日本色彩学会誌
Online ISSN : 2189-552X
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43 巻, 4 号
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  • 中島 由貴, 何 水蘭, 渕田  隆義
    原稿種別: 原著論文
    2019 年 43 巻 4 号 p. 203-
    発行日: 2019/07/01
    公開日: 2019/07/24
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     手の肌色の見えは,照明光や手指の先に施すネイル色の影響を受けて複雑に変化する.本研究は,様々な演色性を有するLED照明光下でネイル色(ピンク,黄色)を付加した手の肌色の見えを評価し,照明光およびネイル色によって手の肌色の見えがどのように変化するのかを主観的,測色的に分析した.その結果,演色性が高い光源(Ra > 80)下では,ネイル色によって手の肌色の見えが変化し,ピンクネイルでは肌色の赤みが強く評価され,黄色ネイルでは黄みが強く評価された.この結果は肌色がネイル色の色相に誘導されたことを意味し,色相同化によって説明がつく.一方,肌色を鮮やかに演色する光源,またはくすませる光源下ではネイル色の影響が生じず,肌色の演色色再現の特徴に基づいて見えが決定された.以上から,多くの一般照明(Ra > 80)下では,光源の演色性の影響だけでなく,ネイル色によって肌色の見えそのものが変わるという結論を得た.

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