産学連携学会北海道支部は2009年に設立されて以来,種々のイベントの企画・開催により産学官金連携の推進に寄与してきている.2017年の第4回東日本リエゾンカンファレンスからは東北・北関東支部に協力し,このカンファレンスの共同での開催を行っている.2018年には支部のウェブサイトを開設し,情報発信にも力を入れている.特に2020年2月にはいち早く新型コロナウイルス感染拡大への対応に関する専用ページを設け情報発信を行った.2022年度に入り「リエゾン交流セミナー」を継続的開催を開始している.今後北海道支部としては,これらのイベント開催,関連組織・団体とも協力を進めることで,北海道における産学連携学の推進に一層寄与できればと考えている.
産学連携学会東北・北関東支部の設立の経緯から,支部会員に意見聴取を行った後,当時どのような趣旨で支部活動を立ち上げ,様々な活動を実施してきたかを取りまとめた.
他支部や,他学会などと連携することにより,支部の活動を活性化する取り組みについて,記載する.しかし,コロナ禍を経て,会員間のコミュニケーションの活性化や会員数の増強など克服すべき課題も多い.新たな支部活動の在り方についても考える.
中部・北陸支部は2021年に設置されたが,新型コロナの影響もあり,本格的な活動に至ってない.中部地区,北陸地区は様々な特色があり,多様性を持つ.今後の活発な活動を検討していきたい.
2009年に発足した関西・中四国支部(B150)について,設立の経緯,活動の状況について述べた.関西・中四国支部では,年1回,研究・事例発表会を主催している.この発表会では,支部の会員を中心に研究成果や取り組み事例を発表し,参加者相互の交流ができるように工夫して行っている.また,会員だけでなく,当該エリアで産学連携の活動を行っている方も発表や参加ができるようにしており,学会への入会のきっかけ作りを行っている.発表内容も産学連携から知財,地域連携,教育など幅広くなり,産学連携の多様化が進んでいることがうかがえる.今後,この多様化に対応して,当支部の活動においても様々な試行が求められる.
2008年に活動を始めた九州支部の設立の背景と活動状況,課題等について述べた。主な活動としては,年に一度のイベントとして,時代に応じて講習会やセミナーを開催している。セミナーでは,その時の新しいテーマを取り上げて講師を招聘し,新たな産学連携活動のきっかけとなるように話題提供を行っている。同時に,産学連携関係者以外も興味を持つようなテーマを選び,聴講者を会員に限定しないことにより,産学連携学会を知ってもらい,入会に繋がるような活動を心掛けている。日々変遷する社会の要求を十分に取り入れ,産学連携活動の活性化を目指すことが必要である。
大学での外部研究資金の現状を明確にし,企業と大学との産学連携,特に共同研究の活発化の課題を検討する一助とすることを目的に,地理的に近い中国,四国地方の9つの国立大学法人(広島,山口,島根,鳥取,岡山,香川,徳島,高知,愛媛の各大学)を対象に,科研費,受託研究,共同研究の受入件数,金額の推移やその関係性についての調査を行った.その結果,①教員一人当たりの件数,②教員一人当たりの配分額,受入額,③一件当たりの配分額,受入額,については,いくつかの指標で正の相関関係が認められ,科研費,受託研究,共同研究が相互に影響していることが明らかとなった.さらに,これらの指標と大学の教員数との関係を調査したところ,教員一人当たりの科研費採択件数,教員一人当たりの科研費配分額,および,受託研究の受入額,一件当たりの受託研究の受入額は,教員数と正の相関関係が認められた.このことは,企業と大学の共同研究を増加させ共同研究の大型化を進めていくためには,各大学において重点化する分野で研究のグループ化を促すとともに研究の陣容や設備を充実させ,基礎研究を十分に行える仕組みが必要であることを示唆していると考えられる.
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