日本線虫学会誌
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24 巻, 2 号
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  • M. A. EL-SHERIF, A. H. ALI, M. I. BARAKAT
    1994 年 24 巻 2 号 p. 55-59
    発行日: 1994/12/22
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    Meloidogyne incognitaの卵塊およびHeterodera zeaeのシストからいくつかの細菌を分離した。殺線虫効果という点でそれらの細菌をスクリーニングした結果、5種が植物寄生性線虫に対して拮抗作用をもっていた。その分離株は、Bacillus sp.、Corynebacterium sp.、Serratia sp.、Arthorobacterium sp.、Streptomyces sp.であった。これらは、卵塊やシストに付随していることが多かった。その5つの分離株の培養液は、0.1%という低濃度でもM.incognitaの卵の孵化を阻害した。0.6%濃度の培養ろ液は、M.incognita、Rotylenchulus reniformisならびにTylenchulus semipenetransに高い毒性をもっていた。しかし、もっと低い濃度では、この毒性効果は線虫の種類によって異なった。
  • 石橋 信義, 王 小冬, 近藤 栄造
    1994 年 24 巻 2 号 p. 60-68
    発行日: 1994/12/22
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    昆虫病原性線虫Steinernema carpocpsae感染態幼虫 (IJs) のニクテイションは、宿主昆虫への感染と平行して生起するものと想定し、線虫の感染性はニクテイション率で推定できることを確認するため、ハチミツガ幼虫死体から出現したIJsを8℃に、0、2、4、6、8週間置いた後、24時間後バーク堆肥上でのニクテイションとハチミツガ感染性を検討した。対照にはニクテイションと同時間 (24hr, 25℃) 水中に静置したIJsを用いた。感染性試験には線虫との接触を24時間とした。さらに2日おいた後、昆虫死体を解剖し、侵入率ならびに侵入幼虫の性比 (雄の比率) を調査した。各保存時間後のニクテイション率は、昆虫糞存在下で13.2、17.7、33.1、38.8、58.2%、無糞の場合は、3.2、8.4、14.8、10.5、13-2%といずれも、保存時間の延長とともに上昇する傾向を示した。侵入率 (ペトリ皿濾紙試験) も同様に、32.6、45.1、33.2、44。3、58.2%と上昇した。水中に静置したIJsでも、11.4、29.1、21.0、23.1、51.6%と保存時間の延長とともに上昇した。ニクテイティングのIJsを、バーク堆肥円筒 (5cm-h) の底面に接種した場合の侵入率は、実験期間を平均して9.6%と低かったが、上述と同様、保存時間とともに上昇する傾向が見られた。本実験において得られたニクテイション率と侵入率にはr=0.720の正の相関があった。昆虫死体から出現後、個体群の一部分しか感染性を示さず、全体として感染期間の延長を計ることは、種の維持戦略と考察する。
    24時間以内に侵入した感染態幼虫の性比は、バーク堆肥上でニクテイションしているものが55.4%、静置水からとりだしたIJsは37.2%であった。バーク堆肥円筒試験では侵入率が低かったにもかかわらず、実験期間平均で69.5%、低温保存6、8週間後は約80%と雄が圧倒的に多くなった。これは繁殖成功を高めようとする雄成虫の戦略と考察する。
  • 1. 土壌中の第2期幼虫数と雌成虫の根着生数
    松尾 和之, 清水 啓, 山本 泰由, 辻 博之
    1994 年 24 巻 2 号 p. 69-74
    発行日: 1994/12/22
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    省化学肥料・農薬栽培のための基礎的データを得る目的で、ダイズシストセンチュウ (Hgteroderaglycines ICHINOHE) 密度に及ぼす乾燥牛糞施用の影響を、根粒非着生のダイズ系統 [T201] を用いて検討し、以下のような結果を得た。
    1) 乾燥牛糞の施用により、ダイズへの雌成虫の着生数は顕著に増加した。乾燥牛糞を施用すると、ダイズの生育や土壌中の無機態窒素量等が変化するが、これらのパラメータと雌成虫数との相関は低かった。
    2) 雌成虫着生数は、乾燥牛糞の施用量が多いほど増加する傾向にあった。乾燥牛糞によるシストの持ち込みの可能性はなかった。
    3) 乾燥牛糞の施用によって、土壌中の第2期幼虫数は短期間のうちに大幅に増大した。試験の範囲では、ダイズの有無による第2期幼虫数への影響は小さかった。
    4) 乾燥牛糞添加土壌を25又は20℃の人工気象室内に一定期間置いた後ダイズを播種し、18日後の雌成虫数を調査したところ、ダイズの播種が遅れるほどダイズへの雌成虫着生数は減少した。播種の遅れに伴う雌成虫の減少は、25℃が20℃に比べ速やかであったが、60日以降の播種では両温度条件とも雌成虫の着生はほとんど認められなかった。
  • Nozomu MINAGAWA, Takayuki MIZUKUBO
    1994 年 24 巻 2 号 p. 75
    発行日: 1994/12/22
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
  • 清水 啓
    1994 年 24 巻 2 号 p. 76-78
    発行日: 1994/12/22
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
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