電子供与性および電子受容性ドーパントをポリスチレンフィルムにドープし, 湿度制御下で鉄粉キャリアとの摩擦帯電を行った. 電子供与性ドーパントはフィルムの帯電をプラス方向にシフトさせると同時に湿度依存性を低下させる効果があり, またその効果は, ドーパント分子のサイズに依存し, π共役系が発達したドーパントでは大きな電位のシフトと湿度依存性の著しい低減が見られた. 一方電子受容性ドーパントは湿度依存性を強調する作用を示した. また, 電子供与体と電子受容体を混合ドープした場合, フィルムの帯電性は電子供与体に支配されたが, 電子供与性基と電子受容性基を同一の分子内に有するドーパントを用いた場合には, その効果はより小さく現れた. さらに, 電子供与性基と電子受容性基の相対位置と帯電性の関係について検討を行い, 湿度依存性がオルト<メタ<パラ置換体の順で増大することがわかった.
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