号
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論文
  • 茅原 伸, 星野 勝義, 小門 宏
    1996 年 35 巻 4 号 p. 304-314
    発行日: 1996年
    公開日: 2007/04/06
    ジャーナル フリー
    電子供与性および電子受容性ドーパントをポリスチレンフィルムにドープし, 湿度制御下で鉄粉キャリアとの摩擦帯電を行った. 電子供与性ドーパントはフィルムの帯電をプラス方向にシフトさせると同時に湿度依存性を低下させる効果があり, またその効果は, ドーパント分子のサイズに依存し, π共役系が発達したドーパントでは大きな電位のシフトと湿度依存性の著しい低減が見られた. 一方電子受容性ドーパントは湿度依存性を強調する作用を示した. また, 電子供与体と電子受容体を混合ドープした場合, フィルムの帯電性は電子供与体に支配されたが, 電子供与性基と電子受容性基を同一の分子内に有するドーパントを用いた場合には, その効果はより小さく現れた. さらに, 電子供与性基と電子受容性基の相対位置と帯電性の関係について検討を行い, 湿度依存性がオルト<メタ<パラ置換体の順で増大することがわかった.
  • —ドット形成過程における媒体の形状変化と熱応答特性—
    尾台 佳明, 加藤 雅敏, 北村 孝司, 小門 宏
    1996 年 35 巻 4 号 p. 315-324
    発行日: 1996年
    公開日: 2007/04/06
    ジャーナル フリー
    レーザ熱転写記録方式はサーマルヘッドの代わりに集光されたレーザ光を熱源として用いるもので, レーザ光の高集束性を利用した微細なドットの記録が可能である.
    本研究では,昇華型レーザ熱転写のドット形成プロセスを明らかにする目的で,記録時の媒体の形状変化および温度変化に着目して実験・解析を行った.まず,原子問力顕微鏡を用いてインクシートおよび受像紙のミクロ的表面形状変化を測定することにより,ドット形成時には両者が膨張し,接触して押し合いをする挙動を明らかにした.また,レーザパルス照射時の温度分布の数値計算を行い,実験結果と比較することによって,媒体の膨張や転写開始の現象が熱応答特性により説明できることを示した.さらに,転写開始に関連するインク層下面の温度変化を簡単な2次遅れ系モデルを用いて解析し,短パルス照射時の応答特性を明らかにした.
  • 朝苗 益實, 阿部 修実, 竹内 学, 野代 敏彦, 落合 正久, 山下 恵太郎
    1996 年 35 巻 4 号 p. 325-331
    発行日: 1996年
    公開日: 2007/04/06
    ジャーナル フリー
    電子写真システムで低価格の現像方式を実現するため,現在一般に使用されているマグネットローラーからスリーブとフランジを除去した,スリーブレスマグネットローラーを用いて,現像条件を検討した.スリーブレスマグネットローラーは,直径20 mmのフェライト磁石製で,16極もしくは32極に着磁されたものを使用した.スリーブレス現像方式では,現像ギャップとドクターギャップの差を約0.1 mmに選ぶことにより,画像品質が最も高く,従来のスリーブ付き現像方式とほぼ同等の画像が得られることがわかった.磁性トナーのみでは磁気ブラシの高さが低いため良好な画像が得られなかった.一方,磁性トナーと鉄粉キャリアの組み合わせにおいては磁気ブラシが高く,感光体との接触が十分になり,かつ,トナーの帯電量も増加する.その結果,トナー濃度が20~70wt%で従来のスリーブ付き現像方式と同等の画像が得られた.
    磁性1トナーと鉄粉キャリアの組み合わせを用いた場合,トナー中の磁性粉の含有量が10~50wt%の広い範囲で高い画像濃度が得られた.非磁性トナーと鉄粉キャリアの組み合わせにおいて,スリーブ付き方式よりはるかに広い範囲(10~60wt%)のトナー濃度でスリーブレス方式を使用出来ることを確認した.非磁性トナーと鉄粉キャリアの縄み合わせを使屠したときの現像バイアス電圧に対する画像濃度変化は,従来の非磁性i成分現像方式と非常に類似している.磁性トナーおよび非磁性トナーの両方を鉄粉キャリアと繕み合わせて最適条件で各i万枚の連続テストを行い,ともに,画像濃度は一定であることを確認した.
Imaging Today
『光・電子機能材料と画像形成への期待』
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