産学連携学
Online ISSN : 1881-8706
Print ISSN : 1349-6913
ISSN-L : 1349-6913
16 巻, 1 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
第6代産学連携学会長 挨拶
特集 研究会における学術的取組事例・成果
  • ~学金連携システム研究会10年の歩みを振り返って~
    伊藤 慎一, 小野 浩幸
    2020 年 16 巻 1 号 p. 1_3-1_9
    発行日: 2020/01/31
    公開日: 2020/03/06
    ジャーナル フリー

    学金連携システム研究会は,地域金融機関と大学の連携とその地域貢献活動状況を明らかにすることで,学金による協調したイノベーションの発現に必要なことは何かを考えるために設立された.学金連携システム研究会発足から10年が経過するが,その間,地域金融機関と大学を取り巻く環境も大きく変化した.本稿では,学金連携システム研究会のこの10年のあゆみについて振り返るとともに,研究会活動のなかで明らかにされた課題に関して実施した調査結果について報告する.

  • 西川 洋行, 林 里織, 入野 和朗
    2020 年 16 巻 1 号 p. 1_10-1_16
    発行日: 2020/01/31
    公開日: 2020/03/06
    ジャーナル フリー

    科学技術イノベーションを支える研究や事業の支援人材は,研究者や起業家,民間企業者や地域住民等,周囲の関係者や連携組織等の人的ネットワークの下で活動している.本研究会はそうした支援人材の判断や行動を調査・理解し,それを支配する心理状態の解明を研究目的としている.ヒトは自由な個人であると同時に組織に縛られる組織人の2面性を持つが,組織間連携事業等では特定の組織の影響が弱まる結果個人としての側面が現れ,組織内での認識や暗黙知の共有が困難となり,効果的な組織運営が難しくなる.支援人材を取り巻く関係性を経済,社会,人材の3つの視点でとらえ,ヒトの心理状態の解明から支援人材の研究を進めている.

  • オープン・イノベーションで切り拓く価値創造:―成功のカギは4段階のValueをつなぐこと―最重要はISO56002に則したオープン・イノベーションのシステム創り
    松本 毅
    2020 年 16 巻 1 号 p. 1_17-1_22
    発行日: 2020/01/31
    公開日: 2020/03/06
    ジャーナル フリー

    日本企業の間でオープン・イノベーションのブームが起こっている.オープン・イノベーションも単なる大手企業とベンチャーの連携(大手企業のベンチャー投資)といった単純な議論が横行している.産学連携オープン・イノベーションも含めて,今こそ原点に立ち戻り検証すべきである.

    実例・ケーススタディをもとにベストプラクティスを研究する取り組みを開始している.ISO56002イノベーション・マネジメントシステム(IMS)が2019年7月に発効された.産学連携オープン・イノベーションで成果を出す為には,企業,大学がISO56002に基づくオープン・イノベーションのマネジメントシステムを創る事が最も重要になっている.

  • 菅 万希子
    2020 年 16 巻 1 号 p. 1_23-1_28
    発行日: 2020/01/31
    公開日: 2020/03/06
    ジャーナル フリー

    本稿では,特集の視点である研究会活動における学術的取り組みや成果について,社会科学領域の研究に焦点をあてた地域社会実装研究会による産学連携の推進を,中小企業経営者への調査結果と共に分析した.そこから,社会科学研究の社会実装にむけた課題として,機能が明確でなく,定量化が困難であること,また解決の方向性として,社会科学研究の社会実装の技法の研究と体系化の必要性を提言し,中小企業にとっての社会実装の成果が,“company value”ではなく“company perceived value”である可能性について言及した.

  • ~日韓比較研究会のこれまでの活動と今後~
    小野 浩幸
    2020 年 16 巻 1 号 p. 1_29-1_34
    発行日: 2020/01/31
    公開日: 2020/03/06
    ジャーナル フリー

    大学等研究機関の研究成果等に基づくイノベーション発現モデルを,高度技術の移転といった視点に加えて,高度な実践的産業人材教育の側面から研究することを目的として,2018年に産学連携学会に日韓比較研究会が設立された.これまで,韓国産学協力学会との連携のもと,日韓両国間の研究者によるワークショップが数回開催され多くの意見交換が行われてきた.これまでの活動を通じた両国の産学連携に関する統計データ比較の結果,韓国の産学連携は急速に進展していることが明らかにされた.この結果を踏まえ,研究会では両国の産学連携体制の違い等の比較を行うための全国調査が取り組まれている.

論文
  • 髙橋 省吾, 真鍋 誠司, 本橋 永至, 岸本 重雄, 萩原 亨, 金 垠憲
    原稿種別: 論文
    2020 年 16 巻 1 号 p. 1_35-1_43
    発行日: 2020/01/31
    公開日: 2020/03/06
    ジャーナル フリー

    海外特許取得に関連する費用は非常に高額であり,間接費として企業収益に大きな影響を及ぼすため,各企業は海外特許費用を管理し,次年度以降にかかる費用を予測して経営戦略に織り込む必要がある.しかるに,費用が発生する時期や回数も発明案件により区々であり,その予測は極めて困難である.このため,各企業は,例えば,前年度の実績を参考に当該年度の海外特許費用を予想するなどの単純な方法に頼らざるをえない.そこで,本研究は,海外特許費用,特に米国における特許費用を,より正確に推定する方法を見出すべく,複数の統計的予測手法を比較検討し,企業実務への適用を図ることを目的とし,研究を行なった.その結果,所定のアルゴリズムを用いて,複数の予測手法の中から状況に最も適した手法を選択することで,将来の海外特許費用をより高い精度で予測する方法を見出し,予測システムの開発に着手することができた.

研究ノート
  • ―華晨BMWの組織間協業と人材育成を中心に―
    趙 美慧
    原稿種別: 論文
    2020 年 16 巻 1 号 p. 1_44-1_55
    発行日: 2020/01/31
    公開日: 2020/03/06
    ジャーナル フリー

    本稿では,中国系自動車メーカーの競争力を向上させる視点から,華晨BMWを代表例としてドイツ系合資系自動車メーカーの現地調達の進行状況を明らかにした.また,華晨BMWの人材育成と確保の取り組みについても概観した.結果として華晨BMWの現地調達は進んでいることが明らかになった.特に開発段階においてはサプライヤーに対する指導や支援がこまめに行われていることが特徴であった.人材育成においては合弁当初から英才教育プログラムやデュアルシステムを導入し,華晨BMWは中国のサプライヤーだけでなく現地の人材育成にも貢献していることが分かった.

事例報告
報告
feedback
Top