フォークリフトなどの車両系荷役運搬機械とドラグ・ショベルなどの車両系建設機械を利用して行う作業では,作業者と機械の接触, 機械の転倒等に起因する労働災害が依然として多発している.この種の労働災害を防止するために,画像を利用した監視装置(モニタカメラなど)やレーザ式の人体検知装置などの運転支援装置の開発が進められている.しかし,仮にこれらの装置の有効性評価を実機で行った場合は,危険を伴うだけでなく実験条件も限定される.そこで,装置の有効性評価試験を安全かつ効率的に実施するために,車両系荷役運搬機械及び車両系建設機械を対象に,作業時の災害シナリオをバーチャルリアリティ技術で再現可能なシミュレータを開発した.これにより,実機を用いた場合のような危険を伴うことなく,様々な実験条件の下で開発中の運転支援装置の有効性評価試験を安全かつ効率的に実施できるために,開発期間の短縮が可能となる.
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