九州産の菌食性線虫
Aphelenchus avenaeは、種々の植物質産業廃棄物をいくつか組み合わせた培地上で、
Rhizoctonia solani AG-4を餌菌として容易に大量生産できた。本線虫の生産は、従来の植物質に動物性産業廃棄物を加えることにより、飛躍的に増加した。緑茶出し殻 (製茶屑でもよい) を培地へ30%(乾物重比) の割合で添加すると、培養期間中の培地のpH変動は小さくなった。種々の組み合わせを検討した結果、乾物重比として、ブロイラー加工工場汚泥35%、焼酎製造工程搾り津35%、使用済み緑茶出し殻30%の培地109 (乾物重) を水分60%に調整し餌糸状菌
R.solani AG-4の菌叢1片と線虫200頭を同時接種し、250Cで、20日後約112万頭に増殖した。この値は、植物質を組み合わせした培地のほぼ10倍に相当する。植物質培地だけでは、一般に、接種後30日で増殖数は最高に達するが、動物質を加えることにより繁殖は促進された。本線虫は、PDA (ジャガイモ800g、dextrose80g/1、pH 5.6の燐酸緩衝液で調整) を浸み込ませたスポンジを底質としても大量生産が可能であった。PDA 16mlをスポンジ1gにしみ込ませ、この20gを100mlフラスコに入れ、
R.solaniを餌糸状菌として、線虫200頭を接種し、25℃ にて30日後約109万頭が得られた。
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