構造部品, アクチュエータ, セヴサおよび電子回路はロボットの大きさの如何を問わず, その基本的な構成要素である.アクチュエータは駆動・センシング処理回路に制御され.指定された軌道に沿って運動をするように入力を構造部品に与える.したがって.IC製造技術を用いて複数の部品からなるロボット用のマイクロメカトロ部品をうまく作るためには, その構成要素である部品, アクチュエータおよびセンサが通常のIC部品と同様なプロセスと材料で作れることが前提となる.
本論文では, このようなマイクロメカトロデバイスを, ここ2年間における科学技術上重要な飛躍をふまえてレビューする.まず, 最初にマイクロメカトロシステムの現状における定義を述べ, 次いですでに実績のある半, 導体センサ分野にさかのぼりIC技術をベースとしたマイクロメカトロシステムの起源をたどる.ついで, マイクロメカトロシステムで, さまざまな受動部品やアクチュエータの製作に一般的に用いられているシリコン表面のマイクロ加工について述べる.続いて, このIC技術により製作されたアクチュエータ, 特に最近におけるサイドドライブ型静電モータの設計・製造・評価について報告する.ついで部品およびアクチュエータのレビューをふまえて, 平面三自由度ボジショナの設計・製造に関する研究のキーポイントにふれる.最後に, このIC技術をベースとするマイクロメカトロシステムに関する研究分野の将来と方向を展望する.
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