日本線虫学会誌
Online ISSN : 1882-3408
Print ISSN : 0919-6765
ISSN-L : 0919-6765
29 巻, 2 号
選択された号の論文の6件中1~6を表示しています
  • 安達 宏, 石井 直明
    1999 年 29 巻 2 号 p. 1-6
    発行日: 1999/12/29
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    There have been numerous studies of seeking evidence for common mechanisms of aging. Study of Caenorhabditis elegans has provided much information and breakthrough techniques for gerontologists. The influence of genome on life span is clearly observable, and several genes have been defined in the last decade. These genes also seem to govern resistance to oxidative stress involving aging process. In this review we survey the ways in which genetical investigations have done among gerontologists in the last decade, some of the consequences of the genes which are responsible for life span, and some of prospects for life span determination mechanism and aging process control mechanism in C. elegans.
  • 大類 幸夫
    1999 年 29 巻 2 号 p. 7-15
    発行日: 1999/12/29
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    日本産ネコブセンチュウの第2期幼虫または雄成虫の1個体に基づく種の同定にRandom AmplifiedPolymorphic DNA-Polymerase Chain Reaction (RAPD-PCR) 法を利用するため、プライマーのスクリーニングおよび鋳型DNAの抽出方法を検討した。10種の日本産ネコブセンチュウ (Meloidogyne incognita, M. arenaria, M. javanica, M. hapla, M. suginamiensis, M. marylandi, M.mali, M. camelliae, M. arenaria 近縁種およびM.mali近縁種) の種の同定に最適なプライマーを10塩基のランダムプライマー120種類 (OPA, OPB, OPC, OPD, OPFおよびOPG: OperonTechnologies) の中から検索した結果、プライマーOPA-01のみで日本産ネコブセンチュウ10種の識別が可能であった。第2期幼虫または雄成虫の1個体からlysis buffer (DNA抽出緩衝液) で抽出した鋳型DNAおよびプライマーOPA-01を用いて得られたPCR産物は、明瞭で安定した種固有のRAPDパターンを示した。1個体の第2期幼虫あるいは雄成虫からlysis bufferで抽出した鋳型DNAおよび多数の雌からの精製DNA抽出方法で抽出した鋳型DNAを用いて増幅したRAPDパターン問に差違があった。この差は、M.arenariaM.javanicaで特に認められ、鋳型DNAの抽出方法の違いによる有効なマグネシウム濃度の差違に起因していると推測された。
  • 中澤 和則
    1999 年 29 巻 2 号 p. 16-23
    発行日: 1999/12/29
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    群馬県内の湿地土壌の中から、モノンクス属の線虫3種 (M.truncatus、M.aguaticus、M.tunbridgensis) を分離・同定した。M.truncatusは、水田及び流水地土壌など、常時湿っている土壌を好む種と思われた。M.aquaticus及びM.tunbridgensisは水田から多く検出されたが、M.aquaticusの検出地点数は少なかった。これらのモノンクス属3種の生息個体数には、水はけの良し悪しが大きく影響すると推測された。M.truncatusは、山地の沢沿いの土壌からも多く検出されたが、水田から検出されたものと比べて、口腔が大きく、尾長が長い傾向がみられた。
  • Rustom ALI, 山口 幸彦, 石橋 信義
    1999 年 29 巻 2 号 p. 24-34
    発行日: 1999/12/29
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    九州地方、沖縄、茨城および福島県から採集したAphelenchus avenae15分離株の遺伝的多様性をPCR-RFLP法およびRAPD法で検索した。RAPD解析のために適当なプライマーを見いだすため、40種類の10rnerプライマーを検討した。そのうちの12プライマーから検出された106のバンドについて解析し、分離株全体で77.5~100%の類似性が得られた。さらに類似性のデンドログラムから15分離株は4群に分けられた。これら15分離株の遺伝的類似性は地理的分布、寄主糸状菌選好性および雄成虫出現頻度とは何ら関連性を示さなかったが、RAPD法はAphelenchus avenaeの種内変異 (生理的特徴) を検索するには有効な方法であることが示唆された。一方、rDNAの5.8SおよびITS領域のPCR産物は15分離株全部が0.9kbを示し、このPCR産物を7個の制限酵素で消化処理したRFLPパターンに種内変異は見られなかった。
  • Rustom ALI, 山口 幸彦, 石橋 信義
    1999 年 29 巻 2 号 p. 35-41
    発行日: 1999/12/29
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    九州7県並びに沖縄、茨城、福島から採集したAphelenchus avanae 15分離株について、ポリアクリルアミドゲル電気泳動による非特異性エステラーゼアイソザイムパターンを比較検討した。その結果、12本のアインザイムバンドが検出され、その殆どは全分離株に共通していた。バンドパターンによるクラスター解析並びにデンドログラム構成から、15分離株は4系統に分けられ、2群のクラスターは先に報告したPCR-RAPD法による分析と一致した。しかしながら両方法とも、採集した分離株の地理的関係並びに寄主糸状菌選好性とは何ら関係を示さなかった。本研究は、本線虫の生物的防除材としての実際的活用に当って本邦産A.avenaeのレースまたは系統を樹立する一連の研究であるが、先に報告した研究と合わせて寄主糸状菌選好性や温度選好性は遺伝的多様性に基づくものではなく、適応によるものであると考察した。
  • 中鉢 一義, 古川 誠, 福田 重昭, 高橋 宣治, 松村 昭治, 板川 秀雄, 清水 映夫, 中川 彰
    1999 年 29 巻 2 号 p. 42-45
    発行日: 1999/12/29
    公開日: 2011/08/11
    ジャーナル フリー
    各地土壌から分離した放線菌からネコブセンチュウ2期幼虫の運動性の抑制機能を有する放線菌を探索し、抗線虫活性を示す6菌株 (Streptomyces sp.と同定) を選抜した。これら放線菌について培養液処理区と無処理区に分けて、線虫汚染土を用いてキュウリのポット栽培 (約1カ月間) による施用試験を行った。センチュウ防除効果は草丈、地上部生体重、キュウリ根のゴール着生度ならびにセンチュウ密度の増減を指標として評価した。その結果、6菌株の培養液処理区では無処理区と比較していずれも有意な線虫防除効果を見出した。
feedback
Top