日本色彩学会誌
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40 巻 , 1 号
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日本色彩学会誌 第40巻 第1号
  • 横田 香世, 成田 智恵子, 西本 博之, 濱田 泰以
    2016 年 40 巻 1 号 p. 3-12
    発行日: 2016/01/01
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    明治になって西洋画を描くことが推奨されたことに伴い,西洋画絵具の国産化が始まった.1919年には,京都でソフトパステルが初めてつくられるようになった.ソフトパステルの特徴はあらかじめ多くの色数が揃えられているところである.「日本の風土を描くためのパステルがほしい」という洋画家,矢崎千代二の依頼により製造に取り組んだという逸話から,本研究では画家がどんな色を求めたのかを探った.国や地域には「伝統色」とよばれる特徴的な色合いがある.その色合いが描画材料に反映しているのではないかと仮説を立て,マンセル表色系を使って日本及びフランス製のパステルセットと各伝統色の関連性を調べた.あわせて創業の歴史と製造方法及び旧来と現在との色揃えについて,製造者にヒアリング調査を行った.その結果,日本人の繊細な色彩感覚に応える色合いを揃えたことと独特の顔料調合方法を用いたことがわかった.その背景には創業者自身の絵描きとしての思い入れがあったことを窺い知ることができた.
  • 日髙 杏子
    2016 年 40 巻 1 号 p. 13-22
    発行日: 2016/01/01
    公開日: 2016/04/01
    ジャーナル オープンアクセス
    ブリティッシュ・カラーカウンシル(BCC)は,1930 年代から1950 年代に活発に出版物を発行した色彩標準化団体であった.これらの精緻な出版物は,独自な色名法と表色系に特徴づけられる.1956 年に,刊行物の一つで第2 版が発行された後,組織は経営停止し,現在は消息不明である.本研究では,BCC による5 種類の刊行物を調査し,その独自性を分析する.BCC の方針はアメリカやドイツ由来の定量的表記を避けつづけ,イギリス独自の表色系を作ろうとしていた点で,イギリスの政治的孤立主義の影響が推測できる.色名,特殊コードや番号の使用,色彩用語「ティントとシェード」の解釈,ブラウンスケールの導入は,BCC の独自な方向性を裏づけている.しかしながら,BCC の色彩の表記は,グローバルスタンダードとしての確立に躓いていた.1953 年に英国規格協会(BSI) によるマンセル表色系の導入,さらに1969 年にインペリアル・ケミカル・インダストリーズ(ICI) によるカラーアトラスの発行は,BCC の閉鎖を招いた可能性がある.
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